映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

2022年3人目:華村 あすかさん/熊崎風斗アナ オススメグラビアアイドル(2022/01/17)

クマスが毎週おすすめするグラビアアイドルをアーカイブしようという記事第3回。

 

華村あすかさん

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今月末に初の写真集刊行。

刊行に合わせて今多くの写真週刊誌の誌面を飾っている。

普段の清潔感、透明感とは違ったミステリアスな魅力を観せてくれているので要チェックとのこと。

 

ボックスコーポレーション所属。

www.box-corporation.com

 

 

 

前回

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2022年2人目:葦原 海さん/熊崎風斗アナ オススメグラビアアイドル(2022/01/10)

クマスが毎週おすすめするグラビアアイドルをアーカイブしようという記事第2回。

 

葦原 海(あしはら みゅう)さん

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事故で足を失った車椅子のモデル・パフォーマー

パラリンピック閉会式にも登場したことで知っている人も多いはず。

 

 

 

 

前回:

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

2022年1人目:新谷 姫加さん/熊崎風斗アナ オススメグラビアアイドル(2022/01/03)

クマスが毎週おすすめするグラビアアイドルをアーカイブしようという記事。

 

2022年1人目:新谷 姫加(あらや ひめか)さん

 

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グラビア総選挙でも「2021年グラビアシーンで青森県勢が強い」と言ったが、新谷さんも青森県勢。

ゼロイチファミリア所属。

 

 

“DON'T LOOK UP”/『ドント・ルック・アップ』を観た

2022年1月9日。

『ドント・ルック・アップ』を鑑賞した。

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現在住んでいる富山県では公開館が無かったため、自宅での鑑賞となってしまったのが残念。


「コロナ下でこそ観るべき作品」 と評される映画は幾つかあるが、本作はその筆頭と言っても良いだろう。

 


専門家が科学的見地に基いて隕石の接近を叫んでもそれを信じない人々の姿は、これだけ世界中で感染者も死者も出ているのに「新型コロナウイルスは存在しない!」、「陰謀だ!」と、 その存在を否定する人々を暗示しているのだろう。

一方で新型コロナウイルスの存在を否定する「彼ら」は、 本作を鑑賞していてもそのことに気づきもしないのではないか、とも思ってしまった。


人間、自分が信じたいもの以外は知覚することができない。これは 2016年公開の『シン・ゴジラ』 の国会前の大群衆がシュプレヒコールを上げるシーンで、「 ゴジラを倒せ!」と叫ぶ人もいれば「ゴジラを守れ!」 と叫ぶ人もいたにもかかわらず、 観客の多くがその片方の声しか聴き取ることができていなかったと、いう現象からも明かだろう。


そして研究成果と切り離された形で「セクシーな研究者!」 としてマスコミに取り上げられるランドール(ディカプリオ)というのも妙なリアリティを感じた。

現実世界で私たちが今まさに直面している新型コロナウイルスも、紛れもなく人類史における脅威だが、「巨大隕石の接近」 という人類どころか地球上の大半の生命が死滅しかねないような一大事に於いても、人類は団結することが出来ず、 世紀の発見をした研究者のルックスを話題に盛り上がる程に愚かなのだ。

 

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映画の中だから笑って観ることが出来るが、コロナが日本で蔓延し始めた頃に「大阪府知事がイケメン!」 などと、コロナ対策とは関係のないところで盛り上がる日本人の姿を見てし まっただけに、 作中で起きていることは現実と地続きなのだと恐怖を覚えた。


本編だけでも一本の映画として十分に面白い作品だが、 本作の白眉は何と言っても本編終了後の数分間だろう。

 

地球を離れ隕石衝突を免れたごく一部の人間は長い旅路の果て、生存に適した環境を発見。人類は遂に未知の惑星に降り立つ。

コールドスリープから醒め、宇宙船から下りてくる人々。しかし列を成すのは老人、 老人、また老人。

「人類という種の保存」を目的としたテラフォーミングであれば、 若く健康な肉体を持つ若者を地球脱出のメンバーとして選出するのが最も適しているのは誰にとっても明かだ。しかし、 世界中の富と権力の中枢にいるのは悉く老人達。

「権力者が隕石衝突の厄災を逃れるため」という、 彼らにとって目の前の目的を果たすためには、人類という種の存亡すら切り捨てられるのだ、そしてこれはスクリーンの向こう側の「笑える話」 などでは決してないのだ、現実に隕石衝突の危機が訪れたとき、 人類は同じ道を辿る可能性があるのだ、と思うと寒気がする。


そして「人類の人口の1%の人々が世界中の富の約4割を独占している」 というニュースを思い出したとき、視聴者の殆ど全員が、 映画と同じ境遇に立てば、 地球と運命をともにすることになる側でしかないのだと気づかされる。 これは心中穏やかではない。

しかも隕石衝突を回避するチャンスがあったにもかかわらず、 ある企業のトップの一言で人類は千載一遇の機会を無駄にしてしまう。

ある特定の企業が、 時に国家すら動かすパワーを持つことを我々は知っている。 言うまでもなく、この一連のシークエンスはGAFAに代表される一部の企業に富や技術が集約されることへの警鐘だろう。

本作で示された警句を無視することなく、 僕ら一人一人が権力の暴走を監視するウォッチメンとしての役割を果たさねばなるまいと強く感じた一作だった。

 


最後に一言。

大傑作“GRAVITY”に対し『ゼロ・グラビティ』 という邦題をつけた配給会社を僕は未だに許すことが出来ないが 、本作に対してNetflixが『ルック・アップ』 という邦題をつけられなくて良かったな、とつくづく思いましたとさ。

 

あと、マーク・ライランスが本作で演じた役もその話し方も『レディ・プレイヤー・1』のジェームズ・ハリデーを彷彿させるもので、そこも個人的に面白かった。

 

2021年の映画を振り返る 自宅鑑賞編

先日、2021年に劇場で鑑賞した作品の振り返りを行ったが自宅で鑑賞した作品の振り返り。

 

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2021自宅鑑賞作品の内、同年公開作品はこちら

 

2021年に公開された作品の内自宅で鑑賞した作品はこちら。

 

○1本目 1/1 “The Boys in the Band”/『ボーイズ・イン・ザ・バンド』ー

 『ビッグバンセオリー』が好きで、シェルドン役のジム・パーソンズ主演作の本作を観てみたが……あんまりハマらなかったな。

 

○2本目 1/2 “The Lord of the Rings: The Two Towers”/『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』7

 2020年から実は触れてこなかった本シリーズを観てみようと鑑賞開始。作品時間の長さから敬遠していたけど、ちゃんと面白いぞ。

 

○3本目 1/6 “Miss Peregrine's Home for Peculiar Children”/『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』6

 普通って感じ。

 

○4本目 1/8 “기생충”/『パラサイト 半地下の家族』8

 劇場公開時以来の鑑賞。自宅鑑賞でも傑作だった。

 

○5本目 1/9 “The Lord of the Rings: The Return of the King”/『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』6

 一大 大河シリーズ最終作。鑑賞時間の長さに耐えたらちゃんと感動があって良かった。

 

○6本目 1/11 “The Burning Plain”/『あの日、欲望の大地で』6

 シャリーズ・セロン、死ぬほど好き。親子関係は時に呪いにすらなりうる。

 

○7本目 1/18 “Citizen Kane”/『市民ケーン』4

 名作の誉高い一作だけど、俺にはあんまり……新聞王ケーンが死の間際に残した“Rose bud”の意味が分かったときはグッと来た。

「若い頃ナースは美人と決まっていた。それが今は……」という台詞は現代には許されない台詞よね。

 

○8本目 1/22 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』8

 劇場初鑑賞時TV版との違いに戸惑いつつも大興奮だったのを思い出した。大好き。

 

○9本目 1/29 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』7

 劇場鑑賞時は全然好きじゃなくて生涯一度しか観ていなかったけど、シン・エヴァ公開前に見返してみたら大好きな一作になっていた。

 

○10本目 1/30 “The Prom”/『ザ・プロム』6

 約1年後の2022年1月9日現在、ほとんど忘れている笑 かつての名シンガーをプロムに呼ぶ、みたいな話だっけ?

 

○11本目 1/31 『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』3

 日本特撮界の大傑作と聞いていたが今ひとつハマれなかった。「特撮怪獣映画」というフォーマットで娯楽作だけではない、ドラマ性をメインにした作品を作ることが出来ると世間に示したのは大きいと思う。

 

○12本目 2/5 『名探偵コナン 時計仕掛けの摩天楼』7

 プロット段階から原作者の青山剛昌先生が絡んでいるだけあってメチャクチャ話がよくできている。ゲストキャラに頼らない作劇のうまさに痺れる。

 

○13本目 2/6 “The Internship ”/『インターンシップ』7

 オーウェン・ウィルソンのファンということを差し引いてもめちゃくちゃ面白い作品だと思う。ちょっとおバカなオジさんの活躍する作品が最近はツボにハマる。

 

○14本目 2/7 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』5

 特撮は良かった。ストーリーラインはあんまり。

 

○15本目 2/14 『ザ・マジックアワー』7

 面白い方の三谷幸喜作品という感じ。良い意味での軽さが作品の出来に奏功している。

 

○16本目 2/17 “Saving Mr. Banks”/『ウォルト・ディズニーの約束』5

 2022/01/09時点でほとんど覚えていないので多分お気に入り度で言えばその程度の感じ。

 

○17本目 2/22 “The Invisible Man”/『透明人間』9

 メチャクチャ名作でしょこれ。劇場鑑賞しなかった自分を呪う。

先天的な能力ではなくテクノロジーによって得た透明化能力の方がよっぽど怖い、と言うのは新たな観点だった。

 

○18本目 2/27 『新世紀エヴァンゲリオン シト新生』7

 シン・エヴァ前に鑑賞。

 

○19本目 2/28 『新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に 』8

 同じくシン・エヴァ前の予習感覚で。90年代セルアニメ、好き。

 

○20本目 3/21 “GHOST BUSTERS”/『ゴーストバスターズ』6

 実は名作なのに観てなかった作品を観てみようシリーズ。面白かった。

 

