2月22日(土)〜24日(月)の3連休、ちゃん嫁の「連休だし出かけたい」という言葉を受けて1泊2日の旅行に出かけた。
普段は日帰りで行く場所に1泊したため、時間に余裕があった。
そんな訳で、以前から「ここにブティックがあるな」とその存在は知っていたものの、立ち寄ったことのなかったTUDORの路面店にお邪魔した。
以前からHPで良いなぁと思っていたモデルを実際に見てみたら、案の定良かった。
そして、暫く「時計アンテナ」のエントリを書いていなかったなと気づき、書いてみることに。
昨今腕時計の値上がりペースがすごいので、このエントリを書いた時点の価格も書き記しておこうと思う。
TUDORって何?
「いつのまにか“チュードル”から“チューダー”に。」そう思ったあなたは多分古参腕時計ファン。
2017年にシンガポールに行った際にブティックを見つけ、「良いなぁ……日本には専門店ないもんなぁ」と思っていたのも今は昔。
日本には2018年に公式代理店が出来、それまで国内で使われてきた「チュードル」という呼称から「チューダー」に呼称を改めた。
時計に詳しくない方向けに説明をしておくと、TUDORはROLEXの普及版として誕生した時計ブランド。
SEIKOからGRAND SEIKOという高級ラインが誕生したように、広く普及しているブランドから高価格帯のブランドが誕生する方が馴染みが深い。
普及目的のセカンドラインが生まれるのは珍しいのではないだろうか。
ましてや、そんな出自を持つブランドが独立したブランドを確立するとなると、一層珍しいことだと思う。
そんな来歴もあって、アンティークのTUDORの中には、フェイスはTUDOR・リューズはROLEXというモデルがあったりする。
堅牢なボディ、重厚かつ高級感のあるルックス。
オイスターケースなど、一部にROLEXと同じパーツを使いながらも、(高騰の一途を辿り、投機対象としての認知度ばかりが上がっていく今のROLEXのプライスゾーンではなく)かつてのROLEXに近い手の届く価格帯で、出来のよいモデルが手に入るのがTUDORの良いところ。
「ROLEXの弟分」ブランドのミニマルなタイムピース 〜 TUDOR ROYAL34 mm ブルーダイアル〜

https://www.tudorwatch.com/ja/watches/tudor-royal/m28400-0006
www.tudorwatch.com
350,900円
このモデルを目当てに訪問。
試着してみたらめちゃくちゃ良かった……
深い青色に惹かれて試着したが、光の当たり方で表情を変える文字盤の美しさは液晶画面で見る以上の感動だった。
液晶画面越しでは、「実物はベゼルの凹凸がうるさいかも」と思っていたが、つけてみると案外気にならない。
手首に吸い付くように寄り添ってくれるブレスの出来も大変良かった。
持っている時計がどれも40mm以上なので、ケースサイズ34mmのこのモデルはラインナップに是非とも加えたいところ。
TUDORは、ブランドのアイコンとしての機能とルミノバ塗料が目立つようにという実用面の機能から時針が特徴的な形をしている。
こんな風に。

https://www.tudorboutique-by-glorious.com/collections/black-bay-chrono/products/m79360n-0007
僕はチューダーのこの時針がとにかく苦手なので、ROYALのシンプルな針とシンプルなインデックスは大変好印象。
堅牢なケースにセクシーな文字版というバランスが素敵だ。
手首から漂うエレガンス。男女問わず使えるドレッシーなタイムピース 〜CLAIR DE ROSE 34mmブルーダイアル〜

