映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

お題:「あったかくなったら」

北陸、寒いんす。

でも、今年は全然雪が降っていないのであったかいんす。

 

今週のお題「あったかくなったら」



冬に突入するまで、100日くらい連続で「1日一万歩歩く」ということを自分に課していたんです。

 

で、冬になって仕事が激烈に忙しくなってサボっちゃっていると言う。

 

なので、「あったかくなったら」散歩生活を再開したいな。

 

夫婦で出かけてスタバで飲み物買って外で飲むというのも結構好きなんだけど、寒いとなかなかできないので春が来るのを待っている。

 

冬はもうすぐ終わります!

今週のお題は「あったかくなったら」です。

まだまだ寒い日が続きますが、だんだん日も伸びてきました! 暖かい春が来るのももうすぐです。薄着で出かけたり、家の窓を開け放って過ごせる日々を想像すると、わくわくしますよね。そこで今週は「あったかくなったら」をテーマに、みなさんのエントリーを募集します。「お花見やピクニックを楽しみたい」「窓を全開にして昼寝したい!」「卒業式・入学式の思い出」など、あなたの「あったかくなったら」にまつわる出来事を、はてなブログに書いて投稿してください! ご応募をお待ちしております。

 

お題:「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」

ブログの最終更新日から1ヶ月以上空いていてびっくりした上に1月になって早くも二週間経過していて絶望している。

 

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

 

2022年は、2020年から続くコロナ禍でやっと人と気兼ねなく会うことができるようになった年だったと言える気がする。

いや、すごく気を付けて会ったりしてるんだけどさ。

 

今まで開催が中止されていたイベントが復活したのも2022年を象徴する出来事だったと言えるかも。

僕個人のことについて言えば久しぶりに東京コミコンに参加してクリストファー・ロイドと会うことができて感動した。

加えて、とあるwebメディアでライターデビューしたのも2022年。

ブログの他にも自分の書いたものを発表する場があると言うのは結構気持ちが良いものだったりする。

 

で、2023年。

何しようかなー。

英語をマジメに勉強して2024年3月のTOEICでも目指そうかな……

 

あ、そうそう。

誕生日プレゼントとして後輩からスプラトゥーン3とゼルダの伝説ブレスオブザワイルドを貰ってスプラトゥーン3をやり始めたので、このゲームを上手くなりたいな。

 

お題全文

冬はもうすぐ終わります!

今週のお題は「あったかくなったら」です。

まだまだ寒い日が続きますが、だんだん日も伸びてきました! 暖かい春が来るのももうすぐです。薄着で出かけたり、家の窓を開け放って過ごせる日々を想像すると、わくわくしますよね。そこで今週は「あったかくなったら」をテーマに、みなさんのエントリーを募集します。「お花見やピクニックを楽しみたい」「窓を全開にして昼寝したい!」「卒業式・入学式の思い出」など、あなたの「あったかくなったら」にまつわる出来事を、はてなブログに書いて投稿してください! ご応募をお待ちしております。

詳細は 今週のお題 ページをご覧ください。

お題の記事を書く
年末年始、過ぎ去った一年を振り返ったり、新しい一年に向けて抱負を語ったりしませんか?

「お年玉プレゼント!」

2022年12月23日(金)から2023年1月31日(火)まで、「新春お福分け」として、特別お題キャンペーン「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」を開催。抽選で100名様にAmazonギフトカード1,000円分をプレゼントします。

わたしの2022年」と「2023年にやりたいこと」を両方書いていただいても、どちらか片方だけでもOKです。以下のボタンより記事を書いていただくと応募できます。ご参加お待ちしております!

 

お題:日記の書き方

「日記」ってのが所謂日記のことなのか、日記にカテゴライズされるブログ記事のことなのか。

 

今週のお題「日記の書き方」

f:id:naw0t0:20221213112945j:image

紙に書く所謂日記というものを書いていた時期もあった。

でも、なかなか続かないんだよなぁ。

 

映画の感想なんかを書き残そうと始めたこのブログもいつの間にか大好きなラジオ番組『アフター6ジャンクション』のアーカイブ基地みたいになってるし笑

 

過去には一日一記事更新を心がけてブログを書いていたこともあって、それは日記的な役割を果たしてくれていた。

 

その時はモデリングの進捗を書き残したり、誰それと遊んだ〜とかを書いたりしていた。

 

ずっと日記的なものを再び始めたいなと思っていたので、一昨日トラベラーズノートのダイアリーを買った。

2023年は続くと良いな。

 

気負わずに書いていこう。

 

日記にもいろいろある!

今週のお題は「日記の書き方」です。

何気なく書いたり読んだりしている日記にも、実はいろんな書き方がありそうです。できごとを順番に書いたり、その日に思ったことを深堀りしたり。日記のためにメモを取るかどうかとか、写真を見返すとかも、人によって違いそうです! 他の人がどうやって書いているか、気になりますよね? そこで今週は「日記の書き方」をテーマに、みなさんのエントリーを募集します。「日記に書く内容の決め方」「日中に取ったメモを見ながら書いている」「あの人の日記の書き方が好き」など、あなたの「日記の書き方」にまつわる出来事を、はてなブログに書いて投稿してください! ご応募をお待ちしております。

お題:「買ってよかった2022」

今週のお題「買ってよかった2022」

 

なんか良いもの買ったかなぁ……

などと思いはしたものの、あったわ。

買ってよかったもの。

 

久々に時計を買ったらめちゃくちゃテンション上がったのよ。

 

CITIZEN ATTESA CB5040-71A 

 

左手首に自分の大好きなアイテムが乗っていることの喜び、久々に味わった気がする。

 

時計ってやっぱり良いものだよねって思い出させてくれたこの子が僕的「買ってよかった2022」決定。

 

【参考】

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

 

 

お題全文:

12月に入ったということで、今年もやります!

今週のお題は「買ってよかった2022」です。

2022年を振り返るお題が出る季節となりました。今年もやります、毎年大人気のあのお題。今週は「買ってよかった2022」をテーマに、みなさんのエントリーを募集します。「在宅勤務用にモニターを買ったら捗った」「観葉植物に癒やされてる」「ダイエット目的でジムに通いだしたら肩こりが治った!」など、あなたの「買ってよかった2022」にまつわる出来事を、はてなブログに書いて投稿してください! ご応募をお待ちしております。

 

お題:「人生変わった瞬間」

幾つかの分岐点が考えられるけど、パッと浮かんだのは進学先の大学選び。

 

お題:「人生変わった瞬間」

 

 

合格を貰った幾つかの大学の中から二つに絞って、どっちに進もうか迷った末に自分の母校となる大学を選んだ。

結果、とても良い四年間を過ごせたのでその選択は間違ってなかったな。

 

 

……とか思ったけど、一番は成人式かも。

 

成人式の日。当日は式の後の飲み会の幹事をしたんだけしたんだけど、仲間外れが出るのが嫌で学年全員に連絡を入れた。

 

連絡先の分からない同級生には過去の連絡網を頼りに家電鳴らして。

 

ちゃん嫁とは元を辿ればその飲み会の後、二次会的な友人宅での家飲みがキッカケに仲良くなって、巡り巡って結果結婚したので、人生変わった瞬間はあそこかも。

 

全体の飲み会の後、別の飲みの場に流れていれば結婚してなかっただろうし。

 

ちゃん嫁は当初飲み会があっても出るつもりはなかったらしいけど、僕が彼女の実家に電話をしたことでお義母さんから「行って来たら?」と言われたことも後押しとなり、参加を決めたらしい。

 

「あの時あの場にいなければ……」、「あの時あの選択をしていなければ……」

日々の小さな決定の繰り返しの先に、今の人生がある。

 

僕にも、あなたにも。

 

お題全文:

きっとあそこが分岐点!

