かつてバン・フライハイトを演じた岸尾だいすけさんがCVを勤めるキャラクター、リュック隊長が久しぶりに登場。
最近出て来なすぎて1話限りのゲストキャラだったのではないかと不安になり始めたところだったので久しぶりに登場してくれて嬉しい限りだ。
「別の惑星からの移動に際し、ワームホールを通過したことによって生じたタイムスリップ」というSF設定に加え、移民団の到着から100年が経過した作中の地球において、「100年前の時点から時が進んでいない街」というものが登場する。
その時空の歪みを引き起こしたのはZiフォーミングを実施するために惑星Ziからやってきた「第一世代」の持ち込んだデバイス。
今後この装置を辿る冒険をすることになるレオたちだが、いく先々でこの「ボルテックス」という不思議な現象に出会っていくのだろうか。
100年前の姿をそのままに留めた街。
これから先、その街の中でまだ動く記録用デバイスを発見した一行は、何か重要な秘密の映像を見る……そんな展開がありそうな気がする。
その映像の中で、サリーがおじいさんと呼ぶボーマン博士、そしてランド博士はサリーと同時期にコールドスリープから覚めたことになっているが実は100年前にすでに地球に降り立っていた……みたいな展開があったら面白い。
その二人とコンラッド博士が出会っていたとか。
さぁ、僕の妄想はこの辺りで切り上げていつもの鑑賞録へ。
【公式サイト ストーリー紹介】
リュック隊長率いる帝国軍部隊に追われるレオたちは、21世紀の姿そのままの都市へたどり着く。当時のまま風化していない街並みを見たレオは、地球考古学者だった父親のとある研究について語り始める。さらに、サリーのペンダントも突然反応を示して……。時間が止まった都市で、いったい何が起きているのか?
【Aパート】
リュック「全機サリー・ランドの確保を最優先。研究対象のビーストライガーは、最悪残骸でも構わん!」
逃げるレオ一行、追う帝国軍というシーンから今回はスタート。
ナレーションがないままスタートする新たな展開だ。
ここで注目すべきはリュック隊長がレオの愛機を「ビーストライガー」と呼称している点だ。
今まで帝国軍はビーストライガーを「ライオン種のゾイド 」「赤いライオン種の民間ゾイド 」と呼称していた。
前回帝国軍基地にライガーが鹵獲されたことで、この機体がビーストライガーであるということが帝国軍に伝わったのだろう。
気になるのは「ビーストライガー」という名称が、ペンダントにより復活する前からこの機体の正式名称なのか、サリーが第1話で呼び始めたことを機に決まった名称なのかということだ。
逃げるレオ一行。ラプトリアは砲塔を後ろに向けてラプトールを迎撃。
ラプトールに追いつかれてしまったバズとサリーの乗るジープ。反対するバズを他所にコンテナを切り離すサリー。
コンテナには化石燃料が含まれていたらしい。化石燃料はこの世界では非常にレアらしく、バズはそれを失うことにあきらめがつかないようだ。
砂漠にスタックしてしまったジープを前足で押すラプトール。
サイズ比としてはこんな感じ。
コンテナにラプトールが乗ったまましばらく牽引していたのでジープにはかなりのパワーがありそうだが、スタックには弱かったようだ。
後方から迫る帝国軍から逃げる一行は眼前に巨大な砂嵐を視界にとらえる。
その砂嵐に突っ込む一行。
レオはサリー、バズ、アイセルを先に進ませ、自分は後から追いかける格好に。
砂嵐を抜けたバズたちが辿り着いたのはとある街。
砂嵐の中にあってこの街だけはその砂の影響がほとんどない。
それどころか非常に色彩も鮮やかでゾイドクライシスの影響もほとんど感じさせない。
街の中でお宝探しをするバズは「携帯プレイヤー」を発見する。
「音楽を楽しむための21世期の道具よ。実際に見るのは私も初めてだけど」とアイセル。どうやら彼らの暮らす22世期の世界では音楽プレイヤーを携帯するという文化は一般的ではないらしい