○21本目 3/28 “THE GOONIES”/『グーニーズ

 微妙。コリー・フェルドマンは良い。

 

○22本目 4/2 『ハウルの動く城

 あんまりピンときていなかったけど今や大好きなジブリ作品に。

 

○23本目 4/9 『ゲド戦記

 地上波放送で初めて観た時に余りに面白くなかったので原作読んだけど原作がそもそも面白くなかったという作品。

 

○24本目 4/15 『名探偵コナン 世紀末の魔術師』

 「バルシェ、肉買ったべか」という台詞、所見時からずっと覚えている。プロットもよくできた良作だと思う。

 

○25本目 4/16 『名探偵コナン 異次元の狙撃手』

 暗黒期コナン映画にあって割と好きな作品。

 

○26本目 4/17 『名探偵コナン 迷宮の十字路』

 EDがコナン主題歌史上最も好きな一曲だったりする。作劇の都合にキャラが動かされておらず、自然な動きをしているのも好きな点。

 

○27本目 4/18 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

 ハサウェイ予習のため鑑賞。やはり大好きな一作。人類への絶望と希望が交差するラストのシークエンスは最高の一言に尽きるな。

 展開は早いが視聴者が振り落とされない最低限の気遣いを感じる速度感、ドライブ感は編集のうまさで知られる富野由悠季監督の真骨頂か。

 

○28本目 4/18 『名探偵コナン 漆黒の追跡者』

 「何者なんだ……」

 

○29本目 4/19 『名探偵コナン 探偵達の鎮魂歌』

 石田彰の演じる白馬探君が良いですね。スペシャル回と劇場版にしか登場していないのに存在感抜群の白馬君いいっすね。

 

○30本目 4/23 『名探偵コナン 天国へのカウントダウン

 劇場版コナン史上に残る作品だけにやっぱり好き。哀ちゃんのカウントダウンの発声のキレが好きです。

 

○31本目 4/24 『名探偵コナン 11人目のストライカー

 声優の演技ってすごいんだなと実感できるJリーガーの演技は必聴。率直に言ってノイズでしか無い。 

 

○32本目 5/2 『名探偵コナン 水平線上の陰謀』

 おっちゃんが格好良い作品。山寺宏一榊原良子というゲスト声優の豪華さも随一。

 

○33本目 5/5 “LIFE IS BEAUTIFUL”/『ライフ・イズ・ビューティフル

 あまりにも残酷な作品。

 

○34本目 5/8 “3:10 TO YUMA”/『3時10分、決断のとき

 コロナ禍で自宅鑑賞映画のおすすめを尋ねた際友人に勧められた一作。西部劇が好きなこともあって非常に気に入った作品。

 

○35本目 5/15 『名探偵コナン から紅の恋歌

 劇場公開時以来となる鑑賞。吉岡里帆さん。

 

○36本目 5/16 『名探偵コナン 緋色の不在証明』

 総集編なので期待はしていなかったが、予想通り山も谷もない感じ。編集の妙味みたいなものも感じなかったな。

 

○37本目 5/21 “ALADDIN”/『アラジン』 ※実写版

 ナオミ・スコット美人すぎる。

 

○38本目 5/23 “TITANIC”/『タイタニック

 実は初めて観た。
ロミオとジュリエットの構造を踏襲した悲恋を豪華な衣装と音楽が彩る。
石田彰の吹き替えはやっぱり良い。

階級違いの恋物語からパニックムービーにシフトしていく様が素晴らしい。

 

○39本目 5/28 “STAND BY ME”/『スタンド・バイ・ミー

 不急の名作。小学生の頃からずっと大好きな一作。

 

○40本目 5/29 “I LOVE YOU, MAN”/『40男のバージンロード』

 パッとしない男の役にポール・ラッドがばっちりハマっていた。アメリカは恋人がいないと生きるのが辛そうだなと思っていたけど、親友がいないのも辛そうだなと思った。

 

○41本目 6/4 “GREEN BOOK”/『グリーンブック』

 劇場で見て大好きな一作。ちゃん嫁が未視聴だったので一緒に鑑賞。

 

○42本目 6/21 “HOT FUZZ”/『ホット・ファズ ー俺たちスーパーポリスメン!ー』

 都会でエリート警官だったサイモン・ペッグが田舎に来てやる気のない同僚たちとどう頑張って行くかという話。どうしようもないバカ作品のような雰囲気を漂わせておいてかなりゴア描写もあるというアンバランスさが良い。

 

○43本目 6/25 “PETER RABBIT”/『ピーターラビット

 ドーナル・グリーソンの一人芝居うますぎワロた。

 

●44本目、45本目、46本目 6/26、7/2、7/2(二度目) 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

 2021年マイベスト3。最高の作品で劇場限定のBDも買ったので繰り返し視聴した。

 

○47本目 7/9 『バケモノの子』

 悪い時の細田監督作品。渋谷に縁のある人生だったのでリアルな渋谷の描写は評価できる。

 

○48本目 7/16 『サマーウォーズ

 良い方の細田監督作品。文句なしに面白いと思う。大学生の頃友人宅で鑑賞してボロ泣きした。

 

○49本目 7/22 “EL CAMINO: A BREAKING BAD MOVIE”/『エルカミーノ: ブレイキング・バッドTHE MOVIE』

 ブレイキング・バッドを楽しんだ後に一息で鑑賞した。TVシリーズの方が面白いけどこれも悪くない。

 

○50本目 8/6 『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄』

 あまり心動くことのない作品だった。

 

○51本目 8/7 “JAWS”/『ジョーズ

 実は観たことのなかった名作。古さも感じず、モンスターパニック・スリラーの古典としてちゃんとも白かった。

 

○52本目 8/9 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』

 これも実は一本通しで観たことのなかった作品。皆が好きなのも分かる。が、涙腺ゆるゆるマンとして知られる僕に涙は流れなかった。

 

○53本目 8/13 『もののけ姫

 大好き。何度見ても面白い。

 

○54本目 8/14 “JOKER”/『ジョーカー』

 劇場鑑賞以来の再鑑賞。アメコミヒーロー作品が嫌いなちゃん嫁もヒーローが出てこない本作は気に入ったみたい。

 

○55本目 8/22 『孤狼の血

 LEVEL2鑑賞前の復習として。やっぱり良い。

 

○56本目 8/27 『風立ちぬ

 2013年の公開以来観ることができていなかったけど、二度目の鑑賞。初見時よりも好きになったなぁ。

 

○57本目 8/28 “SE7EN”/『セブン』

 七つの大罪をモチーフにした凄惨な事件お謎を解いていく作品。ラストの展開は斬新だった。

 

○58本目 9/2 “SPIDER-MAN"/『スパイダーマン

 スパイダーマンNWH前にシリーズを一通り履修しようと鑑賞。良い作品。ウィレム・デフォー大好き。

 

○59本目 9/3 “SPIDER-MAN 2"/『スパイダーマン2

 ドック・オック良いわ〜。本作はやっぱりあの鉄道のシーンが最高よね。

 

○60本目 9/3 “SING”/『SING/シング

 色んな主人公がいるけど、体はでかいのに気が小さい象の子が自信を得ていく過程が良かった。

 

○61本目 9/3 “JURASSIC PARK”/『ジュラシック・パーク

 不朽の名作。

 

○62本目 9/4 “SPIDER-MAN 3"/『スパイダーマン3

 ヴェノムを封殺する最後の対決が好き。ピーターのイキりダンスがスパイダーバースで拾われたの最高でしょ。

 

●63本目 9/4 “CRUELLA”/『クルエラ』

 101匹わんちゃんのクルエラとは別人だとしか思えない。ヴィランヴィランのままで良いので悲しい過去とか描かないでください。

 

○64本目 9/11 “HUNTER KILLER”/『ハンターキラー 潜行せよ』

 オタクが好きな要素を詰め込んだ作品って感じ。僕も多分に漏れず気に入った。

ハリウッドがドル箱IPの続編ばかり作らせる昨今、これくらいの上映時間で単独作品で楽しめるウェルメイドな「映画らしい映画」って貴重なんだよね、とどこかで聞いたような話をしてみる。

 

○65本目 9/17 “THE LOST WORLD JURASSIC PARK”:/『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

 自然の中で暴れ回る恐竜たちは前作で描かれていたけど、街中で暴れる恐竜が楽しめる本作。

 

○66本目 9/24 “THE NEW MUTANTS”/『ニュー・ミュータント』

 映画館で観なくて良かったな……金払って観てたら怒っていたと思う。

瞬間最大風速がでかかったら評価も変わったのかもしれないけど、待てど暮らせど突風が吹いてこなくて弱い風が吹き続けているだけだった。ド級の風を待ってたんだけどな……

 

○67本目 9/25 『鬼滅の刃 無限列車編』

 地上波放送で見返してもやっぱり楽しい!

けど、音響含めての感動だから劇場鑑賞時ほどのインパクトはなかった。やっぱり劇場で観るに限る、という当たり前の感慨。

 

○68本目 10/1 『SP THE MOTION PICTURE 野望篇』

 久しぶりに観た。堤真一好き。

 

○69本目 10/8 “CASINO ROYALE”/『007/カジノ・ロワイヤル

 NTTD鑑賞前の予習として。スパルタンな雰囲気もソリッドな空気感も格好良い一作! 

