映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

“Poor Things”/『哀れなるものたち』を観て感じたこと

『哀れなるもの』の諸要素が象徴するもの

人生最高のお買い物

ちょっと前に下書きにしたためていたエントリだけど、せっかくだから供養しようと思う。 「雑誌弱者なのだ」という自覚 「雑誌とどう付き合うか」という問い ”BRUTUS”の正体見たり! 僕の「人生最高のお買いもの」 「雑誌弱者なのだ」という自覚 普段、雑誌…

“元気玉”は、悟空という主人公の持つ「希望の器」という機能の増幅器なのではないか

久しぶりのエントリだが、書かずにはいられないので書く。 その訃報に触れて、思わず職場「エッ!!!」と声が漏れた。 鳥山明先生が、去る3/1に68年の人生に幕を閉じた。 ドラゴンボールの偉大なところは、「好きな漫画」を話題にするとき、僕らの多くが「…

2023年の象徴的なエントリ

2023年、このブログで瞬間最大風速を感じたのはチープカシオについて書いたこのエントリ。 eibunkeicinemafreak.hateblo.jp 瞬間最大風速はチプカシのエントリには及ばないまでも、ふとブログの来訪者データを見た時に毎度「アクセス先」で一番になっていた…

手帳とカレンダーから考える、世界の捉え方の話

思考の枠組みとは世界の見方・捉え方そのものであり、思考はその者の用いる言語体系に大きく依存する。 ところで、カレンダーや手帳には月曜始まりのものと日曜始まりのものがある。 「月曜始まり」至上主義の思考の枠組みたる僕は、日曜始まりの暦と相容れ…

2023年の我が家の流行語

以前もこのブログに書いたが、ちゃん嫁が『ちいかわ』にハマっている。 特にハチワレが好きで、僕も彼女の影響から『ちいかわ』という作品もハチワレというキャラもかなり好きになっている。 こちらのエントリにも書いた通り、ちゃん嫁が好きなのは変化の少…

鍋の季節、到来!

鍋の季節到来である。 11月頭はワイシャツ1枚で出歩けるくらいに暖かかったにもかかわらず、今はもう鍋が恋しい季節。 昨日も今日も鍋だった。 液体の鍋の素も良いけれど、液体の鍋の素ってほぼ水じゃね?水って重くね? ということで先日買い物をした際に購…

書を買わんと欲すればまず書棚を見よ

最近買った『楽園のカンヴァス』が面白い。 原田マハ先生の作品はやはり最高だなと思う今日この頃である。 『楽園のカンヴァス』は先日、夫婦で書店に行った時に購入した。 「この本以前から読んでみたかったんだよね」と言って筒井康隆著『残像に口紅を』を…

そんな服はZARAにある?否、ザラにある!

「ザラにある」という表現がある。 この"ザラ"っていったい何?というのが今回のエントリの主旨である。 読売テレビのアナウンサーにも同じ疑問を持った人がいたようで、このような記事を残している。 www.ytv.co.jp 辞書(『精選版日本国語大辞典』)を引い…

「ルビ」、「ゲラ」。印刷関係にルーツを持つ言葉たち

以前「余波」と書いて"なごり"と読むことを知った際に書いたエントリの冒頭で「"ルビ"を振る」という表現を使った。 eibunkeicinemafreak.hateblo.jp ところでこの"ルビ"って何だろう、と思って調べてみた。 「ルビという名前は宝石のルビー(ruby)と関…

「はらいせ」の正体見たりと思いきや 正解からは遠いところに

感情のはけ口? 「腹癒せ」という単語の解析

「余波」と書いて"なごり"と読む

「なごり」には「名残り」という表記のほかに「余波」という表記があることを知った。その由来を探る。

Twitterで話題になった「あとぜき」という熊本弁について

先日、こんなツイートが話題になった。 あとぜき is 何 pic.twitter.com/AovlF83Irq — 磯部祥行 (@tenereisobe) 2023年11月16日 リプ欄で「開けたら閉めなさい」の意味の熊本弁であるらしいことは分かったが、その所以が気になって調べみた。 kotobanomado.jp…

だから僕は、一年中暖かい飲み物を

おばあちゃんっ子である。 自分の人格形成において、母親よりも祖母から受けた影響の方が大きいと思う。 おばあちゃんは年がら年中温かいものを飲む人だった。 真夏こそ冷たい麦茶を飲むこともあったが、夏の暑い盛りでも熱い緑茶を飲むことが多かった。 そ…

何処まで行ってもついて来るのが自分の体だから 付き合い方を考えるのも良い

三十路に入り、自分の体との付き合い方が変わった。 自分の体は、何処まで行こうとも自己という存在についてくるものだ。 故に、体を労ることが大切だと思う。 そんな当たり前のことに、歳を取ってから気づいた。 大学生から社会人3年目までは、「土日に予定…