街の中を散策する一行。ゾイドクライシスの影響が小さすぎることに疑問を抱き始めるアイセル。
極め付けは切り花が枯れずに残っていること。アイセルの中で、疑問が膨らんでいく。
アイセルとサリーとは別行動で街を物色していたバズ。
無尽の街では服も車も選び放題だ。
バズ「どうだ?似合うだろう?」
サリー「全然」
アイセル「どう見ても三流の詐欺師ってところね」
アイセルの辛辣な返しに思わず笑ってしまった笑
そんなほのぼの状態の一行をジャミンガが襲う。
相棒の危機を察してか、ラプちゃんが一行の危機を救う。
ゾイドの行動を強く制限するのがゾイドオペレートバイザーということだったが、バイザーを装備していない非帝国軍ゾイドはこういった形で自ら考えて動くことがあるのだろうか。
「車まで道を作る!ついてきて!」と勇むアイセル。
ラプちゃんに露払いをさせ、走る3人。
体格差に物を言わせてジャミンガを蹴散らしていくラプちゃんだったが、数で勝る相手に次第にまとわりつかれてしまう。
自らを危険にさらしてまでも人間を襲うジャミンガの行動原理が第8話目になっても明かされていないのが気になる。捕食のためであればすんなり納得できるのだが……
そこに現れたのはビーストライガー。
波いるジャミンガたちを蹴散らし、サリーたちを救いに来た。
他の二人には目もくれず、「遅くなってごめんよ、サリー」と彼女への心配の気持ちをあらわにするレオ。
以前も言及した通り、少年向けの作品には珍しいくらい主人公がヒロインを大事に思う気持ちをストレートに表現する作品だと思う。
合流した一行はこの街の様子がおかしいことをレオに告げる。
レオもそのことに気付いており、この街はボルテックスではないかと彼は言う。
ボルテックスとは時間が止まった街のこと。
レオは父が共和国から委託を受けて世界中を調査していた時のノートを取り出す。
敬愛するコンラッド博士の所有物が目の前にあることに興奮を隠せないアイセル。
そこには、砂嵐に守られた不思議な街のことが記録されていた。
「これだ。「街は未知のエネルギーが渦巻いていて、まるで時間が止まっているようだった」って」
「その強力なエネルギーが砂嵐で街を外の世界と隔絶し、時間の流れまでも変化させてるんじゃないか、って父さんは推測してる。」
「その未知のエネルギーを、父さんは“ボルテックス”と名付けたんだ。」
レオが「ボルテックス」という言葉の説明を終え、サリーがレオに対し(父親が)「きっと見つかるわ」と言い終えたのを待っていたかのように、彼女の胸元のペンダントが光出す。
ペンダントの指し示す場所に何かがあることを確信した二人は、そこを目指すことに
【Bパート】
Bパートのアイキャッチは追加装備を施したキャノンブル。
ペンダントに従って街を探索する一行は奇妙な穴を発見する。
穴の中に明滅する何かの存在を認めた一行。
その何かにシンクロするようにサリーのペンダントも明滅を始める。
謎の正体を突き止めるため、穴の中に入ることを決意するレオとサリー。
お宝があるわけでもないから、との力でないバズ。
地球考古学者としてボルテックスの正体を見たいサリーだが、ジャミンガの襲来を懸念して地上に残って欲しいと頼むレオ。サリーは渋々承知する。
穴の中に入るレオとサリー。なんとライガーに搭乗した状態での探索だ。
この不思議な街の地面に落下した何かは、松の地下を走る地下鉄の天井を破壊したようだ。地下鉄の線路に降りる二人。
「地下鉄だ」というレオの言葉に「地下鉄って?」とサリー。
ゾイドクライシス後の世界ではやはり地下鉄などの従来のモビリティは機能していないようだ。
地下鉄の線路の上で、ついにレオとサリーは何かを発見する。
その何かとはZiフォーミングの端末だった。
これを「“リジェネレーションキューブ”の端末」と呼称するサリー。
レオが触れると光を発する端末。
「きっと、レオの体内のゾイド因子と共鳴しているんだわ」
「え?俺の体内の、ゾイド因子……」
サリー、サラッととんでもないことを言ったのでは……?
