映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

3/9(水)アトロク 768回

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス/フリートーク

本日はスタジオに来ている宇多丸さん。

先週に引き続き?

心地良い風が吹いて気持ちのよい気候の本日。

が、風が嫌いな日比さん。花粉症については認めていないとのこと。

 

宇多丸さん:週末はドキュメンタリー攻め。明日3.11に合わせたドキュメンタリーをアジアンドキュメンタリーで観た。

そういったはなしをチョロリとして、初めて宜しいでしょうか?

 

日比さん:もちろん

 

宇多丸さん:アフター

日比さん:シックス

宇多丸さん・日比さん:ジャンクション!

 

宇多丸さん:今後も緊急事態宣言開所されてもリモートはこの番組に関しては実施していこうかな。

日比さん、最近はどうですか?

 

日比さん:『あさチャン!』終わってから本を読んだり映画を観たり、余裕が出て来た。

 

シーサイドスクワッドさん

本日MTVアンプラグドのライムスター特集が再放送。

録画データ消失に備え再視聴予定。

 

宇多丸さん:B-Boyイズムのみは商品にも収録されないので是非!

MTVアンプラグドが終わったので週末はゆるりと。

『星の王子ニューヨークへ行く2』が配信開始されたので観てみたりしたが、しょうもない話なので割愛。

惰眠を貪っただけの週末にしたくなくて勉強も兼ねてアジアンドキュメンタリーズを観た。

明日ばんのさんにお越しいただく。

それとは別に鑑賞したのがミャンマー関連の映像。

「報道されるレベルの情報しか知らないな」と思い鑑賞。

以前『ビルマVJ』というドキュメンタリーを紹介したが、情報が少し古い。

2019年『軍事国家ミャンマーの内幕』というドキュメンタリーがあり、今回の騒動の直前までを描いている。

アウン・サン・スー・チーさんの父親が独立を勝ち取るまでを描いている。

一党独裁体制からどうやって統治機構を移行するか。

日本においても無関係ではない。

軍部が政権を維持しやすいように巧妙に憲法にも規定されている。

軍部が「憲法を守ろう!」という皮肉めいたことも。

軍部は事前調査で余裕な姿勢で選挙に挑むも、予想に反してNLDが大勝してしまう。

伝説的な軍事家である父を持つスー・チーさんは軍部とも通じる言葉を持つ者としてミャンマーの軍事政権下で孤軍奮闘していた。

 

しかし少数民族に対して積極的な一手を打てないでいたスー・チーさんに対して国際社会の言葉も無責任だったのではないか。

ドキュメンタリーを観ただけでミャンマーの全容が分かったわけではないが、理解の鳥羽口として最適だった。

『黒魔術の潜む国』という書籍も是非!

 

リスナーメール

三毛猫電力さん

「震災と高校演劇」特集に寄せて。

東日本大震災時に高校演劇をやっていた当事者として非常に力のこもったメール。

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ トリプルファイヤー・吉田靖直(エッセイ『持ってこなかった男』)

「等身大より低めのエッセイ」刊行記念。

吉田さんは番組放送開始直後以来二度目の出演。

1987年香川県生まれ。

 

宇多丸さん:どうしたらそんなにタモリさんに好かれるんだろう。

タモリ倶楽部で「吉田さん特集」やってたじゃないですか?そんなことないですよ?

トリプルファイヤーが世に出てからしか知らないので紆余曲折を経て今に到っているというのを初めて知った。

読むのが辛かったけど面白かった。

掟ポルシェさんの『男の!ヤバすぎバイト列伝』と双璧を成す音楽家名作書籍!

 

宇多丸さん:吉田さんは人柄もあって周囲の人には恵まれている……よね?

嫌なことがあってもちょっとした褒め言葉けだで人間関係が続いていることがリアル。

この本を読んで驚いたのが、吉田さん色々覚えて良すぎじゃない?

 

吉田さん:多分家に帰って反芻しているから。記憶に定着しちゃう。

 

宇多丸さん:物事を客観視する姿勢は昔からあったんですか?

 

吉田さん:そうですね。クラスで面白い奴がいても「この中で芸人に達する人間はいない」などと冷静に見ていた。

 

宇多丸さん:吉田さんの文章の特徴で、普通はもうちょっとドラマ化するんですよ。

吉田さんはあらゆるドラマ化を拒んでいる。それが凄い。

この本を読んでトリプルファイヤーの曲、初めて理解できた気がする。

 

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ なかの綾とCENTRAL

 

 

■19:45-19:55頃
新概念提唱型投稿コーナー → シアター・一期一会

 

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンド・ザ・カルチャー」→ 震災と高校演劇 特集(TBSラジオ・澤田大樹記者 & 劇作家/演出家・工藤千夏)

3/5(金)アトロク 765回

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス

山本さんにお似合いの紫のお召し物。

こちらもエアリズムとのこと笑

 

本日の課題映画について

ロシア料理に感謝しかないと言うセリフ。

さして美味しそうでもないあの料理は何?と宇多丸さん。

一方、酔っぱらって魚をバコンバコンと叩いて盛り上がるシーン。

ロシアにはこんな風習があるの?

あのシーンはガチで飲んでいるからこそのあのノリであろう。

映画の良いところは旅行だけでは出会えない深層を味わえるところ。

ロシアの酔っぱらいはこうなんだろうな、と思える。

 

エキストラが1万人にも及ぶ作品。

2年間閉じられた空間さ撮影。

しかしリアリティTVを撮っているわけでもない。

限りなく本名に近い役名をつけて即興演技をさせる。

その空間で暮らすその人本人の言葉としてセリフが出て来る。

KGB役の人が「主人公の服を引き裂け」と命令を下すシーンがあったが、KGB役の人が「引き裂くなんて嫌だ」と言い出し、主人公役の女性の人に自ら脱いで貰うことに即興で変更したり。

 

宇多丸さん:いい加減にタイトルに行けと言うことなので粛々といきましょう。

アフター!

タカキ:シックス!

宇多丸さん・タカキ:ジャンクション!

 

気が付いたらオープニングトークで15分近く経過していたことに驚く宇多丸さん。

語っても語り尽くせないほどどうかしているプロジェクトだったらしい。

 

お知らせ:

宇多丸さん明日イベント出演。

18:00〜19:30

btixにてチケット販売。

愛しかない。安達祐実と桑島智輝、夫婦合作の写真集 『我旅我行』 | J-CAST BOOKウォッチ

アーカイブもあるよ。

 

 

リスナーメール

ブライトマンさん

ジャパンPodcastアワードについて。

番組は受賞を逃すも、橋Pと三宅さんの『令和版夜のミステリー』がエンタメ賞受賞!

zoom画面が写ったけどアレが噂のイキリ部屋??!!

 

宇多丸さん:橋P仕事ということで実質これはアトロクと言っても……?良い?

あとジェーン・スーさんの受賞もかつて同じ大学サークルに所属し、そのサークルの精神的支柱だった俺の受賞と言っても過言ではない。

 

タカキ:羨ましい能力だなぁ笑

 

■18:30~18:50頃
「ムービーウォッチメン」→ 「DAU. ナターシャ」評

 

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ 関取花(シンガーソングライター)

 

 

■19:40~19:50頃
「新概念提唱型投稿コーナー」→ 抽象概念警察

 

 

■20:00~20:50頃
「ビヨンドザカルチャー」→ アトロク・フューチャー&パスト by 福田里香(お菓子研究家)

 

 

■21:00配信
「Spotify限定・別冊アフター6ジャンクション」→ 映画「あの頃。」記念・東京ハロヲタ座談会「宇多丸×掟ポルシェ×コンバットREC×森田秀一」

3/4

■18:00~18:30頃
「オープニング」→最新カルチャートピックス

 

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ 最新スマホゲームの世界 by 寺島壽久(ゲームキャスト)

 

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ LITTLE CREATURES

 

■19:45-19:55頃
「新概念提唱型投稿コーナー」枠 → Spotify presents ラジオ、できるかな?

 

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンド・ザ・カルチャー」→ 「社歌」最前線2021

普通にJ-POPやないかい部門

www.youtube.com

作詞作曲に一流どころを持ってきたセゾンとは異なり、社長をはじめ社員の皆様が作った楽曲。

 

意外な展開部門

www.youtube.com

急な店長で社長のラップが入ったり、そのラップに社長の主張が入っていたり楽しい楽曲。

 

これアニソンやないか部門

www.youtube.com

90年代アニソンっぽい曲調。

「テンションで仕事するな、プライベート持ち込むな」など歌詞も面白い笑

 

宇多丸さん:色んなこと言われすぎて却って入ってこないwww

 

井上さん:社長がアニメーター兼プロレスラー。

コナンシリーズなどを手がける一流のアニメ制作スタジオ。

 

宇多丸さん:この曲が一番テンションで仕事してる感あるけど笑

 

ゲームコーナー〜誰が作った社歌でしょうか〜

 

【初級編】明治安田生命保険相互会社『笑顔の扉』

<予想:大黒摩季さん?>

宇内さん:大黒摩季さん!

正解:大黒摩季さん

www.youtube.com

 

【中級編】岩瀬コスファ株式会社

www.youtube.com

<わからない……>

宇多丸さん:広瀬香美さん?

正解:広瀬香美さん!

www.cosfa.co.jp

 

【上級編】GMOインターネットグループ『Internet For Everyone』

とある大物作曲家の作ったインスト曲。

www.youtube.com

ヒント:90年代にチャートを席巻。筒美京平さんに次ぐ国内売り上げ2位の作曲家

 

宇多丸さん:じゃあ小室さん?

正解:小室哲哉さん!

 

世界に広がるグループ会社の楽曲のため、歌詞のない曲を目指した。

バンドメンバーもアカデミー、グラミー賞受賞歴のある方々。

 

ほっこり社歌部門

株式会社ヤッホーブルーイング『ビールでつくろう』

www.youtube.com

入社一年目の新入社員が立ち上げたプロジェクト。

遊びごごろあふれる軽やかな楽曲。

 

宇多丸さん:色んな人の声がちゃんと粒立つように入ってる。会社の「らしさ」が出ている。

動画からもいいムードの会社なんだなと伝わってくる。

 

井上さん:今年もコンテスト実施予定。今からシャカを作っても間に合うので、是非とも奮ってご応募を!

 

エンディング

宇内さん:ドラえもんとGUCCIのコラボの服を15万で買ったので金欠という宇内さん。

すげー!大人のお金の使い方!

3/3(水)アトロク 763回 ひな祭り 花田菜々子 バラクオバマ特集

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス/フリートーク

ひな祭り当日!

モー娘。の「ひなまちゅり」かけるかけない?

本日放送後放課後のために『あの頃。』評を撮る。

00年代初頭における東京のモーオタの空気について。

今は熱のないしゃべりで知られる森田さんが東京のシーンで重要な役割を果たしていた、などなど。

 

宇多丸さん:アフター

日比さん:シックス

宇多丸さん・日比さん:ジャンクション!

 

幼少期は五段くらいのお雛様を飾っていたが最近はめっきり出さなくなったと日比さん。

シルバニアファミリースタイル?

日比さんには珍しく要領を得ない説明で面白い笑

 

「いつかお嫁に行ったら子供に飾ってあげるのよ」という都市伝説と友に実家の奥底に眠っている日比家のお雛様笑

 

幼少期の宇多丸さんは端午の節句の鎧が欲しかった。

「戦争のアーマーですよアーマー!」

しかし家にあったのは金太郎の人形笑。鎧が欲しいと抗議する宇多丸少年。

 

宇多丸さん:卒業シーズンだけど日比さん教員免許もってるんでしょ?

 

日比さん:母校が受け容れてくれ、大学生の頃中1の英語の教育実習へ。

 

宇多丸さん:ガモの連中に大学生の教育実習生などぶち込もう物ならどんな憂き目に遭わされたか

 

日比さん:中1は可愛い。

掃除の時間は「彼氏いるの?」「大学ってどう?」など聴いてきてくれた。

最後の日には泣いてしまった。

 

宇多丸さん:そんな素敵なこともあるんだ。

ガモなんて「先生童貞?」と聴くだけでしたよ笑

 

日比さん:また会いましょうと行っていたのに行けずじまい。そんな生徒達が今年高校卒業。

 

BGに『ミニモニ。ひなまつり!』流れる。

 

ニュース

加藤シゲアキさん吉川英治文学新人賞(昨日に続き)

 

宇多丸さん:以前からタマフル無くしてシゲアキ無しと言ってくれているので言質取る必要も無い!

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ 日比谷コテージ店長・花田菜々子(春の推薦本)

水曜日初出演で日比さんは はじめまして。アトロク出演は一年振り三度目。

日比谷コテージ事務室より出演。

『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』の作者としても知られる。

瀧本美織さん、森崎ウィンさん出演でドラマ化。

 

宇多丸さん:日比谷コテージ三周年記念の冊子に寄稿。

 

花田さん:お店限定の流通。「ヤバイ話」が載っているので是非手に取って欲しい。

 

宇多丸さん:ドラマはどうですか?

 

花田さん:自分が実名でドラマになるというまたとない体験、劇中名前を呼ばれると顔から火が出るほど恥ずかしい

クールビューティーなイメージの瀧本美織さんがコミカルに演じていて意外性がある。

泣いてしまった。

 

花田さんが「凄い、凄すぎるとしか言えない」本を紹介。

1作目

『大丈夫マン』藤岡拓太郎

詩集コーナーに置いていても良いくらいの読後感の作品。

一番好きな漫画が「18歳」という作品。作者のTwitterの固定Tweetから読める。

元気でパワーのある作品だが、元気のある日だけでなく死にたい日にも読める作品。

 

 

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ Ahh! Folly Jet

  

■19:45-19:55頃
新概念提唱型投稿コーナー → シアター・一期一会

 

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンド・ザ・カルチャー」→ カルチャーキュレーター、バラク・オバマ特集【小説・文房具編】by 木原善彦&古川耕

宇多丸さん:自著の導入で『約束の地』という自分の作品の褒めギャグを入れるところがアトロク味ある。

読書家としてのオバマの印象はどうですか?

 

木原さん:知的で信頼できる読書家。

 

宇多丸さん:最大限の褒め言葉じゃないですか!

 

日比さんより、Spotifyでブルーススプリングスディーンとのトーク番組スタートの報と娘がドラマの脚本に入ったことを紹介される。

カルチャー一家!

そしてSpotifyプレゼンツの音声メディアと言えば「ラジオできるかな」。

アトロクへの目配せがすごい!笑

 

木原さん初登場となる今回。

番組内で木原さんの携わった本の紹介は今までも多くなされてきた。

そして出演してくださった人から木原さんへの言及が非常に多い。満を待しての登場!

 

オバマさんの書籍紹介は『サマーリーディングリスト』がはじめ。

ビル・ゲイツもやっている。歴代大統領が行なっていたわけではない。

米国アマゾンには「この本はオバマさんが紹介しました」という文字が踊る。

 

2020年紹介の17冊の内1冊のみが日本語翻訳されている。

 

木原さん:多忙を極める中これだけの本を紹介できる読書量に敬服。

ブックリストを紹介する著名人はいるが、毎年これだけの分量を紹介する人は稀。

また、アフリカに訪問する年にアフリカ関連の本を紹介していたり、リアルタイム性がある。

 

宇多丸さん:読んだ本を全て紹介するというのではなく、読んだ中で選んでやがんなという感じでしょうか

 

木原さん:そうですね。

 

宇多丸さん:バランスがいいと言われていますが、その意味は?

 

木原さん:歴史書、詩人の一代記、社会問題……ジャンルが多岐にわたる。

 

宇多丸さん:小説がラインナップに目立つのは本好き感がすごくする。

 

木原さん:実用的な本だけにとどまらない懐の深さがある。

純文学のみならずSFなど小説の中でも多くのジャンルに触れている。

未来の人間社会をどうするかといったテーマのSF小説も含まれる。

 

宇多丸さん:政治家は未来の暮らしに想いを馳せる人。政治家にこそSF小説を読んでほしい

 

木原さん:SFなど骨太なジャンルが好きそうな気がする。王道的な作品のチョイス。

人種的にもバランスが取れている。白人・黒人・中国人、2019年には韓国系の作者の作品も。

自分自身「多様性」を意識せずに選書すると人種がばらけるので、オバマさんもそうなのかも。

 

日比さん:日本の作者の本を読んでいる痕跡は?

 

木原さん:以前村上春樹が。

 

宇多丸さん:未訳出でもいいので昨年の作品でおすすめは?

 

木原さん:『HOMELAND ELEGIES』/アヤドアクタル

劇作家の作品。日本でも上映されたことのある作品もある劇作家。

過激な表現の小説は選ばない傾向にあるオバマさんだが、この本は例外。

9.11テロのニュース映像に対してイスラム系の自分が「どこか誇らしい気持ちになった」という描写が含まれる。

 

お父様が心臓外科医で、トランプを手術したこともある。

その縁もあってお父様は大統領選でトランプに投票した過去も……

ichi.pro

 

オバマのリスト公開という過去があったのでカマラ・ハリスさんも支持者から「おすすめの本は?」と聞かれリストを公開した。

何となくオバマさんのチョイスに似ている。

トランプのオススメも公開されている。孫氏の『兵法』、マキャヴェッリの『君主論』、アインシュタインのエッセイ集など。

本当に読んでいるのかなぁ?

 

バイデンはピンチョンの『重力の虹』の一説を引用した。

愛読書にユリシーズをあげている。

 

宇多丸さん:いなたいイメージがあったけど、オバマさん以上にとんがっているかも

 

日比さんから2019〜2015年に選出されたオバマチョイスの内、日本語訳されている本を中心に紹介

 

 

宇多丸さん:過去に番組で紹介した本がかなり含まれている。

 

木原さん:日本語訳されたオバマチョイス本を検索していたら、役者に藤井光さんの名前が目立つことに気づく。これはかなりの偏り。

また、読書感想文が描きやすい作品が多いことも特徴。どう受け取っていいのかわからない、という作品は少ない。

 

宇多丸さん:オバマリストから1番のおすすめは?

 

木原さん:『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』

 

宇多丸さん:これ、18時台に登場した花田さんもお薦めしてくださった作品ですよ!