今週のお題は「人生変わった瞬間」です。

人生は選択の連続! 自分で道を選び取れることもあれば、あのときは気づかなかったけれど振り返るときっとあれが私の人生の分岐点だったんだろうなー……なんてこともしばしば。 今週は「人生変わった瞬間」をテーマに、みなさんのエントリーを募集します。「この小説を読んで人生観が変わった」「あの旅行に行かなかったら今の自分はいない」「犬を飼ったら人生が輝き出した!」など、あなたの「人生変わった瞬間」にまつわる出来事を、はてなブログに書いて投稿してください! ご応募をお待ちしております。

 

12/1(木)アトロク秋の推薦図書月間2022㉒ 宇多丸さん

11月を終えて12月に入ったものの、2022年ラストとなる推薦図書はパーソナリティ宇多丸さんによる入魂の一冊(一冊?)。

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書籍紹介もゲームのようにイージー、ノーマル、ハードとモードが3つあり。

(※難易度設定は宇多丸さんによる紹介が楽か否か)


ハードは宇多丸さんが読み込みきれていないため紹介が難しい。


宇内さん:説明書き長いなこのゲーム……


宇多丸さん:まずはイージーレベルから紹介

 

イージー

国立映画アーカイブ 槙田寿文 監修 『脚本家 黒澤明


宇多丸さん:国立映画アーカイブで開かれていた展示の図録だけど、展示を見るに等しい内容の充実加減。


映画監督として知られる黒澤明だが、長年脚本家として努力されてきた。

ご自身の監督作品も何が良いかと言えば、脚本がまず良い。

非常にシナリオに注力されていた。

 

映画史に残る名作『七人の侍』の創作ノートには如何にして侍達や農民のキャラクターができ上がっていったのかが書き残されている。

 

少しずつプロットが練られていったため、初期構想の中には今我々が知るあの『七人の侍』とは異なる展開の案もあった。

そのプロセスが実際のノートをはじめ、数々の資料で明らかになる。

本作公開前に『映画ファン』1953年5月号の中には「特別読み物『七人の侍』」という、まだ出来上がる前の途中段階の脚本を元にしたあらすじ紹介が載っている。

今の『七人の侍』とは異なる展開。


構想を練る中で黒澤明監督がが手詰まりになる瞬間も有る。

なぜなら『七人の侍』は階級の話。侍という搾取的階級と虐げられてきた農民という構造があり、意識の差や互いに不信感が。


プロットを書いていく内にその溝が深まり、「これでは協力の仕様が無い」という事態に。

それを打開したのが三船敏郎の演じた菊千代と言うキャラクター(※当初は菊千代と言うキャラクターでは無い)。


黒澤さんはドストエフスキーバルザックなどを読んで「このキャラクターのここが面白い」というのをメモしていた。


そうしたキャラクターの要素を上手く活かして統合して菊千代を生み出した。

元の草稿にあった○○と言うキャラクターと、ロシア文学『××』の△△のハイブリッドによって生まれたのが菊千代。

菊千代一人を置くことで侍と農民の溝が一気に埋まった、などなど。


有名なエピソードとして、『隠し砦の三悪人』の創作秘話がある。

4人の名脚本家で旅館に泊まり込み、協力して脚本を書き上げた。

一人が難所を用意し、別の脚本家がそれを突破するアイディアを出す。

その一つ一つに対し、どのギミックが誰の案であったかのかを旅館に残された草稿等を頼りに検証。


完全に学術研究の世界。


『生きる』がどのようにブラッシュアップされていったのか、など、天才黒澤明といえども、強い脚本を作るために繰り返し繰り返しブラッシュアップをしていたことが分かる。


何故イージーかというと、本の説明をしているだけで十分面白さが伝わるから


宇内さん:実際にノートを見ると奇麗に書かれていて、如何に思考が整理されていたのかが分かる。

これ清書したとかじゃないですよね?こんなにノート奇麗なんだ!


宇多丸さん:字の感じで言うとハリウッドから声がかかって『トラ・トラ・トラ!』の制作に携わるも降板して、ハリウッド側に文句を言う際の手紙は文字が少し乱れている気がする


宇内さん:感情が表れているんですね


宇多丸さん:『七人の侍』なんて研究され尽くしていると思っていたけど、一次資料に当たって研究するとこんなに新しい発見があるのかと驚いた。


この番組を聴いている人の中には創作に携わる人も多いと思うが、「このキャラクターのここが面白い」というアプローチは有用かも。


ノーマル

映画批評の古典

『映画とは何か: 映画学講義』加藤 幹郎さん


映画評論家加藤幹郎さんの、映画批評の古典的一冊。

1990年代に刊行された本が2015年に復刊。

冒頭に載っている『サイコアナリシス』はヒッチコックの『サイコ』について書かれた章。

非常に短い評だが、切れ味バツグン。映画批評の金字塔、一つの理想と言えるもの。


加藤幹郎さんは「映画研究家の仕事は、それを観たにも関わらずそこで何者かが不可視にとどまっている、見えないものにとどまっていたことを指摘し、それが何故見えていなかったのか、その原因をテクストと歴史の双方に探ることにある」と仰っている。


まさにその実践としての誰もが知っている映画『サイコ』をこれほど鋭く読み込んだ。それも短い文章で。凄いです。

 

ハード

河野 真太郎『新しい声を聞くぼくたち』


河野さんは『戦う姫、働く少女』で注目を集めた作家・学者。

先日宇内さんが紹介してくれた『これからな男の子たちへ』など、ポストフェミニズム的な男性観の対になるような一冊。


映画やマンガなどの文脈下で男性表象が如何に変遷を遂げてきたかを分析していく。


この番組にも出て来た『ジョーカー』や『鬼滅の刃』などの作品が出て来る。

ヒックとドラゴン』三部作における男性像の変遷に迫る部分も面白い。1作目と比べて2,3作目が保守的に後退しているなど学びが多い一冊。

まだ十分に読み解けていないので「ハード」として紹介。

 

今年も盛り沢山だった……

僕は本を読むペースが遅いので悔しいことに昨年の推薦図書も全く読めていない。

どこかで時間を作ってアトロク推薦図書を読む強化月間を作りたいなぁ

 

 

 
 
 
 
 
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11/30(水)アトロク秋の推薦図書月間2022㉑ 安藤 優子さん

2022年の推薦図書月間の大トリはこの方。

キャスター/ジャーナリストの安藤優子さんによる入魂の一冊

 

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CM中も金言連発だったという安藤さん。

 

そんな安藤裕子さんについて、日比さんによる紹介。

1958年生まれのキャスター・ジャーナリスト。

在学中から番組に携わり、学生ながら海外取材に赴くなど。

取材先はポーランドソヴィエト連邦、フィリピンの米軍基地潜入ルポなど多岐に亘る。

 

各番組を歴任しつつ、上智大学大学院にて博士号修士号を取得。

博士論文が「国会における女性過少代表の分析: 自民党の政治指向と女性認識の形成」。

それに加筆修正して今年7月刊行されたのがこちら。

 

自民党の女性認識――「イエ中心主義」の政治指向』。

様々なメディアで話題になり宇多丸さんもいち早く読んだとのこと。

 

宇多丸さん:Amazonのおすすめで出てきて「これは長年の疑問にも答えてくれる一冊かも」と思って読んだ。

 

大学で学び直そうと思ったキッカケは?

 

安藤さん:現場にイクことが多かった。後から考えると歴史の一コマ。

実況として中継する、言葉にすることはできるが、その前後を繋ぐ知識が欠落しているとコンプレックスが膨らんだ。

「今ベルリンの壁が壊されました」と実況できても過去の歴史と今後どう繋がっていくか、両者を結びつける「のり代」たる知識が圧倒的に欠けていた。このままでは自分はとんでもないハリボテだ、と思ったことがキッカケ

 

宇多丸さん:自分に厳しい評価を下すこと自体が凄い

 

安藤さん:「女性キャスターの時代」とか持て囃されると、自分が凄いわけではないのに、と恐くなった

 

日比さん:取材は事前の知識習得も必要。そこに学びを加えるなんて安藤さんはどれだけ体力があるんだろうと思いました

 

安藤さん:決して楽では無かったです。でも現実と現場の往復をしながら、かたや勉強は一人ぼっち。テレビはチームワーク。たった一人自分がその事に向き合わねばならぬ時間がとても大切だった。

毎日応報を伝えることの他に何かに向き合って何かを得ようとする厚意は真逆。それを両立できたことは精神の両立に繋がり、助けられた。

勉強は自分が本を読まない限り、誰も代わりにやってくれない。代わりがいない。自分にとって実りある時間だった。

 

宇多丸さん:そこで研究対象として法律上も謳われているのに進まない女性の政治進出を選んだ。その理由は?