 

○70本目 10/9 “MERRY CHRISTMAS, Mr. LAWRENCE”/『戦場のメリークリスマス

 実は観たことのなかった名作を観てみようキャンペーン。坂本龍一のメイクの意味がついぞわからなかった。

 

○71本目 10/17 “QUANTAM OF SOLACE”/『007/慰めの報酬

 007って初期の4作品を観ただけだと作品ごとに独立した(或いは前作との結びつきがきわめて緩やかな)イメージだったけど、前作からの流れをガッツリ汲んでいるのが新鮮だった。

 

○72本目 10/23 “SKYFALL”『007/スカイフォール

 画の美しさを含めてクレイグボンドシリーズの中で一番好きかなぁ。

ザ・コンサルタントイコライザーのような「多勢に無勢な状況下、自分のホームグランドで敵を待ち受ける戦闘のプロフェッショナル」な展開が好きな人には刺さる作品。

 

○73本目 10/31 “THE GUILTY”/『ギルティ』 ※Netflix

 劇場版が好きだったので観てみた。こちらも良いね。

とは思うが、敢えてリメイクした意味もあまり感じられない作品だったかなぁ。

この短いスパンでリメイクするのなら何かしら新しい試みをするべきだと思うけど、本作に於いてはそう言った新機軸は見出せなかったなぁ。

プロットが良いからNetflix版が「初めまして」な人なら十分楽しめると思うけど。

 

○74本目 11/3 “SPECTRE”/『007/スペクター』

 世界を、イギリスを守るというイデオロギーを信奉してきたボンドがイギリス政府に巣くう闇と対峙するストーリーは良かった。007弱者なので勝手にこのシリーズはジェームズ・ボンドという役職を色んなエージェントが引き継いでいくストーリーだと思っていたら、本作のラストがシリーズ最初期から登場しているキャラに繋がっていくのだと分かって感心した。

 

○75本目 11/3 “FIELD OF DREAMS”/『フィールド・オブ・ドリームス

 実は観ていなかった名作を観てみるシリーズ。オードリーのANNで若林が本作のことを一時期毎週のように話していて気になった。登場する選手のことをもっと知っていたら一層楽しめたんだろうな。

謎解きというか要素を一つ一つ紐解いていくストーリーテリングの丁寧さは好印象。

 

○76本目 11/14 “THE MATRIX”/『マトリックス

 実は観ていなかった名作を観てみるシリーズ。レザレクション前に予習しようと観てみた。2022/01/10現在まだ観ていないけど。 

 

○77本目 11/20 “LITTLE WOMAN”/『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

 劇場鑑賞したかったけど観ていなかった作品。安易に焼け木杭に火がついた的な展開にしなかったのがやっぱよいよね。

 

●78本目 11/21 “RED NOTICE”/『レッド・ノーティス』

 ガル・ガドットがあまりに美しくてこのキャラを演じることに納得感を与えていた。ライアンはちょっと残念な感じの役にハマるなぁ。


○79本目 11/23 “CENTRAL INTELLIGENCE”/『セントラル・インテリジェンス

 ロック様出演作2連発。ケヴィン・ハートとロック様の共演は『ジュマンジ』でも観られたね。ロック様の優しさあふれる顔立ちと役が合っていて良かった。

 

○80本目 11/28 “WE BOUGHT A ZOO”/『幸せへのキセキ

 スカーレットの出演作ということで劇場公開当初から観たかった作品。

 

●81本目 12/11 “FREE GUY”/『フリー・ガイ』

 本年公開作品が早速配信に来るとは良い時代になった。『トイ・ストーリー』はオモチャたちの生活を視聴者に想像させる作品だったけど、本作観賞後はオープンワールドゲームにおけるNPCの生活に思いを馳せる人が出てくることだろう。

 

●82本目 12/12 『浅草キッド

 軽い気持ちで鑑賞したら大変良かった。当て書きかと思うくらい役とバッチリ合っていた洋ちゃんの演技が良いのはもちろんだけど、柳楽優弥、全然知らなかったけど名優だなぁ。

 

○83本目 12/18 “SPIDER-MAN: HOMECOMING”/『スパイダーマン:ホームカミング』

 NWH鑑賞前の予習。ライミ版、アメスパへのファンの思い入れが強すぎるから公開当初はちょっと否定的な意見も多く見られたけど、僕はめっちゃ好きな作品。

 

○84本目 12/19 “SPIDER-MAN: FAR EROM HOME”/『スパイダーマン:ファーフロムホーム

 公開当初はちょっと期待ハズレかなぁとか思っていたけど、フェーズ4のMCU作品がだいぶ肌に合わなかったこともあって見返してみたら5割り増しくらいで面白く感じた。

 

○85本目 12/24 “HOME ALONE”/『ホーム・アローン

 クリスマス映画といえばこれ。何度見ても面白い。

 

○86本目 12/25 “DIE HARD"/『ダイ・ハード

 クリスマス映画を求めて鑑賞。実は観ていなかった名作を観てみるシリーズ。プロットがしっかりしていてこりゃ続編がいくつも作られる人気作になるわと実感。

 

○87本目 12/26 “LONG SHOT”/『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋

 シャーリーズ・セロンセス・ローゲン、どっちも好きなので観てみた。良い作品だった。

恋愛観と女性の仕事観がアップデートされたロミオとジュリエット構造。

 

高潔な理想を掲げて政治の舞台に踏み込んだシャーロット。しかし彼女も政治の現場で「政治とは時に妥協を必要とするものである」という現実に阻まれる。

そうやって男性優位のアメリカ政界で海千山千の政治家と静かに闘ってきた彼女が妥協無く選んだ結末は……

 

○88本目 12/29 “LION KING”/『ライオン・キング

 『ジャングル大帝』好きのちゃん嫁は本作を「パクり」と思って今まで観ていなかったらしく、年末を良い機会に視聴してみた。幼少期、家にアメリカ版のVHSしかなかったので初めて日本語版を観たけど、こんな台詞だったんだなと20年ぶり以上に視聴して気づいた。

 

 

以上、「2021年の映画を振り返る 自宅鑑賞編」でした。

 

2021年の年間振り返りに合わせてFilmarksを爆速で更新したのでこちらも合わせてお楽しみください。

filmarks.com

“LAST NIGHT IN SOHO”/『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』感想

年が明けてしまったけど書いてみる。
 
2021年12月12日。
“LAST NIGHT IN SOHO”/『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』を観てきた。
鑑賞途中、ハリウッド版『思い出のマーニー』かと思ったらとんでもない。
後半に進むにつれて畳みかけるように襲いかかるサスペンス演出の数々が滅茶苦茶スリリングだった。
 
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個人的に『ベイビー・ドライバーがオールタイムベスト級に好きな作品なので大いに期待を持って鑑賞したんだけど、最高のトリップ体験だった。
 
ベイビー・ドライバー』でリリー・ジェームズがとても魅力的に描かれていたのと同じくらい、本作においてトーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイという、ヒロインにして主人公の役割を担う女性二人の魅力が余すことなく伝わる作品に仕上がっていた。
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スタートシーンの時点で、観客はトーマシン・マッケンジー演じるエロイーズの虜になること請け合い。
 
物語の序盤はどの時代を描いた作品なのか一見しただけでは分からない。これは明らかに意図された演出だろう。
しかし音楽に並々ならぬこだわりを持つエドガー・ライトらしく、音楽に関連する「とあるアイテム」が画面に映ることで本作の時代がいつであるかがフィックスするというギミックに序盤からグッと心を掴まれた。
 
ベイビー・ドライバー』の主人公ベイビーを象徴する音楽関連のアイテムがiPodであったように、本作の主人公エロイーズを象徴する音楽に関連したアイテムはレコードだ。
 
プレイリストムービーと言っても良いくらい使用する楽曲のセンスに優れた“GUARDIAN OF THE GALAXY”の二作目が『ベイビー・ドライバー』と近い時期に公開されるため、使用される楽曲に被りがないかジェールズ・ガン監督に確認の連絡を取ったというエピソードからもエドガー・ライトが如何に音楽に拘りを持った監督かが分かるだろう。
 
エロイーズ(エル)の故郷であるカントリーサイドの のどかな風景から一転、人がひしめく大都会ロンドンに入って早々にエルが遭遇するのが、彼女に対して「君のストーカー第一号になろうかな」というタクシードライバー
そんな言葉に恐怖を感じたエロイーズは急いで車を停めさせ、車外に出る。
きっとドライバーの彼は何の悪気もなく、乗客とのコミュニケーションの一環のつもりでエルにそんな言葉をかけたのだろう。しかしそのあまりにも無神経に、そして無自覚に向けられた彼の下卑た視線、下卑た言葉は、最初から最後まで一本の串のように作品を貫いていると感じるのだ。
 
男性視聴者として女性はこんな恐怖や不快感に身をさらしながら日々を生きているのかと思い知らしめられ、世界の不均衡さに恐怖と恥を覚えずにはいられなかった。
また、作中では男性と女性という風に関係を単純化(敢えてこう書く)されているけれど、勿論「当人がは同性間でも有り得ることだ。
このシーンを観て何も感じなかった人、「女性って大変だなぁ」くらいの感想しか抱かなかった人は恐らく日常生活で無自覚に人を傷つけていると思うので思いやりを持って生きることを心掛けた方が良いだろう。
 
そして本作が遺作となったダイアナ・リグが、作品の舞台となったカフェ・ド・パリを若い頃に初めて訪れた際、階段を下りる際に男たちから全身を舐めるような視線を浴びさせられたという記述をパンフレットで読んだ時、彼女がアニャ・テイラー=ジョイ演じるサンディと全く同じ境遇に晒されていたことを知り、背筋が凍る思いをした。
本作はサイコ・スリラーとして数々の恐ろしいシーンがあったが、この事実こそ僕にとって何よりの恐怖を感じさせるものだった。
 
女性が日々晒されている男達からの視線と社会の不均衡というテーマに対し、男性クリエイターのエドガー・ライトが本作を世に送り出した意義は非常に大きいと思う。
 
政治や文化、国家、宗教、人種と言った様々な観点から不均衡を無くし、是正しようという世界的な潮流がある中、「男女間で見える世界がこんなにも違うのか」ということを雄弁に語ってくれる本作は、男性が男女の平等を考える上で大いに役立つ一作であると信じて止まない。 

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』試写観て来た〜「人を救うヒーロー」としてのスパイダーマンの新境地〜

下書きに入れておいたら気が付くと年が明けて1/6になっていた。けれどついに1/7に公開日を迎えると言うことで書いておいた下書きに手を加えてアップする。

 

2021/12/21。

TOHOシネマズのシネマイレージ会員限定試写で“Spider-Man: No Way Home”を観に行ってきた。

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当選通知が来てからだと勤務シフトを組むのが間に合わない。

当選するかどうか分からない、応募したばかりタイミングで有給を入れていたので、当選通知が来たときは本当に嬉しかった……

 

同時に、某国で最速上映したことでネタバレが散見されると友人から注意を促されたので緩めにSNS断ちをしてたんだけど、それも今日(12/21)まで。長かった……

 

 

で、これは注意なんだけど、ネタバレ無しで視聴したいのならGoogleで作品名を検索することすらしない方が良いっす!