 

木原さん:オバマさんのリストから読んでみようと思った作品。

サバイバリストと呼ばれる人々を描いている。

作者は自宅で助産師の手を借りて生まれた人物。高校まで学校に通えず。病院にも行かず怪しげなハーブで治療したり……

そんな彼女はお兄さんの勧めもあって大学を目指し、名門ケンブリッジ大学へ。

壮絶な生育環境ながらも笑ってしまえるくらい面白い作品。

書店では「ユーモア」のコーナーに置かれることも。

木原さんは「ひどい親だ」と思うほどの親だが、タラさんは親を見捨てずにいる。

「教育が大事」「無知の人を突き放さない」というスタンスがオバマさんの政治的スタンスに近い……?

暴力的、グロテスクな表現が苦手な人は受け付けないかもしれないが、強くおすすめする作品。

 

お知らせ

木原さん:新潮社から少なくとも2冊刊行。

アリ・スミス『秋』。4部作の非常に素晴らしい作品。

www.shinchosha.co.jp

 

オバマさんが愛した文房具by古川さん

文房具編をやろうと思ったのは12月スレートというサイトでジューン・トーマスさんが執筆。

日本版が公開されたことで文具ものにざわめきが。

「文房具には強いこだわりがあり、本を著す際などは手書きで草稿をまとめるのが好き」と公表。

 

その組み合わせがリーガルパッドと三菱鉛筆のユニボール・ビジョンエリートの組み合わせというもの。

 

www.newsweekjapan.jp

 

2014年、ホワイトハウスのTwitter投稿でオバマがユニボール・ビジョンエリートを愛用していることは知られていた。

ブルーブラック0.5mmを愛用。

アメリカで販売開始が2001年、日本では2003年という逆輸入ペン。

 

名称に「エリート」が含まれている。

飛行機に乗った際直液式は内部の空気が膨張してインクが飛び散ってしまう。

「エリート」は飛行機に乗った際に空気の膨張を抑える「エアプレーンセーフ」という機構が組み込まれており、飛行機に乗るようなエリート階級に訴求すべくつけられた名称。

OKBにも2017年まではエントリーしていた。

古川さんが一押しだったためずっと入れていたが、日本では残念ながら終売の憂き目に……

 

三菱鉛筆への問い合わせ

アメリカでは人気主力商品。

オバマ、バイデン、ヒラリー・クリントンが愛用していることは討論会の様子から知られていた。民主党が重用するペン!

今回は名指しで言ってくれたのが非常に光栄。

水性直液式インキでブルー・ブラックは世界的にも非常に稀。

アメリカ都市部の文房具店では日本の文房具はメインを張るくらい。国産文具は世界で愛されている。

海外で人気が先行していた他社文房具に「当ててきた」ペンで、その目論見は見事に当たった。

古川さんは箱買いするほど支持していたペンだっただけに「オバマわかっているな」という感じ。

 

3/2(火)アトロク 762回

■18:00~18:30頃
「オープニング」→最新カルチャートピックス

気圧のせいで目玉が飛び出しそうな宇垣さん。

天気のせいでぼ〜っとしてしまうと言う宇多丸さん。

宇多丸さん:ローテンションでお送りしております

宇多丸さん・宇垣さん:アフター!(二人同時に発声)

宇多丸さん:ああクソ!

 

宇垣さん、仕事絡みでのカルチャー摂取ばかりで自主的に接種しているものが少ない。

 

リスナーメール

先日宇垣さんが話題にしていた『クイーンズギャンビット』がゴールデングローブ賞テレビ部門主演女優賞を受賞!

 

宇垣さん『ノマドランド』を観て

現在の遊牧民たるノマドワーカー。

心安らぐ場所たる「ハウス」はどこにあるのか、「ホームレス」ならぬ「ハウスレス」と呼ばれる人々に思いを馳せる。

 

宇多丸さん:こういうときに宇垣さんがチョロリと話してくれたことが後に活きる。

 

トミヤマユキコさん、カラテカ矢部さんが手塚治虫文化賞の選入ったと言うこと言うことで「実質アトロクじゃん!」という名言も飛び出す笑

 

過半数を読破しているという宇垣さん。

先日完結した『大奥』の素晴らしい着地に絶賛。

『THE POWER』を思い出した。

「男女の立場がただ変わっただけなんだ」

「愚かなんですよ」

 

宇多丸さん:宇垣さんをしてそこまで言わしめるなんて

 

宇垣さん:教科書に載って欲しい。教科書に載るというのが何なのか分からないけど笑

 

今日の特集もあって『白い鶴よ〜』を読破したという宇多丸さん。

単純に一つの作品としても面白かった、世界中で起こっている問題への態度が示されている、勉強させられた作品と評価。

 

カルチャーニュース

この週末に色色カルチャー摂取をして来た宇多丸さん。

小山内さんのおすすめに従って東京都庭園美術館へ。

旧宮家の建物自体が立派で内部公開されているのに加え、20世紀のポスターアート、ポスター思想の変遷を辿ることの出来る展示。

 

かつては平民は入ることの許されなかった空間が開放され、表現が万人に開かれるきべであるというポスターアートの思想。

かつて閉ざされていたが今開かれている空間でポスターアートを見るという皮肉を感じる展示がとても良かった。庭園も勿論素晴らしかった。

 

コーナー紹介で原稿を何処かにやってしまった宇多丸さん。すかさずヘルプに入る宇垣さん。

 

My Sweet Homeの紹介で「こんなに嬉しいことは無い」部分の宇多丸さんの読みに「そんなに上手く読めないな笑」という宇垣さん。

「年期が違いますから」と宇多丸さん。さすが1sjガンダムリアタイ世代!笑

 

カルチャーニュース

加藤シゲアキさん『オルタネート』直木賞受賞決定!

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ 星泉(東京外国語大学/ チベットの文学シーン)

『白い鶴よ翼を貸しておくれ』の翻訳を手掛けた星泉さん出演。

 

昨年宇垣さんが紹介してくれたことをTwitterでフォロワーさんに教えていただく。

宇垣さんの説明に涙。

チベット文学の啓蒙活動しているがラジオを始めとしたメディアで紹介されたのが初めてで興奮!

 

宇多丸さん:宇垣さん縁と言うこと言うことで宇垣さん宜しくお願いいたします!

 

星さん『ラシャムジャ雪を待つ』など

BGにザ・おめでたズ流れる。先週のライブ&ダイレクトを聞いてファンになったとのこと!

 

宇垣さん:大河ドラマ一年分見たようなボリューム。

劇中描写のその後を思うと胸が苦しくなる。人々を分断することの愚かさ。

 

宇多丸さん:やんちゃな少年が一線を越えるか越えないかを描いた作品。

世界中にあるテーマでは?

 

星さん:作者のお爺さんがインドと往復するキャラバンを率いていた。

お父さんは英語を話せる人だった。

「初めて」尽くしの人で「初めて西洋医学を学んだチベット人」、「初めて英語で小説を著したチベット人」。

 

宇多丸さん:まさにチベット文化と西洋文化の狭間にいたからこそ書けた小説という感じがする。

 

星さん:お婆ちゃん子でロンドンの学校で学んだことをおばあちゃんに話す。

チベット仏教に帰依するお婆ちゃんは西洋化学を信じない。

ロンドンではステレオタイプなチベット観が凝り固まっている。

そんな幼少期を過ごしてきた。

 

 

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ TAAR(DJ/プロデューサー)

 

 

■19:45-19:55頃
「新概念提唱型投稿コーナー」→ My Sweet HOME(ホーメ)

今日の星さんの言葉もかなり宇垣さんにとってHomeなのでは?

 

ういろうは何かの素材さん

みのわださんの「ミノは格好良くも悪くもない、ちょどまんなかだな」と言われたHomeを聴いて思いだした。

 

教科書写真のモデルを務めて欲しいと先生に言われた。

「痩せすぎても、太りすぎてもなく、丁度良いから」

 

宇多丸さん:教科書においても恥ずかしくない、中庸の最上級と言うこと。

他人様の目に触れて不愉快な思いをさせる陰獣ではない

 

 

アンダーキャッスルさん

大学二年の頃飲み会で言われた言葉。

「君、野球部出身?」

ご存じだと思いますが、球技の才能を奪われた常態でこの世に生を受けた人間。

球技コンプレックスのある自分にとって野球部は仰ぎ見る存在。

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンドザカルチャー」→ アニメーションと戦争 by 藤津亮太

『宇宙戦艦ヤマト』、『機動戦士ガンダム』、『超時空要塞マクロス』など日本におけるアニメーション作品の多くは戦争をテーマに描いてきた。

上記のSF作品以外にも史実をベースにした『風立ちぬ』、『この世界の片隅に』などの作品も日本のアニメ作新は多くが戦争をテーマにしている。

新刊『アニメと戦争』が昨日刊行された。

帯が富野由悠季さん、カバーには無数のザクがの描かれた会田誠さんのアート。

 

全10章の章立てで、その中は三つのテーマに大きく別れている。

戦中戦後=1930年代生まれの人々が作品を作っていた時代、ヤマトガンダムの黄金期、そして冷戦後の作品。

 

 戦争について分裂がおこった作品『宇宙戦艦ヤマト』

 監督にクレジットされているのは松本零士だが、西崎義展さんの功績も大きい。

双方「小国民世代」。国民学校に通ってはいたが戦争に行ってはいない。

戦争の「当事者」ではあるが戦場に行ってはいないという特殊な世代。

大和船首にはライフリングの切られた波動砲がついているが、元の戦艦大和には菊の御門がついていた。

戦争をあまりにも直接想起させすぎると菊の御門を排した松本零士と、戦争をロマンと捉え菊の御門を残したかった西崎さんで分裂・捻れが見られる。

結局「正面から見れば菊の御門に見えなくもない」という現在の波動砲のデザインに着地する。

大和vsガミラスの戦いはナチスの敗戦の過程を描いている(制作メモ参照)。

戦後の日本=大和と戦時中のドイツ=ガミラスという構図が見て取れる。

戦艦大和の本物の乗員の方の残した作品に「(戦争に)敗れて目覚める」という言葉がある。

古代進は戦争に勝利こそするが、「敗れて目覚める」という精神に通底する。

 

誰も傷つかない戦争を描いた作品

『機動戦士ガンダム』はヤマトの5年後、1979年放送。

宇宙移民vs地球に住む地球人という人類同士の戦いを描いた。人間同士の国家間戦争という構図を描いたのはガンダムがかなり古い例。

大和の5年後だが、制作サイドの年齢は若返っている。

富野監督が最年長、泰彦先生先生、大河原先生などは団塊の世代にグッと近づいている。

5年後に生まれた作品ながらクリエイターの年齢は10歳ほど若返っている。

「ヤマト」など固有名詞にも戦時中から地続きなものが多数あったが、ガンダムは箱庭的に全ての世界観が史実からは独立した形で完結している。

固有名詞の出し方、世界観の描き方が同時代においては突出してガンダムが洒落ている。

 

宇多丸さん:(フォースという単語が何の説明もなく使われるなど)SWの語り口の影響があったのかも

 

藤津さん:ヒトラーという名前が引用されるくらい。

戦争の記憶を刺激しない。その意味で誰も傷つかない作品。

箱庭の中であれば戦争ごっこを描いてもいいよね、という発見。

ヤマトから5年後にアジア・太平洋戦争から完全に切れた作品が作れるようになった。

 

宇多丸さん:安彦先生はジオリジン執筆にあたって1stは戦争を描いた作品だ、難民など市井の人々を描いた作品だと気づいたと言っていた。安彦先生は戦争という重力に引き戻そうとしたような形跡が見られる

 

藤津さん:クリエイターによってそこの見方は変わってくる。

安彦先生は特に姿勢の人々に視線が近い。

 

宇多丸さん:ガンダムからダグラムに移ってリアルロボットものの定型ができるという話も本書では面白かった。

 

ポスト戦後時代の異彩アニメ『超時空要塞マクロス』

1984年作品。さらにスタッフが若返る。

隕石と思われたものが実は異星人の宇宙船。それを起動するとブービートラップとして敵を攻撃してしまい、戦争に巻き込まれる。

ロボットものにラブコメ要素が混じり、当時の空気感からしてかなり異質。

「新人類」と呼ばれる世代が初めてアニメーション制作の時代に。

80年代は「主義」ではなく「趣味」の世代に。

重すぎる主義はダサい、趣味を軽やかに楽しむ姿勢が良いという潮流があった。

河森さんの後のフィルモグラフィを見るとロボットアニメとラブコメを掛け合わせたこの作品はこの時代だからこそ生まれ得た作品。

2話でミンメイを救った一条。バルキリーに救われた際に髪の毛がぐしゃぐしゃになってしまったミンメイは命を救われた直後髪を気にする。

命と髪どちらが大事なのかと聞かれ、二人で声を揃えて「髪の毛!」というシーンに象徴されている。

マクロス艦内のミスコンテスト。それを見たいがために一条は任務よりもミスコンを優先。

しかし敵の襲撃を受けて渋々出動する一条。出撃した彼はコクピット内でミスコンの中継を見ている。

クリエイター陣にとって戦争はもはやリアルではなく、ブラウン管の中で見るものという空気感がここに現れている。

ガンダムで作られた「箱庭」的手法はその後多くの作品で流儀が受け継がれる。

その過程は戦争経験者が日本から徐々に減っていくことにもつながる。

 

ヤマトの映画は77年。そこからマクロスまでは5年ほど。

その間に世代は三世代、戦争の描き方もここまで変わる。

 

戦後のキーパーソンは小国民世代。1930年代生まれの方。

ロボットアニメを作ると太平洋戦争が現れてくる。

1970年代には少年期に戦争を経験したという文学が多く現れる。自分たちの体験した戦争を下の世代に語りたいという空気感。

『火垂るの墓』もその文脈と無関係ではない。

マクロス世代へのカウンター?「戦争はそんなに客観視して見られるものではないのでは?」というスタンス?

「彼と同じ立場に立てばあなたも同じく間違ってしまうんじゃないですか?」

 

〜愛おぼが流れる〜

宇多丸さん:愛おぼ公開時は冷戦時代。

核戦争の恐怖の投影という部分はどう?

 

藤津さん:FUTURE WAR198X年など生々しい空気感の作品もあった。(制作会社の反対を受けて制作中止に)

 

宇多丸さん:AKIRAのようなポストアポカリプスものはこの時代多かった。

自然災害のように描いていたのが日本の作品群の特徴?

 

藤津さん:マクロスの「反応弾」は爆発後に電波障害が起きたり描写から察するに実質核だが、TV放送することもあり直接「核」という単語は使わない。

 

宇多丸さん:戦争とは距離を置きたいという80年代的空気感を感じる

 

宇多丸さん:マクロス後のアニメにおける戦争の描かれ方は?

 

藤津さん:明確に描いた作品は実は少ない。劇場版パトレイバー2がこのテーマの白眉。

また、「萌ミリ」が00年代前半に確立。ストライクウィッチーズ、ガルパンなど、戦争を作品を面白くする1要素にする作品が目立つ。

 

60年代から「今の戦記物は「戦争の機能美」「個人の道徳的性質」が重視されていて実際の戦争とは違うものだ」という言説は存在した。

今日の戦争の描き方はその傾向が洗練化されたに過ぎないはず。

『アヴァロンの要塞』が地上波放送された時はぎさんが「この作品を見てWW2が完全に講談の世界に入った」と言っていたが納得。

 

『風立ちぬ』『この世界の片隅に』は近年作られた戦争を題材にした作品のうちかなり対照的。

昨今のアニメーション作品に戦争の影響は少ない。近年日本は戦争の当事者になっていないことから。

「趣味」として戦争を消費するくらいの方が幸せなのかもしれない。

 

宇多丸さん:藤津さんがアニメ史に「戦争」という縦軸を引いてくれたおかげでアニメ史が非常にわかりやすかった。

また、宮崎駿というクリエイターがいかに戦争と距離を取ってきたかが分かり面白かった。

著書は今日の特集以上に充実の内容が読めるので、ぜひ!

 

藤津さん:最新刊は宇多丸さんが紹介してくれた。

2/26に10万字に及ぶインタビューをまとめた『ゆうきまさみロングインタビュー』という本が出たのでそちらもぜひ。

 

 

3/1(月) アトロク761回

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス

実況では無くディレクター業務を実施したクマス。

人手が足りないときに起用されることもあれば「アナウンサーの気持ちはアナウンサーが一番分かる」ということで起用されることも。

コロナ下で取材に行くアナウンサーが減っていることもありサブにつく。

アナウンサー業務は視野が狭まりがちなので、全体像を俯瞰する必要のあるディレクター業務は視野を広げることにも繋がる。

 

宇多丸さん:おじさんも週末仕事してきましたのでその話も。

アフター!

クマス:シックス!

宇多丸さん・クマス:ジャンクション!

効果:ヒヒ〜ン!(馬の嘶き)

宇多丸さん:保坂さん……手数……

 

宇多丸さん:コロナ下で開かれたMTVアンプラクドとしては初、また無観客での実施も初の試み!

 

大量のメールが届く

 

エメルソンさん:良いとは聞いていたがこれほどとは!

小山内さんが全曲泣いたというのも納得。

セトリも最高!

今までのライムスターのライブの感動とは異なった感動。

 

宇多丸さん:4/28にパッケージ版の商品化も決定!

更にアルバム化も検討中。

90分のライブだったが60分に短縮。良いパフォーマンス盛り沢山なのでパッケージ版も是非!

 

B boyズムはパッケージ版には収録されないため、テレビ放送バージョンのみのお楽しみ。

 

かずたけさんがポップライフを好きすぎて、音声解説なのに喋ることが出来ないと言う事態に。

 

アンプラクドは通常普段やっていることから引き算的に要素を減らして行うことが多い。

しかしライムスターはもともと1DJ2MCという最小ユニットなのでそれがない。

 

全曲全員がクリックを聴いていないという珍しいパターン。

少なくともバンドマスターのみクリックを聴いているというのが普通。

アツい曲は自然とテンポが上がったり。

「打ち込み音楽と生音楽の出会う瞬間を打ち出したかった」と熱く語る宇多丸さん。

 

『キングオブステージ』でも技術論は沢山論じたが、「生バンドバージョンでもう一冊出せるね」というくらい充実の副音声。

 

“Future is gone”のみMTVアンプラグドの日本ページで公開中。

 

「観客ゼロの方が却って満席の観客席が“見える”よね」など、そんなトークも満載。

 

宇多丸さんのおすすめはザ・サウナという曲。

 

「夢の島」は限界までテンポアップして演奏。ウッドベースで早弾きは非常に困難。このメンバーだから実現できたこと。

 

MTV Unplugged: RHYMESTER | MTV Japan

 

SET LIST
楽曲一覧
01. 午前零時 -Intro
02. ONCE AGAIN
03. Future Is Born
04. Back & Forth
05. 梯子酒
06. ザ・サウナ
07. グラキャビ
08. POP LIFE
09. グレイゾーン
10. ザ・グレート・アマチュアリズム
11. 耳ヲ貸スベキ
12. It’s A New Day
13. The Choice Is Yours
14. カミング・スーン
15. ゆめのしま
16. B-BOYイズム


■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ 吉田豪

宇多丸さん:その後clubhouseどうですか?