 

安藤さん:報道の世界は学生アルバイト。見渡す限りおじさん一色。今は活躍する女性も多いけど。

当時、そんな環境に女子大学生が入っていくとハレーションが起きる。

そこで「どうしたら自分はここに居場所を作れるのか」と考えた。おじさんからすれば宇宙人のような存在の自分。「そうか、おじさん達に気に入られれば良いんだ」と思った。そこでおじさん達の「ペット化」に走る。

それから少し仕事が出来るようになったら「おじさんの敵では無い」と思って貰うためにおじさんに同化政策をとる。

 

後に顧みたときに、「何で日本の社会は女性はこうあるべきだという意識が変わらないのだろう」と思った。

政治学を研究してきたが、女性に注がれる視線を政治学では分析できなかった。社会学的なアプローチが必要だった。

 

社会学的にアプローチで「女性かくあるべき」という化石のような価値観は意外と自民党政権下で戦略として再生産を続けてきたものなのだと気づき衝撃を受けた。これが研究の端緒でも在り結論。

 

宇多丸さん:ご自身の必要性から取った処世術みたいなものから「これは」というのを見つけたと

 

安藤さん:後輩達には同じような生き方をして欲しくない。

オジさん達に同化することは、自分が女性(或いは男性)であることを否定することにも繋がる。それは自分の性別をリスペクトしていない、自分自身をリスペクトしていないことと同義。

 

社会通念としての女性認識を詳らかにしたいと思った。

 

日比さん:読み始めから胸の奥が震える思い。あとがきも拝読した中で、安藤さんがここまで生き抜いてきたからこそ言える切り口だと感じた。

「ペット化」、「弁える」など、私自身自覚がある中で、そうして振る舞う自分が悔しかった。しかし、それには自分に原因があるのでは無いかと思ってしまう

 

安藤さん:自分に原因を求めるわけですね

 

日比さん:どうしても媚びているんじゃないかと。でも安藤さんの徹底した取材の中で文字にして貰ったことで救われた

 

安藤さん:自己否定をするようにレッスンを受け続けてきている。自己否定感の無いままに「こうあるべき」という呪文のようなレッスンをずっと続けてきてしまった。それは1枚1枚引き剥がす必要がある。

女性に注がれる視線の正体を知ろうよ、と言うメッセージ

 

宇多丸さん:その正体のコアを浮き彫りにしたような一冊。

それが見えたのだから有権者として現実を変えようよ、という思い宿題を渡された思い

 

安藤さん:女性候補が増えない理由の一つは「24時間働けますか」の精神ではないか。24時間政治にコミットしなければという市民感情

 

宇多丸さん:労働に関する考え方がそもそもマズい

 

安藤さん:飲み会に言って街頭で名前連呼して。普通に働いている女性が24時間供出するのはちょっと、となる。

「24時間働けますか」という精神は有権者を含めて変えていく必要がある。出なければいつまでも変わらない。

 

宇多丸さん:「24時間働けます」と言っている人は誰のお陰でそれが出来るのかと言う話でもある

 

安藤さん:良いこと言ってくださいますね。

「女性議員定数を義務化しましょうよ」というと、「何で女性に下駄を履かせるんだ」と反論が来る。下駄を履かせるんじゃなくて、下駄を返して貰うだけなんですよ。

 

宇多丸さん:女性だけに負担が行っているのに「少子化」といっても「は?」と言う感じ

 

安藤さん:救われるのは自民党議員がこの本を読んで公演に招いてくれたりしたこと

 

(この辺りで「時間がヤバい」ということに。CMを挟んで書籍紹介)

 

安藤裕子さんによる入魂の一冊

『日本にとって最大の危機とは〝情熱の外交官〟岡本行夫 最後の講演録』

 

安藤さん:若者に向けた講演録。外務省外交官、小泉政権参与として政治の場でどうやって外交問題を解決するか。その経験も元にした講演録。

 

単に右の話左の話という極論のためにする議論ではなく、解決策を求めて東奔西走された方。その言葉は極めて現実的。

 

宇多丸さん:人となりを分かっていなかったことも在り、読んでいて意外だった

 

安藤さん:保持系の論客と思われることも多いが、岡本さんにとって不本意なこと。戦争は絶対的に愚かなことだという前提に立っている。

日米安保以外の方策を持ちうるのか。最善では無いがより良い選択肢は何かを常に呈示する方。

 

宇多丸さん:日本の植民地支配における加害責任なども現実的に直視していた

 

安藤さん:意外だったでしょ?それがこの本をオススメする理由。極論では無い、どっちでも良いけど解決策を探ろうよと言うスタンス。

 

宇多丸さん:日本の未来に希望を持ちづらい若者にこそ読んでもらいたい

 

 

 
 
 
 
 
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11/30(水)アトロク秋の推薦図書月間2022⑳ 日比 麻音子さん

日比さんによる入魂の一冊

 

ブレイディ みかこ著『両手にトカレフ

 

宇多丸さん:ブレイディみかこさん。番組にもお越しいただきましたけど

 

日比さん:新刊が出るたびにお越しいただいてイギリスのリアルなところをいろいろ教えていただいているブレイディみかこさん。今回小説は初めてということで

 

宇多丸さん:今まではエッセイでしたもんね

 

日比さん:注目をされていた長編小説ということで、私もすごく楽しみにしていて、TSUTAYAでサイン入りのものを購入

 

宇多丸:あぁ!そうなんだ!

 

日比さんによる概要紹介

イギリスに住んでいる14歳のミア。この子はですね、あのお母さんがちょっとドラッグだったりお酒とかに依存していて、なかなかお家が貧困な状況の中で、生きているというミアさん。

短くなった制服のスカートを穿き、図書館の前に立っていた。そこで出合ったのは、カネコフミコという日本の方の自伝でした。フミコは「別の世界」を見ることができる稀有な人だったといいます。本を夢中で読み進めるために、イギリスに住んでいるミアは同級生の誰よりもフミコが近くに感じられた。一方、学校では自分の重い現実を誰にも話してはいけないと思っていた。けれど、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれたことで、彼女の「世界」は少しずつ変わり始める――。

 

宇多丸さん:ラップが出てくるんですね

 

日比さん:そうなんですよ。このラップが非常に重要なんですけども。

このイギリスに住むミアには弟もいるが、お母さんがほとんど面倒を見られないような状態でほぼヤングケアラーのような状態。

たまたま図書館にいた怪しいおじさんに「これを読んでごらん」と勧められたのが日本に住んでいた女性の100年ほど前の自伝

 

宇多丸さん:カネコフミコさん。実在の方ですね

 

日比さん:はい。実在していた方なんですが、日本とイギリス、時代も場所も離れた二人が苦しい状況の中で生きなければいけない、子供として生き抜かなければいけないところが不思議とリンクしていく。

ミアは周りの子供だけではなく大人にも心を開けないが、フミコがなんとか生きようとしていく姿に共感していく。胸の奥を締め付けられるような言葉がたくさんある。

 

宇多丸さん:現実を前に全く違う時代全く違う国の女性が書いたものがドアを開いていく。すごくいい話だよね。

 

日比さん:奇跡のような遠くて近い存在をミアは見つけることができた。

 

推しの一文

フミコの自伝とミアの話が交互に出てくる。フミコの自伝の中の一部分。

「フミコは遠い場所に住んでいる祖母に幼女として引き取られるが、そこでも貧困を意背景とした苦しい生活を強いられる。

「何もしていない時でさえビクビク怯え、祖母に叱られないために生きていた。祖母は私から「私」を取り上げたのである。子供であるという牢獄。私はその中を生きていた。」

 