https://www.tudorwatch.com/ja/watches/clair-de-rose/m35800-0009
www.tudorwatch.com
403,700円
全くのノーマークだったけれど、「こんなものもありますよ」と店員の男性が出してくれたのがこちら。
文字盤の立体感が兎に角美しい。
ウィメンズウォッチではあるものの、男性もつけることの出来るデザインだと思う。
リューズにストーンがついていたり、丸いケースデザイン、インデックスがローマ数字であることなどから、全体的な印象はロンド マスト ドゥ カルティエを想起させる。
https://www.cartier.jp/ja/商品カテゴリー/時計/全ての時計/ロンド-ドゥ-カルティエ-ウォッチ/ロンド-マスト-ドゥ-カルティエ/wsrn0033-ronde-must-de-cartier.html
ROYALで感じたブレスの出来の良さはこのモデルも同様。
ドレスウォッチ色が強い分コマの一つ一つが小さいので、手首への追従性という意味ではむしろこちらのモデルの方に軍配が上がる。
文字盤を見れば分かるとおり、TUDORのロゴは盾を模したもの。だが過去には文字盤に薔薇のロゴを備えたものがあり、その薔薇のロゴのサイズにも大小がある。
アンティークウォッチ市場では薔薇のロゴの大きなモデルを「デカバラ」と呼んだりする。
“CLAIR DE ROSE”という名前の通り、このモデルにも薔薇の意匠が施されている。
それがこのバックル部分。

これは好みが分かれるところかも知れないが、僕としてはブランドの歩んできた歴史を感じられるアイコンなだけにアリだと思う。
青と緑の中間色はトレンドの新定番となるか? 〜タグ・ホイヤー カレラ デイト ターコイズ〜

https://www.tagheuer.com/jp/ja/タイムピース/コレクション/タグ・ホイヤー-カレラ/36-mm-キャリバー7自動巻/WBN2316.BA0001.html
www.tagheuer.com
495,000円
TAG Heuerカレラの新作カラー。
十数年前に青文字版は定番となり、緑の文字版が話題になったのも今は昔という感じがする。
ターコイズブルーはそんな二つの色の中間色ともいえ、トレンドを掴みながらも流行の一歩先を行く印象を与えるだろう。
こちらも実物を試着したことがあるが、小ぶりながらも色のおかげで存在感のある素敵な時計だった。
着脱のためにバックルのロックを外すと、ロゴが2つに分かたれるという仕様も良い。

https://www.tagheuer.com/jp/ja/タイムピース/コレクション/タグ・ホイヤー-カレラ/36-mm-キャリバー7自動巻/WBN2316.BA0001.html
TAG Heuerとは、クォーツショックで経営難に陥ったHeuer社にTAGグループが救いの手を差し伸べ、社名を現代の“TAG Heuer”としたと言う歴史を持つ。
TAG Heuerのロゴを見れば、盾の上半分にTAG、下半分にHEUARと書かれているのが分かる。
その歴史を知っていると、バックルでロゴが上下に分かれるのも粋な計らいだと思う訳だ。
ダイアルは色が美しいだけでなく、仕上げも美しい。
そして、バックルにはファンにだけ伝わる一工夫が加えられている。
人とちょっと違う色合いのタイムピースを求めるコアな時計ファンにピッタリの一本。
10万ちょっとで手に入るクロノメーター規格モデル 〜TISSOT ヘリテージ 1938 オートマティック〜

https://www.tissotwatches.com/ja-jp/T1424641603200.html
www.tissotwatches.com
129,800円
このモデルの存在を知ったのは昨年。
値段を見てから文字盤を見て“CHRONOMETRE”という表記に目を疑った。
CHRONOMETREは「クロノメーター」と読み、姿勢差(時計を垂直に立て、文字盤の12時の位置を、上下左右、地面と水平にして文字盤を上・下……と、姿勢に差を設けて測定)、温度差の条件下で、日差が-4〜+6秒に収まる制度の時計をクロノメーター規格の時計というのだ。
検定には費用もかかることから、この規格を名乗るモデルは高額なモデルが殆どだ。
安価なモデルでも精度の高いモデルは多数存在し、「検定は受けていないながらも、クロノメーター相当の精度を有している」と言われるようなモデルも多い中、TISSOTは検定を突破して10万円そこそこで販売するという偉業をやってのけている。
レザーベルトとミラネーゼベルトを気分に応じて付け替えることが出来る点も、値段以上に楽しめるポイントとして非常に魅力を感じる。
TISSOTの時計は今まであまり自分の中でピンと来ていなかったのだが、「クロノメーターでこの値段!」というのはやっぱり強烈な引きがある。
パワーリザーブは38時間。
ここはもう少しリザーブ時間が欲しかったとは思うものの、デイト機能のないシンプルな三針モデルなので針が止まることによる影響は最低限だし、別に良いか。
このモデルの良いところの一つはTISSOTのロゴが旧ロゴなところ。
今までTISSOTがピンと来なかったことの理由の中には「ロゴが野暮ったい」というのもある。
旧ロゴは色気があって良い。
また、個人的な好みではあるものの、アラビア数字のインデックスはちょっと苦手。
このシンプルなフェイスデザインはローマ数字の方がマッチするのでは無いかと思うんだが……
ミラネーゼベルトを装着している方がインデックスが目立たないことに気付く。
一方、革ベルトだと、インデックスと同じブルーの色合いから文字盤の中でインデックスが浮き上がって見える。
https://www.tissotwatches.com/ja-jp/T1424641603200.html?gQT=2
前者は時計が全体としてシルバーの印象となり、後者は時計全体の印象がブルーに振れる。
それによって(僕の苦手な)アラビア数字のインデックスが目立って見えたり、目立たなくなったりする。
やっぱり腕時計って面白いな。
価格からは想像できない文字盤の立体感に酔う 〜TISSOT ティソ ル・ロックル 20周年記念モデル〜