マジで!トラップあるから!SNS断ちしてても全く意味ない!本当に注意して欲しい!

 

 

と、注意喚起をしたところで、ここから先はネタバレありで感想を書いていくので、

作品を視聴してから以下を読んでほしい。

(一部Disney+で配信中のドラマ『ファルコン&ウィンターソルジャー』のネタバレを含む)

 

映画評のようなしっかりしたものではなくて、「良かったポイント」を列挙するような感じで行きたいと思う。

映画を観終わった人がこのブログを読んで「分かる〜」と思ってくれたらこんなに嬉しいことは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

----------以下ネタバレあり----------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。

まず、上で書いたGoogleで検索をすることによるネタバレについて。

これ。

 

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いやいや、あり得なくない?

 

今ググってビックリしたわ。

※筆者は劇場で鑑賞するまでトビー・マグワイアアンドリュー・ガーフィールドが出演することを知りませんでした

 

はい。そんな感じで感想を書いていこうかと思いますが……

どうしよう。良すぎてね。

 

【チャーリー・コックス!!!!】

まず、Disney+が生まれたことでシリーズ展開がストップしてしまったNetflixのMARVELドラマシリーズより、チャーリー・コックスの演じるマット・マードックが登場した時点で僕のボルテージは上がりきっているわけですよ。

先日「MCUで『デアデビル』が再び登場するのなら、演じるのはチャーリー・コックス以外にあり得ない」みたいなインタビューをTwitterで見かけた気がするんだけど、そう言うことかと。

画面にチャーリー・コックスが映った瞬間物理的にのけぞって心の中で悲鳴を上げてしまったんだけど、反応を示している人が近くの席に全くいなかったのでもしかしたら富山の地にはNetflixMCUドラマシリーズは根付いていないらしい。何なら俺このシーンで泣きそうなレベルで感動していたんだけどな……

 

【ポータルの向こう側から】

サンクタム・サンクトラムに来て「うちが魔法使いの家系で……」と言うネッドに笑ったけど、それが後々に活きて来てまた笑って……

で、ネッドが開いたポータルの向こう側からピーターがもったいつけるように中々こっちに来ない時点で分かるじゃないですか。「あ、これ“あれ”だ」って。

んでアンドリュー・ガーフィールドですよ。

整いすぎたお膳立て。でも、嬉しいじゃん。

俺はこのシーンでここがアメリカの映画館だったら叫んでいたくらいに感動したんすよ。

 

で、二つ目のポータルが開く。

「はいはい。トビー・マグワイアだよね。いや、でもトビーが出てこない可能性だってあるぞ?MJがネッドに「本物が出てくるまでやり続けて」と言ったから『スパイダーバース』のあいつやこいつが出て来る可能性もあるんじゃ……」と思っていたら……出て来るんですよ。トビーが。

僕たちの記憶にある通りの優しい表情の彼が、しかし、僕たちの記憶よりも少し歳を取った姿で。そこに立っているんですよ。

全身の毛穴が開く感覚と鳥肌が立つ感覚が同居した不思議な興奮。

 

もうね。スカさないでファンが喜ぶサービスをぶち込んだら誰もが幸せになれるんだという当たり前の方程式。

映画友だちの一人がこの作品を観たらきっと、スカしまくって外しに外したSTAR WARS続3部作を一層腐すんだろうな、とこの作品を観て思った笑

過剰なまでにファンサービスが行き届いた、最高のチームアップだった。

 

【焦らされて焦らされて、ついに実現した瞬間】

『ファー・フロム・ホーム』ではクエンティン・ベックがマルチバースについて語って、「マルチバース展開があるならトビー・マグワイアアンドリュー・ガーフィールドのピーターが出てくる展開もあり得るんじゃないの?!」と思わせておいて実は多元宇宙から来たはずのエレメンタルズはクエンティン=ミステリオの創作だった。

そしてついに満を待してのマルチバース展開ですよ!

こんなのアガらないわけがないじゃん!

 

で、このみんなが望む展開を敢えてやらずに焦らして焦らして、スカしまくって最後に望み通りの展開を持ってくるという手法、実は僕らはMCUですでに味わっているんだよね。

アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』のラストで「アベンジャーズ アッセンブル」と言わせずに、ファンの期待を煽りに煽った上で『エンドゲーム』のあの最高の「アッセンブル……!」。

待たされに待たされた至高の瞬間を最高のタイミングで提供する。

これ、スパイダーマンマルチバース展開を導入するというのと全く同じじゃん!

俺たちMCUファンはお釈迦様の掌の上の孫悟空と一緒だったんだと気付かされた。

 

【大いなる力には……】

スパイダーマンに関して僕らが焦らされていたのは何といってもやはりこれだろう。

「大いなる力には大いなる責任が伴う」。

MCUスパイダーマンは過去の2つのシリーズからリブートスパンが短いこともあってそのオリジンが端折られたヒーローだ。

 

だからベンおじさんは死なないし、蜘蛛に噛まれるシーンも描かれない。ネッドに登校途中でヒーローになった背景を尋ねられて「蜘蛛に噛まれた」と言うだけだ。

 

ベンおじさんの死が描かれなかったMCUスパイディ。MCUスパイダーマンにとってメンターであるトニー・スタークの死を以てベンおじさん(に該当する人物)の死は描かれることはないのだろう。誰もがそう思っていたはずだ。

故にスパイダーマンを象徴するセリフである「大いなる力には大いなる責任が伴う」という台詞も言われることがないまま、HCでトニーの言った「スーツ無しじゃ何もできないなら、スーツを着る資格はない」と言う台詞がそれに取って変わるのだろうと思っていた。

 

そうしたらね。

言ってくれたよね。

メイおばさんの死という、思いがけない、予想だにしない、悲しすぎて信じたくもない展開とセットで。

 

一番聞きたかったセリフが、一番聞きたくなかったシチュエーションで出てくる。

何度心の中で「嘘……嘘だろ……」と呟いたことだろう。

 

【ヒーローチームの一員としてのスパイダーマン

過去のスパイダーマンが登場するのは嬉しいけど、当然本作の主役はトビー・マグワイアのピーターでもアンドリュー・ガーフィールドのピーターでもない。トム・ホランドが演じるピーター・パーカーだ。

 

そんな中でトム・ホランドのピーターがスパイダーチームの中でどうやってイニシアチブをとるか。

その答えが「ヒーローチームとして戦ってきた経験」だったことには感動した。

MCUにおけるスパイダーマンはデビュー作である『シビル・ウォー』からして「ヒーローチームの一員」という役回りだった。

そして初の単独タイトルとなった『ホームカミング』(HC)ではアイアンマンが、二作目の『ファー・フロム・ホーム』(FFH)ではニック・フューリーとマリア・ヒルという他のヒーローが登場している。(ニックとマリアはヒーローというよりシールドのエージェントという役割だけど。そしてこの二人はホンモノじゃないけど)この二作品でも、トム・ホランドスパイダーマンはヒーローチームの一員としての側面があったと思う。

 

そしてこの辺りはMCU作品群のサガとでも言うべき部分もあるとは思うけど、宇宙規模の戦いの渦に飲み込まれていくことが最初から運命づけられていたMCUスパイダーマンは、「親愛なる隣人」というアイデンティティとの間で常に揺れ動く存在であったとも思う。

 

しかし本作はある種の搦め手でドクター・ストレンジを蚊帳の外に置くこと、そして再登場後はドクターを呪文の制御役に配置することでスパイダーマン単独作(3人いるけど)のような口当たりに仕上げることに成功している。

スパイダーマンが3人いることで逆説的にMCUの『スパイダーマン』を単独ヒーロー作品として成り立たせる」って字面だけ見ると訳が分からないんだけど、それを成り立たせてしまってる。

これって凄いことだと思う。

 

【「救い」の物語】

多くのファンサービスが散りばめられた本作だが、何より作品として一本の芯が通っているのが良かった。

その芯とは本作が「救い」の物語であると言うこと。

 

M・Jが自由の女神から落下し、それを助けに飛ぶピーター(トム・ホランド)。

グライダーでそれを阻むゴブリン。

そして次に飛び込んだピーター(アンドリュー・ガーフィールド)がM・Jを救出する。

 

トム・ホランドがグライダーの体当たりで弾き飛ばされた瞬間、「え?他にヒーローが3人いるからトムホじゃなくて彼らの内の誰かにM.Jを救わせるって言うこと?ストレンジも離れた場所の人間を救うのに適した魔法を持ってるし……」(この間約1秒)と考えたとき、映し出されたのはアンドリュー・ガーフィールド

 

ここで気付くわけですよ。「そうか。ジョン・ワッツは彼に『アメイジングスパイダーマン2』でできなかった“ヒロインを救う”というロールを与えたかったのか」と。

果たして、アンドリュー・ガーフィールドのピーターはM・Jを助けるために一直線に飛び出す。

M・Jを助けたピーターが優しく彼女を着地させた後、普通の作品であればもう1秒早くカメラを動かしていたと思う。

でも夜のニューヨークを背景にたった1秒程映し出されるピーター(アンドリュー・ガーフィールド)の横顔こそ、『アメイジングスパイダーマン』が好きで好きでしょうがないファンの僕らが本当に待ち望んでいた瞬間だったように思う。

そして制作陣はこの一瞬をカメラに納めんがためにアンドリュー・ガーフィールドをピーター・パーカーとして再演させたのではないかとすら思えた。

 

でも、僕が何よりこの作品が素晴らしいと感じたのは、ピーターがM・Jを助けたことが、あの日グウェンを救うことが出来なかったピーター自身の救いになってるという点だ。

 