(こういった部分を読んだミアのシーン」

「子供であるという牢獄。それは自分たちのような子供にあるとミアは思った。ソーシャルに連れていかれないよう、いつもビクビクして暮らさなければならない。そしてもし保護されてしまったら、どこの町の施設や里親に預けられるかわからない。兄弟姉妹だって引き離される。」

 

日比さん:このように現実がしっかり描かれているのは、イギリスのリアルを知るブレイディサンだからこそ。イギリスのいい面・悪い面(悪いとは捉えられないけど)を知っているからこそ小説としてリアルに切実に描ける。小説ではあるがドキュメンタリーのように感じた。

 

そんな中でミアがリアルな言葉を紡ぐことができる、唯一言葉を解放して信じられるのがラップのリリックである、という。

 

宇多丸さん:「本」という過去のものが彼女に「自分は一人じゃない」と世界に対する目を開く窓になり、そこから自分の言葉を発する手段としてラップのリリックがある。まさに文学や表現の根源に迫る話ですよね。

 

日比さん:リリックを書くことで自分を肯定し、誰かに聞いてもらって「いいね」「格好いいね」と言ってもらえることで、こんなにも救いのない、誰も助けてくれない中でもリリックがあれば生きていける。ラップがあれば信じられるというミアの姿が格好良くて切実で。

ブレイディさんも前回出演時、実際にラップをしている子がいると教えてくれた。そう言った彼ら彼女らの姿がミアにリアルに描写されている。すごく考えさせれる一冊。

 

宇多丸さん:同時にブレイディさんの過去のエッセイのように、ある種爽やかな青春小説みたいな読み口でもある?

 

日比さん:そうですね。10代の子どもらしいシーンもありながら、苦しい中で生きる中で希望を見出すシーンもある。

 

※2019年に宇垣さんが『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を紹介していた。

 

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【前回】

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

 

【昨年】

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

 

【関連】

book.asahi.com

store.tsite.jp

11/29(火)アトロク秋の推薦図書月間2022⑲ 岸本 佐知子さん

翻訳家の岸本 佐知子さんによる入魂の一冊

 

宇多丸さん:翻訳された本を読んでいるのでもっとお会いしていると思っていたら一年振りなんですね。

(※本エントリ末尾に去年の推薦図書月間で岸本さんが出演されたときのエントリを引用したが、昨年は篠原梨菜さんが代打パートナーを務めていた回だった)

 

宇垣さんによる岸本さんの紹介

主な翻訳書 ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、レベッカ・グリーンの絵本『おばけと友だちになる方法』、ショーン・タン『いぬ』などがあります。

 

最近の仕事では柴田 元幸さんとの共訳『アホウドリの迷信 現代英語圏異色短篇コレクション』が今年刊行。

エッセイストとしても知られ、『ねにもつタイプ』、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』などがあります。

 

 

 

岸本さんの入魂の一冊

世界一、いや、宇宙一面白い!と、勝手に私が太鼓判を押す傑作エッセイ集

赤染晶子 著 『じゃむパンの日』

 

宇多丸さん:岸本さんのその太鼓判だったら間違いない!

 

宇垣さんによる概要紹介

日常を描いていながら、想像が羽ばたき、 ことばで世界を様変わりさせていく。 ここに生きている人たちがいとおしくて、読んでいると、 ふしぎと気持ちがあたたかくなる。

2010年に『乙女の密告』で芥川賞を受賞。2017年、急性肺炎によって亡くなった小説家赤染晶子による初のエッセイ集。岸本佐知子さんとの「交換日記」を含むエッセイ55篇を収録。

パームブックスより12/1発売。

 

宇多丸さん:まずパームブックさん。新しく始めた

 

岸本さん:そうなんですよ。大手出版社で編集者をされていた女史が独立して出版社を初めて、その記念すべき第一号がこの『じゃむパンの日』

 

宇多丸さん:第一号ということもあって装丁がめちゃくちゃ可愛い

 

宇垣さん:か〜わ〜い〜

 

宇多丸さん:「本を手に取られたきっかけ」という質問があるんですが岸本さん関わられていますもんね。中の人ですもんね

 

岸本さん:たまたま年ですが中の人。交換日記をしていました

 

宇多丸さん:赤染さんとの交流のきっかけは?

 

岸本さん:赤染さんの書くエッセイが滅茶滅茶面白くて、「赤染さん面白い〜」とずっと言っていたら「書簡集でもやりませんか」と言われた。

しかし「交換日記の方が乙女っぽくて良い」という話になり、実際に『新潮』という雑誌で実現した。

 

宇多丸さん:赤染さんは芥川賞を取る小説家ですが、エッセイが絶品なんですね

 

岸本さん:絶品ですね。

 

宇多丸さん:赤染さんのエッセイのどこがいろんな文章を描かれる岸本さんに響いたんですか?

 

岸本さん:全人類読んでほしいと思っていて、やっとこうして一冊にまとまったので今回全人類に知らせに来た。

エッセイだからどう面白いと言語化するのは難しいが、無理やり言語化すると……

赤染さんは京都在住の方。日常の一コマや家族のことを淡々と綴っているが、語り口や間、リズムが独特。

途中でいきなりドライブがかかって妄想が止まらなくなったりするが読み終わると懐かしいような不思議な読み心地・余韻が残る。

「味」と一緒で言語化が難しいが、客観的に数値で言うと

 

宇多丸さん・宇垣さん:数値?!

 

岸本さん:私もエッセイ的なものを書いているが、私の面白さを「1」とすると赤染さんのものは大凡千億・万億万倍くらい

 

宇垣さん:そんな笑 数値になってないよ笑

 

宇多丸さん:参考にならないですよ!岸本さんのエッセイだって面白いんだから!

 

岸本さん:概算ですけどね?

 

宇多丸さん:僕も読んでいて、日常エッセイのはずなんんだけど、「これはどこまでが本当?」と現実から乖離していく。しかしそれが一回りして現実に帰ってくる

 

岸本さん:そう!「トン」と現実に着地しているんですけど、「なんかその現実、前の現実と違う気がする」みたいな。

軽く異世界に連れていかれるような読み心地が素晴らしい。

 

宇多丸さん:しかも人をベートーヴェンなど見立て一発で見え方を、世界を丸ごと変えちゃうような魅力がある方で、変わった文を書く人だなぁと思った

 

宇垣さん:読んでいてすごく岸本さんと似たマインドを持つ方だなぁと感じた。「いつの間にか私地面から足が離れているのだが」みたいなところが似ていて。

また、時々挟まれる関西弁による浮遊感もある。言葉が急に異国の、関西の言葉になることによって「どこに飛んだんだっけ?」と感じるところが面白い。

 

宇多丸さん:エッセイの味は言語化が難しいと言うことで数値化してくださいましたが、味には「試食」というのもございますので、お気に入りポイントをピックアップしていただければ

 

推しの一文


「書道ガール」の最初の数行

「私の母は子どもの頃からずっと書道をしている。50年以上も書道をしていると、一番多く書くのは自分の名前である。紙の左に必ず自分の名前を書く。これでは偏りがあるので母は練習のために人の名前を書く。色んな人の名前を書くが、最も多いのが村上弘明だ。好きなのである。「お父さんよりも好き」と言っている。母は自分の名前の次に村上弘明の名前を多く書いている」

 

宇多丸さん:これ凄い笑

 

宇垣さん:全文このノリですもんね

 

岸本さん:これが最初ですからね

 

宇多丸さん:読んでいく内に「村上弘明」がゲシュタルト崩壊してきて

 

宇垣さん:そう!「何の話だっけ」って

 

岸本さん:出てくるお母さんやおじいさんもいちいちおかしい。
お母さん、赤染さんが血を吐いて入院したときに「ベレー帽買いに行かなアカンねん」と言って帰ってしまったり

 

宇垣さん:なんてこと無く書くんですよね

 

宇多丸さん:読んでいて「ん?ん?」となる。
読み終わるとタイトルだけで笑ってしまう。

 