https://www.tissotwatches.com/ja-jp/T0064071103303.html
www.tissotwatches.com
107,800円
ヘリテージ1938と同じTISSOTのタイムピースで、僕好みの一本があった。
清潔感のあるフェイスとローマ数字のインデックスがめちゃくちゃマッチしているし、リッチな膨らみを讃えた時針と分針のシルエット(リーフ針)もセクシーだ。
クロノメーター規格でないことはちょっと残念だけど、全体の印象としてはこちらのモデルの方が好み。メタルブレスはミラネーゼベルトよりも高級感があるし。
ただ、全体的に色気を感じる文字盤の中で、TISSOTの野暮ったい現行ロゴと、6時位置のダサいフォントの“POWERMATIC80”が残念。
パワーリザーブ80時間という機能は素晴らしいと思うし、それを誇らしげに記載するのは結構なんだけど、もうちょっと意匠性の高い書体にできないものだろうか……
が、気になるのはここくらいのものでそれ以外は実に美しい。
特にインデックスが文字盤に落とす影と、ダイアルの内側に施されたクルー・ド・パリ模様のギョーシェ細工がもたらす立体感が凄い。

https://www.tissotwatches.com/ja-jp/T0064071103303.html
あ、これ良いな。
凄く良い時計な気がする。
ちなみにケース裏側の装飾性も非常に高い。

https://www.tissotwatches.com/ja-jp/T0064071103303.html
うーむ。ここはもうちょいシンプルで良いな。
ここまでの装飾性は求めていない。見えない部分だから良いけれど。
静寂の色と共に「世界初の電池式腕時計」を纏う 〜HAMILTON ベンチュラ(ブルー)〜

https://www.hamiltonwatch.com/ja-jp/h24301941-ventura-quartz.html
138,600円
ヴェンチュラのオリジナルモデルは金無垢のケースに黒文字盤。
本モデルは文字盤が見慣れた黒から新色の青に変わった訳だが、青文字盤の方が落ち着いた印象を受けるから不思議だ。
ケースと同じ金色のフレックスベルトのモデルもあるけれど、レザーストラップの方が上品で良い。
HAMILTONを象徴するモデルたるヴェンチュラのニューカラーということで発売開始直後から気になっていたモデル。
ヴェンチュラは値上げ前の価格を知っているのでちょっと手を出すのに躊躇してしまうけれど、それでも手の届く価格帯に押さえてくれているのは、時計ビギナーに開かれた存在であろうというブランドのフィロソフィーを感じて好感が持てる。
復刻した「世界初のデジタルウォッチ」は、小サイズモデルで可愛さブースト! 〜HAMILTON アメリカン・クラシックPSR 74ゴールド〜