そしてこれは実はビー・マグワイアのピーターにも言えること。

サム・ライミ版『スパイダーマン』は一作目で親友の父親であるノーマン・オズボーンを救うことが出来ず、グリーン・ゴブリンの人格のまま死なせてしまったという事実が呪いのようにずっとピーターを苦しめていた。

今作でグリーン・ゴブリンの人格を消し去り、ノーマンの命を救ったことがピーター(トビー)自身の救いになっている。

鑑賞していてこのことに気付いたとき、「何て優しいんだジョン・ワッツ……」とボロボロ泣いてしまった。

 

スパイダーマン:ホームカミング』のラストシーンでピーターは好きな子の父親でもあるヴァルチャー=エイドリアン・トゥームスと対峙する。

アベンジャーズタワーからアベンジャーズの新拠点に引っ越すため、飛行機で運び出される荷物を奪おうとするヴァルチャー。

飛行機の墜落によりウイングスーツが故障した状態でその荷物を奪い去ろうとするヴァルチャーに対して、ピーターは声を掛ける。

「ウイングスーツが!爆発する!」と。

トム・ホランドの演じるピーターもトビーやアンドリューが演じたピーターと同じく、人を救うことを第一義に置くヒーローなのだ。

 

サム・ライミ版、マーク・ウェブ版、そしてジョン・ワッツ版。シリーズを問わず人を救い続けてきたピーターだからこそ本作で救われる機会を得ることができたんだと考えると、何と美しい展開なんだろうと思わずにはいられなかった。

 

同時に、人を救い続けてきたトム・ホランドピーターは愛する人を失い、さらには誰一人自分のことを知らない世界に投げ出されてしまって余りにも救いが無いようにも思うけれど。。。

 

アメリカの象徴、キャプテン・アメリカのシールドの上で】

決戦のラストは建設途中の自由の女神像を舞台に繰り広げられる。

僕たちが見慣れている現実世界の自由の女神と異なるのは、彼女の手にアメリカの象徴キャプテン・アメリカのシールドが握られている点だ。

 

Disney+で配信中の『ファルコン&ウィンターソルジャー』では、2代目キャプテン・アメリカであるジョン・ウォーカーは、超人血清の影響もあって初代キャップ スティーブ・ロジャースから受け継いだ盾で人を殺めてしまう衝撃のシーンが映し出される。

 

それを知っているだけに、キャプテン・アメリカの盾の上で愛するメイおばさんの命を奪っ

たノーマンを目の前にしても殺人衝動に耐えて彼を救うことを選んだピーターに対し、僕は何だか誇りに思うような不思議な感慨に包まれるのだ。

 

……ひとまず1/6時点で書き切れたのがここまでなので一旦以上で更新を終える。

気が向いたら追記します。

2021年の映画を振り返る

2022年になりました。

てなわけで2021年に観た映画の振り返り。

 

2020年の映画の振り返り、実はしていないんです。

でも、2021年の振り返りをしちゃう。

 

2019年の振り返りはこちら。

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

 

2021年に鑑賞した映画はこちら。

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28本/24作品。試写を含めて29/25。

2021年、緊急事態宣言もあってマジで観た本数少ないな……

今は富山に住んでいるのだけれど、寒すぎて外に出るのが億劫になったことも影響として大きい。

富山、人間が住むには寒すぎると思うんだけど……

 

 

 

※タイトル前に○の付いた作品は2020年以前に公開された作品。

○『佐々木、イン、マイマイン』

・『花束みたいな恋をした』

・『すばらしき世界』

・『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

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・『騙し絵の牙』

・“21BRIDGES”/『21ブリッジ』

・劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』

・“NOMADLAND”/『ノマドランド』

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・“THE FARTHER”/『ファーザー』

・『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

・“BLACK WIDOW”/『ブラック・ウィドウ』

・劇場版『GのレコンギスタⅢ 宇宙からの遺産』

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・『映画クレヨンしんちゃん 花の天カス学園』

・“THE SUISIDE SQUAD”/『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』

・“SHANG-CHI AND THE LEGEND OF THE TEN RINGS”/『シャン・チー/テン・リングスの伝説』

・『狐狼の血 LEVEL2』f:id:naw0t0:20220102130445j:image

○『隠し砦の三悪人

・“THE LAST DUEL”/『最後の決闘裁判』

・“DUNE”/『デューン 砂の惑星

・“ETERNALS”/『エターナルズ』

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・“007 NO TIME TO DIE”/『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』

・“VENOM:LET THERE BE CARNAGE”/『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』

・“LAST NIGHT IN SOHO”/『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』

○『モスラ

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・“SPIDER-MAN: NO WAY HOME”/『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(試写鑑賞)

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そんなわけで2022年1月2日現在における「2021年度鑑賞作品ベスト10」いきます。

 

 

10位:“LAST NIGHT IN SOHO”/『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』

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サイコスリラーというジャンルにはあまり明るくないんだけど、めちゃくちゃ引き込まれる一作だった。

別途感想も書いたので後ほど公開したいところ。

(2022/01/10 追記↓)

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

 

のどかな風景・ゆったりとしたテンポで始まる冒頭と、スピーディかつ恐ろしいラストの対比が非常に鮮やか。

 

スリラー作品であるが故の展開上の恐ろしさは勿論あるけれど、それ以上に恐ろしいのは「搾取される女性」と「搾取する男性という」構造が現実世界にも厳然たる事実として存在し続けていることはでないだろうか。

この作品がエドガー・ライトという男性クリエイターの手でこの世に生み落とされたことも大きな意義があると思わせてくれる一作。

 

本作を鑑賞して最も怖いと感じたのはパンフレットを読んだ時。

本作が遺作となったダイアナ・リグが、作品の舞台となったカフェ・ド・パリを若い頃に初めて訪れた際、階段を下りる彼女は男たちから向けられた全身を値踏みするような視線を感じたという記述を読み、彼女がアニャ・テイラー=ジョイ演じるサンディと全く同じ境遇に晒されていたことを知り、背筋が凍る思いをした。

これ、作中のどんな描写よりもホラーでしょ……

 

 

9位:“DUNE”/『デューン 砂の惑星

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周囲の映画ファンからはめっちゃ不評だけど俺は好き。ドゥニ・ヴェルヌーブに対して映画ファンのみんなが言いたいことも分かるんだけどね。

原作付き作品ということを直前まで知らなかったし、コロナ禍で延期があったために劇場で長期間予告が流れていたことで「あれ?デューンっていつの間にか一作目が公開されてもう2作目やるわけ?」と思ってしまった。

 

主役とヒロインを演じるティモシー・シャラメゼンデイヤ

二人の手足の長さからくる立ち姿の美しさは非常に絵になる。

ただ砂漠にこの二人が佇んでいるだけで

この作品のアイコンとなってしまうそれ程までに画になる二人だと思う。

 

シャラメとモモアのバディシーン、もっと観てみたかったな。

 

あとは作品を観ていてジョシュ・ブローリンが演じるガーニィというキャラが気になった。

僕が大好きな漫画作品『サイボーグクロちゃん』には本作と同じく砂漠を舞台にした長編ストーリー、「異世界サバイバル編」がある。

そのエピソードにガーニーというキャラが登場するのだ。

 

アトロクで宇多丸さんが「『砂の惑星』の砂漠は海をイメージしている」と言っていたけど、異世界サバイバル編の砂漠はまさしく海そのものといった印象を読者に与える。

そんなわけで、劇場鑑賞後に感じたことをTwitterで呟いてみたら原作者の横内なおき先生からリプをいただけて非常に嬉しかったなぁ。

 

 

2016年には先生自らガーニーの元ネタが砂の惑星であることを呟いていたらしい。

 

 

8位:“007 NO TIME TO DIE”/『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』

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007に全然触れないまま今まで齢を重ねて来てしまっていたので1作目から全て鑑賞しようと思い立つ。

一作目からいくつか作品を鑑賞したものの、五作品くらいでストップしてしまった。

全作視聴を諦め、「みんな大好きクレイグボンドが卒業するのだから」ということで『カジノ・ロワイヤル』からダニエル・クレイグジェームズ・ボンドを演じた四作品を急いで予習してからNTTDを鑑賞。

 

007に思い入れのある人からしたらまた感覚も違うのかもしれないけど、僕には非常によかったと思う。

1位に挙げた作品にも共通するんだけど、長期シリーズに区切りをつけるのってすごく難しいことだと思う。そんな中ダニエル・クレイグの卒業作品として素晴らしい花道だったと思う。

まぁ007シリーズが終わるわけじゃないんだけどね。James Bond will reaturn!! 

あとは……アナ・デ・アルマス美しかったなぁ……

 

 

7位:“THE FARTHER”/『ファーザー』

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下手なホラーよりもよほどホラーな展開が最後に視聴者を襲う。

けれど、僕らは自分の人生のどこかでこの事態に直面するかもしれない。

これは物語の最後の展開以上に怖いことだと思う。

 

夢とも現ともつかない、覚醒直前のまどろみのなかにいるような不思議な映像体験はオリヴィア・コールマンアンソニー・ホプキンスとあいう名優二人の共演だからこそ形になった作品ということができると思う。

なんて優しくて、なんて残酷な作品なんだろう。

 

小室さんによる音楽解説が最高なので、

作品鑑賞→音楽解説→再び作品鑑賞 のルートで楽しんでいただきたい。

僕も特集を聴いてから もう一度鑑賞したい。

open.spotify.com

 

6位:“NOMADLAND”/『ノマドランド』

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『ファーザー』と『ノマドランド』が同時期に劇場にかかっていたことは幸いだったと思う。

両作品とも対象を「見つめる」ことに主眼を置いた作品だと思うから。

 

遊牧民」を意味する「ノマド」。

日本でも近年「ノマドワーカー」という言葉と共に知られるようになったこの単語。しかしアメリカでは近年車上生活者が増えて社会問題化しているらしい。

作品の舞台こそ現代ではないけれど、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でブラッド・ピッドが演じたクリフ・ブースも似たような生活をしていたなぁとか思ったり。

 