 

吉田さん:明らかに有名人は減りましたね。

ジブラさんと般若さんが話している部屋に入っジブさんさんが明らかに泥酔。

スピーカーとして担ぎ出され「インタビューしてよ!」と無茶ぶり

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→夏川りみ

 

 

■19:40~19:55頃
「新概念提唱型投稿コーナー」枠→ イキり・ゲンドウ

 

おすすめグラビアアイドル

牧野真莉愛さん

https://instagram.com/maria_makino.official?igshid=tmdgupkf526y

モーニング娘。メンバー。

 

 
 
 
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■20:00~20:45頃
「ビヨンドザカルチャー」→ 西寺郷太の洋楽スーパースター列伝「カーペンターズ」編

「カーペンターズについて郷太君と話すの初めてかも」という宇多丸さん。

リズム関ヶ原とも関係してくるんじゃないかと睨んでいるとのことで期待の特集!

 

宇多丸さん: 付き合い長いしありとあらゆる音楽の話をしてきたけど、カーペンターズの話なんてしたことないよ?

 

西寺さん:洋楽スーパースター列伝は来日公演に合わせてそのアーティストを特集してきた。

コロナ禍で訪日するアーティストがいなくなってしまったこともあり、今しかできない特集ということで本日実施。

日本ではThe Beatlesに次いで2位の売り上げ数を誇る海外アーティスト。

申し分ない実績を誇りながらリアルタイムで正当に評価されていなかったのではないかというこのアーティストに西寺さんが迫る。

 

リチャード氏来日時にインタビューをした。

natalie.mu

 

西寺さん:お父さんが今はお寺の住職だが以前英語教師。(祖父が生きている頃は祖父が住職。)

カーステレオで洋楽をよく聴いていたお父さんの影響聴いていたし、家でもカーペンターズがよく流れていた。

 

宇多丸さん:BGを聴いていると幼少期を思い出す。

 

西寺さん:ベストアルバムは200万枚売れている。日本にとっての「国民的洋楽」と言える。

ウォーターゲート事件で忌み嫌われたニクソン大統領に「若いアメリカ人の象徴だ」と言われたことが後に却ってマイナスイメージに。

多く流通したアーティストであるにもかかわらず、レコードショップでレコードがあまり見当たらない。

店頭に並ぶやいなやすぐに売れてしまうから。

 

何故カーペンターズは素晴らしいか。

妹のカレン・カーペンターが優れたドラマーだから。

リズムの「画素」が優れている。元から4K、8Kのようなクオリティ。

完璧主義者の二人。特に兄リチャードは47回同じ部分のコーラスを取り直した伝説が残っている。

兄……1946年10/15生誕。

妹……1950年生誕。

兄は4歳時に百科事典9の音楽知識を備える。周囲から神童の名をほしいままにする天才少年。

レコードコレクターの父の影響もあり、音楽を吸収して育つ。

妹はスポーツ少女で活動的。

 

寒冷なコネチカットから南カルフォルニアに引っ越し。

スポーツへの興味を無くした妹はドラムに恋をし、音楽活動を中心に据えていく。

 

3ピースバンドなどを経て1968年、兄妹ユニットとしてザ・カーペンターズを結成、レコード会社との契約をする。

ビートルズのフォロワーというような評価もあったが、実際1stアルバムにはカバー曲も入っている。

2ndアルバムで大爆発し全米1位を獲得する。

同じ人が多重録音することで「音の壁」のようなコーラスを実現したのが“Close to You”。

この曲で前出の47回録音の伝説が生まれた。当時はピッチを揃えるための機械などもないので、レコードを繰り返すことでこれを実現した。

機械的・マシン的なアプローチ。

 

宇多丸さん:マシン軍の登場する遥か前にそのテイストを出していたんですね!

 

郷太さん:We've Only Just Begun流したいけど飛ばします

 

宇多丸さん:一番好き!

 

郷太さん:流します?無理か。

“Top of the World”が流れる

 

2010年代にダフトパンクが目指していた音楽感・リズム感をカレンが既に表現していた、と西寺さん。

32歳の若さで亡くなってしまったが、存命だったらどんな音楽を残していたのだろうか。

カレンのリズム感は生きていたら1980年代の機械的な打ち込みにシームレスに繋がっていたであろうことが分かってもらえたかと思う。

 

2/26(金)アトロク 760回 『あの頃。』 

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス

ウォッチメン課題映画『あの頃。』。イートシーンも。

初期モーヲタシーンの話もしたいし、告知もしたいと言う宇多丸さん。

 

2/28にMTV「アンプラグド」出演が控えるライムスター。

観られる方はお楽しみに。

 

01年のアルバム『噂の真相』の頃は全ての楽曲にモーヲタ的な単語が散りばめられている。

スペシャルサンクスはモーヲタに捧げていたり、「春夏秋冬大好き」の歌詞を入れたり、笑っていいとも!出演時はモー娘。のTシャツを着込んでいたり、メンバーにも迷惑を掛けた。

 

RECさんともモーヲタ時代に知り合った。

今はその頃のような情熱でハロプロを追い掛けられてはいないが、その頃繋がった人との関係が今も続いている。

 

宇多丸さん:始まっちゃっていいですか?アフター!

タカキ:シックス!

宇多丸さん・タカキ:ジャンクション!

 

MTVアンプラグドについて

「アンプラグド」とは言いつつもプラグインの必要な楽曲を少しは使って良いよというレギュレーション。

 

無観客かつ舞台上の美術にアクリルの仕切りを設置。

舞台セットの一部として活かす試みも。

 

『あの頃。』

今思い返すと「ばっかじゃねぇの?!」と思うような部分も。

 

良い人として死んでいく人ばかりではない。

 

イートシーンありましたね

 

タカキ:のり弁のシーンだと思うんですけど、一口食べて松浦亜弥さんのMVを観て手が止まってしまうと言うシーン

 

宇多丸さん:(動画に見入って冷めてしまうお弁当と比較的に描かれる)温かい食事もありましたね。シチュー。

 

タカキ:ホワイト!

ホワイトシチューを作ったキャラクターとそのシチューの「ザラつき」というリンク。

 

宇多丸さん:舞台は03〜04。山本さんはその頃いくつ?

 

タカキ:中学生の頃アサヤンというオーディション番組が放送。

 

宇多丸さん:最初から「負け犬達のワンスアゲイン」みたいな感じ。

90年代はアイドル冬の時代で復権はあり得ないと思っていた。

ダンススクール的な技巧重視。所謂アイドル的なアイドルが再び盛り上がることはないと信じていた。

90年代はある種のB級感があった。

そして99年ゴマキ加入で爆発。

モーオタシーンはアサヤンというリアリティショーでグループとしての話題性があり、楽曲の良さに大人が騒ぎ出す、ラブマシーンプッチモニの後第4期加入後にアサヤンの放送が終わる。

そしてインターネットの流行、ブブカなどの出現により、「アサヤン」が提供していたものをファンが自分で補完する必要が。それがファンダムの盛り上がりに寄与。

 

そしてライブの後のファンの飲み会で何故かファンが反省会実施笑

 

宇多丸さん、大阪でのライブ終了後に清里でのモーニング娘。のイベントへ。

ファンがバスを借り切って清里を目指すイベント。

その時の打ち上げでRECさんと意気投合。

大阪のライブの打ち上げには女の子達もかなりいたが、それらを切ってイベントへ。「生身の女とモー娘。つっちが大事なの?」と聴かれ「モーニング娘。。あと仲間が待ってるから」と言って清里を目指した。

 

ハローマゲドンという事件も。

矢口真里さん強制脱退?に抗議する意思を持って矢口キャップを被った宇多丸さんとRECさんは劇中で描写されていたライブに参加していた。

それに対して杉作さんが苦言を呈し、宇多丸さんの耳に入るという事件も。

 

宇多丸さんにとってかなり貴重な映画体験だったとのこと。

 

本日フューチャー&パストはRECさん出演だが宇多丸さんは東京MXへ。

RECさんとこの話題なら何時間でも話せてしまうと宇多丸さん。

 

■18:30~18:50頃
「ムービーウォッチメン」→ 「あの頃。」評

 

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ tofubeats(DJ/プロデューサー)

 

 

■19:40~19:50頃
「新概念提唱型投稿コーナー」→ 抽象概念警察

 

 

■20:00~20:50頃
「ビヨンドザカルチャー」→ アトロク・フューチャー&パスト by コンバットREC

 別冊におけるゾエ卒業について。

 

RECさん:ゾエと飲みに行っていたのも「あの頃」だなぁ

 

タカキ:僕はモンハンで一緒にプレイするゲーム仲間なので離れていてもプレイできる

 

映画『あの頃。』について

RECさん:宇多丸さんが言っていたように僕らは当事者性が強すぎて映画として批評するのが難しい。

『あの頃。』は登場人物全員を知っているという珍しい作品。

実録の『仁義なき戦い』を観た広島のヤクザの人々はこんな感じだったのでは無いかと思った。

 

当時モーヲタをしていた人は全員どうかしていた。

映画を見た人は「オタカツの熱量はこんな感じなんだ」と思うだろうが、当時のモーヲタはもっとどうかしていた。

二十四時間モー娘。のことを考えていたような感じ。

「世界中の人間がモーニング娘。を好きになるはずだ」と信じていた。

誰かが少しでもモー娘。の話をしようものなら30〜60分プレゼンするような感じ。

 

2003年の頃の大阪を舞台に物語が展開するが「一方その頃東京では」という情報がすぐに思い出される。

映画で観る以上の情報量が脳内に迸る。

自分がオタだったのでオタクじゃ無い人が観てどう思うかが分からない。

 

「侍さんのサングラスがアメリカ版というあのサングラス、あれ俺があげたやつなんだよ」

OPで清里高原という言葉が出た。

各地にファンダムがあったが、清里は東京ファンダムの中では存在感が大きかった。

 

清里にはファンが1万人ほどいた?そこでRECさんは杉作さんと初めて出会った。当時30過ぎくらい。

大きな箱でのライブの後はオタク50名ほどで毎回飲むというのが当時の空気。

横アリライブ後に渋谷でオタ達が至る所で飲み会をしていた。

普段話さないファンと話そうということで宇多丸さんも大学生と喋ったりしていた。

議論になりがちなのでRECさんや宇多丸さんの卓を避けるオタもいた。

 

月曜日:クマス

ホークさん 2/22=ニャンニャンニャンで猫の日。映画の中の猫総選挙

20時台

帯番組を持ったことがないので小堺さんのトークを何度も聞き直して自分のものにしたい。

 

RECさん:OPトーク。ササダンゴさんが『俺の家の話』の話をした。

スーパーゼアミマシンがササダンゴさんがモデルであるということは否定できない。

アトロク聴きながら最終回の脚本を描いているということだが、ラジオを聴きながら文字の原稿ができるのがやっぱりすごい。

吉田豪さんもそのタイプ。

 

小堺さんの話も良かった。トーク番組をいかに成立させるかの話が良かった。

〜プレイバック〜

「その日のその相手と喋ろう」 ゲストの資料をもらうので困った時はそこに頼りたくなってしまう。しかしその日のその人のテンションをじっくり見て、それに応じて話を振るのが大切。

 

タカキ:情報を先に入れるが、それに引っ張られすぎると臨機応変な対応に欠けてしまうことがある。

 

RECさん:タカキもそれは意識してるんだ。

順番や「これは絶対に聞こう」というのは決めないようにするんだ

吉田豪さんもいつからか一度入れた情報を全部捨てるようにしたと言っていた。

 

火曜日:宇垣さん

トミヤマユキコさん:転生がテーマのおすすめ漫画

しまおまほ物語:宇多丸さんしまおさん宇垣さんが交差する

 

RECさん:異世界転生もの特集。『私の息子が異世界転生したっぽい』はキンドル九十九円ということで購入して読んだ。『推しの子』はアイドルオタの話。

転生したら推しのアイドルの子供になっていたという出オチのような話だが、深みのある作品。

以前杉作さんと「何故人はアイドルを推すのか」という議論をし、アイドルの子ではなく、アイドルは自分の前世だったのではないかという杉作さんの話に妙に納得した。

 

リスナーメール

automaticとビビアンスーのグラビアの交差する感じが良かった

 

RECさん:しまおものがたりも形が変わった。今回は「あの頃。」トークになってる。

僕がしまおさんと初めて出会ったのは2002年の3月。松浦亜弥1stコンサートの初日。

僕はスタジオカラーの方と一緒に行っていた。

一方的にしまおさんを知っていたが、その時挨拶はせず。

 

タカキ:宇多丸さんしまおさんRECさん達が初めて出会った時の話を知りたい

 

水曜日:日比さん

台湾のブックカルチャー、『リングサイド』について

ダンサーだってダンスが中心のアルバムを出せるんじゃい!特集。

職業として確立することが難しいダンス。日本のダンス業界の現在地についての話。

 

RECさん:19時台嵐特集。僕は06〜08に嵐に夢中だったが、この時代の曲にもこんなに良い曲があったのかと気づけた。

20時台ダンス特集。「アルバムを出しました」ではなく「何故アルバムを出さねばならないのか」というテーマ。

今回はダンスだったが、日本のエンタメ全体に言える話。

素晴らしいアニメが多く生み出される日本だがアニメーターの年収は100万円とか、漫画家は単行本が売れないとアシスタント代で赤字になってしまうなど。

この番組はこのやりがい搾取問題を取り扱っても良いのでは?

 

木曜日:宇内さん

音楽色の強い1日。

18時台:森田さん 

20時台:『調子悪くて当たり前』出版に当たって。当日70歳の誕生日を迎えた近田さんのスカッとした人柄、面白エピソードに遭遇する人柄が面白い自伝。

 

RECさん:バタバタしているように聞こえるだろうが尺計算を誤ったのではなく、『あの頃。』の話と金曜振り返りを頭に、そして木曜の近田さんの話を長めにしたかった。

18時台宇多丸アイドルソング評。宇多丸さんはマブ論を始めた時に近田さんリスペクトをかなり掲げていたので、アイドルソング評の日に出演してくれたのが良かった

 

ふんどしゆで太郎さん

書籍を読んでから特集に臨んだ。近田さんの活動について紹介が流れた後楽曲が流れる

 

RECさん:下井草さんの語りが達者だった。のど自慢の人として扱うのではなく。もっと頼ってもいいのでは?

〜プレイバック〜

近田さんのタレント活動

 

RECさん:近田さんを初めて認識したのはテクノ歌謡をしていた時。ここは昨日の特集では割愛されていた。

「レディハリケーン」(1979)が流れる

open.spotify.com

 

資生堂のCMソング。

作詞が楳図かずお先生。先生はこの時期音楽活動を積極的に行なっていた。

キャリアが長く60分では治らないので、「テクノ歌謡」期についての補足でした、とRECさん。

 

 

 

■21:00配信
「Spotify podcast限定・別冊アフター6ジャンクション」→ 「小堺一機×宇多丸の止まらない映画トーク」と「号外・ADヤマゾエ卒業記念トーク」

 

 

・2/25(木)アトロク 759回 クエン酸 オスカー像  しげおか秀満 近田春夫

■18:00~18:30頃
「オープニング」→最新カルチャートピックス

世紀の大発見があるという宇内さん。

 

宇内さん:これはノーベル賞ものかな?

「クエン酸が凄い」ということで。

何週間か前に東大王収録前日に掃除を始めた。

宇内さんは回答側。出題傾向もあるので勉強をしようと思ったら掃除を始めてしまった。

急に水垢掃除をしたくなった。

浴室の鑑の水垢が気になる。ググると「クエン酸が効く」とあり、買いに行った。

 

クエン酸水をしみこませたペーパーで水垢をふやかしてゴシゴシ擦る。

 

宇多丸さん:ダイヤモンドのついたスポンジとかはどうなの?

 

宇内さん:結局ダイヤモンドスポンジの方が効果あった

 

宇多丸さん:それじゃ「クエン酸凄い!」とはならないけどね笑

 

宇内さん:別日にドラッグストア探索してたら「キレートレモン」があった。昔よく飲んでいたからと6本入り購入。

普段休みの日は10度寝をするくらい惰眠を貪るタイプだが、バキッと起きられる日があった。

それが三日続いた。

普段と違う行動と言えばキレートレモンくらいのもの。

ググッたら「クエン酸が寝起きに効く」というコメントを沢山見付けた。

体は酸化していくと良くない。

アルカリ性のクエン酸が疲労回復などに効くとのこと。

だからここ最近元気!

 

宇多丸さん:あなたここ最近眠そうだったもんね

 

宇内さん:キレートレモンから貰ってるわけじゃないけど、24本入りをネットでポチってしまった。

掃除にも効く、体にも良い。クエン酸凄い!

 

宇多丸さん:掃除は疑問だけど笑

 

宇多丸さん:僕も一週間タメしてみようかな

 

宇内さん:効かなかったらどうしよう……あ、効かないと言うことはそれは元気の証拠なんです!

 

宇多丸さん:何だその詭弁笑

アフター!

宇内さん:シックス

宇多丸さん・宇内さん:ジャンクション!

 

宇多丸さん:健康目的でヨーグルト飲んでる。快便度が増したような気がすると言うことで効果を感じる。

クエン酸とかの前に酒をよく飲むからなぁ

 

宇内さん:喧嘩しちゃう!

 

宇多丸さん:酒とクエン酸が喧嘩しちゃう笑

 

宇内さん:でも宇多丸さん元気じゃないですか

 

宇多丸さん:空元気ですよ

 

宇内さん:その“空”を取るのがクエン酸ですよ!