レオが触れている時は光を発するキューブ。
手を離すとキューブは再び光を失う。
「再起動できる?」
「やってみる!」
ペンダントに触れるとキューブが強い光を発し、例の地球儀が出現する。
レオ「端末が!」
サリー「良いの!あれで良いの!設定されていたプログラムではもっと深い地中で起動するはずだったの」
意図せぬタイミングで起動してしまったリジェネレーションキューブ。
これから彼らは各地を訪ね、正しくキューブを作動させる旅になっていくことだろう。
地上に戻った二人はサリーとバズがいないことに気がつく。
ライガーから降りる二人。
二人は帝国軍に囚われていたのだ。
舞台を率いるリュック隊長は、サリーに「大人しく投降すれば、他のやつは全員解放してやろう」と切り出す。
そんな絶体絶命のピンチを救ったのはこの男だった。
キューブを正常に作動させたことで砂嵐が晴れ、正常に時が流れ出す。
今まで時がとまていた街は正常な時の流れに戻り、綺麗なままの姿で建っていたビルは朽ち、瑞々しかった木々は枯れる。
ビルの上の構造物が崩れ、リュックのキャノンブルに向かって崩落する。
動揺する帝国軍兵士。その一瞬の隙をついてバズとアイセルは二人の兵士の手から逃れる。
体制を立て直そうとするキャノンブルに先制攻撃を仕掛けるレオとライガー。
レオはいつライガーに搭乗したのだろうかと疑問を抱くのは野暮というものだろう笑
ここの戦闘シーンがかなり動きが良かった。
機動力を活かしキャノンブルのレーザー砲の連射を掻い潜りながら接近するライガー、自慢の装甲でライガーの突進を跳ね返し、空中のライガーに砲撃を的中させるキャノンブル。両機が互いの持ち味を活かした戦闘を展開しているのが非常に好印象だ。
その威力に覚えがあるレオ。
キャノンブルが装備しているのはバズートルの対空レーザー砲だったようだ。
ゾイドワイルドZEROでは武装のカスタマイズが押し出されていて、メインターゲットの層にカスタマイズの楽しさと可能性を示しているように思えて大変よろしい。
ビルの残骸に隠れるライガーを圧倒的な砲撃力でビル越しに射撃し、追い詰めるキャノンブル。
三機の連携攻撃に苦戦するレオ。そんな彼を救うべくアイセルのラプちゃんが到着。
とは言え中型ゾイド三機の帝国軍に対し中型ゾイド と小型ゾイドが一機ずつのレオたちは分が悪い。
貴重なアイセルの耐Bスーツ姿が見られるのも今回の注目ポイントの一つ。
いつ着替えたのか聞くのは野暮というものだ笑
「こっちの二機は任せて!」と豪語するアイセル。
「ラプトリアでキャノンブル二機を相手するつもりか!」
「舐めるな!」
二機のキャノンブルを戦力的に劣るラプトリアでどうやって倒すのか。
要注目だ。
「そんな攻撃が効くものか!」
ラプトリアに突進攻撃を仕掛けるキャノンブル。
アイセルは敵機との接触の直前に飛び上がりる。
ラプトリアのいた場所のすぐ後ろにはもう一機のキャノンブルが……
敵の方が数が多く、力も強いのであればその力を利用しようというわけだ。
敵機同士が交錯する様子に好機を見出したアイセルはラプトリアを進化解放ー エヴォブラスト ーさせる。
ヘキサスラッシュ一閃!
