ちょっと前に下書きにしたためていたエントリだけど、せっかくだから供養しようと思う。
「雑誌弱者なのだ」という自覚
普段、雑誌というものをあまり買わない。
漫画雑誌は以前「週刊少年ジャンプ」と「週刊少年マガジン」を毎週買っていたが、今ではもう買わなくなった。
そんな中、2号続けて買ってしまった雑誌がある。
"BRUTUS"だ。
FacebookかInstagramで広告が流れてきて、広告掲載当時の最新号が「№ 999」だと知った。
その特集テーマが「本棚」。
どうやらこの雑誌で「本」を扱うのは恒例らしい。
本が好きなので、本屋に立ち寄った際に買い求めた。
雑誌名をあいまいに記憶していたため、検索用の端末で"POPEYE"と検索して該当の場所に行っても「広告で見た書影に該当する本がない……」と混乱。
その場で検索し、よくよく確認してみると雑誌名を誤っており、正しくは"BRUTUS"だと分かったときは笑った。
発売から日も経っていたので、売り場に残った最後の一冊となった「№ 999」を購入した。
次号は№ 1000のメモリアル号。
普段読んだこともない雑誌だけど、名前は知っている有名雑誌。そのメモリアル号を手に入れたいと、野次馬根性で特集タイトルなどを気にせず買ってみた。
「雑誌とどう付き合うか」という問い
漫画雑誌は頭からお尻までほぼ全ての掲載作品を読んでいたけど、この手の雑誌は通読するのではなく気になった個所をピックアップして読むのが良いのだろうか。
近年、「漫画の読み方がわからない」という世代がいるという話を聞く。
「そんな馬鹿な」などと思ったりもしたが、カルチャー雑誌的なテイストのものに今までほとんど触れてこなかった自分が、「この手の雑誌の読み方を実は知らない」という事実に気づく。
漫画雑誌を除いては、模型雑誌くらいしか雑誌というものを読んでこなかったように思う。
付録目当てで雑誌を買ったこともあったけれど、何か一つの雑誌を定期購読するということはしてこなかった。
この手の雑誌はいつでも手に取れる場所に置いておいて、パッと開いたページに載っている情報を眺めていく。そんな付き合い方がよさそうだ。
まぁ、模型雑誌も全ページ読んでいたわけではなかったもんな。
このエントリを読んでいる雑誌好きの方は、それこそ「何をいまさらそんなことを」と思うかもしれないけれど、思えば雑誌との付き合い方を明文化する機会ってそんなにないじゃない。
そんなわけで、いつも通り長い長い前置きはこのあたりにしておいて、この度「はじめまして」の状態でBRUTUSを2号連続で購入したわけだけど、同誌の1,000号にメモリアル号の特典としてステッカーがついていた。
”BRUTUS”の正体見たり!
そして、そのステッカーを見てハッとした。
「こいつ、『ポパイ』の敵キャラじゃん!」
あ、そういうこと?
雑誌"POPEYE"があって、そのライバル雑誌として生まれたのが”BRUTUS”ってこと?
それなら、僕が冒頭で披露した「雑誌名を間違えた」というエピソードもやむを得ないことだったのかも。
ソースとしては弱いが、両雑誌の関係性を調べていて真っ先に見つかったのはWikipediaの記事。
ja.wikipedia.org
こちらのページにも兄弟誌としての両誌の関係性を説明してくれている。
ブルータス|BRUTUSwww.strawberryandpeoples.com
BRUTUS 1000号の特集は「人生最高のお買いもの」。
さて、自分にとってそれは何だろうかと考えてみる。何かなぁ。
僕の「人生最高のお買いもの」
パッと思い浮かんだのは、PILOTの万年筆”CUSTOM742”と、デザインフィルの手帳”TRAVELER'S notebook”。
CUSTOM742は、浪人時代何度となく通った横浜の東急ハンズが一度閉店する際に足を運び、高級文具コーナーで安売りをしていた品を購入した。
僕が足を運んだタイミングではすでに商品がだいぶ減っていて、ニブの選択肢があまりなかった。
残っていた中で最も細いSM(中字・軟)を選択。社会人になるタイミングで購入し、10年以上使い続けている。
本当は手帳用にもっと細字のニブを求めていたものの、10年以上の付き合いになったことで今や太さも含めて「これだよこれ」と感じるし、「これじゃなきゃダメ!」とも感じる。
TRAVELER'S notebookは、文房具に興味をもって文房具ブロガーのブログをサーフィンしていた時に見つけた。
使い続けることで魅力を増す革製品。「革を使った手帳」というとシステム手帳が代表的だけど、毎日持ち歩くものなのに金具が重いという弱点がある。
トラベラーズノートは金具による不要な重量もない一方で、革を育てる楽しさも味わえる。
何よりも、僕はこの商品を含めたTRAVELER'S COMPANYの提示する世界観が好き。
www.travelers-company.com
東京駅にもお店を出しているけれど、時間の都合つく人は是非中目黒の店舗"TRAVELER'S FACTORY"に行ってみてほしい。
www.travelers-factory.com
真新しいピカピカの建物じゃないのに、古さが「美しい」と感じられる空間なのが素敵。
時間の経過によって物質に訪れる変化を「劣化」ではなく、味わいを増すために必要なものとして受け入れているような、そんな空間。
この哲学はこのブランドの商品にも通底した思想で、ブランドのフィロソフィーを体現した空間で商品を眺める喜びは、ネットショッピングでは到底得られないものだ。
僕は仕事用の手帳は毎年別途用意し、トラベラーズノート(レギュラーサイズ)のウィークリーリフィルを日記代わりに愛用している。
社会人になってからは日記がとにかく続かなくて、毎年のようにトラベラーズノートを買っては2~3ページだけ書いてその年は利用停止。全然ページが埋まらないノートに、そして埋められない自分自身に恨めしい感情を抱いては「今年こそ」とリフィルを買い足す生活を続けてきた。
しかし、23年は毎日の記録を残すことに成功した。1週間前のことを思い出して書くようなルール違反も正直しているけれど、とにかく続いたということは自分の中で自信になっていたりする。
24年も日記は継続中。
トラベラーズノートのリフィルは万年筆の使用に適した「MD用紙」を採用している。これは「ミドリダイアリー用紙」の略で、万年筆のインクをしっかりと受け止めて裏写りさせない非常に性能の高い用紙で、万年筆ユーザーにとっては大変ありがたい仕様だ。
また、一口に「万年筆」と言ってもインクによってその性質は様々。
LAMYのインクで書いたときは、インクが紙の表面に完全にはなじまないような,、紙の上に「乗る」ような感覚の一方、PILOTのインキ(パイロット社は所謂インクを「インキ」と呼称するため、以下「インキ」とする)はMD用紙に美しく「吸い込まれる」ような感覚。
前者のインクは筆記後も紙の上でキラキラとした雫感・光沢感が残る。完全にしみこまないような状態が継続するので、筆記後も手の水分でインクがにじむ。
一方、後者のインキは紙に吸収され、筆記後からは光沢が消えてマットな質感に変わる。
PILOT CUSTOM742(とPILOT純正インキ)とTRAVELER’S notebookは単独でも素晴らしいプロダクトだが、「このコンビが最高だ!」と感じられる、僕にとってむにの組み合わせ。
そんなわけで、僕の「人生最高のお買いもの」は、一つだけでは完結しない。
PILOT CUSTOM742とRAVELER'S notebookのコンビが、僕にとって最高のお買い物の一つかな。