 

宇多丸さん:白夜書房さんは最近珍しいお中元お歳暮をしっかり贈ってくれるところ。

最近はウェルチのフルーツジュースを贈って頂ける。

炭酸割りで飲むと美味しいことに奥様が発見。濃いめのウェルチなので濃厚=割っても美味い!最近減るペースが速くて大変!

自分で買うものではないけども、という点で嬉しいお歳暮

 

宇内さん:その「自分じゃ買わないけどもらって嬉しい」というところに贈り物ってセンス出ますよね

 

宇多丸さん:宇内さんはプレゼントのセンスに自信は?

 

宇内さん:無い方……

 

宇多丸さん:どう選んでるんですか?

 

宇内さん:女性には美容系の消耗品、ブランドもののフェイスパックなどが良い。喜ばない人いない。でも男性が難しい。

 

宇多丸さん:オイニー瓶とかくれたじゃないですか

 

宇内さん:それは宇多丸さんがオイニー好きだから。人によっては置かなそうな人とかもいる

 

宇多丸さん:男性陣も女性に何を送っていいか分からない。

欲しいものすらわかっていないのに「欲しいけど自分じゃ買わない」なんて分からない!

 

女性に何を贈ったら良いか迷うという宇多丸さんに宇内さんは

デパコスで一推しされている美容液など。

舶来品を使って肌が荒れてしまう人もいるので国産ブランド(資生堂、SKⅡなど)が良いかも。

また、「無難」あでるが故にハンドクリームなどはタブって貰うことも。

 

宇多丸さん:コーナーで「ドン!」と推されているものでいいんだ

 

宇内さん:(急に自信を無くして)え、分からない……宇垣さんに聴いてみたらいいと思う!宇垣さんがOKと言ったら多分大丈夫だと思う!

ただ「顔に触れるものは自分でこれと決めた物がよい!」という考えの方もいるので、ボディに使うものの方が良いかも。

 

宇多丸さん:以前聞いた「これは外さない」というものをずっとなんとかの一つ覚えのように送り続けてしまう。

 

宇内さん:それはある。ハンドクリームなんかは結構ダブる。 

ハンドクリームは1本使い切るのに数か月かかるので、消費ペースの速いフェイスマスクが良い!

 

宇多丸さん:パートナー人には置いておくだけでインテリアになるようなお洒落な本を贈ってる

 

宇内さんのつむじはオスカー像?

宇内さん:私のつむじがオスカー像みたいな形しているんです。どうですか?

 

宇多丸さん:えっなんて答えればいいのこれ……あ!オスカー像!見えてきた見えてきた!……(実際にzoom越しに見ている)俺でもどう反応して良いかわから無いのにラジオ聞いてる人はどう受け止めればいいのか

 

宇内さん:でも頭部を想像してもらって、縦筋がバッ!と入っているわけじゃ無いですか!

 

宇多丸さん:タテス……笑 縦筋、はい笑

 

<そんなやり取りがあった後、「それつむじじゃなくて髪の分け目じゃね?」と気付く宇多丸さん。「あ!分け目だ!」と宇内さん。

何だこのボンクラトークはwww

そして髪を生やしていたときはつむじが二つあったという宇多丸さんと、「世界には13個のつむじを持つ人がいる」ということを検索して知ったという宇内さん。この中身の無さよ……笑>

 

フランスからのカルチャー情報

フランス大使館の末永さんという方がアトロクリスナーと言うことでカルチャー情報。

「UFOロボグレンダイザー」がフランスで大人気。かつて視聴率100%を取ったことも。

そのフランスでの大人気タイトルを同国のミクロイドというゲーム会社でリリース決定!

 

宇多丸さんも直撃世代で玩具を持っていた番組。

「ミクロイド」という社名も「ミクロマン」など日本の80年代的な香りを感じる、と宇多丸さん。

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ 宇多丸アイドルソング評with(森田秀一/BUBKA)

「ハロプロ」と呼ばれる前夜、「モーオタ」と呼ばれていた頃の論壇の中心人物たる森田さん。

 

明日のウォッチメン課題映画のこともあり、よいタイミングでの出演。

 

佐々木喫茶さん

仕事のペースが速すぎて月刊ペースだと追いつかない。

 

宇多丸さんももう追い掛けられていないというVTuberアイドルに佐々木喫茶さんが提供した楽曲も紹介。

森田さん、検索していたら関連作品でいくつもVTuberの曲を聴き、案外VTuberにも良いアーティストがいることを発見。

 

明日はムービーウォッチメン。

ハロプロを追い掛けていた宇多丸さんがかつての自分を見るかのよう。『あの頃。』を評論。

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ Tomggg

 

■19:45-19:55頃
「新概念提唱型投稿コーナー」枠 → Spotify presents ラジオ、できるかな?

橋P:音声コンテンツの盛り上がりを毎週伝えているが、今日のこの番組はクエン酸が流行っている。

クエン酸は一旦忘れてこのコーナーに入ろうかと思います。

先週紹介したロバートさんの「秋山第一ビルヂング」、流石の面白さ。

宇内さんもその後他の回も聴いたとのこと。毎週月曜日更新。

 

今週紹介したいのは番組リスナー初のポッドキャスト。

重岡秀満さん

お礼を言いたくメール。このコーナーをきっかけに昨年10月末にPCを始めた。「おばけラジオ」。妖怪おばけを30分で語る番組。妖怪を民俗学、風俗史学的に語る番組。

 

漫画家さんでありイラストレーターでもある。

よく投稿してくれるしTwitterでも番組を紹介してくれたり。

妖怪図鑑のイラストを描いたりしているプロの方。

 

今回紹介するのは妖怪アマビエの回。

 

宇内さん:え!妖怪なんだ!

 

宇多丸さん:なんだと思ってたの?

 

宇内さん:神様かと思ってた

 

橋P:その辺の認識がメディアの報じられ方によって様々受け取られていると思うが、そもそもどんな存在?

世の中の報じられ方と妖怪にくわ言い方の受け取り方にずれがあるのではないかという考察。

 

アマビエが載っているのは京大所蔵の瓦版一枚しかない。

肥後国=熊本。

伝承が少なく、熊本に行ってアマビエについて聴いても誰も詳しく知らないはず。

とういうのも瓦版というメディアが「今でいう新聞のようなもの」と捉えられるとよく分からない事態になる。

瓦版はジャーナリズム精神のあるような立派なものではない。基本売れればいいもの。あわよくば売りつけて金にしてやろうというもの。

人々の関心を得やすいものを描く。

その中のひとっつ「珍獣に会いました」という瓦版を売るということが当時かなりあった。

キャッチーさで人々に買ってもらう、お守り的な要素をつけたらさらに買ってもらえるのではないかという打算込みの瓦版という構造。胡散臭い詐欺商法的なもの。

アマビエが警察のポスターで「詐欺を防ぐ!」のような使われ方をしているが、アマビエ自体が詐欺の片棒を担いでいるような存在。

そう言った胡散臭さも含めて妖怪らしくて愛おしいが。

 

橋P:「聞く前と後では世界の見え方がちょっと変わる」というこの番組でも目指していることそのものといった番組。

他にも「カッパは嘴で描かれることが多いが、実はそのことに明確に言及している文献はない」

 

悩み相談も

言葉がスッと出てこないときがある。言葉が今よりも素早く出る若い頃にやっておけばよかった。

自分より年上の宇多丸さんが素早く言葉を繰り出しているのがすごい。

 

それを受けた宇多丸さん

自分も言葉が出ないことがある。気にすんな!

 

橋P:一つアドバイスするならBGが少し大きい。BGを下げるか声の方を上げると良いかも。

 

宇多丸さん:しゃべりの音域と被らないものを選ぶのも良い

 

メディアで大流行した「アマビエ」について

 

別冊は小堺さん、そしてさらにゾエさん特集。

「結構本気でしんみりしましたんで」という宇多丸さん。良い特集になっているとのこと。

 

(CM空け)

キレートレモンに関するメールばかりが届く、と宇多丸さん笑

 

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Podcastのリンクはこちら

open.spotify.com

 

 

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンド・ザ・カルチャー」→ 楽曲で辿る日本音楽史の重要人物・近田春夫の歩み by 下井草秀・近田春夫

は今まで新宿三井ビルののど自慢特集の人と言う扱いだった下井草さん。今回は初めての本業での出演。

 

近田さんは爽健美茶など誰もが聴いたことのあるCMを手掛けてきた人物であり、かつ音楽論壇の先陣を切ってきた人物。

 

自叙伝『調子悪くてあたりまえ』を先月著のこのタイミングタイミングで、下井草さんによる近田さんの足跡を辿る特集。

 

「調子悪くてあたりまえ」はアルバムの広告として東京の至る所に貼られていた。人目を引く広告ではあったが、それがアルバムの広告だとは知らない人すらいた。

ライムスターの「ほとんどビョーキ」という楽曲タイトルにも影響を与えた。

 

近田春男さんと古い付き合いのいとうせいこうさんも初めて知るエピソード満載の一冊。

 

ロックが世間の最先端だった時代があったが、ロックンロールの衰退(?)に伴い「ダサい」扱いだったヒップホップが最先端に浮上した時代時代。

いとうせいこうさん・近田さんがヒップホップに軸足を移したのは17歳の宇多丸さんにとってかなり大きな変化だった。

 

「風営法」流れる。

改正風営法によりディスコの営業時間が24:00までに制限され、それに伴ってクラブが隆盛を極めるようになる。

近田さんのこの楽曲はムーブメントがディスコ文化からクラブ文化に変わる時代の結節点!

 

宇多丸さん:膠着話法たる日本語の特徴を逆手に取った「○○さ」で韻を踏む技法。初手で正解を出しすぎてフォロワーがいない。

 

CMソングに関して

チョコボール、爽健美茶、TOTOウォッシュレットなどを手がける。

自伝に詳しいので興味があれば要一読

 

評論

アイドルソング語りの土壌を築く。

筒美京平さんを論評するという土壌もそれまでにはなかった。

 

ヒップホップは1MC1DJというスタイルが革新的だったのに、大所帯で始める。

 

ビブラストーン「National」

安倍政権管政権の右傾化するナショナリズム歌った曲ではないかと今聴くと思える楽曲。

 

宇多丸さん:ここから更にメタモルフォーゼするのが凄いじゃないですか

 

下井草さん:そうなんです。トランスに身を投じていく。

嫌いなはずのジャンルに身を投じて20年近く活動

 

そして今日が近田さんの70歳の誕生日!

下井草さんが二日前に気付く笑

 

20:45から近田さんが出演。

「宇多丸君ラジオ向きの声だったんだね」と一言。

 

近田さん主催イベント

9/11 agehaにて小泉今日子さんや石野卓球さん、いとうせいこうさんなどを集めて一大ダンスパーティ開催!

「9.11ageha(キュウテンイチイチアゲハ)」と覚えて!

 

宇多丸さん:アウトロ特集という特集で10年ほど前に番組に出ていただいて以来。

久々にまた出てください!

 

近田さん:是非!今から行っても良いくらいだよ!

 

ということで宇多丸さんの直ブッキングで一人のゲスト出演が決定!

 

エンディング(近田さんと通話が繋がらなくなる)

宇多丸さん:音楽の構造を丸裸にするところに凄さがある。

どこが新しく、どこがダサいのかを解明し、その解明が済んでしまえば直ぐに他のジャンルへ。

 

(近田さんと再び電話が繋がる)

宇多丸さん:近田さんが凄いのは古希を迎えて更に変化しようとしてるところ

 

近田さん:そうだよ〜

 

<この軽やかにそうだよ〜と言えてしまうところも凄い。>

 

 

・2/24(水)アトロク 758回

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス/フリートーク

目を腫らす日比さん。

会議というオフィシャルな場で泣いてしまった。30名ほどが参加するリモート会議。

同期の伊藤楓アナ、先輩の笹川アナが退社することに。

伊藤アナはドイツで絵本作家に転身。

色々と思い出してしまい「一人エモ」で一人だけ泣き出してしまった。

画面をオフにしていたので日比さんの変調に誰も気付かず「じゃあ同期の日比さんどうぞ」と振られ、決壊。

同期は女性三名。

じゃれ合うよりはよきライバルという関係だったが泣いてしまった。自分でもそんな感情を爆発させることになるとは思っていなかった。

 

宇多丸さん:アフター

日比さん:シックス

宇多丸さん・日比さん:ジャンクション!

 

宇多丸さん:両親も転身を経ているので、「選び直すのはありだよね」という考え方。

小山内さんは前職でも優秀な人材だったため、面接をしたスタープレイヤーズ事務所社長がビビるという笑

 

「職種も大事だけど、本当に大事なのは面子だよ」というのが宇多丸さんの持論。

 

日比さん:同期って一緒にマラソンを走っている感じ。ペースメーカーのような存在だったのだと伊藤アナの卒業を目前にして感じた

 

宇多丸さん:マラソンで言うと皆が皆同じルートを走り続けるわけではなくなってくる

 

小山内さん(zoomのチャット):同期は辞めても同期だから

 

日比さん:姉さ〜ん

 

宇多丸さん:会社勤めしたことはないけど、同じ時代を頑張ってきた仲間に対しては「同期」という思いがある

 

日比さん:宇垣さんが辞めたときと同じような気持になってる……

 

宇多丸さん:宇垣さんなんて辞めて良かったね、よく毎朝タイムカード押してたねって感じだもんね

 

カルチャー話

 

日比さん:『ヤクザと家族』観に行きました。結構客も入っていて、皆映画を欲しているんだなと感じた

 

宇多丸さん:洋画も配給が泊まってて、他はアニメが多いので大人が観る作品と言うことで選択肢に上がるのかも

 

日比さん:ヤクザ映画に不慣れだったけど分かりやすかった

 

宇多丸さん:若手にビックリ。市原隼人さんとか凄くなかったですか?

 

宇内さん:同意。ROOKIESで大きな声を出す人というイメージだったのに……

 

宇多丸さん:(ヤクザ映画として)『素晴らしき世界』と見比べてみてほしい作品

 

ふんどしゆで太郎さん

伊藤アナの転身の話を聞き、自分も大きく舵を切って転職した当時やあの頃聴いていた曲を思い出した。

 

宇多丸さん:僕がラジオを始めたのも一つの舵を切る選択だった。

ヒップホップ業界にだけいればキャリアも重ね続けていて幾らでもふんぞり返れた

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ 台湾プロレス小説「リングサイド」がスゴい(三浦裕子/tai-tai books)

序盤マシントラブル。

三度目の登場の三浦さん。

出版大国台湾の最近のブックカルチャーは?

 

三浦さん:旧正月前後に台北国際ブックフェア1/26〜31で開催予定だったが、直前に台湾においてもコロナ感染拡大。

6日前に中止の決定が下る。

出版各社が年内最大のイベントとしてフォーカスしていただけにダメージ。

前回イベントは述べ来場者数58万人!

アジア最大の出版イベント。

 

台湾の良いところはただでは起きないところ。

総統が「最近買った本をアップしようぜ」キャンペーンを実施。リアル店舗も総統のおすすめ書籍コーナーを作るなどの動きが!

 

書籍紹介

10編の短編。

お婆ちゃんと一緒に日本の古いプロレスが好きな孫の話など。

「プロレス小説」とは謳っているが、プロレスだけをテーマにした作品ではない。

 

橋P

・プロレス選手では無くファンを描く作品は珍しい

・有名選手を描かないことで属人的ではないプロレスの魅力が伝わる

・台湾のプロレス事情、台湾のラブホ情報など、普段は知り得ない情報が得られる

 

三浦さん:プロレスを巡る「虚」と「実」を巡るストーリー。

リアルとフェイク。

リアルではないなら何故リングで怪我をしたり死亡する人がいるのか、など。

作者は本作が初めての小説。

以前から詩作では知られていた作家。

 

本書は書店で外衣国文学コーナーに置かれることが多いが、是非格闘技コーナーに置いて欲しい。

Netflix配信の『同級生マイナス』という台湾映画の翻訳を手掛けているので是非。

https://www.netflix.com/title/81351501?s=i&trkid=13747225

 

キラキラ星さん

加藤シゲアキさんが紹介していた友沢こたおさんの展示に行って来た。

また、しまおまほさんとご両親の展示にも行って来た。

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ DJ嵐シンジ(ARASHI DJ MIX 2016〜2014)

 

 

■19:45-19:55頃
新概念提唱型投稿コーナー → シアター・一期一会

 

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンド・ザ・カルチャー」→ ダンサーをとりまく今の状況と課題とは? by s**t kingz・shoji

・2/23(火)アトロク 757回 トミヤマユキコさん しまおまほ物語

■18:00~18:30頃
「オープニング」→最新カルチャートピックス

以前宇垣さんが勧めていた『クイーンズ・ギャンビット』を観終えたという宇多丸さん。

 

主演アニャはシャーリーズ・セロンが演じたマッドマックスのキャラクター・フュリオサの若かりし頃を演じる。

 

宇多丸さんが以前から推していたPUIPUIモルカー第8話が放送されたことでリスナーさんからもメールが。

ミッション:インポッシブル×AKIRAと言うようなスペクタクルムービー。

 

放送前イベントではメインストリームでは無いストップモーションアニメーション作品の本作を盛り上げようと言うようなある種上から目線でイベント参加したが、そんな必要も無かったくらいの大ヒット!

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ トミヤマユキコ(最新推薦マンガ)

 髪色を白めに染めてメガネのいつもと違うトミヤマさんのルックに食いつく宇多丸さん。

リモート授業で上半身に意識がいくようになったという。

 

宇多丸さん:しまお予想!下半身冬の時代!

 

今回は「転生」がテーマのおすすめ作品。

 

前回の登場は11/5。

宇多丸さん:暮しの手帖に登場しているのを読みましたよ!今大学はどんな感じですか?

 

トミヤマさん:美術学校なので卒業シーズンとなり卒展というものがある。コロナで大学には来られないまでも卒展は実施。

授業もあまりせ学生は来られないのが多いけど、うちの大学は人数少なめの講義だけは来ていいよというスタイル。

 

トミヤマさん:今回「転生系」をテーマにした理由

ここに来て「転生ものって面白いのでは」となってきた。

少女漫画や他のジャンルを研究している人間から見たおもしろポイントを紹介。

数年人気のジャンルだったが、学生に聞くと「出尽くした」「飽きてしまって今はもう読んでいない」というような意見が返ってくる。

ググっても「異世界転生 飽きた」など出てくる。

しかし幸運にもそのセオリーを破ったもの作品と出会えている。

 

かねもと先生『私の息子が異世界転生したっぽい』

Kindleだと99円!