今まではモーター駆動の機体ばかりフィーチャーされ、ゼンマイ駆動のSサイズゾイド は番組最後の機体紹介でも触れられてこなかった。
前回第7話でラプトリアが紹介され、今回はキャノンブルとの2対1の不利な状況を敵の力を利用して乗り越えた。
メインターゲットとなる小学生はモーター駆動のゾイドを好きに買える環境にはいないだろう。
小学生のお小遣いでも手が届くSサイズゾイドにスポットライトが当たるのは非常に良いことだと思う。
アイセルのラプちゃんが二機のキャノンブルを負かした頃、レオ対リュックの戦闘も佳境に入った。
ライガーの進化解放の突進攻撃を、兵器解放の銃弾の雨で迎撃するキャノンブル。
銃弾を回避しながら接近、攻撃を繰り出すライガーだったが、キャノンブルはこの攻撃を回避する。
「機動性ならライガーだって!」そう叫んだレオ。
円形の広場を囲むように配置されたビル群を蹴って壁走りをするライガー。
型にはまらないレオの先方に驚きを隠せないリュック。
ビースト・オブ・クロー破が炸裂し、キャノンブルは吹き飛ぶ。
倒れ伏す帝国軍機を尻目に、一行は街を後にする。
「今まで曖昧だったけど、ようやく分かったの。おじいさんが私に託したことが。」とサリー。
アイセル「残りの端末を全て見つけ出さないとね」
バズ「やれやれ。気の遠くなる話だな」
レオ「大丈夫。父さんのノートには、まだボルテックスと記されたところが何箇所かある。それを頼りに、残りの端末も探し出せるに違いないよ!」
ここでも皮肉屋のバズと楽観的なレオという好対照な描写が見られる。
帝国の追撃を逃れた一行は再び砂漠を走り抜ける。
新たに見つかった旅の目的を果たすために。
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【アイキャッチ】
<Aパート>
ビーストライガー
<Bパート>
キャノンブル(対空レーザー砲装備)
【登場ゾイド】
(主人公一行)
ビーストライガー
ラプトリア
(帝国軍)
キャノンブル
ラプトール
(野生)
ジャミンガ
【登場キャラクター】
レオ・コンラッド
サリー・ランド
バズ・カニンガム
ジョー・アイセル
クリストファー・ギレル
リュック隊長
【次回予告】
レオ「ギレル中尉!今度こそスナイプテラに勝ってみせるぞ!」
バズ「レオ!どう足掻いたって飛べないライオンが悪魔の翼に勝てるわけないだろ!」
レオ「次回!ゾイドワイルドZERO 「空へ吠えろ!ライガー反撃!!」
【ゾイド紹介】
バズートル BAZOOTLE
<キャプション>
ワニガメ種ゾイド
後方遠距離射撃を得意とする
兵器解放:全弾発射(アヴァランチファイア)
スピード
★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3
アタック
★★★★★★★☆☆☆ 7
IQ
★★★★★★★☆☆☆ 7
スタミナ
★★★★☆☆☆☆☆☆ 4
ディフェンス
★★★★★★★★★☆ 9
ワイルドブラスト
★★★★★★★★☆☆ 8
<音声>
バズートル
後方援護射撃を得意とするワニガメ種の中型ゾイド 。
背中にある大口径のバズーカ砲をはじめ、五種類の武器を駆使した射撃が可能。
多くの武器やアーマーの装備を優先し、重量が増えたため、移動スピードは比較的遅いみたいだ。
兵器解放ー マシンブラスト ーすると、前方の甲羅を前に動かし、頭部、前脚を防御。
側面と後方の甲羅を開き、折りたたまれていたバズーカ砲を展開。
バズーカ砲、レーザー砲、4連ミサイル、ミサイルポッドと、四種類の砲撃を敵ゾイドに浴びせて、木っ端微塵に爆砕するぞ!
「爆砕の武器庫」の異名を持つだけある攻撃的なゾイドだ!」