https://www.hamiltonwatch.com/ja-jp/h52314130-american-classic-psr-74-digital-quartz.html
www.hamiltonwatch.com
135,300円
ウェアラブル端末・スマートウォッチが人口に膾炙した今、デジタルウォッチの行く末には興味がある。
デジタルウォッチと聞いてパッと思い浮かぶのは、TIMEXやCASIO。
ただし、 ホームセンターでもどこにでもチープカシオが吊しで、小学生のお小遣いでも買える値段で置いてある日本で、敢えてTIMEXを買うだけの動機があるひとはどれくらいいるだろうかとは思うのだ。
「アナログよりもデジタル派」という人が、セレクトショップで他のアイテムとの組合せを提示されて買うことはあると思うが。
『イコライザー』のマッコールさんとお揃いの時計としてSUUNTO CORE ALL BLACKを持ってはいるが、SUUNTOという選択肢が一般的かと言われるとそうではない。アウトドア趣味の人を除き、ブランドを認知している人自体が少数派だろう。
やはり、デジタルウォッチのファーストチョイスはCASIOのG-SHOCKなのではないかと思う。
G-SHOCKには高級ラインの商品もあるが、「G-SHOCKではないデジタルウォッチで、高級感のある一本が欲しい」となった場合は?
こうなると、実は選択肢が極端に少ない。
もともと選択肢が限られる上に、「○○万出すならスマートウォッチで良いじゃん」となってしまうことも、昨今この商品群の展開を難しくしている要素だと思う。
前段が長くなったが、HAMILTON PSRは、「高級ラインのデジタルウォッチ」の最有力候補として推したい。
今回のモデルは、従来モデルの41×35mmから一回り小さくなった31×26mmサイズ。
男性でも女性でも着けやすいサイズ感になった。
金時計は嫌味な感じがして嫌だという意見もあると思うが、これは男性が「時計機能がついたブレスレット」というアクセサリー感覚で身に着けるのが良いと思う。
職場がそれを許してくれないような環境なら、休日に遊び感覚で着ける時計と割り切ってしまうというのも良い。「休日にセットアップを着たいけれど、“気合い入れすぎ”と思われたくないからセットアップのカッチリ感を打ち消したい」みたいなシチュエーションなど、本機がピッタリじゃないだろうか。
ジーンズにヘビーウェイト白Tみたいなスタイルにこの子をチョイスするのも良いかも。
ちなみに、「ハミルトン・パルサー」だと思っていたが、HPの何処にも「パルサー」という表記がない。
何故だろうと思って調べてみたら、「パルサー」という名称は遙か昔にHAMILTONからSEIKOに売却されていたらしいことを知る。
www.rasin.co.jp
グラデーションが生む表情の豊かさが、ハズしとシックな佇まいを両立 〜OMEGA SEAMASTERAQUA TERRA 150M(ターコイズ)〜

https://www.omegawatches.jp/watch-omega-seamaster-aqua-terra-150m-co-axial-master-chronometer-41-mm-22010412103006
www.omegawatches.jp
1,023,000円
価格帯がグッと上がってOMEGAシーマスター。
TAG Heuerカレラと同じくターコイズブルーのカラーリング。けれど、その印象は大きく異なる。
ターコイズブルーからブラックに変化するグラデーションカラーのダイアルが美しい。
定番のブラックダイアルモデルだと、分針の主調が強く感じてあんまり好きじゃないんだけど、このモデルは分針の印象が大分和らいで良い。
アクアテラは、防水時計としての出自を持つシーマスターの中で、ドレスウォッチとしての使用を想定して作られたモデルなので、ダイバーズウォッチによく使われるアローハンド( 矢印形の針)が使われている理由は分かる。
が、冒頭のTUDORでも述べたとおり、僕はシンプルな針が好き。
時計の針には、時を指し示す最低限の視認性さえあれば良いと思っている。
航空機を操縦したり、深海に潜ると言った命に関わる事態に直面することはないし。
シーマスター アクアテラという大人気モデルだからこそ出せたカラーバリエーション。
最新トレンドを掴みつつ、ハズしすぎないセンスの良いチョイスとして検討したい一本。
前回:
eibunkeicinemafreak.hateblo.jp
各モデルのweb魚拓:
魚拓取っておこうかと思ったけれど、画像が引用できないブランドがあるみたい。
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