で、そんな感じで本作は「車上生活」という社会問題を扱う作品なんだろうなと思って鑑賞してみた。

もちろん作品を作る原動力になったものの一つには「社会問題としての車上生活者」という視点もあったのだと思うけど、僕は本作を観てそういった「説教」めいたものはあまり感じなかった。

実際にノマド生活をしている方がキャストとして出演していることもあり、非常にリアリティのある空気感を纏った作品。

ノマドとして生活する人に向けられた視線の優しさと自然描写の美しさ。

この二つの要素、僕は別個のものではなく同じ場所から発されたものだと思っている。

 

5位:『花束みたいな恋をした』

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以前こんなエントリを書いた。

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

 

2015年という相対化するにはあまりにも近すぎる過去と、「東京めを描いた映画という点が非常に僕の心を掴んで離さなかった。

総合評価で順位こそ5位に置いているけど、2021年で一番食らった作品は間違いなくこの作品。

 

4位:“THE LAST DUEL”/『最後の決闘裁判』

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ポリティカル・コレクトネスやフェミニズム、me tooなど現代の映画を理解するために知っておくべき文脈は数多くある。

その中でもやはり男性・女性間における性の不均衡というテーマは避けては通れないものだと思うし、僕ら男性視聴者こそ積極的に学ぶべきことだと思う。

 

先に“THE FARTHER”/『ファーザー』と“NOMADLAND”/『ノマドランド』が同時期にスクリーンにかかっていたことの幸運さを述べたが、本作と“LAST NIGHT IN SOHO”/『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』が同年公開であるということも、今後映画史において非常に重要なターニングポイントとして記憶されるかもしれない。

 

『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』が「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれた華やかなりし1960年台のロンドンで蔓延っていた女性に対する性的搾取を描いた作品であるとするのなら、『最後の決闘裁判』は中世において「家長の所有物としか見なされなかった“女性”による告発」を描いた作品であると言うことができるのではないだろうか。

 

人権侵害があった(と歴史上されている)にも関わらず、現代の法律体系であれば人権侵害を受けた主体であるはずの女性は、法廷で“原告”として主張することもできない。

恥を忍んで法廷で主張し、真実を明らかにしようとすれば命を賭さねばならない。

 

勿論、西洋的な価値観に基づいた法治国家であれば、女性が法の下に「夫」や「家」から独立した個人として扱われることは自明のことだ。

しかしこの不均衡さ、現代において完全に是正されていると言い切ることはできるだろうか。

 

本作品はジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)→ジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)→マルグリット・ド・カルージュ(ジョディ・カマー)視点が移映っていくオムニバス形式で物語が展開していく。

 

ジャンパートでは冒頭の戦いにおいてジャックの命をジャンが救う。そのためジャンは「あいつ(ジャック)は俺に命を救われた借りがある」と考えている。

しかしジャックの視点でストーリーが紡がれると、僕らはジャンが命を救うよりも先にジャックがジャンの命を救っていたのだと知る。

 

そのような構造、即ち物語は一人称視点を何処に置くかによって捉え方がかわるのだということ脳に刻まれた状態でジャック(アダム・ドライバー)のパートを観てみると、「ジャンのパートではジャックはマルグリットを強姦したように見えたけど、実は彼は強姦なんてしていないのではないか。本当はマルグリット自身、ジャックに惹かれていたのではないか」と思ってしまう。

そしてマルグリットの視点で物語が綴られるにつれて、僕らはその直前に自らが抱いた考えが誤りであったと思い知らされる。

 

「ジャン(マット・デイモン)がジャック(アダム・ドライバー)の命を救ったと思っていたら、実はそれよりも先にジャックがジャンの命を救っていた」という事実と、「ジャックが強姦したか否か」というのは全く別なのに、僕らは何か一つの側面からある人間を信頼してしまうと、別の側面に於いてもその人は正しいのだと勘違いしてしまう。

そんな人間の認識の危うさを僕らに突きつけてくれる作品だ。

 

 

3位:『閃光のハサウェイ

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こちらも散々公開を散々焦らされた作品。

富山に引っ越してきて2年が経とうとしているけど、鑑賞に際して使用したムビチケは前任地である名古屋で購入したものなんだよなぁ……

 

鑑賞に合わせて原作小説を読破したけれど、愚直なまでに原作を素直に映像化したと思える作品であるにも関わらず、「映像化されたことに意味がある」と言える、不思議なバランスの上に成り立つ作品。

ガンダムシリーズを見たことのない友人が本作を見て十分面白かったという感想を抱いていたが、本作を語る上でこれ以上ない賛辞であると言えるだろう。

 

真っ暗闇の市街地の中戦闘を繰り広げるグスタフ・カールとメッサー。

その「巨人」同士の市街戦は、ちっぽけな人間の命を容易に奪う破壊力がある。

“市街地でのMS戦に巻き込まれる民間人”という描写は『F91』でも扱われたが、それを今日的なリアリティで再度ガンダムシリーズに復活させてくれた本作の意義は非常に大きい。

 

調度品の一つ一つに至るまで徹底的にリアルを追求した豊かな生活描写。

特に高級旅客機や高級ホテルで供されるに相応しい料理や飲み物が画として説得力を持って銀幕に映し出されるその体験だけでも映画館に足を運ぶ価値があると思った。

「実写作品を観ているような感覚で観ることができる」と評されることの多かった本作はガンダムシリーズのみならず日本アニメの新時代の到来を予想させるような素晴らしい作品。

 

2位:『すばらしき世界』

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おばあちゃんが役所広司のことを好きだったこともあり、僕も小さい頃から役所広司のことが大好きだったが、本作に触れてより一層役所広司のことが好きになった。

助演の仲野太賀の演技も非常に良かったなぁ……

あまりにも良い作品だったので原作小説『身分長』も購入してしまった。

 

エンディングは原作小説とも異なる展開なので、原作読了組も楽しめる一作に仕上がっていると思う。

原作小説は長らく絶版が続いていたが、映画公開に合わせて復刊。復刊に尽力された西川美和監督のトークも合わせて聞くことで、作品に関する解像度が上がること請け合い。

本作の鑑賞を終えた人、原作を読むのが手間だと言う人はこのカルチャートークだけでも聴いてみてほしい。

 

1位:『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇

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もう何も言うまい。

エヴァ」というコンテンツを終わらせる。

それが如何に困難で厳しい道であったことか。

それを成し遂げた時点で年間ベストは決まったようなものだった。

そりゃあね、言いたいことが無いと言えば嘘になるよ。ただやられるためだけに出てくるような敵機とかさ。

 

でも良いんだ。だって、監督自らが望む形で迎えた作品の「終わり」を目にすることができたんだから。

近年のハリウッド大作シリーズがIPを延命させんがために終わることすらできないことを考えると、シリーズに終止符を打つということが如何に尊いかがわかる。

僕はコミックス版の最終巻を買って以来、エヴァを自分の中で終わらせるということが怖くて7年間封を切ることができなかった。

その最終巻を、シン・エヴァ公開日にやっと読むことができた。

きっと庵野監督はエヴァを終わらせる覚悟を持ってこの作品を仕上げてくれるはずだという確信にも似た願いを持って。

 

果たしてその願い、通りエヴァは見事な終わりを迎えた。15年以上エヴァを好きでよかった。そう思えるラストだった。

 

個人的には2016年に『シン・ゴジラ』をベスト1にしたかったけどできなかったことへの贖罪的な意味合いもある。この作品を2021年の1位にすることができて良かった。

終始誰目線なんだって話だけど笑

eibunkeicinemafreak.blog.fc2.com

 

公開時期に合わせてポスターが変わっていくのもよかったな……

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書いているだけで幸せな気持ちになってきた。

エヴァを好きでいさせてくれてありがとう。エヴァを好きでいたことを肯定してくれてありがとう。

 

僕が「シン・エヴァ良かった」とSNSに投稿したらわざわざご丁寧に「いまひとつだった」とコメントをよこしてきた同級生がいたけど、この作品の良さを享受できないなんて何と可哀想なんだろうと思った。

というかエヴァに対して捧げてきた思いの丈も時間も違うんだし、人の好きなものを腐すのはダメよね。

 

 

番外:(オールタイムベスト) “SPIDER-MAN: NO WAY HOME”/『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

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本来は2022年公開作品なのでランキングに入れることはできないので番外扱い。

だったら扱うなよという話なんだけど、本作がオールタイムベスト級に好きになってしまったんだから仕方がない。

何故僕たちはヒーロームービーが好きで、スパイダーマンというヒーローが好きかなのかが詰まった一作。

「親愛なる隣人」には重すぎる使命だけど、優しい彼だからこそできた「救い」の物語。

 

感涙に咽び泣くこと必至の本作。全てのアメコミヒーロー映画ファンに観ていただきたい。

 

 

はい。そんなわけで2021年マイベストでした。

 

番外:(オールタイムベスト) “SPIDER-MAN: NO WAY HOME”/『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

 

1位:『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』
2位:『すばらしき世界』
3位:『閃光のハサウェイ
4位:“THE LAST DUEL”/『最後の決闘裁判』
5位:『花束みたいな恋をした』
6位:“NOMADLAND”/『ノマドランド』
7位:“THE FARTHER”/『ファーザー』
8位:“007 NO TIME TO DIE”/『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
9位:“DUNE”/『デューン 砂の惑星
10位:“LAST NIGHT IN SOHO”/『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』

 

11/26(金) アトロク秋の推薦図書月間2021

18:00〜 山本さんの推薦図書

雨穴著『変な家』

https://www.instagram.com/p/CW3C1ozvo_h/?utm_medium=copy_link

youtubeチャンネルを持つミステリ作家による著書。

中古物件購入について知人から相談された主人公。物件の間取り図には謎の空間が……知人の設計士にその空間について相談したところ、他にも二重扉や窓のない子供部屋など不可解な点がそこかしこに……

 

f:id:naw0t0:20211128224944j:image

ブックカバーにも赤い線で描かれた物件の間取り図が描かれている。

間取り図を見てそこで生活する人を想像するのがたまらなく好きだという山本さん。

まず本屋さんで「ムムッ?不動産ミステリ?!」と興味を惹かれ、買ってみたら大当たりだった。

 