自費出版で長くない作品故にこのお値段。

二児の母。母になったことで異世界転生物を描けるようになった。

 

宇垣さん:異世界転生物は車にひかれることがキッカケで転生するというプロットが多い。

「その轢いてしまった人のその後の人生は?」と思うこともあったが、母親という立場のかねもと先生だからこそ残された人の人生を描けたのだと思う。

 

トミヤマさん:多様な登場人物の「人生」を描いた作品。手に取りやすい価格なので是非。

 

赤坂アカ×横槍メンゴ両先生『推しの子』

産科医の主人公の病院に「推し」のアイドルが通院、出産することに。

しかしそのアイドル・アイは悪質なストーカーに追われており、主人公はそのストーカーの手に掛かり命を落としてしまう。

転生したのは何と推しの胎内に宿っていた命。

しかも双子として転生したが、双子の片割れもどうやらアイを推していた人間らしい。

しかも自分を殺したストーカーは実行犯に過ぎず、黒幕は他にいるのではないかと推理。

その真相を解き明かすために芸能界に入る決心をする。

 

「芸能界」という現実に存在する「異世界」に転生するというストーリー。

 

赤坂アカ先生は『かぐや様は告らせたい』を連載中のW連載。

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ ザ・おめでたズ

 

 

■19:45-19:55頃
「新概念提唱型投稿コーナー」→ マイ・スウィート・HOME (ホーメ)

かしくさん(女性)

小学校のころある男子が好意を寄せてくれているらしいという話が。

周囲から囃し立てられるたびに「こんなやつ絶対ない!」と強めに反発。

そんな騒動も落ち着いた頃、下駄箱で鉢合わせ。

「かしくって見た目は天使だけど、中身は悪魔だよな」と言われた。

洋画でも言わないようなセリフ。

その時は「うるさ〜い」と返したが、ずっと心に残っている言葉。

「そうか、見た目天使なんだ」……

 

宇多丸さん:「見た目は天使」もいいけど「中身は悪魔だよな」もトータルで褒めてくれてる感じ。

本当に悪魔みたいなやつにこんなことは言わないし。

 

宇多丸さん:宇垣さんなんかこんなこと言われたことあるんじゃない?

 

宇垣さん:女子からも虫も殺さないような感じだと思ったら普通に殺すね

 

コインロッカー18歳さん

体育の授業で空手があった。

運良く決勝に進み、運良く優勝。

仲のいい友達や教師からは褒められたが、友達の多い方でない自分、あまり話題にならず。

少し落ち込んでいると、あまり男子と話すことのない清楚系女子2名から力瘤を作ってと言われた。

そうしたら「本当に腕が格好いい〜」と言われた

 

宇多丸さん:クラブ遊びをしていた時、男女の仲でない女性二人とよく遊んでいた。

普段は「Dさんフェロモンがすごい〜」という感じだったが、ある時踊っていた宇多丸さんにたいして「その指いつも見惚れているから大事にしてね」と言われた

 

時報前

シャコパンチさん

何故宇垣さんは熊崎さんを「風斗さん 」と呼ぶのか

 

宇垣さん:風斗さんを紹介してくれた友人がそう呼んでいたからそのまま私も。

内定者時代?

多分一番付き合いの長い先輩。

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンドザカルチャー」→ 月刊しまおアワー by しまおまほ

しまおさん、zoom画面越しに頭部(上部)の半円部分だけ見えている。

 

しまおさん:宇多丸さんの指の印象ないけどな〜

 

宇多丸さん:しまおさんもHOMEエピソードないの?

 

しまおさん:クラブで横を向いた時に「横顔が素敵」と言われた

 

宇垣さん:失礼だよ〜

 

宇多丸さん:僕もクラブで踊っていた時に先輩から「士郎と話したいって言ってる人がいるよ」と呼び止められ、女性の元へ向かうと「あ、いいわ」と言われた(泣)

 

宇多丸さん:しまおさん出演はゲレンデDJ特集以来。Spotifiではプレイリストも公開されているので要チェック。

しまおさん最近どうなの?

 

しまおさん:確定申告をやりました笑

 

宇多丸さん:面倒だよね

 

しまおさん:でも案外やり始めると楽しい。菓子パンの消費が多かった。アップルパイをよく食べる

 

宇多丸さん:俺も木村屋のあんぱんを買ったら「ウッマ!」となった。

 

しまおさん:飲み物は何を?

 

宇多丸さん:日本茶です。普段持ち歩いているので

 

しまおさん:牛乳じゃないんだ

 

宇多丸さん:あぁ牛乳もよかろうね

 

しまおさん:前回は宇垣さんの物語だった。

自分語りに食傷気味になって美里物語にしたが、宇多丸さんの人生も交錯するタイミングになる。

三郷物語では96年までやった。今日は97年から。

 

宇多丸さん:僕は28歳!

 

(途中、マリオがクリアできず泣くしまおさんのお子さん。)

 

LA LA LA LOVE SONGが流れるも、この曲は96年のヒットソング。

続いてKinKiのガラスの少年が流れる。

宇垣さん、小学生入学時に堂本のどちら派かを選ばねばならない事態(?)に。ちなみに美里少女は剛派。

入学当初担任の先生が気に入らなかった宇垣さん。帰宅してお母さんに先生が気に入らないと言ったところ、お母さんも同感だった模様。

当時、須磨市で神戸連続児童殺傷事件があり、全体的にピリピリしていた。誰かしらの父兄が迎えに来ていた。

 

宇多丸さん:宇垣さんはどんな子だったの?

 

宇垣さん:よく本を読んでいる子だった。授業中本を読んでいて怒られて、外に出なあいと言われ校庭で花を見ていてさらに怒られ、意味がわからない

悪い言葉を吸収して親に怒られたり。

「良い気味」と言って怒られたことも

 

宇多丸さん:対する美大一年生のしまおさんは?

 

しまおさん:ピンクのメッシュで入学した。

「女子高生ゴリコ」でデビューしたのがこの年。大学入学時点の挨拶で「今度『女子高生ゴリコ』でデビューします」と言っていた。

そして初めての彼氏もできる。

石井さんと話していて話題で出てくるベッドに座る時ジーンズをずらしてパンツで座る事件もこの頃。

美大の中庭で車座で座ったりしていた時代だったから。

 

宇多丸さん:当時は渋谷センター街で地べたに座ったり上半身裸になったり、そんな時代だった。

 

 しまおさん:当時宇多丸さんは?

 

宇多丸さん:ライムスターは『B-BOYイズム』を出した年。

 よく話題になる振られドミノ事件があったのもこの年。

ヨシ君と道ですれ違う際、25m手前から手を振って「よしく〜ん!俺も振られた!」と言ったという笑

 

98年

美里、渋谷のギャルを知る

まほ、マガジンハウス時代

宇多丸、29歳

 

宇多丸さん:しまおさんのことは当時もう『ゴリコ』で知ってましたよ

 

しまおさん:97年、扶桑社で「ゴリコ」出版。その後98年マガジンハウスへ。

男性誌ばかりで活動していた。自分の描いていた未来とは少し違った。

女子高生の衛星放送?ケーブルテレビ?番組でガダルカナルタカさんと司会をしたり、よくわからない時期だった

 

宇多丸さん:新時代のYOUさんみたいな感じですね

 

しまおさん:イキってこの時期タバコを吸ったことがあるのもこの時期

 

宇多丸さん:この時期ちょうど俺もタバコに手を出していたのを思い出したわ。

紙タバコとかも。一瞬でやめたけど。

そんないきった大人たちに対し、宇垣さんは?

 

宇垣さん:ちゃおかりぼんの漫画『ギャルズ』で「渋谷にはギャルってもんがいるのか」と知る。

<注:『GALS!』はりぼんで98〜02年に連載されていた作品>

 

しまおさん:東京修学旅行で行ったりしなかったの?

 

宇垣さん:中学校が沖縄、高校が北海道。

 隣町に引っ越したのもこの頃。

 

宇多丸さん:さっきBGで『automatic』が流れたけど、この曲と出会った状況がまざまざと思い出される。

満喫でビビアン・スーのヌードを観ていた時にこの曲が流れ始めた。

 

時間いっぱいとなったため今日はここまで。

 

しまおさんのお知らせ:

ご両親とイベント出演。26(金)20:00〜22:00

 

来週は以前宇垣さんが紹介したチベットの小説『白い鶴よ、翼を貸しておくれ』の翻訳者・星泉さん出演。

以前の宇垣さんの書籍紹介を聴いてくださっての出演とのこと!

 

2/22(月)アトロク 756回

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス/ササダンゴ語った「俺の家の話」に急展開?

月曜にスタジオ入りするのは久々という宇多丸さん。

クマス、2021年に会うのは正月以来二度目?

 

宇多丸さん、真冬から惰眠を貪っていた人が暖かくなるとさらに惰眠が……

映画の開始時間にアラームを設定してしまうというミスを以前話したが、今日は映画館で20分上映開始を40上映開始と勘違いし、あわやこのまま上映されてしまうという事態に。

ヘッドフォンで外界の音が耳に入らない状態だったので、ふと版権を見ることをしなければ危なかった。

 

宇多丸さん:目の覚めるようなニュースも入っているのでこのまま始めさせていただきます。

アフター!

クマス:シックス!

宇多丸さん・クマス:ジャンクション!

 

ササダンゴさんと電話を繋ぐ宇多丸さん。

ササダンゴさんは新潟県の三条市で仕事中とのことでロケ車に隠れて電話。

 

先週カルチャートークで『俺の家の話』がそこそこ俺の家の話だという話をしたが……?

衝撃的メールが届く。

2/16(放送翌日)、宮藤官九郎さんからのメール

ササダンゴ氏からの解説が素晴らしくメールをした。TBSラジオリスナーでアトロクも聞いているので、スーパー・ゼアミマシンの経歴にササダンゴ・マシンさん成分が入ってしまったことは否定できない。

 

宇多丸さん:「可能性」とかしらばっくれてんじゃねぇぞと!

 

ササダンゴさん:TBS的も認めてしまうと問題が生じるからでは……

 

宇多丸さん:かつてスコセッシが『タクシードライバー』を撮った時に全国から「俺の話じゃねぇか」という連絡がたくさん届いたというのと似ているかも。

 

宇多丸さん:宮藤官九郎さんはラジオ聴きながら原稿書けるというのがすごい。

TBSヘビーリスナーのしまおさんも、漫画はラジオ聴きながら描けても文字原稿は無理と言っていた。

吉田豪さんもラジオ聴きながら文字原稿できる。結婚式でも原稿書いていたということで流石にそれは白い目で見られていた。

クドカンさんに今度「言語×言語」同時仕事ができるのはなぜかを聞いてみたい。

 

『ガメラ2』4KHDR版トーク。

特撮作品として初めて日本SF大賞受賞。

宇宙生物レギオンの生体を解き明かしたり、人間が役に立つタイプの怪獣映画。

当時は知らなかったけど、今観るとカメオ出演している大泉洋さんが確認できる。

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ てらさわホーク(映画ライター/猫映画の話)

「一人総選挙見届け人」「選挙に強い」ホークさん。

 

外国・実写映画編

 

 

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ kim taehoon

 

 

■19:40~19:55頃
「新概念提唱型投稿コーナー」枠→ イキり・ゲンドウ

 

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンドザカルチャー」→ 小堺一機・生登場!宇多丸とサイコロトーク

 

2/19(金)アトロク 755回

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス

1/1以来となる宇多丸さんが金曜日にスタジオへ。

番組スタッフADゾエがラジオの仕事を離れて鳥取に帰って砂丘でサックスを吹きたいからということで番組卒業。

前番組以来担当して貰っていると言うことでゾエさんとは長い付き合いの宇多丸さん。リモートで見送るわけにも行かないからとスタジオへ。

 

名企画「低み」

宇多丸さん:三輪田君の低みが一番発揮されるのは隣にゾエがいるときなんですよ。

ゾエがいる内にもう一度「低み」特集やれば良かったんだけど……

改めて低み誕生の瞬間を言うならば、前番組タマフルの打ち合わせで古川さんが「宇多丸さん聞いて下さいよ!どう思いますかこの件!」と言ってきた。

曰く、三輪田君が食べ終わったカップ麺。それも「極ドロにぼ豚骨」のようなタイプのカップ麺を食べ終わった時点で思い出したようにゾエに「飲む?」と聞いた。

ゾエは忠犬的なところがあるので「飲みます!」と返答。

この話をするとパワハラ的だと言われるがゾエ本人が「宇多丸さん違うんです。僕も飲みたかったんです。美味しそうだなと思っていたんです」と言っており、需給の一致があったのでハラスメント的な物は一つもなかった。

 

二人で完結している関係性。

しかし嬉々としてそのスープをゴクゴクと飲み干すゾエを見て古川さんの胸にはある思いが去来していた。

「しかしこれは自分の勝手な思い込みかも知れない。宇多丸さんどう思いますか?」と。

僕も最初は「良いじゃねぇか別に。元々低空飛行の連中が低空飛行なことしてるだけなんだから今さら驚くことじゃない。」と言っていたが、よくよく考えるとこれは「何か」だ、臭うぞと思った。

「この企画だけは本にしたくなかった」といったが、自分が著した本の中で一番気に入っている。

こんなジャンルの本は古今例が無い。人間讃歌の本。

 

とにかく私が気に入っている本。ビジネス本的な装丁なこともあって一時期本当にビジネス本のコーナーでいられていたこともあった。

そんな企画もゾエあってこそのもの。

「この二人セットだと出るな」みたいな感じが過去何度もあった。

ゾエの携わった企画としてはファースト・マン公開記念「月特集」、そして「フュージョン特集」

 

■18:30~18:50頃
「ムービーウォッチメン」→ 「哀愁しんでれら」評

 

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ Naive Super

 

 

■19:40~19:50頃
「新概念提唱型投稿コーナー」→ 抽象概念警察

 

 

■20:00~20:50頃
「ビヨンドザカルチャー」→ アトロク・フューチャー&パスト by コンバットREC

 

 

■21:00配信
「Spotify podcast限定・別冊アフター6ジャンクション」→ 宇多丸「二度と行けないあの店」トークPodcast特別編

『花束みたいな恋をした』観ました

各所(主にTBSラジオ「アフター6ジャンクション」周り)で絶賛の『花束みたいな恋をした』、観てきました。

 

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 観終わっても僕は泣かなかったし、観終わったらスタンディングオベーション!という類の作品でもなかったんだけど、観終わってから気がつくとこの作品のことを考えている。そんな作品。

数年前までの僕なら絶対に劇場に足を運んでみることのなかったであろうタイプの作品。けれどこれが非常に良い作品だったので、備忘録的に心のヒダに引っかかっている要素を列挙していこうと思う。

 

その前に一つ。

今流行りのclubhouseをやっている友人が「連日意識高いサブカル系の人たちもオタク気味の友人も等しく『花恋』トークをしている」と言っていて、映画鑑賞前の自分はなかなかその空気はキツそうだなと思っていたのだけど、観賞後はなるほど、これは誰かに話したくなる作品だと共感できた。

ただ、この作品を観た感想を音声メディアで不特定多数に発信するというのは僕にとっては怖い。だいぶ怖い。

体温を感じ取られてしまう音声メディアでこの作品を語ってしまうと、心の内を見透かされそうで、そう言ったことはごく身近な心を許した人にしか見せたくないかなぁというのが僕の考え。

心許したごく少数(わずか)な友人(ひと)にはお喋りになれるのに〜みたいな。

 

一度自分の思考を客観視できる文章メディアでしかちょっと語れないかも。少なくとも今すぐには。

そんな気持ちも込めて今回のエントリを書き残すことにした。

 

近すぎて省みるのが難しい過去と年齢

まずこの作品の「実在感」のようなものは、2015年から2020年という、今の僕(或いは僕ら)が相対化するには近すぎる過去が舞台になっていることに起因していると思う。

そして僕自身の年齢が麦くんと絹ちゃんの二人に近しいこともあって、映画鑑賞中は自分のごく身近にいる友人の話を間近で見ているような奇妙な感覚が去来した。

宇多丸さんが「俺はもう彼ら(の年齢)を笑って見ることができるけどさ」と言っていたが、自分は正にその真逆で、笑い飛ばすことができない程度には彼らとの生きた時代も年齢も近い。

僕自身の実際の年齢も、舞台になった2015年〜2020年という年代もこれがまた絶妙な近さ。

それがこの作品を思い出したときのなんとも言えない感覚を呼び起こす。

こそばゆいどころか「痛痒い」。そんな表現が最も合う作品だと思う。

1985〜1995年生まれくらいの人間が今観ると一番心にくるんじゃないかな。

2015年から付き合い始めて2020年に別れた麦くんと絹ちゃんカップル。実は僕と嫁ちゃんが付き合い始めたのが2015年の暮れだったので、そこも他人事とは思えずに前屈みで観てしまった原因の一つ。

この作品で自分語りをするのってちょっと気持ち悪いなとは思いつつもオーバーラップする部分があったので敢えて挙げてしまった。

 

あと麦くんと絹ちゃんが初デートで行った「ミイラ展」。

実は今こちらの展示が、僕の今暮らす富山県に来ていて(『花恋』鑑賞のちょうど一週間前にミイラ展に行っていた)、富山市内の映画館にはこんなコーナーができていた。

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映画館はこちら↓

www.j-max.jp

 

お笑い

冒頭、2015年の絹ちゃんの自宅のシーン。

トースターでパンを焼く絹ちゃんが口ずさんでいるのが、クマムシの「あったかいんだからぁ♪」。

これが絶妙に「2015年感」を出していて、作品の舞台となる年代を表す記号的演出として非常に冴えてるなと感じた次第。

YouTubeを確認してみたらリリースが2015年2月4日ということで、自分の肌感覚だけでなく実際に2015年という舞台に合っていたのだなという。

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www.youtube.com

まぁ当時、CDリリースはクマムシがかなりハネて暫くしてからだったような記憶があるので、実際は2014年度末がクマムシの瞬間最大風速だったような感じがするけど。。。