「ビキニデビュー」

「子どもの頃、保育園が嫌いだった。特に夏のプールの時間が嫌いだった。わたしには変なあだ名がついていた。「金太郎さん」。私は保育園に通っていた頃、金太郎の腹掛けをしていた。昔話の金太郎がしている、あの腹掛けである。昭和50年代の話である。既にアポロ13号が月に行き、大阪で万博が行われた。昭和50年代というのはその後の時代である。そんなものを着けていたのは私一人だった。保育園で他の園児は皆木綿のシャツを着ていた。金太郎の腹掛けを見て、他の園児も先生も驚く。思わず私に言ってしまうのだ。「金太郎さん」。」

 

宇多丸さん:これもうさぁ……本当?!笑

 

宇垣さん:ちょっと変わったご家族ですよね

 

宇多丸さん:一つ一つの文章は短いながらもリズムが良い。宇垣さんの文章にも通じる

 

表題作「じゃむパンの日」


「私の勤務先のビルには、幾つかのテナントが入っている。1階には資格教室がある。いつもオープン前から生徒さん達が待っている。たまにそこのスタッフと間違われて、「あの、まだですか?」と聞かれる。「あ、私違います」という。エレベーターの前を通ると、中から5階の建設会社の作業員達が声をかける。「姉ちゃん乗って行きい」。一旦遠慮してから乗る。一人が言う。「寒いから儲かるやろ。ワシも風邪引いたかもしれんねん」同じ階の委員の看護師と思われている。「違います」と百回以上言っている。事務室のドアを開けると「いらっしゃいませ」と張り切った係長に客と間違えられる。「何やアンタか」と言われる。オープンの時間まで大分ある。そろそろ覚えて欲しい。窓口に座ればお客さんに言われる。「お前インド人やろ」。「違います」と言う。その人が帰った後係長が言う。「気にしたらアカンで」」

 

宇多丸さん:赤染さんはどういう風に見える人なの?

 

宇垣さん:もうね、おかしいって

 

宇多丸さん:読んでいて「ん?ん?」となった

 

宇垣さん:不条理コント見ているみたいな

 

宇多丸さん:そうそう。「エッセイ集って書いてあったよな?」って
ものの見方が常に面白いんでしょうね

 

岸本さん:登場人物皆関西人だから関西弁がね

 

宇多丸さん:良い意味で皆雑なのよ。世の中のバッファの取り方がね

 

「安全運転」


自動車教習所に通い始めたが、その教習所にはネコが沢山いる。教習コースにもネコがいる。数えたら18匹ほどのネコがいた。
「「シッ!」窓を開けずに教官が言う。ネコはノソノソと退く。私が「シッ!」と言ってもネコはちっとも退かない。私は教官を尊敬する。密かにこの教官をネコ使いと呼ぶ。ネコ使いの教官も凄いが、ネコも凄い。ネコは何でも出来る。坂道発進も出来る。私は坂道の途中でモタモタする。途中で手順を忘れてしまう。坂道の途中で私は考える。何をどうするのだったか一生懸命思い出す。その隣をネコはスタスタ歩いていく。教官が言う。「ほれ見てみ。ネコさんは上手に坂道発進しはるのう」本当だ。私は感心する。ネコは右折も上手い。教官が言う。「右折!」何故か私は左折する。代わりにネコが右折する。とても上手に右折する。「何でやねん!」教官は怒る。」

 

宇垣さん:ずっとこのノリなんですよね

 

岸本さん:これが初めて読んだ赤染さんのエッセイで、射貫かれました

 

宇多丸さん:これだけすっとぼけているのに、ずっと真顔なんですよ

 

宇垣さん:そう!

 

岸本さん:面白エッセイって「面白いだろう?」って言う感じがするけど、これはない

 

岸本さんとの交換日記より抜粋。

 

宇垣さん:交換日記も、岸本さん悪いよ?笑

 

岸本さん:最後赤染さんに「ふざけるな」と叱られてるんです

 

「交換日記というのは何だか懐かしいですね。私も小学校から高校の時にやっていました。交換日記でつい書いてしまうけど、書かない方が良い話題。それは恋でした。「交換日記ハンター」なる男の子達がいて、日記を勝手に読まれるからです。ちなみに私は宝塚歌劇の『ベルサイユのばら』のアンドレが大好きでした。アンドレは主人公オスカルの恋人です。ハンターに見つかったら恥ずかしいだけでなくややこしいので、交換日記にアンドレのことを書くときは伏せ字を使っていました。「ヒント:フランス人」と伏せ字の近くに注釈を入れたりしていました。「オスカルが好きなん?」と友人が間違えると、「それは私のライバルやんか!」と本気で怒っていました。ちょっと頭の悪い子供でした」

 

宇多丸さん:このくだりに対する岸本さんの回答もなかなか大概な……

 

宇垣さん:この二人が真顔でどんどんボケ倒すから、どこまでも行くみたいな

 

岸本さん:全人類、全宇宙読んで欲しい

 

岸本さんが本文を引用するたびに宇多丸さん・宇垣さんから笑いが溢れていて、引用された部分以外にどんな面白ポイントが眠っているのか非常に興味がわいた。

読んでみたい一冊。

 

 

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お題:「防寒」

今週のお題「防寒」



痒くなっちゃうからHEATTECHはあんまり着ないようにしてるんだけど、北陸という極寒の地で働いているのでタイツだけは履くようにしている。

 

私服ではダウンジャケットを着る機会が増えたな……

 

モコモコしちゃうからダウンもそれまではあんまり着なかったんだけどな。

 

寒いとやる気でないからね!

今週のお題は「防寒」です。

朝晩が冷え込むようになってきました! うっかり薄着で過ごしていると、いつのまにか元気もなくなってしまいます。本格的に寒くなる前に、いつもどんな防寒をしていたか思い出しておきましょう! 今週は「防寒」をテーマに、みなさんのエントリーを募集します。「この靴下がめちゃくちゃ暖かい」「窓にプチプチを貼った!」「部屋でもネックウォーマーをしています」など、あなたの「防寒」にまつわる出来事を、はてなブログに書いて投稿してください! ご応募をお待ちしております。

 

11/29(火)アトロク秋の推薦図書月間2022⑱ 宇垣 美里さん

宇垣さんによる入魂の一冊

 

山﨑 佳代子著『そこから青い闇がささやき』


宇垣さん:河出書房新社から1650円で2003年に発売された本。

長らく手に入りづらかったが、この度8月に筑摩書房より文庫化し手に入りやすい。。800円。実質タダですな。

(※ この度刊行された文庫版はタイトルが『そこから青い闇がささやき:ベオグラード、戦争と言葉』になっている模様)

 


宇多丸さん:どう言う本なんでしょうか?


宇垣さん:私は大学時代に民族紛争を研究。特にユーゴスラビアを勉強し、現地にも赴いた。ザグレブベオグラードなど。


NATO空爆、国連の経済制裁により苦しい生活を余儀なくされた市民達の苦しい日々が綴られた作品。

著者は1956年生まれの日本の詩人・翻訳家・エッセイストの山﨑佳代子さん。


静岡県出身で大学でロシア文学を専攻、卒業後はサラエボ大学に留学。

1981年からセルビアベオグラードで生活。旦那さんもユーゴスラビアの研究者の方。


日本の外務省から「帰ってきた方が良いのでは?」と何度言われても、余りにも長くその地に住んでいるため、「“皆”を置いて帰る」という選択肢がとれなかったというくらい現地に根を張っている方。


そんな状況下でどんな生活が営まれていたのかが書かれている。


私がユーゴスラビアの勉強を始めたのは『戦争広告代理店』という本を読んだのがキッカケ。


宇多丸さん:ああ!ありました!