2階建ての戸建て住宅の間取りから始まり、暗く根深いところでねじれてこじれて付き纏ってくるような、呪いのような、「嗚呼、呪縛」というものがあった。

 

間取り図と推察を交えた会話劇。3軒の物件を題材にした本。

不可解な間取りの理由を想像する中でその間取りの理由を探っていく。

「間取り図を見返したいなぁ」と思うタイミングで間取り図を再掲してくれているため、前のページに戻って間取り図を確認する必要がないのが良い。

また、その間取り図がその辺にあった紙に鉛筆で手描きしたような風合いで生々しい。

家の中で動く黒い人影が見えてくるよう。

会話劇の中で間取りに関する推理考察が展開されるが、自分自身も推理を進めていくため、登場人物たちに混じって考察を繰り広げているような気持ちになれる。

思考の向かう先は過去か現在か未来か。

 

3軒の奇妙な物件は最後につながって見えてくる。それが恐ろしくて悲しくて沼のようなネットリとした陰湿なものが待っている。

3軒目の日本家屋の間取りの謎を読み解く際、所見時に感じる気持ち悪さたるや……

 

巧妙に仕組まれた間取りの中をこんなルートでこのタイミングで更にことが済んだらこうして……と想像する。何故か読んでいる際にモノクロの映像がずっと浮かんでいた。

探偵小説のように探偵の活躍を見守るような感覚ではない没入感がある。

 

※調べてみてこの記事にいきあたり、「あ、俺これ知ってる」と思った。この記事がリリースされた昨年10月頃、Twitterで話題になって記事を一気読みした記憶が蘇った。

omocoro.jp

 

僕は山本さんの語りのアツさにめちゃくちゃ興味を持ったのに、語り終わった山本さんを受ける宇多丸さんの反応が「うぅ〜ん」だったのは笑った。

「間取り図を見て気持ち悪いと感じるのは時間が折り重なっているから」という宇多丸さん。

「『東京の生活史』から感じるものとは全く逆の感慨。「いろいろな人が住んでいて面白い楽しいな、豊かだな」→「気味悪いな」。人それぞれ表には出せない何かがあるとすればその澱みが壁一枚隔てた向こうにある」という感想が宇多丸さんから漏れ出てきたのも、山本さんの解説に引き出された部分が大きいと思う。

11/25(木) アトロク秋の推薦図書月間2021

宇内さん:紹介する書籍はお手洗いに連れておきたい作品。『こち亀』みたいに。

実家に住んでいる時、長男が友人から『こち亀』を100巻近く借りパク。

トイレの中には本来トイレットペーパーを置くためであろう棚があり、そこにこち亀を置いていた。

今回紹介するのもお手洗いにぴったりの作品。

小学校中学年になるとその友人との関係が友好でなくなったのか「こち亀全部返して」とある日突然その友人が家を訪ねてきた。

100巻近くあったので家の中で散逸、カバーの取れた状態のものもたくさん。また、当時飼っていたウサギが噛んでしまった巻も……

 

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18:00〜 宇内さんによる推薦図書

『親愛なる僕へ殺意を込めて』原作:井龍 一/漫画:伊藤 翔太

 

スマートニュース、インスタ、TwitterなどでコミックシーモアやLINE漫画の広告を読んで興味を持つということが多い。

この作品もその一つ。

主人公が大学内で評判の美人とどうやら一夜を共にしたらしいという状況が広告で示され、甘酸っぱい恋愛漫画だと思って読んでみたらハードなサスペンス漫画だった。

連続殺人犯を父に持つ主人公が、知らぬ間に自分も殺人事件に関与している?ということが徐々に明らかになるストーリー。主人公の父は殺人などを起こすような人間ではないが、状況証拠から殺人事件の犯人であるらしいとされており、主人公には負い目がある。

そんな彼がキャンパスクイーンと何故か付き合っている。が、3日間の記憶が欠落している。

そこに何ら超常現象的な要素はない。

最近は『僕だけがいない街』、『テセウスの船』などタイムスリップや超常現象でサスペンスを成り立たせている作品が多いように感じるが、それらがなくともサスペンスになっている。

後から振り返っても設定に齟齬がない。全11巻で読みやすい。

画力も高い。

 

宇多丸さん:今スタジオに9巻だけあんのよ。9巻だけあっても触れもしねぇし!

 

宇内さん:ワンシーンだけ見せていいですか?

 

宇多丸さん:は?(マジトーン)

 

 

お兄ちゃんもサスペンス漫画が好きなので紹介したら太鼓判を押してくれた。

兄に評価されると「合格したな自分も」と思う。

 

18:30〜 荻上チキさんによる推薦図書

〜些細なそれも、差別かも。日常の中に潜む暴力を炙り出した力作が日本上陸〜

デラルド・ウィン・スー著(マイクロアグレッション研究所訳)『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション―』

 

ヘイトスピーチヘイトクライムの根底にあるものは何か。

あからさまな差別と対比される曖昧であるが無意識で見えにくいな差別。そのメカニズムや影響、対処法を紐解く。

2020年12月に書籍が発売されて以来注目される新たな差別概念。

 

差別、人権研究の解像度をあげてくれる概念。

社会には見逃しがちなこき下ろしや侮辱に溢れている。

「20歳です」と年齢を伝えるとチラリと薬指を見られる、女性の仕事だけ「女性カメラマン」「女芸人」と冠言葉がついたり、男子同士で仲良くしすぎることは気持ち悪いと揶揄われたり、抗議の声を上げると「落ち着けよ」と言われたり……こういった小さな攻撃は日常に埋め込まれている。

社会の中で「あるべき人」と、そうでない「異常な人」の区別を人々に確認し、叩き込み、突きつけ、挫く役割を持っている。

言葉自体は1970年第アメリカで登場していた。

 

「女性にしてはゲーム上手いね」などという言葉を投げかけられたときに感じる「ザラり」とした感覚。

こういった概念に名前を与えた。

 

 

SNSやニュースサイトに出てくる広告から興味を持ち、お金を払って漫画を買うという動線は今という時代を反映した作品との出会い方だなと思う。

「マイクロアグレッション」という概念は、カルチャー周りの概念のアップデートに積極的なアトロクという番組と非常にマッチした概念だと思う。

11/24(水) アトロク秋の推薦図書月間2021

宇多丸さん:日頃からカルチャーを発信しまくってる番組なのに「推薦図書」となると空気が変わる感じ何なんでしょうね

 

日比さん:宇多丸さんが(誕生日の)ギフトを選ぶときの気持ちに似ているかも

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18:00〜 日比さんの推薦図書

いとうひでみ著『class X』

 
 
 
 
 
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少女しかいない学校でスプーン曲げ、空中浮遊、念力でのスカートめくりなど、女性としかいない環境で超能力を伸ばす学習をする少女たち。

そこに黒髪の転校生が現れて……

 

超能力やSFなどを題材に少女のイラストを描いてきたイラストレーター。

セリフの少ない作品だが、ポツリポツリと紡がれるセリフや設定がじんわりと沁みる作品。

渋谷コテージで開かれていた「シスターフッド特集」で発見。下の方の棚に飾られていたが会場で目を引かれて購入。

 

小学校〜高校まで女子校だった日比さん。

中学生の頃は日比さんもめちゃくちゃスカートめくりをしていたとのこと。

読んでいて女子校時代の楽しい時間を思い出した。同時に、女子同士の自然な繋がりが大人になるにつれて変わっていく寂しさも蘇った。

乃木坂の「ガールズルール」という曲に「男の子達がやって来るそれまで私達の夏」という歌詞があるが、それを思い出した。

性別、恋愛関係なしに女子同士で手を繋いだりハグをしたりしていた。ただただ人と触れ合いたいために。そんな自然でやんわりとしたシスターフッド的つながりが大人になるにつれて知っていった役割や意味で自然とできなくなっていく感覚。

穏やかで守られていた「あの」時間が変容していくことの寂しさ。

class Xで転校生の登場によって変容してく少女たちの関係性にかつての自分を重ねた。

 

 

18:30〜 アトロク秋の推薦図書月間スピンオフ企画:岸政彦(社会学者/「東京の生活史」編者)さんによる書籍紹介

 

イガ兄による推薦図書『東京の生活史』の筆者を招待してのスピンオフ企画。

当企画最大のページ数、文字数、重量の一冊。

 

感想を書いて送ってくれるくれる読者が多く、余すことなく読んでいるとのこと。

聴き手の募集から始めたという本書の企画。

「語り手を募集しちゃうと僕のコネとかになってしまうから」と岸さん。

その手法が奏功し、思いもよらないインタビューが集まった。「面白い話」でなくてもよい。

 

宇多丸さん:この本を読んで「僕も母親の話を聞いておこう」と思った。

 

岸先生:それで良いんです。格好良い言い方をすると「151人目はあなたです」。

 

この本を読んで人生の深い知識が得られるとか、東京に詳しくなれると言うことは無い。

読んで「お〜!」となれる一冊ではある。読んでもらうことでしか魅力は伝わらない。

「酒が飲める本」。“パタン”と閉じると寂しくなる本。「読むラジオ」と評したこともある。

 

ラジオの後にテレビというメディアが生まれたが、ラジオは残った。

自分は生活史を文字に興すのが好きだが、「文字にしないでビデオに残せば良いじゃん」と言われることもある。しかし、文字に起こすことの方が情報量が上がるとも思っている。

 

「1人1万字」という制限は「1万字であれば何とか150名分を収めることが出来る」という偶然の産物つったが、この文字量は絶妙だったなと思う。

 

宇多丸さん:「1万字」というのは同じフォーマット、同じ窓から覗いているようで、とても良いと感じた。

 

岸さん:1.5kgという重量がフォーカスされることが多いが、僕はこの本の欠点は薄すぎること(対象者が少なすぎること)だと思う。

東京には1,500万名がくらしているため、150人の人生を載せていても僅か1万分の1。

 

151人目になろうとしている方、是非インタビューを実施したら立命館大学まで送って下さい。

 

今回の推薦図書月間でその存在を知り、一番興味を持った一冊が『東京の生活史』だった。

その編者が出演するとあって非常に楽しみにしていた回。期待以上の面白さだった。

過去に岸先生がTBSラジオSessionに出演していたよと学生時代の友人が教えてくれ、Spotifyで聴いてみたけれど、今回のアトロクとセットで聴くとより一層この書籍の本質に迫ることが出来ると思う。

日比さんの書籍紹介も非常に良かった。自分の体験にグッと引き寄せて書評を展開されるとめちゃくちゃ魅力的に聞こえてくるなぁ。

11/23(火) アトロク秋の推薦図書月間

曜日パートナーによる書籍紹介スタート!第1回は宇垣さん!