あ、あとそう言えば「あったかいんだからぁ♪スーパーキューティクルバージョン」のコーラスに僕の応援しているアーティストさんが入っていたりする。

以前Twitterで呟いていたはずと検索してみたらツイートが削除されていたので触れられたくない過去なのかも……ということで、それがどなたかということには触れないでおく。

 

麦くんと絹ちゃんがお互い「天竺鼠のライブに行くつもりだったのに行くことができなかった」という共通点を持っていたけど、この天竺鼠という芸人のチョイスも絶妙。

コンビ名はそこそこ知られているもののテレビで一般層に顔と名前が認知されるまではいっておらず、一方でコアなファンが多いというところで、二人のカルチャー感度の高さと“サブカル感”の演出に役立っていた。

2020年放送の「アメトーーク」で瀬下の体当たりな芸風にスポットライトが当たって今でこそ天竺鼠の一般知名度も高いだろうけど、2015年ってまだまだ「知る人ぞ知る」感があったので。

 

そしてタクシーに乗る社会人二人を見送って、「押井守いましたね」という会話をきっかけに飲み直すことにした二人。

その後の自己紹介で「好きな言葉は“バールのようなもの”です」という麦くん。

この“バールのようなもの”というのも古典芸能好きからの僕からするとクスりと来るポイント。

というのも、立川志の輔師匠の新作落語で“バールのようなもの”というのがあるんですよね。

ちなみにその新作落語清水義範先生の同名短編小説が元ネタになっていたりするわけだけど、「お笑い好き」という記号の付けられた麦くんのキャラを鑑みればこれはお笑い文脈で受け取るべきかなと。

まぁ読書好きなキャラでもあるので判断が難しいところだけど。

 

押井守と『ショーシャンクの空に

二人が距離を詰めるきっかけになったのが押井守監督という人選なのもまた絶妙。

ポップカルチャーに興味がなければまず顔までは知らない監督だと思うし。

んで、「神がいます……!」という麦くんの反応も良いし、「誰?有名な人?」という社会人男性に対して「犬が好きな人です」と答えるところも捻りがあって良かったなぁと。麦くん分かってるなぁって。

押井守監督の姿を見て「押井守だ!」と気付けない人に押井守作品を語ったところで絶対話通じないし。

「俺結構映画観るよ?」とかましてくるあの社会人のお兄さんが好きな映画として『ショーシャンクの空に』を挙げているシーンも良かったなぁ。僕と嫁ちゃんは笑ってしまった。

いや、僕も『ショーシャンクの空に』大好きだし、劇場で観た時にシアター内で一番泣いてたのは僕だったという自信もある(なんの自信だ)。

でも「俺結構映画観てるぜ」という人が如何にも挙げそうなタイトルだし、2015年当時「映画 オススメ」とか検索すると大体『ショーシャンクの空に』と『レオン』が入ってくるのが常だった。そういった意味でも僕にとってはかなり2015年感がある作品のチョイスだったなと思う。

今「映画 オススメ」と検索しても『ショーシャンク』は入ってくるんだろうか。

この作品に罪はないし、むしろ大好きなのでこんな扱いは自分としても不本意なんだけど。

 

押井守と犬に関するエピソードはこちらから。

ghibli.jpn.org

https://shbttsy74.tumblr.com/post/85223024292/%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%9B%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%92%E3%81%AB%E8%AA%9E%E3%82%8B%E3%82%93%E3%81%A0%E3%82%8D%E3%81%86-%E6%94%BB%E6%AE%BB%E6%A9%9F%E5%8B%95%E9%9A%8A%E3%82%82%E8%A6%B3%E3%81%A6%E3%82%89%E3%81%A3%E3%81%97%E3%82%83%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B

shbttsy74.tumblr.com

 

そう言えば押井守の有料メルマガをまとめた書籍のKindle版が先日安くなっていたので買ってしまった。

歯を磨きながら読むと一章の分量がちょうど良いのでオススメ。

 

 

2015年?

劇中、付き合いたての二人が街に出かけるシーン。あれは球形のガスタンクを撮影しに繰り出したシーンだっただろうか。それが明確に2015年の描写だったかは自信がないんだけど、二人が歩く陸橋の下を山手線の新型車両が通過するシーンがある。

で、実は山手線の新型車両が1編成だけ走り出したのが2015年のかなり暮れの方で、本格導入は2017年のこと。

travel.watch.impress.co.jp

2015年の記事

 

toyokeizai.net

2017年の記事

 

僕は鉄ちゃんじゃないので具体的な年代については自信がなくて後ほど確認したんだけど、劇場での鑑賞中に「2015年ってこの車両走ってたっけ?」と疑問に思ったのは確か。

街中を歩いていてガスタンクが気になって自主映画を撮っちゃうくらい周囲の物に感度高くアンテナを張っている麦くんが、当時珍しかったはずのこの車両に何も興味を示さなかったことに対して何だかなぁと感じたりはした。

当時見た目がApple Watchっぽいと話題になった車両だったので、2015年当時僕が目にしたらちょっとテンション上がっていたと思う。

 

「東京」ムービーとしての『花恋』

神奈川で生まれ育って大学時代都内のキャンパスに通い、社会人になりたての数年間を都内に通勤して過ごした僕にとって東京は行き慣れた場所で、それ以上の感慨を思い起こさせる場所ではなかった。

しかし転勤で4年以上東京を離れてしまった今の僕にとっては東京がすっかり「懐かしく思い出す場所」、「憧憬と共に遠くから見る場所」に変化していることに気づいてとても切なくなった。

大通りを缶ビール片手に歩く二人の姿には、明るい時間から友人と渋谷で二次会三次会まで飲んで、「映画観ようぜ」という友人の発言を受けて渋谷から六本木のTOHOまで歩いて『アルゴ』のレイトショーを観たなぁとか、色々自分の思い出がフラッシュバックさせられた。

あと序盤から終盤まで二人の飲むビールがアサヒスーパードライだった気がする。

贔屓の銘柄って結構長いこと変えないもんなんだよねと思った。

東京に住む20台前半の二人の旅行先が静岡県だというのもリアリティがあったなぁ。

金銭的にも時間的にも、東京で暮らす人間にとって静岡ってやっぱり旅行しようと思ったらファーストチョイスに入ってくるので。

静岡を代表するレストランチェーン「さわやか」を一度体験しようと思うのも都内の大学生あるある。

「静岡」という旅行先も含めてこの作品は「東京ムービー」なんだと強く感じた。

あと二人が坂を登りに登って目指すオープンテラスのカフェというのは鎌倉の樹ガーデンを思い出したんだけど、自分の記憶の中樹ガーデンとはちょっと違う。

どなたかあのカフェを知ってたらおせーてください。

itsuki-garden.com

 

 

麦くんの雑巾掛け

交際を始めた二人が最寄駅から徒歩30分の物件を見に行って、そこを気に入って引っ越して。

で、部屋の掃除をする時に麦くんが雑巾掛けをするんだけど、その手つきが抜群に掃除慣れしていない感じなのよ。

大学卒業後、社会人にならずにフリーターをしていた麦くんの、効率の良さとは縁遠いところで暮らしている感じがあの短い数秒の演技で表現できていた。

「社会人になってビジネス書とか読み始めた麦くんはきっとあんな風には雑巾掛けをしないんだろうな」などと描写されていないところにも想いを馳せてみたり。

 

カーテン

引っ越した二人が新生活を始めるにあたって象徴的にスクリーンに映し出されるのが二人でカーテンを広げる描写。

一方、ラストで交際関係を解消する二人があの物件を離れる時、今度は二人の共同生活を終わらせる象徴としてカーテンを畳む描写が入っているんですわ。

オープニングからしてこの二人の恋愛がどう着地するかわかるような作りになっているんだけど、観客は心のどこかで「まだこの二人はやり直せるんじゃないか」なんて思いながらこのストーリーを見ているわけで。んで、このカーテンを畳む描写がスクリーンに映し出された瞬間、「ああ、二人のあの日々はもう戻ることが無いんだな」と思ってすごく落ち込んだ。

 

心の余裕とカルチャー 

社会人になって残業続きで心の余裕を無くしていく麦くん。

そして余裕がなくなった彼から真っ先に失われていくのがカルチャーなんですよ。

追いかけていた漫画作品も読まなくなっちゃうし、読書家だったはずなのに本も読まなくなっちゃう。映画も舞台も麦くんは行かなくなって、絹ちゃんだけがカルチャー摂取を続けていく。

で、この作品は主演二人のモノローグが物語の現在地点を理解するのに非常に役立つ作りになっているんだけど、文化面の摂取をやめてしまった麦くんのモノローグから形容詞がどんどん消えていく。これがどうしようもなく居た堪れない気持ちにさせられてダメだった。

僕も社会人になってすぐは余裕がなくなって映画を見る本数が激減した年があったので、何だか他人事とは思えなかったのだ。

そして一緒に書店に行った麦くんと絹ちゃん。

趣味の本を買って麦くんのところに行こうとした絹ちゃんが、ビジネス書を黙々と読み進める麦くんを目にして遠慮してしまうシーンの居心地の悪さに思わず一人「ぬおぉぉぉぉぉ……!」となってしまった

まぁこのシーンのことを話していたら嫁ちゃんに「あなたは漫画も映画も相変わらずずっと楽しんでるけどね」と言われたんだけど笑

 

絹ちゃんの対人スキルと脱・文化系ステレオタイプ

文化系カップルの二人だけど、二人とも「コミュニケーションが苦手です」みたいなステレオタイプな文化系として描かれていないのが非常に現代的なキャラクター造形だと思った。

特に麦くんの先輩たちのコミュニティに顔を出すようになって、「麦くん、私この子好き」といってくれたお姉さんと麦くんを介さずにコミュニケーションが取れるようになって、更に年上の友人に対して敬語を使わずに会話を交わす絹ちゃんの対人スキルの高さが印象的だった。

 

チャラチャラしたキャラクターが敬語を使わなずにコミュニケーショ交わすのでは無は無く、相手に合わせて適切な距離感を取れるしっかりしたキャラクターである絹ちゃんが敬語を使わずにコミュニケーションをとるということから、二人の間に確かな信頼関係があるのだということを余計な説明を入れずに描写していたのが良かった。

 

あの頃のファミレス、いつもの席

二人揃って結婚式に出て、観覧車に乗って、別れ話をしたのは付き合いたての頃いつも二人で通っていたあのファミレス。

自然と足を運ぶのはいつも座っていたあの席。

でもその席には先客がいて……というくだりだけで既にだいぶズドンと来ているんだけど、どっちから別れ話を切り出そうかという気まずい空気に満たされる中、別れ話をし始める前にいつも二人が使っていたあの席が空くんですよ。

でも、二人は店員さんに「席を変えてもらえませんか」とリクエストすることはしない。

この“席が空く”という描写が、「今ならまだ戻れたかもしれない最後のチャンス」として滅茶苦茶分かりやすく配置されているのが憎い。

そして空いた席に出来すぎているくらいに二人にそっくりなカップルが座ることもまた象徴的。

カルチャーを追いかけるのに全力なところとか、お互い最初は敬語で丁寧に距離を縮めていくタイプであろう男女というところまで残酷なくらいにそっくりで、「もうそんな克明に二人のことをトレースしないで……」と居た堪れない気持ちになった。

 

宇垣さんの目の付け所

アトロクこと「アフター6ジャンクション」でメインパーソナリティの宇多丸さんを始め多くの出演者がこの作品を絶賛していたけど、その中でも火曜パートナー宇垣アナがの視点の鋭さが非常に際立っていた。

それは絹ちゃんを演じる有村架純さんの「前髪」に成長を感じたというもの。

学生時代はモチャっとした前髪で、それが美男美女のはずの二人を周囲に埋没させることに成功させていたという分析。

その観点を持って作品を見ていると、確かに就活開始〜就職したあたりで明確に絹ちゃんが前髪をしっかり作るようになる瞬間があって、一人劇場で「確かに!」となっていた。

でも一番感動したのは「花束は根を張れないんだよ」という宇垣さんの何気ない一言だったりする。実はタイトルからして結末を暗示していたとは……

二人で買い物をして帰る時、絹ちゃんが花を買うんですよ。

「花を“買う”」のって趣味でしかないんだけど、「花を“買える”」のって精神的にも金銭的にも余裕がないとできないことだと思う。

あの二人の共同生活にとって絹ちゃんが買って花瓶に挿してくれる花は「生活感」の象徴であると同時に、恐らくは「余裕」の象徴だったんじゃないかなぁ。

 

宇垣さんの『花恋』評はこちらから。

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

 

最後に、劇中デート中フィルムカメラでお互いを取り合っていた二人の実在感を味わえるスペシャルメイキングフォトムービーが非常にエモーショナルで最高なので一見の価値あり。

youtu.be

 

ロケ地などの情報はこちらにまとめられていたので今度じっくり読んでみようと思う。

www.jimovie.jp

 

 いつもの如くとっ散らかった映画評となったけど、非常に良い作品なので皆さんも是非。

 

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・2/18(木)アトロク 754回 断捨離 単語王 タルコフ DJ KOOさん 秋山第一ビルヂング

■18:00~18:30頃
「オープニング」→最新カルチャートピックス

宇内さん:毎週宇多丸さんに「如何お過ごしですか?」と聴かれるけど、そんなに話すことありますか?

 

宇多丸さん:宇垣さんなら「観劇をしました」とか

 

宇内さん:手帳を持ち歩かずカレンダーでスケジュール管理。カレンダーを見返しても特に申し上げることはない

大地震を受けて物を減らそうと掃除をした。

 

宇多丸さん:月曜ゲストの都築さんは「断捨離など愚の骨頂」と仰っていたので正反対。

 

宇内さん:対軸にいるな私

 

宇多丸さん:「物を簡単に捨てられる奴は捨てられる程度の思い出しかない」と仰ってましたよ

 

宇内さん:私執着心もない。若干それ鋭いしてきだなぁ……

オープニング前に月曜の特集で「二度と行けないあの店で」の特集の話を振られた

 

宇多丸さん:この話が面白かったから「宇内さんも何か無い?」って言ったんですよね

 

宇内さん:これがね……特にないんですよ

 

宇多丸さん:違うよ!

「こんな話は話すに値しない」と勝手に思ってしまっているんですよ

 

宇内さん:そこもあたし執着心がない。

「そこも繋がる」と自分の中でリンクした。

 

宇多丸さん:しまおさんは凄く自分のこと覚えているじゃないですか。あの人は物もため込む人。

でも捨てられる人が悪いわけじゃない。(古い物に拘泥せず新しい物を取り入れたり)どんどん前に進んだり良い面も。

 

宇内さん:たとえば「あそこの御飯美味しかったな」と思っても「その味が世界に一つ」だとは思わない。

近しい味を提供する店はあるだろうと思ってしまう。

そこまで「ここでしか食べられないのか?」とは思わないんですよ笑

 

宇多丸さん:食べてみたらそこまで美味しくないかも知れない。

これは思い出と結びついた話なんだよ。

だから「思い出」そのものにそこまで拘泥していないと思いでタップリに語るみたいなのはあんまり無いかもね。

 

宇内さん:基本思い出が全部美化されているので、何処かが突出していると言うことが無いんですよ。

 

宇多丸さん:全部が美化された結果平べったくなってるんだ。

横須賀思いであるでしょ?あんなにワイデッキを熱く語ってたんだから

 

宇内さん:ワイデッキ……あ!マックとか!

 

宇多丸さん:いいじゃん!俺も受験の思い出飯としてケンタッキーのビスケット挙げてたくらいだしさ。

あと慶応通ってたときとかは?

 

宇内さん:それは……無いなぁ……

 

宇多丸さん:笑

サッパリしてて良いですね。部屋もサッパリ記憶もサッパリ。

思い出したら教えてね

 

宇内さん:何か特別なものがあれば

 

宇多丸さん:特別じゃなくていいんですけどね。思い出したらね、よろしくお願いします。

アフター!

宇内さん:シックス!

宇多丸さん・宇内さん:ジャンクション!

 

従前の宇内さんの話を聞いて羨ましいというライムスターマネージャーの小山内さん。

それは思い出が邪魔をして物を捨てられないから。

 

宇多丸さん:本が大変なことになってしまい、古本屋に処分する段ボールを作っているが溜まってしまってどうしようもない。

基準を一つ上げ「今後いつか役に立つかも」というのはやめよう、「今の時点で何か調べる用途のないものは捨てよう」と決めたが全然減っていかない。

本などよほど愛着があるもの以外は自分の中に知識が入っていれば不要なはず。

映画評に必要だからと歴史的な事件を調べるために入手した本は、映画評をした時点でだいぶ自分のものとして頭に入っている、受験は終わったのだからその教科書は捨てればいいのに「この件でここまで調べた俺」というトロフィーとして残してしまっている。

過去の自分に引っ張られ未練がましい。

 

宇内さん:それで自分が特殊だと思い出したのが教科書。

学年が上がった時、資料集など年を跨いで使うものは除き教科書は全捨てだった。

親が見たら止めただろうに。

唯一受験の時に使っていた『単語王』だけは取っておいたら良かったかなと思う。

<早慶上智を目指す浪人生にとって『単語王』はバイブル。僕も浪人経験者だが、周囲にもこの単語帳を使う人がごまんといた。>

 

宇多丸さん:それって思い入れじゃん。俺も受験の時にこれ超役にたったなみたいなやつは今読み返すわけじゃないけど取ってある。

 

宇内さん:(受験から)10年ほど経った今見返したいなと思う。

 

宇多丸さん:見返し沼もある。捨てる前に見返すと「やっぱおもしれーな」となって捨てられない。

 

宇内さん:見ちゃうとねぇ。読んじゃうと捨てられないかも

 

宇多丸さん:見ずにバサバサ行くくらいがいいのかも。それにしても宇内さんはやっぱり思い切りがいい

 

宇内さん:自分の中ではやっぱりみーみーの喪失がそれにかなり拍車をかけたなというのがある。

大学の卒業旅行にスペインに行った時に、生まれた時から母親のパジャマ、もともとパジャマだった安心毛布のミーミー

 

宇多丸さん:ぬいぐるみでもないんですよね。布ですよ布。

 

宇内さん:雑巾見たいなボロ切れだったんですけど

 

宇多丸さん:でもお母さんの匂いが

 

宇内さん:はい。お母さんの匂いがついていたから、それで赤ちゃんの時に安心した私がそれから肌身離さず持つようになって母親も私にくれたっていうパジャマ

 

宇多丸さん:たしかに、それこそまさに過去への拘泥そのものですよねミーミーちゃんはね

 

宇内さん:そう。で、そのミーミー……だって海外旅行とか、部活の合宿にも連れて行くような

 

宇多丸さん:ハハハハハ!(大笑)その、寂しくなった時に!