宇垣さん:それまではニュースを観て「これはセルビアが悪いんだ」と思っていたけど、「そんなことなかったんだ!」と衝撃を受けたのが始まり。

その当時「セルビアが悪い。クロアチアは可哀想」という感じだったと思うが、それは大国の事情。

更に国連による経済制裁を課され、NATOから空爆もされ……という。


実際に空爆の跡地も見に行った。

ただのマンションなどが、今でも穴の空いたまま放置されている。何故なら、直す方がお金がかかるから。

だから今でもそこを通ると内臓をえぐり取られたような建物が沢山放置されている。


宇多丸さん:壊すのは一瞬っていうかね……


宇垣さん:それを見る度、「でもここに住んでいた人がいたんだよな」と思う。


宇多丸さん:宇垣さんが行ったのは何年ですか?


宇垣さん:2013年か2014年。大学四年生の頃。


宇多丸さん:その頃でもそんな状態なんだ……


宇垣さん:ビックリしてしまって言葉が出なかった。学生たちは全員その(セルビア紛争を)勉強していたのに、「無理」になっちゃったと言うくらい


宇多丸さん:知識として知っていたけど実際には……


宇垣さん:何を勉強してきたんだろう。行かなきゃやっぱり分からないな、と感じたことを覚えている


本書にはそこで実際どんな生活があったのかということが書かれている。

山﨑さんは詩人なので、市民の言葉にならない悲鳴のようなものを、丁寧に選び抜かれた言葉で、淡々と抑えた筆致で書いている。

だからこそ、ものすごく辛い状況なのに、読めちゃう。で、染みてくる。

戦火の中でも人々の生活は続いていく。セルビアの自然は美しく、季節はこの様に移り変わっていく。

隣人との何気ないやりとり。「あなた今日も生きていたの良かったね。会えて良かったわ」。

「今日も空爆はあるのかしら。何故世界は私達のことを憎むのかしら。あなたは私達のこと好き?」とスーパーマーケットのレジの人に言われて、「勿論好きですとも。だから心配しないで」と筆者は日本人の代表として答える。そんなやり取りも描かれていたり。

それだけで胸が一杯になる。


名もなき人々の、なかなか掬い上げられることのない部分を拾って、物語にして伝える。

確かにその人達がいた。確かにその人達の生活がそこにはあったのに、ということを丁寧に教えてくれる。


1991年。私が生まれた頃の話なのに、現在でもビビットに刺さる。それは勿論今ロシアがウクライナの一部を勝手に併合して自国の州にしようとしているというタイミングだからこそ刺さる部分もある。

筆者が言葉をとても大切にする方だから、ということもあると思うが、内戦についてこう書いている。

「右と左、侵略者と犠牲者、加害者と被害者そして、敵と味方。

区別はやがて差別となっていった。差別は更に生と死を分けていく。人の命を奪うのは銃でもナイフでもない。言葉だった」


宇多丸さん:うん……


宇垣さん:やっぱりこれは勝手に大国によって名付けられたものによって生まれたものである、って言うのが凄く……


宇多丸さん:当時のセルビアのイメージって言うのがね……


宇垣さん:モザイク状に人が住んでいたのに、そこを民族や宗教で分けることなんて無理だったのに、焚きつけられたものによって隣人同士が、そんなつもりもなく争わなければならなかったということが書かれている。


後書きに書かれた部分。

「言葉に力が潜むのは、人と人を繋げることができるからだと思う。ここにも人が生きているよ、と暗闇から光を放つこと。

それが言葉を発することの一番目の意味だった。

絶望から私達を救う言葉があるのだ。この冬国名が変更。セルビアモンテネグロとなり、ユーゴスラビアは世界地図から消えた。だが、私達は在り続ける。」


やっぱり言葉の力を凄く信じている人で、言葉によって生まれた戦争だけど、それによって失われたものは言葉で繋いでいく。


文庫版刊行にあてて書かれた後書きもある。

「同じ経験をした者として言葉にするもの、言葉にしないものを凄く大事にしたい」と書いてある。

また、解説は池澤夏樹さん。そんなこともあり、是非読んで欲しい本。


「いよいよ暗い時代となったが、良き言葉を人々が食べ物のように分け合うことが出来たら良い」なんて素敵な言葉だろう。こんな言葉が沢山詰まっている。


読むと「何て素敵な言葉遣いなの」と思う部分と、「何て大変な現実なの」というのが交互に刺さる。

とても染み入る作品。

 

宇多丸さん:最初の話に戻るけど、宇垣さんをはじめ、とても勉強されてきた学生さんが知識としては日本人としてかなり知っている状態で現地に行っているにもかかわらずそう感じたんですね


宇垣さん:現地の方達を見て、見た目も自分達と「一緒じゃん」と感じた。大学の先生は現地の言葉も話せる方だったが、「一方では「セルビア訛り」って言われるし、もう一方では「クロアチア訛り」って言われるんだよ」と仰っていた。それくらい両国の言語も似通っていた。


その人達を分けるのなんて難しい。何故それが可能だと思ったのか、と疑問に思った。

「まだ終わっていない」とも思った。


宇多丸さん:「言葉」は抑圧にも使われるけど、同時にその言葉で生身の、しかも日本語話者の方がまさにそこにいて、「詩的表現」という一番繊細な表現が出来る方がいたからこその作品でもあるだろうし


宇垣さん:詩人の力ってそういうことなんだな。繊細なところを掬い上げる力が一番ビビッドな方なんだなと感じた。


宇多丸さん:自分がいた場所で、自分だからことを出来ることをやった結果出来た本と言うことですね


宇垣さん:それが普遍的なことがとても悲しいけれど、いまだに響いてしまう。何故なら今も同じ状況があるから。

本が生まれた2004年にも戦争があったし、今もある。何て悲しい生き物と思いながら、文字の力を信じていきたいと思う


宇多丸さん:このタイミングでの復刊は今必要だから、と言うことがあるのかもしれないですね

この本全然知らなかったです。

宇垣さんならではの選書ですね。

僕も『戦争広告代理店』と言う本は読みましたけど、それがキッカケになっていたんですね


宇垣さん:中学か高校の読書感想文の課題図書だったんですよね。この本が興味深すぎて。


ニュースの見方が変わった。

ここに来る、テレビ局で働くという道を辿る一歩目だったのかなと思う。

 

今回の放送を聴いていて印象的だったのは「言葉に力が潜むのは、人と人を繋げることができるからだと思う。ここにも人が生きているよ、と暗闇から光を放つこと。

それが言葉を発することの一番目の意味だった。」という部分。

 

11/15の「秋の推薦図書月間」で、柚木 麻子さんの手で『わたしのペンは鳥の翼』(アフガニスタンの女性作家たち 著/古屋美登里 訳)』が紹介されたとき、宇垣さんは「”貴女たちがそこにいること、知ってるよ”って、読むことで言える気がする。」と言っていた。

山崎さんの言葉と宇垣さんが11/15の放送で語った言葉は通底しているのではないかと感じた。

 

宇垣さん:「貴女たちがそこにいること、知ってるよ」って読むことで言える気がする。

11/15(火)アトロク秋の推薦図書月間2022⑧ 柚木 麻子さん - 映文計

 

 

 

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アトロク恒例!熊崎 風斗アナプレゼンツ グラビア総選挙2022

アトロクにおける年末恒例企画!

 

熊崎 風斗アナプレゼンツ、倉持由香さんをゲストに招いてグラビア総選挙を今年も開催!



 

2022年のグラビアアイドル紹介記事アーカイブとして残しているので、リスナーの方はグラビア総選挙のご参考に。

 

1人目:新谷 姫加(あらや ひめか)さん

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2人目:葦原 海(あしはら みゅう)さん

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3人目:華村あすかさん 

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4人目:名取 くるみさん

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5人目:志田 こはくさん

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6人目:記録しておらず……痛恨のミス……

(追記:お名前だけ判明。あまつ まりなさん!)

