先日弟が僕の家に泊まりにきた。
弟は5つ歳が離れているためゾイド 直撃世代ではないが、僕の影響もあってゾイド好きな男の子として幼少期を過ごした。
土曜日の朝、朝の身支度をする間前日に放送された今回の第10話を流していたのだが、ガトリングフォックスが光学迷彩を作動させたところで「シャドーフォックスじゃん」と彼は言った。
僕と違って彼がゾイドと定期的に触れていたのは10年以上前だ。
僕がゾイドにハマっていたのが長いので、弟が幼稚園から小学校高学年くらいまでは常に触れていたようなものだと思うが、中学校に入って以降彼がゾイド に強い関心を示した記憶はない。幼少の頃に身に染みついたものが弟が社会人になった今でも残っているということに驚いた。
また、一緒にヨドバシカメラを訪れた際、ジェノスピノの6,000円を超える値札を見て「あれ?高くない?ウルトラザウルスやデスザウラーってこれより箱大きかったよね?」と言っていたのもコンテンツの外側の人間の意見の一つとして非常に面白かった。
ここ数年の原油高に影響されたフィギュア・トイの値上がりはその界隈の人間からするとある種の当たり前となっているが、それらを収集する習慣を持たない人間からするとやっぱり高く感じるものなんだなぁ、と身をもって実感した。
僕も2,000円程度だったリボルテックシリーズが(付属品が増えたとは言え)どんどん値上がりしていることに驚きを感じることはあるが、その驚きには諦念の感も含まれている。
ゲームソフト1本買えてしまう価格のおもちゃを収集するって、結構難儀な趣味だよなぁなどと思うのであった。
さて、ここからはいつもの鑑賞録。
ゾイドワイルドZEROの世界における職安のような仕組みや指名手配の告知方法など、この作品における生活の様子が明らかになるのは新鮮だ。
彼らの宗教は?識字率の高さは?公共交通機関はあるの?あの世界の「当たり前」を色々知りたくなる。
【公式サイト ストーリー紹介】
バーンとガトリングフォックスは、ゾイド発掘に燃える男、エドに用心棒を依頼され巨大ゾイドの化石が眠るというラプス島に向かう。レオたちはバーンの指名手配を知り心配していたが、既に帝国軍はラプス島を包囲し始めていて……。光学迷彩だけでは逃げきれない絶海の孤島から、バーンとフォックスは脱出できるか。
第10話「フォックス捕獲指令」
— ゾイドワイルド ZERO【アニメ公式】 (@anime_zoidswild) 2019年12月13日
バーンとフォックスは用心棒を依頼されゾイド化石が眠るというラプス島に向かう。レオたちはバーンの指名手配を心配していたが、既に帝国軍はラプス島を包囲し始めていて…。
第9話見逃し配信中!
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【Aパート】
銃弾の雨にさらされるジャミンガの群れの描写から本編スタート。
カメラがパンして映し出されたのはがトリングフォックスの姿だ。
1枚目の画像だと光学迷彩を用いていない姿、2枚目は光学迷彩作動中の姿が描写されている。
これは作画ミスだろうか。
今回から作品を観始めた人にもガトリングフォックスの機体の全体像が分かるようにとどめを刺すシーンでは姿を表すようにしたのだろうか。
「ありがとうブラッドさん。助かりました」
「これでこの谷での開拓を進められる!抵抗にも共和国にも頼らず暮らしていくには、あなたのような力が必要だ!」
「ああいやぁまぁ。ただの仕事ですんで。またジャミンガが出たらお呼びを。どこからでも駆けつけますよ。じゃあ、この辺で!」
帝国軍を抜けたバーンがジャミンガ退治や用心棒とでもいうべき仕事をして暮らしていること、この世界には生活のために大地を開拓している人々がいること、帝国・共和国の両国に属さず暮らしていくことを望む人々がいることが分かる。
初登場回と比較すると表情にも柔らかさが出てきたように思うのは僕だけだろうか。
「凄腕のゾイドライダーらしいね」
街を去ろうとするバーンにこう声をかけたのはゾイド の発掘のプロフェッショナルを自称するエド。
CVは高木渉。スラゼロのハリー・チャンプの声優を務めたあの高木さんだ。
エドは今着手している発掘においてジャミンガが障壁となっており困っていたところにバーンの噂を聞きつけ、この街までやって来たという。
ジャミンガ退治の仕事を請負い、エドとバーンの間に契約が成立した。
街からシーンが切り替わってこちらへ。後のシーンから判断するに帝国軍基地内部のようだ。
「バーン・ブラッドが見つかった?」
何者からかの連絡を受けるノックス大尉。
「なるほどな……そこなら逃げられまい。明日の朝には到着する。作戦内容は追って通達する……帝国軍から逃げきれると思うなよ、バーン・ブラッド。必ず捕まえてやる」
そう固くするのであった。