 

宇内さん:そう(笑)夜寝る時に鼻の下に置いておくと気持ちいいから

 

宇多丸さん:鼻の下に置くんだ!

 

宇内さん:はい(笑)

 

宇多丸さん:へぇ〜

 

宇内さん:(鼻の下に置くと)気持ちいからいつも一緒に寝てたミーミーちゃんを、スペインの多分、あの

 

宇多丸さん:スペイン!スペインに布を!?ハハハハ!

 

宇内さん:あの、クリーニングの、部屋掃除の方に多分捨てられちゃったっぽくって。なくなっちゃって、そこで突如ミーミーっていう生まれた時から、だから多分人生で最も時間を過ごしたとも言える相手を喪失するっている事件を、経験したことが、思い出とかモノへの執着心を卒業させてくれた体験かもしれない。

 

宇多丸さん:しまおさんと昔話してて「神セブンから捨てろ」と言ったことがある。

最も大事なものから捨てて仕舞えば他のものが残っていることが憎らしくすら思えてくる。

その究極だよね。だってミーミーチャンと比べれば他はもう劣るわけですからね。

  

 

宇多丸さん:自分の物置部屋にあるようなものは仮になかったとしても「どっかにあるんだろう」と思えば済むもの。

「俺は持っているんだ」とさえ思えばいいものもある。ある必要、本当はないのかも

 

宇内さん:それが卒業のタイミングなんですよきっと

 

宇多丸さん:だからミーミーちゃんもあるんですよ。どこかにね

 

宇内さん:だから、ミーミーちゃん側から「あなたはもう良い歳した成人した女性なんだから……」

 

宇多丸さん:すごい。『さよならドラえもん』ならぬ『さよならミーミーちゃん』。

 

宇内さん:そう(笑)「わたしはもう世界に旅立つね」って

 

宇多丸さん:布が?

 

宇内さん:布が(笑) 世界に旅立っていきました。

 

宇多丸さん:それはすごくわかるし、腑に落ちました。「なんで宇内さんはこんなに執着がないんだろう」という件。

 

宇内さんが捨てられないもの

宇多丸さんが捨てられないものの例として寄せ書きの類いを挙げる。

森田芳光全作品上映を以前やったが、その時作品に携わったスタッフの方々が多く足を運んでくれ、その際に寄せ書きを貰った。

これを易々と捨てるような奴はサイコパス、と宇多丸さん。

 

宇内さんもメッセージカードはどんな小さなメモ書き程度の物でも捨てられないらしく、ひとまとめにして取っているらしい。

宇内さんも人の気持が乗っている物はどうやら捨てられないらしい。

 

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ 話題ゲーム「エスケープ・フロム・タルコフ」とは?by JINI(ゲームジャーナリスト)

今まで何度も登場しているJINIさん。

今回初めて実はガンマニアであると明かされる。宇多丸さんとの銃談義。

JINIさんはサバゲーもするタイプで宇多丸さんはモデルガンを飾って眺めて楽しむタイプ。

宇内さんも「いつもクールな感じのJINIさんがこんなに楽しそうに話すの初めて見ましたよ」と驚く。

 

今回紹介された「エスケープ・フロム・タルコフ」はβ版が公開されている自主制作ゲーム。

実在する銃のカスタマイズの自由度が非常に高いのが特徴。

現行の銃は樹脂素材などが使われているが、「鉄と木の銃こそ至高」と断言するJINIさん。

ご自身のゲーム内での愛用銃もストック部分が木の銃。

 

「サバゲーは銃のカスタマイズを通じた自己表現だ」というJINIさん。

このゲームはカスタマイズした銃で他のプレイヤーと闘う。

戦いに負けたプレイヤーは銃を失い、勝ったプレイヤーはその銃を拾って奪える。

自分の愛用銃を奪われる緊張感たるや……

銃のカスタマイズは自己表現であり、他のプレイヤーがドロップした銃を見ればどんな思惑でカスタムされたものか容易に想像できる。

自己表現の手段であるからこそ、愛用の銃を奪われた際の悲しみが大きい。

 

コツコツお金を貯めて銃器を購入し、それをカスタマイズするゲーム内の営みは、労働をしてお金を貯めてエアガンを購入しサバゲーに挑む現実の自分の行動そのもの。

FPSゲームは数多くあるものの、現実のサバゲーの空気感を醸しているゲームは少ない。

しかしこの「エスケープ・フロム・タルコフ」は上記の理由からかなりの純度の高さでサバイバルゲームの空気感を再現している。

 

飲料水程度の価格で流通する銃器、ロシア内の架空の都市タルコフに駐留する国連軍が武器を横流ししているなど、嫌味なほどのリアリティのあるゲーム。

宇多丸さんも是非プレイしてみて下さい。

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ DJ KOO(Livemine動画配信アリ)

来月も出演が決まっており、「僕月一準レギュラーですか?」とKOOさん。

 

DJオフィスラブさんのブッキングの賜物だけど、来てくれるのなら光栄だと宇多丸さん。

 

普通のゲストなら番組に送られてくる個人史量はコピー用紙数枚程度の物だが、本かと思うくらい分厚いものが送られてきて驚く宇多丸さん。

 

KOOさんのマジメな人柄が出ている。

最近興味あること、果ては「医師に相談したいこと」まで笑

 


ライブではディスコ文化とクラブ文化の移行期を生きたKOOさんかだらこそ話せるパラパラ誕生秘話など、解説込みで最高のパフォーマンス!

 

■19:45-19:55頃
「新概念提唱型投稿コーナー」枠 → Spotify presents ラジオ、できるかな?

橋P:clubhouseも引き続き流行。

このコーナーでリスナーの始めたPCをたくさん紹介してきたが、盲点だったのがプロのやるPCを今回は紹介。

お笑いトリオ・ロバートさんのSpotify限定コンテンツ。

 

 

宇多丸さん:はい、絶対面白いやつ〜

 

橋P:去年10月から毎週更新。

ロバートがコントをやり続けるというものではなく、変わった設定。

架空の雑居ビルである秋山第一ビルヂングのオーナーが秋山さん。隣のビルのオーナーが馬場さん、テナントで入っているカフェの経営者が山本さんという設定。

ビルのテナントのオーナー達が会話をしており、その各オーナーが芸人のゲストさんで、その会話を番組用語で「盗聴」するという二重構造。

オムニバス的にコントが流れるのではなく、世界観を共有しているのが面白い。

ロバート的世界観だし、ラジオのコントだとテレビのコント番組と違うのは何かとよく聞かれるが自分の考えでは芸人さんのビジュアルが見えないわけで、そうするとコントの設定に入りやすい。

テレビだと「この芸人がやっているこのコント」という見方になるが、声だけだと(ビジュアルに引っ張られない分)コントの設定にすっと入りやすい。

架空の設定が生きてくる。

ゲスト芸人も豪華。シソンヌ、チョコプラ、ジャルジャル、ニューヨークなど賞レース常連が。

大注目の蛙亭のほか、空気階段、かまいたちなどTBS関連の芸人さんも。

 

〜年末の放送回の実際の音声流れる〜

時節柄の導入があってからコントに入るという設定。

 

橋P:この番組がらみでいうと、2年前にサバゲー特集で出てくれたインパルス板倉さんがちょうど年末の回に出ている。

ゲストも多くかなり豪華な作り。

板倉さんは作家でもあるのでちゃんとオチがあり必聴。

チョコプラのカレー屋の辛さの基準で揉める回も面白い。

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンド・ザ・カルチャー」→受験生応援!オモシロ入試問題の世界 by 松本亘正(「超難関中学のおもしろすぎる入試問題」著者)

宇内さんと宇多丸さんの受験トークから

 

RN:りえさん 謎々のような問題

Q:「おばあさんが孫をお風呂に入れて作る料理はなんでしょう?」

<ゆでたまご?>

A:ゆでたまご

<合ってた!>

 

Q:シャーペンとドアの共通点は?

A:ノックする

 

珍問コレクターの松本さんも見たことのない問題。

 

かんげさん:国士舘の地理Bの問題でジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズに関連する問題が話題に。

ジョースター一行の辿った旅のルートに関連した問題。

 

松本さん:映画作品などをテーマにした問題は結構多い。水爆実験をテーマにした『ゴジラ』は特に多い。

 

宇内さん:兄が早稲田の英語のテストでゴジラ松井さんが甲子園で5回連続敬遠されたという問題が出た。ほとんど英語の文を読まずとも問題が解けた。

甲子園や野球に触れたことのない人には不利。知っていたら有利に働いてしまうというのはどうなの?

 

松本さん:英語の文章は知っていれば解けちゃうというのはある。

 

宇内さん:立教の過去問で雨に向かってどの角度で当たれば一番濡れないかという英語の問題があった。

英文を読むのに長けた人ならわかるんだろうけど、物語の雰囲気込みで英文を読んでいる人は対応できない。

 

慶應中等部の入試問題(社会)

Q:フランス料理の出される順序で正しいものを選びなさい

 

宇内さん宇多丸さん正解。「大人ですから」

 

松本さん:小学生に解かせたらかなり正答率低かった。

そしてコラムを書いたら「高所得者層を優遇している!」とかなり物議を醸した。

 

国語:次の文章は有名な文学作品の冒頭です。その作品の登場人物を選びなさい。

 

宇多丸さん:宇内さん分かりますか?

 

宇内さん:知らぬ!

<知らぬ??!!笑>

 

松本さん:慶応は文学作品を問うてくる傾向にある。

「本、特に昔の名作を読んでね」というメッセージ。

 

宇多丸さん:類推できるところに面白さがある

 

松本さん:宇多丸さんの解説がそのまま授業で使えるくらい

 

アは坊ちゃんの入口

イは「銀河隊」から「銀河鉄道の夜」を導き出す

ウは文体から安寿と厨子王と導く。

 

ラジコヘッドさん

新幹線に関連した問題。

東日本の一部の地図が描かれており、そこに新幹線の路線図を分岐点も正確に書かされ、終点始点も問われる。

 

松本さん:男子校にはこういう問題も多い。

 

宇内さん:「どこの県が新幹線が止まらないのか」などならわかるけど、分岐点や始点終点を問うのはきつい……

 

宇多丸さん:これは類推可能?

 

松本さん:中学受験をする人は終点始点は知っている人がほとんど

 

麻布学園の問題

相撲の勝負の始まりを「立ち会い」と呼ぶ。

ラジオ放送開始の1928年に10分、1950年にはさらに短くなった。

この変更は何がきっかけ?

 

宇内さん:定時のニュースに間に合わせるため?

→正解!

 

松本さん:世の中の都合でルールが変わるという話題が問題になることが多いのがこの学校。

「困ったらお金から考えると良いよ」と教えている。

例)今年の問題「カット野菜が最近増えているが、これは消費者にも作り手にも嬉しいポイントが。それは何?」

 

A:形が悪くても出荷できる、、、など

 

宇内さん:業者はゴミを捨てるのにもお金がかかるから……などと考えられるが、中学受験をする小学生が恐ろしく思えてきた!

 

よねりんさん

高校の大学入試の模試問題。国語 井上陽水の「夢の中へ」の1番の歌詞が書かれ、この「夢の中へ」とは何か解答させる問題。

 

宇多丸さん:こんな問題があるんですね

 

松本さん:国語の問題なので、歌詞から類推。

「夢のなかへ行ってみたい」とあるから、そこから解いていくとか?

 

かぜくまさん

大学受験で出会した。アガサクリスティ『アクロイド殺し』を題材。

犯人やオチなど全て問題でバラされた。アガサクリスティの『そして誰もいなくなった』でアガサにハマって読み進めていた中で突如として出会したネタバレに為す術もなく……

 

宇内さん:出題者も自分の好みが問題に反映されて良いですね

 

宇多丸さん:やっぱりそういうことあるんですか?

 

松本さん:やっぱりありますね。ゴジラ全作品シリーズの年表やジブリから無理やり問題作ってるなと感じることもあるし。

 

宇多丸さん:出題のフェアネスについて。万人にとって同じスタートラインであるべきだと思うんだけど……

 

松本さん:私立は色が出やすい。国公立は色を消すような傾向が強いけど。

 

筒井康隆の名古屋での講演で「筒井さんの文章が出題されていましたよ」と言われた筒井さんが問題を取り寄せて解いてみたが、全然正答が出せず。

最後の問題「作者の意図を答えよ」という問題に対して「自分が作者だから自信がある」と思っていたが、まさかの間違いだったらしい。

 

最後に:宇多丸さん、スタッフにより「ネタバレになるから」と書籍を事前に読むことを禁じられていた模様。

 

・2/17(水)アトロク 753回 加藤シゲアキさん『オルタネート』

■18:00~18:30頃
「オープニング」→ 最新カルチャートピックス/フリートーク

1/6以来となる水曜日スタジオに参上。

ただ、先週金曜日に日比さんがスタジオに現れモルカーのマカロンをバレンタインに渡してくれた際に会ったので久々感なし。

 

日比さん:匠晃さんの漫画みたいな「ズーン」笑

 

宇多丸さん:心から縦線出てましたよね

 

日比さん:だからタカキに会わないようにしていたのに〜

 

宇多丸さん:この後登場する加藤シゲアキさん、5年ぶり。最後にあったのもここ第六スタジオ。

タマフルの裏被りもあったことでなかなか番組に呼べなかった。

 

宇多丸さん:今週は各パートナーに聞きたいこともありますので始めましょう。

アフター

 

日比さん:シックス

 

宇多丸さん・日比さん:ジャンクション!

 

リモート体制下ではCM明けの「2/17水曜日〜」などはスタッフからのキュー出しに対応しやすいよう、スタジオ内にいるパートナーが読んでいたが、スタジオ内での収録ということもあり今日は宇多丸さん読み。

「小山内さんとゴシップ話できない!」とワタワタ。

 

加藤シゲアキさんへのウェルカムメール。

シャンディガフさん

以前は「タマフルに出演していたあの人」でしかなかったが、NEWS、加藤シゲアキのファンとなった今は違う。今回は凱旋出演。

 

日比さんの「二度といけないあの店」は?

日比さん:5歳6歳の頃に肺炎で入院。

初めて一人で病院内で夜を過ごす寂しさ。息も苦しい、点滴も痛いし……

そこの病院のナポリタンが美味しかった。

母・祖母が見舞いに来たときに病室から連れ出してくれた。

ナポリタンの味の濃さがあっさりした病院食との違いが際立って美味しかった。

かつて大阪に住んでいた頃に通っていた病院で、引っ越して以来そのあたりには行ってないので現存する病院かもわからない。

 

郵便が行き交うエアシューターが張り巡らされ、白い服を着た入院患者など灰色の世界の記憶の中、赤いナポリタンだけが際立って覚えている。

 

そのナポリタンはお母様も「美味しかった」と言っているらしく、今食べても美味しいはず。

 

宇多丸さん:今まで入院とは無縁だったが、昨年2回入院して病院食も初経験。

汁状のものから固形物に移り、タインゴ病院街で食べた食事の衝撃もすぐに忘れてしまう。

 

ロマニスタさん

浅草のモンブランでハンバーグを食べていたら、芸能人のサインの中に日比さんのサインを発見。

 

日比さん:多分一年生の頃に行った。サインを求められるのも初めてというくらいの頃。

楷書でサインを書いた。

 

宇多丸さん:DJオフィスラブさんがサインを書くことに対し以上にシャイ。

サインを求められると顔真っ赤にして別の紙に練習してから書き始める。

サインのデザインもその場で考えたりして……それ見られるのが一番恥ずかしくないか?

 

宇多丸さん:「浅草」「モンブラン」と検索したら2019年に閉店したアンヂェラスが出てきた。

ここも二度とはいけないあの店。

 

■18:30~18:50頃
「カルチャートーク」→ 加藤シゲアキ(小説「オルタネート」について)

 宇多丸さん:色々なメディアで目にして陰ながら応援してたよ

 

加藤さん:僕も番組で話題に出してくれていたのは聴いていた

 

宇多丸さん:擦り倒してますよ。「加藤シゲアキと俺は友達だ」っつって

 

加藤さん:僕も各所で「僕はジャニーズ生まれタマフル育ちだ」っていってますよ

 

「アトロク」は初出演の加藤さん。

「オルタネイト」の出版イベントで福田里香さんと対談し、そこでもまた(タマフル、アトロクを)話題に。

 

宇多丸さん:福田さん感心してましたよ。影響元を聞いたらタマフルの話、他の影響元を聞こうとしたらまたタマフルの話笑

すごくありがとう、と言う気持ちだった

 

加藤さん:話題にしてくださっていたので、MGRにアトロクからオファー来てたら話通してくださいねといっていたら、「実は少し前に話来てたんですけどスケジュール合わなくて断りました」と言われた。

「何いってんだ!アトロクよりも大事な仕事なんてないだろう!」と伝えた。

 

宇多丸さん:いつでも空けて待ってるから。

お会いするのは2015年8月号の雑誌ブルータスのインタビュー以来。場所もここのスタジオ。

篠山紀信さんの撮影。

 

『傘を持たない蟻たちは』は昨年戯曲を上演予定だったがコロナで延期。

今年実施予定。

 

加藤さん:自身の作品に対し「戯曲化するならどれがいい?」と聞かれて選んだ作品。

原作者だからこそできる改変について大胆なアイディアが浮かんだから。

会話だけで地の文がないから、どこまで演者に委ねるか考えるのに苦労した。

 

宇多丸さん:会話だけで地の文がないことを挙げていたけど、以前行った落語への挑戦というのは活きている?

 

加藤さん:落語は結構説明しても大丈夫。

映画は(カメラが)寄れるけど、舞台は定点カメラなのでその辺りの表現の違いに苦労。

 

(作品概要説明by日比さん)

 

宇多丸さん:もちろん『オルタネイト』 読ませていただきました。

面白いし素晴らしいし後味も素敵だしでも、印象に楔を打ち付けられる場面がいくつもあって、「立派になってまぁ〜」と言う感じ。日比さんも一気読みでしょ?