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18:00〜 宇垣さんによる入魂の1冊

〜皆さん、生き急いではいませんか?私達は皆ゆっくり走る練習が必要だ〜チョン・ソンラン著:『千個の青』(カン・パンファ訳)

 
 
 
 
 
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この番組では韓国文学、SF文学を沢山紹介してきた。なら、「韓国SFはどうだろう?」と言うことで紹介。

作者が影響を受けた作品を聴かれる度に『デジモンアドベンチャー』と答えてきた(BGM:Butter-fly)。

ここだけで「はい、好き!」となったという宇垣さん。

 

作品設定は身近なところにロボットが溢れている世界。

町にはゴミ拾いロボがいてコンビニ店員をロボットが務めるというような世界。この世界では競馬騎手すらロボットが務めるという設定。

人間よりも軽いロボットが騎手を務めるようになったことで競走馬の負担が減ったが、競走馬の「トゥデイ」出走回数の多さからヒザを壊してしまう。

これ以上騎乗してはトゥデイに安楽死を招いてしまう、とロボット騎手は自らの意思で落馬。自らも故障してしまう……

その一体と一頭と出会うのは車椅子の少女とロボット作りの天才の少女の姉妹。

 

人間のために命を消費される動物、車椅子と言うだけでこの世に生きる上での壁が存在する

格好良いシスターフッド・ストーリーにもなっている。

 

キムチョヨプ短編集『私たちが光の速さで進めないなら』という韓国SF短編集に触れたことで「韓国SFって面白い!」となり、その世界に浸っていった。

 

韓国SFには障害者、シングルマザー、移民など、主人公が「マイノリティ」である作品が多くあり、「とっても"私達の物語"だな」と思える。

短編集には『はちどり』の監督によって実写映画化が決定している作品も。

 

 

18:30〜 漫画大好き芸人・吉川きっちょむさんによる推薦図書

 

 
 
 
 
 
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年間1000冊読破する漫画通。中学時代、ベルギーにいた際友人を通じて知った『寄生獣』がきっかけで漫画の魅力にハマる。

ちばてつや賞、モーニング月間賞など、新人賞のチェックも欠かさない。

後に売れた際に「コイツあの作者じゃん!」となれるのが醍醐味。

 

〜今一番人に勧めたい。キャラ良し絵良しストーリー良し、ラブコメにSFオカルトアクション、全部乗せした神漫画〜龍 幸伸(たつ ゆきのぶ)著:『ダンダダン』

 

オカルティック怪奇バトルマンガ。

 

SPY×FAMILY』、『怪獣八号』に続くジャンプ+の看板作品に。

 

連載が始まる前から知っていた作品。
林 士平さんという編集者のTwitterで知る。チェンソーマン、地獄楽の担当。両作のメインアシスタントを務めた先生による待望の新連載作品!と言うことで「絶対面白いじゃん!」と思って午前零時に更新されると同時に読み始めた。

前述の通り「全部乗せ」であるが、根っこにあるのはラブコメ

ウルトラマンなどで知られる成田亨さんのデザインが凄く好きで、細密なクリーチャーデザインはその影響が垣間見える。

過去に恋愛漫画を100作読んでから恋愛漫画を描いたこともあり、恋愛漫画・少女漫画の文法を少年漫画にぶち込んだような作品。

 

たつ先生はもともと天才的に絵が上手かった。就活できずにコンビニバイトをしていた際、レシートの裏に落書きしていたのを同僚に見られ「絵上手いじゃん。漫画家になったら?」という言葉を受けて漫画家を目指すことに。

 

吉川さんとしては『ダンダダン』は本年度トップ3に入る作品。

一番は『ルックバック』、次点で『青野くんに触りたいから死にたい』だったが、双方ともアトロクで既に紹介されていたので、これはもう『ダンダダン』だろう!と。

 

捨て回が無い作品なのでジャンプ+で連載で追い掛けるべき作品。

Twitterに作者自ら生原稿を載せており、「これを全てアナログで描いているのか!」と驚くことしきり。

また、YouTubeには作画動画もアップされている。

単行本は現行2巻まで、12/3に第3巻発売!

 

「皆さん、生き急いではいませんか?私達は皆ゆっくり走る練習が必要だ〜チョン・ソンラン著:『千個の青』」という宇垣さんの読みが、その前のキャッキャしたテンションとは全然違う感じで大変に良かった。

11/22(月) アトロク秋の推薦図書月間

18:30〜 4人組バンド・トリプルファイヤーの吉田靖直さんによる書籍紹介

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先日『ここに来るまで忘れてた。』を刊行した。

「ヒヤヒヤするほどの身もフタもなさが、いつしか詩情の域に突き抜ける、「吉田文学」の真骨頂!こんな風に世界を見ている人物と直接お会いするときは、だからいつもちょっとだけ、緊張する。」と宇多丸さんもコメントを寄せている。

 

 

 
 
 
 
 
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〜表現を少し舐めていたかも知れない〜 保坂和志著『書きあぐねている人のための小説入門』

 

宇多丸さん:「表現を少し舐めていたかも知れない」というのは吉田さんの本のタイトルでもおかしくないですね。

 

吉田さん:友人が保坂さんのことを好きで2冊ほど読んでみた。

最初に読んだのは2年ほど前、最近再び読んで「凄いな」と思った。

 

「こうやればウケる小説が書けるよ」と言うことでは無く、「小説を書く」ということの本質に触れた1冊で、自分も本を書く人間の一人として身が引き締まる思いがした。

 

 

宇多丸さんが「ありとあらゆる設定が出尽くしたこの時代に小説を書こうと思えることそのものが凄い」と言っていたが、何かを創作したいという気持ちはそれらの障壁を乗り越えるだけの力を秘めていると思う。

そしてこの本はそんな人にこそ役立つ1冊だと思った。

11/18(木) アトロク秋の推薦図書月間2021

18:30〜 蒼井優さん・菊池亜希子さんの推薦図書

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アンジュルム笠原桃奈 フォトブック『Dear sister』

 
 
 
 
 
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お二人が編集長を務めるフォトブック。

9/21の卒業発表を受け、「何か形に残さなきゃ!」と思い立ち、すぐに企画書作成に入った。

自分たちの独りよがりでは無く、ファンが見て納得してもらえるような本にしたかった。

「笠原さんのまなざしって言うのを我らの目で切り抜きたい」と思って作られた本とのこと。

ロケハン、スタイリングも自分たち二人で、前日15分しか寝られずに撮影に挑んだ。

 

デザインは大島依提亜さん。

アンジュルムック」発売時、アトロクに出演した様子を聴いていた大島依提亜さん。二人の語りを聴いてアンジュルムに興味を持ってくれていたらしく、話がスムーズに進んだとのこと。

 

二人の編集長による対談はこちら

ginzamag.com

 

二人のパーソナリティを全然知らないながらも、「好き」を語る人間のエネルギーを感じるカルチャートークだった。

「あなたの"好き"が否定されない、あなたの"好き"が見つかる場所」というアトロクのコンセプトにマッチした時間だったと思う。

 

 

11/16(火) アトロク秋の推薦図書月間2021

f:id:naw0t0:20211116221455j:image

 

本日は宇多丸さんスタジオ出演回。 今日紹介する本は直接でないと難しいと思っていたため宇多丸さんと直接会えて良かった、と言う矢部さんによる紹介!

 
 
 
 
 
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18:30〜 カラテカ矢部太郎さんの推薦図書

 

「読む絵画観るマンガ」タイガー立石『 ムーン・トラックス タイガー立石のコマ割り絵画劇場』

nostos.jp

タイガー立石、またの名を立石大河亞。和製ポップアートの魁として高く評価される。

タイガー立石名義で漫画の世界へ。後にイタリアなど海外進出。

「コマ割り絵画」という新機軸のアートを確立した。

 

矢部さん:今企画展が巡回しているのを『日曜美術館』で知った。

巡回展の内、埼玉での展示が本日よりスタート。埼玉県立近代美術館うらわ美術館で同時開催同時開催。今日は2館ハシゴしてTBSラジオへ。

pref.spec.ed.jp

www.artagenda.jp

 

 

漫画家時代は赤塚不二夫さんとも交流があり、ニャロメ誕生のキッカケになった人物。

www.koredeiinoda.net

 

星新一筒井康隆などSFショートショートをイメージソースに作品を多く生み出した。

 

宇多丸さん:(コマ割りによって)時間経過をアートで表現しているのが新しい。

矢部さんが紹介してくれると言うことで「これ間違いないやつだ!」と矢部さんからの紹介を受ける前にポチってしまった。

 

矢部さん:『とらのゆめ』という本もおすすめ。

「間違い探し」の体の本なのに何から何まで違うところが面白い。

違いすぎてルールがないのが幼少期は嫌いだった笑

www.fukuinkan.co.jp

 

 

 

nostos.jp

 

※番外編

20時台のビヨンド・ザ・カルチャー「アニメーションの<演出>について、とことん突き詰めて考えてみる 特集 by 藤津亮太

で話されていた内容が大変面白かったのでこの一冊も気になるなぁ。

『アニメの輪郭: 主題・作家・手法をめぐって』

 

 

タイガー立石さん、全然知らなかった。

特別展は会場が近かったら見に行きたかったなぁ。

企画展は図録も大変良いものだそうなので、行くことが出来る人は要チェック!