 

7人目:マジーヌさん

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8人目:樋口 日奈さん 

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9人目:岸 明日香さん

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10人目:雪平 莉左さん

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11人目:山田 かなさん

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12人目:澄田 綾乃さん

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13人目:宇賀神 メグさん

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14人目:村島 未悠さん

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15人目:神部 美咲さん

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16人目:下尾 みうさん

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17人目:まるぴさん

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18人目:菊池 姫奈さん

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19人目:宮崎 あみささん

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20人目:休井 三郷(きゅうい みさと)さん

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21人目:大熊 杏優(おおくま あゆ)さん

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22人目:石田 桃香さん

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23人目:田中 美久さん

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24人目:ゆうちゃみさん

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25人目:村山 優香さん

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26人目:竹内 花さん

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27人目:染野 有来さん

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28人目:坂ノ上 茜さん

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29人目:和泉 芳怜(かれん)さん

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30人目:北原 芽依さん

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31人目:似鳥 沙也加さん

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32人目:髙橋 ひかるさん

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33人目:川瀬 もえさん

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34人目:星乃 夢奈(ゆな)さん

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35人目:松下 洸平さん

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36人目:瑚々(ここ)さん

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37人目:岸 みゆさん

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38人目:福田 ルミカさん

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今年は誰が優勝するのか……!

感謝です!

 

 

 

11/28(月)アトロク秋の推薦図書月間2022⑰ 熊崎 風斗さん

クマスによる入魂の1冊


クマス:リアルに私がこの一年で最も読んだ本と言っても過言ではないかも知れません。

絵本です。

市原 淳さん著、開(ひらき) 一夫さん監修『もいもい どこどこ?』

 


クマス:これ絵本なんですが、小さなお子さんがいる方は聞いたことがある、という人もいるかも。


もいもいとはキャラクター。

宇多丸さんにも見ていただいていますが、このキャラクターが特徴的じゃないですか?


宇多丸さん:“もいもい”というのはつまりこの赤い勾玉状と言いましょうかね


クマス:そうです。カタツムリ……じゃないんですけど。

これ「赤ちゃんが夢中になる絵本」として話題でして、0〜2歳の赤ちゃんが対象。


ウチの3歳になる子はもう卒業しているんですが、下の子が今夢中になっている。ずっと見続けている。


宇多丸さん:これはどう言う本ですか?


クマス:「大人が楽しめる絵本と実際に子供が読んで楽しい本は違うよ」というコンセプトから始まり、東京大学の赤ちゃんラボという、赤ちゃんを研究しているラボの開 一夫さんという赤ちゃん研究の第一人者と、販売元のディスカバー21が共同研究をして、「赤ちゃんが最も見たくなるイラスト」を考えた


宇多丸さん:赤ちゃんってまだ言葉喋れないじゃん?どうやって反応を測るんですか?


クマス:これは赤ちゃんを「審査員」として迎えて、「選択注視法」という手法を用いて「どのイラストを赤ちゃんが一番見るか」を繰り返して生み出されたのが“もいもい”。

このイラストが赤ちゃん達から圧倒的に支持を集めた。


宇多丸さん:ただの丸・三角・四角のような図形とも、クマちゃんやネコちゃんのような図像よりも、この赤い丸にしっぽが生えたようなもいもいが一番人気なんだ!


クマス:実際ウチの赤ちゃんも集中するんですよね。大人からすればこれ何だろうと思うんですが、赤ちゃんからすればこれが良い。


宇多丸さん:なんで良いのかは分からないもんね


クマス:イラストを募集する際、「顔」や「目」は赤ちゃんが集中しやすいので、それ以外のもで目を引くものを公募した。

それでこのもいもいが採用された。


また、「もいもい」という名前も、赤ちゃんが好む繰り返し音と、発声しやすい「まみむめも」の音が採用されている。


宇多丸さん:このキャラクターを指して「もいもいだ!」って言う感じなの?


クマス:そうなっていくんですよ。

大人たちは可愛いイラストやストーリーの良さで絵本を選びがちだが、東大の研究があってこの様な形に


宇多丸さん:『もいもいどこどこ』っていうタイトルだから、色んな図像の中で「もいもいどこかな〜」とやるような感じでしょ?


クマス:0歳の頃は絵本を開くと、もいもいをずっと目で追っている。

喋れるようになると「もいもい」と指さすようになる。


宇多丸さん:赤ちゃん研究の様子とか見てみたいね

 

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11/25(金)アトロク秋の推薦図書月間2022⑯ 山本 匠晃さん

タカキこと山本アナによる入魂の一冊紹介。

 

本のカバーを目にした瞬間、気になってしょうがない。

雨穴著『変な絵』

 

宇多丸さん:雨穴さん、去年と連続じゃないですか?

 

【去年】

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タカキ:そうですね。去年は『変な家』を推薦


宇多丸さん:間取り図から読み解く作品でした。

これは良い意味ですが「気持ち悪い」作品


タカキ:よくこんな作品を思い付くなと思う。ホラーな作風が得意なwebライターにしてYouTuber。

良いタイミングで10/20に刊行され、「あら!雨穴さんまた新しいの出してる。読まなきゃ」と。

前作は家の間取りを見ながら、文字を追っていきながらその家でどう生活していたのかを想像するのがゾクゾクして楽しかった。

今回は絵で、間取りを眺めるのとはまた違った不気味さが、もう本のカバーからも溢れている。


宇多丸さん:カバーの時点で絵を見せるんですね


タカキ:間取りと違うのは、絵ですから誰かが自分の手で描いているわけで。

この絵に間取りよりも個人的な感情が強く宿っている。その不気味さと注意を惹きつける力があると感じた


宇多丸さん:嫌だな〜


タカキ:で、「読まねば」となって手に取った。合わせて9枚の絵が登場し、その絵に関わる凄惨な過去・事件が紐解かれていく。


ある少女が描いた絵やブログに書かれた絵、失踪した男の子の描いた絵、死体から見付かった絵などが登場する。


何に描かれた絵なのか、線の細さ太さ、どんな気持で描かれたのか、絵の構図など含めて様々な興味が湧いてくる。


本日は表紙に載っている絵について。

宇多丸さん、カバーの裏の絵を観てください。


宇多丸さん:なんか素朴な感じの絵に見えますよ。家があって真ん中には女の子が立っていて、右側には木があってその中には鳥ちゃんがいるのかな?


タカキ:こちらは本書の冒頭に出て来る絵。11歳の少女が描いた絵。

初見が楽しい瞬間だと思う。読み進めずにまずは絵を見る。


宇多丸さんはどう感じましたか?


宇多丸さん:『変な絵』と言う本を読むつもりで見たから構えて見たけど、何も言われなければそんな何も思わないというか


タカキ:シンプルな、可愛い小さな子が描いた絵かな、と言う感じですよね。

でも実はこれ、物語上11歳の頃に母親を殺害した女の子が描いた絵とされているんです。


宇多丸さん、それを聞いてこの絵を見るとどう感じますか?


宇多丸さん:え……でも絵を描くというのは、絵の心理療法なんていうのもあるわけですから、そう言われてみると木の形だの中の鳥だのが意味を持ってくるのかな……

家はあるけどドアがないとか?


タカキ:あ!はい!家に窓はあるけど入口がない。とか、他にもポイントがあって。

宇多丸さんが言うように、この絵から読み取れる少女の心理を心理学者が本編が始まる前に紹介する


宇多丸さん:一応効いてますけどフィクションですよね?