 

日比さん:読むの遅いんですけど一気に読んでしまいました。映像が目の前に浮かんで

 

宇多丸さん:映像が浮かぶ文章というのは意識して書いている?

 

加藤さん:『ピンクとグレー』の頃からそれは言われている。

自分が映画の脚本やカメラワークをベースに考えているからだと思う

 

宇多丸さん:先を知りたくなる、一気に読んでしまう推進力が作品を重ねるごとに増している。そこが凄い

 

加藤さん:そこも実は苦戦している部分。リーダビリティのようなものは……『ピンクとグレー』の時はある種先に結末がわかるところから引っ張っていた。

『オルタネイト』はどうなるかも最初わからないところから引っ張っていく手法をとった。

大きなクライマックスはあるが、どんでん返しで「どん!」で面白くさせるという作りにはしていない。

心地よく読んでもらうことを意識。結末だけではない。

ファンからは今までは本を読んだことがなかった、本を読むのが苦手だという声をもらうことも。

若い人へという気持ちで書いた作品。それだけに文学賞で話題になったのが自分でも意外。

小説を高尚なものにしたくなかった

 

宇多丸さん:若い人に向けた読みやすさ、SNSがテーマであるというところを選考委員の人が評価してくれたんだろうね

 

加藤さん:漫画的でダメだという人もいる。高校生の恋愛小説は直木賞的ではないという判断。ただ、推してくれた作家さんも3名ほどいた

そもそも直木賞目当てで描いていないのでそこまで傷付かず。むしろ話題にしてくれてありがとうございますという感じ

 

宇多丸さん:「若者向け」は言うは易しだが、自分の年齢、自分の経験した青春とSNSネイティブ世代のギャップは?

 

加藤さん:「ジャニーズで恋愛小説」と言うといかにも売れ線にいったように思われるのが嫌で『ピンクとグレー』を書いた。

しかし刊行を重ねるとそういった肩の力が抜けていった。

また、自分が30代となり、今こそ10代や若い人を距離ができて冷静に見つめられるし、この先忘れていく感覚の方が多いと思い、「今しかない」という気持ちで書き始めた

 

宇多丸さん:客観的にみられるのと、体感的に感覚を覚えていられる「間」としてのタイミング。

SNSとの距離感というところはどう?

 

加藤さん:僕らの時はなかった。大学生の頃がmixi黎明期。

ただSNSはなかったけど高校生の頃10代中盤〜後半の頃に感じる多感なアンテナは不変的なのではないか。

その時期=モラトリアム一歩手前くらいの狭い社会での心の揺めきは不変的だと思った。

自分を高校生の頃の感覚に飛ばして追体験するように書いた。故にプロットを描いていない。

最初にオルタネイトをやりたくてもできない人、原理主義者、やりたくてもやれない人やらない人で3組作ってヨーイドンでそれぞれの高校を生きるように作った。

入り口だけ作ったらどこかで交わるでしょうと書き進めたが、なかなか交わらず。

書き進める中、文化祭が分岐点・終着点として定まった。

加速感はむしろ抑えて書き始めたが、最初に抑制が聞いていた分交わった時の加速感が強かったのかも。

 

宇多丸さん:どこかにかつての、あるいは現在の自分の背中を見つける部分がある。

映画で言えば『セッション』、『シングストリート』などが浮かぶ。

若い二人がSNSを通じて他者と出会う、ものすごく真っ当な成長プロセスを描いている。

 

日比さん:自分には料理コンテストがはまった。高校生の頃演劇をやっていたので。

 

宇多丸さん:料理描写があったけど自分でも料理するの?

 

加藤さん:実は料理がすごく好き。

体育会系にしすぎるとスポ根面が際立ちすぎるので、文化系のテーマを用意した。

 

宇多丸さん:20時代は駄話をしようと思っていたけど、もう少し作品の話しても良い?笑

 

■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ For Tracy Hyde

  

■19:45-19:55頃
新概念提唱型投稿コーナー → シアター・一期一会

新概念にも加藤さん出演。

 

宇多丸さん:六本木ヒルズで「最近の子はモノトーンでまとめてオシャレだな。マスクも似合ってるな」と思っていたら加藤さんだったということが

 

加藤さん:ムービーウォッチメンの課題映画見る時はどこかで宇多丸さんを自然と探してしまう

 

宇多丸さん:映画館の思い出を語るコーナーなんだけど加藤さん的に一番思い出に残ってる思い出ある?

 

加藤さん:悪い思い出になっちゃうんですけど……ジブリの『思い出のマーニー』をみにいった時。満席近かった。3席空いていて真ん中の席を取ったら遅れてきた男の子が自分の両サイドに分かれて座った。

正直自分は99%映画は一人で見にいくのでそういうことはない。

後々考えれば変わってあげればよかったのだが、その時は気持ちがマーニーに行っていたので思い付かず。

で、その二人が結構喋るタイプ。

 

宇多丸さん:観てる間も?

 

加藤さん:見てる間は喋らないけど、この二人がポップコーンをシェアしてて……

 

宇多丸さん・日比さん:嘘!嘘でしょ!

 

加藤さん:ちょっと遠回りはするけど僕の上でポップコーンシェア。

しかもそいつらケータイを見るタイプでしかも一回鳴らしたりするし……

イライラしてはいるけど注意もしづらいし。それ以後そういう時は席を譲ろうと思った。

 

日比さん:思い出の『思い出のマーニー』……

 

三平と書いてみつひらと読むさん

30数年前地元で受験が控えた高校生の頃。

「今日の放課後は『ランボー3 怒りのアフガン』でも見にいくか」と思っていたところ、放課後仲間から声をかけられる。

映画を見にいくつもりであるというと友人もついてくることに。

自分を合わせ5名で映画を見ることになり、名古屋の今池国際劇場へ。

スクリーン正面近くに座るおじさんがタバコをプカプカと吸い始めた。

当時から絶対的な禁止事項である禁煙を破るとは……

自分は鑑賞料が足りない時は職員室の先生にお金を借りて映画を見るほどの自他共に認める映画ボンクラだったが、客席で喫煙する不届き物を目にするのは初めて。

「ふざけるな」と思ったが、注意しにいくのは怖い。

しかし滅多に映画館に行かないであろう友人たちの映画館へのイメージを悪くしてはいけないと決死の思い注意をしに行った。

おっさんは声をかけられたことが意外だったようでタバコを消してくれた。

観賞後、友人たちから「よく注意しにいけたな」と言われ、自己肯定感が上がった。

 

宇多丸さん:二人はタバコ吸う人に遭遇したことあります?

 

加藤さん:僕はないですけど1980年代って結構いたんですか?

 

宇多丸さん:名古屋のシーンはわからないけど、1988年はかなり絶滅危惧種だったはず

 

加藤さん:中川翔子さんが水をかけられたという事件もあったので「自分が我慢して」って思っちゃうかな……

<注:こちらの事件>

 

宇多丸さん:昔注意したら注意されたおじさんが猛然と怒ってしまって……ということもあったし、『アウトレイジ』見た時の「客席がアウトレイジ」事件というのもあった。

席が指定になっているということの意識がない人たちが「俺ここなんだけど」というやりとりが散見された。

 

加藤さん:以前好きな髪型を聞かれて「お団子です」と言ったところ、舞台をやった時客席にお団子ヘアーの女性があふれる事態に……

「お団子が好きとか言わないでください!」と言われたことがある。

 

宇多丸さん:映画の試写会でもそう言ったトラブルある。

試写室は傾斜のない部屋に椅子を並べてと鑑賞。高低差がないので脱帽するなどのマナーが求められるが、目の前に座った人が高い帽子をかぶっていたということがあった。

 

時報前も加藤さんとのトーク

宇多丸さん:『オルタネイト』のインスパイア元となったカルチャーは?

 

加藤さん:執筆当時いくつか映画を観たが、青春ものはクオリティに差が大きかった。

 クリティカルヒットだったのは『ちはやふる』。

スポ根描写、人間関係の描き方はかなり意識した。

 

宇多丸さん:料理描写。料理バトルのバトル要素、そのお題はどう考えた?

 

加藤さん:自分で考えた。しかも自分では一品も作っていない笑

料理の技巧を描きたかったわけではない。

ネットフリックスの『ファイナル・テーブル』もどう言ったものが題材たり得るかというところでよく観ていた。

 

■20:00~20:45頃
「ビヨンド・ザ・カルチャー」→ 作家・加藤シゲアキを形作ったモノたち

時報前聞いた料理ネタ、作家的イマジネーションに宇多丸さん驚き。

じっくり話すのは久しぶりだから自分の知っている加藤さんではないかもしれないという宇多丸さん。

最近摂取しているカルチャーについて聞くことで加藤さんの今を知ろう、ということで質問タイム。

 

宇多丸さん:加藤さん的に「この話をしないと先に進めない」という話題がるとか?

 

加藤さん:この番組でも散々話題になった『花束みたいな恋をした』。

まだ住んでます?

 

宇多丸さん:住んでる……登場人物が?

 

加藤さん:そう。登場人物がなかなか引っ越してくれない……多摩川沿いに……

いやぁ、しんどくないすか?

苦しい……見てる時から苦行というか……

こんなに見ていて「俺じゃん」と思うことはあまりない。

 

宇多丸さん:自分史と重ね合わせて語りたいという作品。加藤さんもやられているということで

 

加藤さん:麦と絹を心から抜いていかないと。

絹ちゃんを「可愛い」と思ってしまう時点で自分の中に麦くんが。

 

宇多丸さん:小説を読んだりカルチャー感度の高い二人。

 

加藤さん:ボンクラ度が似ている。麦くんの家に行って本棚を見た絹ちゃんが「ほぼうちの本棚じゃん」というくだり。

その5秒くらい前に「ほぼうちの本棚じゃん」と思った

 

宇多丸さん:あぁぁぁぁぁ!

 

日比さん:あぁぁぁぁぁぁ!3人目!

 

宇多丸さん:それは麦くんの菅田将暉の演じる麦くんの本棚を見て思ったんだ

 

加藤さん:はい。しかも『AKIRA』が(自分の本棚でも)同じところにあって、おんなじところにほしよりこがあって……小説はちょっと見えなかったんですけど。でも出てくる小説家の名前も知ってる。

その出てくる小説家の名前もある意味節操がないんですよね。その節操のなさが自分のようで……

 

宇多丸さん:本棚って自分の無意識領域含めて出ちゃうから、本棚見せってなかなか危険。

だからこそ「そこが一致した私たち」って。

 

加藤さん:本はもらう機会も多いので「本棚を見られても別に」くらいの意識。

しかし劇中の本棚を見て「お前の本来の本だなこれだから!」と言われたようだった。

世代は違えど聞いてる音楽も悉く被る。「タマフル」も聞いていたんじゃないかみたいな。

似ているからこそのライバル意識があったり。

若い頃は自分と似ている好みの人を見るのは救いだと思っていた。

しかしこの歳になって自分のと似た好みの人を見るのはこんなに苦行なんだと気づいた。

 

宇多丸さん:加藤さんの「自分ごと」としての受取度が周囲で一番かも

 

日比さん:完全に「麦、絹、シゲ」になってますよ

 

加藤さん:むしろ『人生の勝算』を読み始めてくれてよかったみたいな。

絹ちゃんは好き。

居酒屋の押井守登場シーンの後の絹ちゃんの押井守評がまた良い。

「好きか嫌いかは置いておいて」と言えるところが

 

宇多丸さん:加藤さん、全く一緒。あの「好きか嫌いかはおいておいて」と言えるところに彼女の押井守人気の正しさがある

 

加藤さん:ただ気に食わなかった描写が。「天竺鼠のワンマンに一人で行く女の子は人に髪の毛乾かしてほしくないんじゃないかな」って

 

宇多丸さん・日比さん:あぁぁぁ〜

 

加藤さん:僕も天竺鼠さん好きですけど、空気階段じゃなくて天竺鼠に行く人はそんなにチョロいかなと

 

宇多丸さん:いきなり髪触らせるかなと。宇垣さんは「髪乾かす男は碌なもんじゃない」と言っていた。

あと公演のチケットを無駄にしたことを声高に語るんじゃねぇよとも言っていた。

『レザボア・ドッグス』を観に渋谷に行った時友人に遭遇し、「士郎、これから合コンだけど一緒に行くか?」と言われて断った自分としては「ここはこいつらに勝ってる」と思った。

 

加藤さん:麦にどうにかマウントを取りたくなるっていうね笑

大人になると自分と似ていない人と付き合う方が良いという結論にどこで話してもなるが、どこかで絹ちゃんに会いたいと思ってしまう。

(略)

すごく辛いのに最高というトラウマ映画になっている。

 

宇多丸さん:複数の人間ではなく特定の個人をリサーチしたという坂本監督。

AKIRAが置いてあるディテールとかこれ加藤くんかもよ?笑

 

加藤さん:(それはないと思うけど)でもAKIRAとほしよりこ並んでるんですよ。だから多分つげさんとかあるんですよあの辺に笑

その感じがなんか……キッツ……キッツ……無ければバカにできたのに!マウント取りづらい!

 

宇多丸さん:イキイキと描かれすぎてるからなかなか心から出ていってくれない

 

日比さん:もはや多摩川が彼ら!

 

 

宇多丸さん:最近映画見られてます?

 

加藤さん:自分おスケジュールと合わず見られなかった作品も多数。大作は結構チェック。

『TENET』は劇場で見られてよかった。

『ブルータルジャスティス』、『透明人間』。

あえて一位を挙げるなら『オルタネイト』が大きかった一年でそんな中こぞってぜひ見てくださいと言われてみたのが『ブックスマート』。

 

宇多丸さん:おお〜みんな大好きブックスマート!

 

加藤さん:高校生をイキイキ描いたということで。

アップデートをどう描くかでクリエイターの腕が問われる。

『オルタネイト』を書く際に目指した読後感に近い。

学生ものということで『ハーフ・オブ・イット』も最高だった。

 

宇多丸さん:これもある種アップデートものだもんね。かつては悪役であっただろうキャラも悪役に描かなかったり

 

加藤さん:中には押し付けがましい「多様性」の描き方の作品もあるが、このに作品はそう言ったきらいがなかった。

『オルタネイト』でやりたかったところにこの2作が近かった。

 

宇多丸さん:作家加藤さんと共鳴している点を聞くのは自分たちの『ブックスマート』評とは違って面白い。

#MeTooやBLMなど、今後表現者として一種意識のデフォルトとしてどう表現するか作家として意識されているんだと感じた

 

加藤さん:小説だから何書いても良い面もあるけど、作家として受け取らなければという気持ち。

映画はハイコンテクスト化してる。先ほど名前はあげなかった『マンク』 などもアップデートがなされていた作品。

意識のアップデートはやっている作家とそうでない作家が読み手にバレてしまう。

 

宇多丸さん:受け取り手も意識しないところで自分たちの意識がアップデートされているんだなということを少し前の作品を見て気付かされる。

 

加藤さん:MCUも『ワンダヴィジョン』でアップデートを感じるし、HBOの『ウォッチメン』もなかなか心から出ていかない作品。

 

宇多丸さん:小説や本などは?

 

加藤さん:探しに行くよりは進められる機会が増えた。

『推し燃ゆ』の宇佐美りんさんは過去作から気にしていたが、ミクスチャー感が斬新だった。

すぐに芥川賞を取ると思っていた。

『オルタネイト』刊行時だれか対談したい人いますかと聞かれて宇佐美さんを挙げた。若い人をターゲットにした作品だったので。

自分は推されもする立場でもある。推される人間は「神」的。

推しに振り回される物語なので「なんかごめん」と思った。そういう意味では辛い小説。

 

高野 和明『ジェノサイド』を読み直している。

「映画化できない本を書く」という気概で作った作品(映画化できないくらいバジェットがかかるという意味合い)。

 

宇多丸さん:『推し燃ゆ』評は加藤さんならではの視点で面白い。音楽は?

 

加藤さん:音楽を作ったりするので色々聞いたりする。デュア・リパとか超メジャーどころとか。

発表されたばかりの星野源さん『想像』もすごかった。

10代アーティストも活躍しているが、若い人が新しいものを作ると考えている。

HIMIさんという方は浅野忠信さんのお子さん。モデルも音楽活動もやる方で追いかけている。

 

最新曲Sun is going downが流れる。

 

block.fm

 

加藤さん:オバマさんのランキングがすごく良いので、そこからディグったりしている。

小説が若い人に届かないということでプロモーションビデオを作った。

小説界隈からはチャラいんじゃないかという意見もあったが……

また、小説も連載していると挿絵などを書いていただく機会もあるためそう言ったところにもアンテナを貼っている。

 

そんなかから友沢こたおさん。個展も始まっている。

shukado.com

お母様は友沢ミミヨさん。

若い世代が何を作るのかを注目している。

 

宇多丸さん:世代間継承、先輩と後輩という話、親代わりの存在からの継承というのが最近テーマになってません?

 

加藤さん:意識はしてないけどあるかも。

ジャニーズは後輩がすごく多い。デビュー順で並ぶと自分が一番先輩ということも多々ある。

後輩に勇気を与えたいと思うことは増えたかも。

それぞれのスタイルを確立できるよ、という指標となれれば

 

宇多丸さん:アイドルもやる、作家もやる、舞台もやる。大変じゃね?

 

加藤さん:大変だし、シンプルに友達が減る笑 全部一人でやるから。

惰眠はやるけど駄話は減る笑 孤独は孤独。

 

宇多丸さん:『オルタネイト』はギットリ感が減って軽やかに書いてる感じがある

 

加藤さん:読者を信頼できるようになった。「ここまで書かなくても伝わるだろう」と。

また、行間の作り方もわかってきた。何を書かないか、書かないことの方が大事

 

宇多丸さん:まじ腕上げてんなぁ。立派になって……

 

宇多丸さん:今後どう言ったものを書いていきたいとかある?

 

加藤さん:直木賞の選評で「何クソ」と思ったものはある。「この人たちが言うのはこれか?」と言うものを出したい。

 

宇多丸さん:ガソリンという意味も選評にはあるのでは?

 

加藤さん:今まで(ジャニーズ所属タレントの格小説だからと)甘やかされてきたという意識があったので、芯を食った選評を読めて参考になった。

本作がスタートという意識。