最近の読書事情

自分自身の読書の絶対量が減っている。 通勤時間の電車内が格好の読書タイムだった社会人なりたての頃。 その後転勤して通勤時間が目減りしたことに連動するように、読書量が減っている。 とは言え、読書時間確保のために片道2時間近くかけて通っていたあの…

久しぶりに結婚式に参列した話

先日、友人の結婚式に参列してきた。 幼稚園、小学校、中学校が同じ友人Aの結婚式だった。 その友人と仲は良かったが、結婚式に呼んでもらえるほどの関係性だったとは思っていなかったので、お呼びがかかったときは正直驚いた。 僕が普段付き合いのある友人…

一度溢れたミルクは もうコップにゃ帰らねぇ

ビーストウォーズの物語を覚えている者は幸せである。心豊かであろうから。私達はその記憶を記されて、この地上に生まれてきたにも関わらず、思い出すことのできない性を持たされたから。 はい。 お題を見てすぐに記事のタイトルにしたセリフを思い出したん…

朝ごはん

中学生・高校生・大学生の頃、朝ごはんは絶対にご飯だった。 パンだと昼食までお腹がもたなかったからだ。 社会人になった今は、手頃さから毎朝菓子パンを食べている。 しかし、最近はコロッケパンのようなボリューミーなものは徐々に受け付けなくなってきて…

「せっかち」の語源に気付いた日

購読しているメールマガジンで以下のような文章に触れた。 「速く進もうと気持ちが競(せ)っていた」 (※フリガナはブログ執筆時にnaw0t0により加筆) この文章を読んで何かお気づきの点はあるだろうか。 まず、「せっていた」の字が違う。 「競っていた」では…

季節の変化を感じる

6月末から7月の頭に、アメリカから父の友人が遊びに来た。 アメリカ生まれの彼の父親と、僕の父の故郷が一緒だったこともあり、家族ぐるみで仲良くしている。 何度か家族でカリフォルニアの彼の家を訪ねたこともあるし、彼自身も彼の父親も日本に旅行へ来る…

夢のような夢の話

普段夢をあまり見ないタイプの人間である。 いや、「起床したときに何も記憶がなくても、人は毎晩夢を見ているのだ」という話は知っている。 しかし、朝目覚めたときに「あ。今夢を見ていたな」と思うこと自体が稀なんだから仕方がない。 ちゃん嫁から「あな…

日本で“Twitter”が流行った遠因を考える

海外の映画やドラマを観ていて驚くのは、「誕生日に詩をプレゼントした」というようなシーンに多く出くわすこと。 日本では詩を送るという習慣はあまり馴染みがない。 それどころか、多少詩的な表現を用いようものなら「ポエマーかよwww」などと一笑に付され…

デパートの スーツ売り場の おじいちゃん

世の中には、買い物をしている際に店員から声をかけられる人とそうでない人がいる。 僕はどうか、というと、これが滅茶苦茶声をかけられるタイプの人間だ。 ちゃん嫁は付き合い始めの頃に僕と買い物をしていて、「あなたどれだけ買い物中に声をかけられるの…

僕にとって、ブログってなんだろう

「動機の言語化か……あまり好きじゃないしな」 2020年代におけるブログの意味合いって何でしょうね。 ゼロ年代。 ブログ文化華やかなりし頃。 大学への長い長い通学時間をブログを読むことで飽きずに過ごしていた僕にとって、ブログとは暇な時間を「読む」と…

『イコライザー3』のマッコールさんの腕時計

うちのブログで安定して一番読まれている記事、マッコールさんと同じ時計を買ったという記事なんですよ。 eibunkeicinemafreak.hateblo.jp やっぱりマッコールさんの時計って気になるもんね。 さて、来る10/6はイコライザー3作目の公開日。 www.youtube.com …

苦手意識の先に、映画体験の豊かさを

幼少期から洋画ばかり観る家庭で育った。 邦画は怪獣映画とアニメーション作品くらいしか観てこなかったように思う。 記憶に残っている限り、この二つのジャンル以外で映画館で観た最も古い邦画は何だっただろうかと思い返してみたけれど、14歳の頃に見た『…

スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』インタビューを求めて彷徨った先に、文房具沼があった

『君たちはどう生きるか』のインタビューが載っているという雑誌”SWITCH”を求めて書店に行った。 富山は他の都道府県よりも本の発売日が遅い。SNSで話題になった本を求めて書店に行くと「明日/明後日の発売です」と言われることになるので、必ず店内の端末で…

お題:「これって私の地元だけですか」

僕の地元、小田原では名物にまつわるこんな「うちの地元だけ」なことがあります

アニメーション美術監督・山本二三氏逝去

悲しい知らせが届いた。 現在公開中の『君たちはどう生きるか』にも関わっている美術監督、山本二三さんが逝去されたとのこと。 www.asahi.com 山本二三さんといえば、男鹿(おが)和夫さんと共にスタジオジブリの美しい背景美術を手掛けてきた方。『君たちは…