タカキ:そうです。

女の子の口元。笑顔なんだけど、よく口元を見ると何度も書き直したようなあとがあったり、家に入口がなかったり、木の枝の形だったりとか。

この三つの要素から心配な部分がある。

推しの一文


私はこの絵を描いたA子ちゃんを、更生の可能性が十分にあると判断しました。何故だか分かりますか?もう一度木の絵を見てください。今度は枝ではなく幹に注目しましょう。鳥が住んでいますよね?この様な絵を描く人は庇護欲があり、母性愛が強い傾向にあります。自分より弱い生き物を守ってあげたい、安全な場所に住ませてあげたい。そう言った気持が現れている。だからこそA子ちゃんは刺々しい攻撃心の奥にとても優しい心を隠し持っていると言えます。動物や小さな子供と触れ合う機会を与えれば彼女の優しい心は育ち、やがて口撃心は和らいでいくだろう。私はそう考えました。今でも当時の自分のその診断に自信を持っています。A子ちゃんは今では幸せなお母さんになっているそうですから。


宇多丸さん:『変な絵』と言うタイトルで雨穴さんが書いている本なんで、冒頭に短くそんなのが載っていたらこれは「フリ」だろうと正直思いますわ


タカキ:そうなんです。この後の人生でとる行動とは。そして今お母さんになっているけどどんなお母さんなのか。この本を通じて分かっていく。

色々な絵が出て来るが、冒頭に出ているこの絵が全ての始まり。悲惨な過去が全てこの絵に詰まっている。


合計9枚の絵が出て来る。

別の話かと思っていたが、点と点が繋がっていくように暗い闇深い過去に繋がっていく。


雨穴さん、よくこんないやな物語を書くなぁと思った。


ゾッと出来るサスペンス的な1冊と言うだけでは無いと感じた。

絵とは人が何かを残したいと思って切り取られたもの。

そこにはメッセージや叫びがある。

一見しただけでは汲み取りきれない、不気味さの奥に優しさや気遣いが含まれている。


この絵を描いた直後や書いている最中に気付いてあげれば起こらなかった悲劇もあるのではないかと感じさせられた。


宇多丸さん:絵は間取りと違って難しい感じがする。

一つ一つの絵は何の変哲もない感じだけど、そんな大きな物語に繋がっていくとは。

私読むの速いので聞きながら一章読んじゃいましたけど、恐いんだけど(笑)


タカキ:ちなみにYouTubeでは雨穴さんがこの冒頭の章に触れている音声が聞けます


宇多丸さん:図像を使った新しいミステリの形を雨穴さん作っているんですね。

しかも変哲もない絵で。


イヤ〜薄気味悪いわ〜

 

 
 
 
 
 
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11/24(木)アトロク秋の推薦図書月間2022⑮ TaiTanさん

本日は宇内さんがお休み。宇垣さんが代理パートナーとして出演。

 

TaiTanさんによる入魂の一冊紹介。

TBSラジオ「脳盗」パーソナリティにして"Dos Monos"のメンバー。

 

入魂の一冊

超異常言語感覚

乗代 雄介著『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』

(※何度聴きなおしても「ビッグエブリーのアンダーパーツ」にしか聞こえなくて検索に時間を要した笑)

 

宇多丸さん:これ知ってました、宇垣さん?

 

宇垣さん:初めて知りました。分厚い

 

宇多丸さん:分厚いですし、一見タイトルだけを見ると海外文学のよう。

 

宇垣さん:題名が海外っぽい

 

宇垣さんによる概要紹介

『最高の任務』で第162回芥川賞候補となった現代文学の新星、乗代雄介さんがデビュー前から15年以上にわたって書き継いできたブログを著者自選・全面改稿のうえ書籍化したもの。

大凡600編に及ぶ掌編創作から67編を精選した『創作』、芸術と文学をめぐる思索の旅路を行く長編エッセイ『ワインディング・ノート』に書き下ろし小説『虫麻呂(むしまろ)雑記』を併せた内容となっています。

 

宇多丸さん:2020年の本なんですね。手に取ったキッカケは?

 

TaiTanさん:今は亡き六本木ブックファーストでたまたま目が合った。余りも分厚いから、面出しでも他の本と比べて突出していた。

 

宇多丸さん:物理的にも突出していたと

 

TaiTan さん:開いて読んでみたらその中の一遍があまりにも面白すぎて、本屋で笑ってしまった。そんな経験は今まで無かった。

そのままの勢いで「これは俺が読まなきゃ行けない本だ」と思い購入。電車の中でもずっと読んでいた。

 

宇多丸さん:ブログで書籍化前から読んでいたとかじゃなく運命的にビビッときて、と言う感じなんだ

 

TaiTan さん:完全に運命的に出会いました。

正直乗代さんのこともそれまで存じ上げていませんでした。本当に何の前提知識もなく出会った。

 

宇多丸さん:本屋で声を上げて笑っちゃうってなかなかだね。この本のポイントは?

 

TaiTan さん:大体600ページに及ぶ本で3部構成になっている。

1部が乗代さんが学生時代からずっと書いてきたブログの抜粋。

中編が彼の創作論みたいなエッセイ。

最後が書き下ろし小説。

 

僕が衝撃を受けたのはブログ。

 

宇多丸さん:所謂ショートショート的な?

 

TaiTan さん:まさしく。見開き2ページで終わるくらいの短編だったり。それが全部面白い。

電車の中でもずっと笑いを堪えるのに必死で、これ以上はどうにかなってしまうと本を閉じたくらいだった。

 

小説で笑うまで行くのはかなり稀。それをいとも簡単に、しかも何回も連続して

 

宇多丸さん:それが何編も入ってるんですもんね。そんな波状攻撃、全部一度に摂取したら危険!

 

推しの一文

「マウンド上、俺様宛」より

「シチュエーションとしては9回裏ノーアウト満塁。バッターは四番ピッチャー俺」から始まる文章。かなり追い込まれている状況でピッチャーの心情風景を切り取っただけ。

ピッチャーはピンチにある自分を諫める。

「俺は練習してきたたし、何より英検3級も持ってる」みたいな自分の自信の裏付けとなるものがショボすぎるところに引っかかってきて、結局最後はホームランを打たれて終わってしまう、と言うだけの話。

これをたまたま開いて読んだ時に「何ちゅう言語感覚なんだよ」と思った。

この文章に出会って、確かに僕らが見ている野球中継のピッチャーも意外としょうもないことを考えているのかも知れないと想像させる力が凄い。

 

宇多丸さん:ここ一番の時にしょうもないこと考えている時あるもんね。ライブ中だってそりゃあるよね。

 

TaiTan さん:ありますよね!「今屁こいたら最前の奴にはバレるかな」みたいな。

そんな内容が「面白いでしょ?」というような筆致ではなく書かれているところに惹かれた。

 

宇多丸さん:凄いね。どこを目指して書かれたものなんだろう

 

TaiTan さん:「誰に見せるでも無く書いてきた」ブログがまとめられている。

純粋芸術と言っては大それているけどだけど、推せるポイント。

 

宇多丸さん:曰く言いがたい所をこそ狙って書いている人なのかなと思いました

 

TaiTan さん:今までの紹介は笑えるポイント。他にどうしても紹介したいところがある。

中編の部分の彼の創作のエッセーに出て来る一文。

乗代さんの大学時代の指導教官だった法政大学の田中優子先生、今は総長となられている方が、乗代さんのレポートなどの提出物を見て余りの文章力に異例のメール返信をした際の文面が引用されている。

「あなたの才能に正直惚れている。こんなメールを書くことは今まで一度だってなかった」なんだけど、「私は褒めても意味が無くて、褒めた結果あなたが文章で食べられると思ってしまうことを恐れています」みたいなことをずっと書かれている文面が紹介されていて、そこも感動的。

 

宇垣さん:ある種茨の道ですもんね。

文章で食べられると思わせてしまうことは

 

TaiTan さん:そのような教授との交流を書いている。その様子も「べちゃっ」とした感じ(ウェットな書き味、の意?)ではなく、むしろそれに対して反発する心を書いていて、「この人の創作に対する解像度、異常だな」と思わせられた。

 

前半部分であんなにケラケラ笑わせてくれながら、こんな深度で物事を考えているんだ、と思わせられた。

 

宇多丸さん:こういう文章を書く人はおのれを隠すことでスタンスを保つ人が多い中、後半では中身を見せるというのは珍しいスタンスですね。

 

メールを引用した直後の文章で「こんな私的なメールを匿名で公開することは恥知らずで恩知らずで畜生がやることだ」と書いているのは太宰感

 

宇垣さん:あります!

 

宇多丸さん:メッチャ笑えるところと、自分を開示するところが太宰にはある

 

TaiTan さん:その両面が一冊に納まっているのは奇跡的なバランス感覚

 

宇垣さん:毎回ピンチになる度に「英検三級を持っている」のくだりを思い出しそう

 

宇多丸さん:私の「駿台模試実質2位」に通じるものがあるかも

 

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