注目すべきはノックス大尉の背景のガラス窓の外だ。
星空が描かれているということは時間帯は夜。
真昼間の屋外の様子が映し出された後にノックス大尉のシーンに切り替わっていることから、この2つのシーンの時間軸は連続していると考えるのが自然だろう。
ノックスのセリフに「明日の朝には到着する」という箇所があるが、昼夜が逆転するような遠い場所からわざわざ駆けつけるあたり、帝国軍は光学迷彩技術の共和国への流出をなんとしても食い止めたい、光学迷彩機能のテストヘッドを回収して自軍の強化を図りたいという気持ちがあるのだろう。
また、「昼夜が逆転するような遠い場所」から自分の愛機を持って来るのは非常に大変だろう。
それこそホエールキングのように空を飛ぶ大型輸送船の存在が不可欠なはずだ。
航空機の技術が心許ないこの世界において、そんな輸送力を誇るものはあるのだろうか(などと考えていたが、終盤でこの輸送力問題は解決した。こちらに関しては後述する)。
所変わってレオ一行のシーンへ。
買い出しを終えた一行はバズの希望でとある建物へ。
そこは職業安定所のようなところで、人々はこのモニタに表示される情報をみて自分の望む仕事を探すようだ。
どの仕事を受注するかは先着順らしく、バズも真剣だ。
このような場所に来るのはアイセルにとって初めてのようで珍しがっている。
この世界における就職や労働の形は不明だが、職安に来るのが初めてというアイセルは苦労知らずで今まで生きてきた人間なのかもしれない。
情報掲示板に目を遣るレオ、サリー、アイセル。ニュースや危険地域の情報などが表示されるようだ。
サリーはその中からバーン・ブラッドのものを見つける。
レオ「帝国軍脱走の重罪人。通報者には謝礼あり、だって。」
サリー「重罪人……私たちもこんなふうに探されてるんでしょうか」
アイセル「この辺帝国から相当離れているのに、こんな手配書が回っているなんて」
バーンはエドの案内で彼の所有するラプス島を望む海岸沿いにいた。
ラプス島はヴェロキラプトル種のゾイドの化石が大量に出土したため、帝国共和国の両国が領有権をめぐって争いが絶えなかった場所のようだ。
しかしそれも今は昔。化石は彫り尽くされ、発掘は10年以上前から行われていないらしい。
エド「軍の連中はもう何も出ないと判断したが……とんでもない!あそこには、もっとデカイやつが埋まっているんだ!」
バーン「デカイやつ?見つけたのか!?」
エド「いや、まだだ。でも絶対にある!私はあの島で長年ゾイドの発掘に携わってきた。だから分かる!あそこにはもっとデカイやつが眠っている!
そいつはこの私に掘り出されるのを待っているんだ!」
化石掘りとしての勘がそう告げるということだろう。
バーンに化石発掘場の跡地を案内するエド。
その規模の大きさに思わずバーンも驚きの声を漏らす。
また、ここにあるクレーン車に注目。
足元がキャタピラやタイヤではなく、多脚となっている。ゾイドの世界観によく合ったメカだ。
「それでジャミンガ共は?」とバーン
「えっ」エドはやや焦りながらそう返す。
「どの辺に出るんだ」
「……あ〜!し、しまった!上に発掘道具を忘れてきた!とって来る!」
「俺も手伝うぜ!」
「い〜やいやいや!いい!すぐに戻るから!君はここで待っていてくれ!」
そう言ってその場を走り去るエド。
明らかに挙動不審だ。
一人その場に残されたバーンは周囲を見回していたが、そんな彼の耳に爆音が響く。
ラプス島と近くの街を繋ぐ橋が破壊されたのだ。
発掘によって窪地になった場所からでは状況がわからない。
高台に登ったバーンは眼下に破壊された橋の様子を認めるのだった……
ってめちゃくちゃ標高高いな!笑
橋を砲撃したのはバズートルだったようだ。
高い砲撃力と水辺での行動に適性があることから今回の作戦に抜擢されたのだろう。
バーンはすぐにフォックスに乗り込み、光学迷彩を始動させる。
砲撃の様子を島の外の海岸線から眺めるノックス。そんな彼にエドが駆け寄る。
「何やってるー!話が違うぞ!」
砲撃の直前までバーンと一緒にいたエドが橋を壊される前に島を脱出できていたのはまだ良いとして、島とは正反対の方向(ノックスの真後ろ)から走ってきたのはミスだと感じる。
「あの島は私のものなんだ。なんで攻撃する!」
「島にガトリングフォックスを閉じ込め、海からの攻撃でダメージを与えてやつを逃げられなくする。光学迷彩を封じるためだ」
「橋を壊すだけだというから協力したんだ!こんなことなら……」
「謝礼は約束通り払う。後で基地まで取りにくるが良い」
ゾイドの発掘のための資金集めが目的で協力した帝国軍への情報提供。
それが仇となり、自分の生きがいであるゾイド発掘の場所ラプス島が破壊されていくとはなんという皮肉……
また、光学迷彩という敵に回すと厄介な機能を持つフォックスに対し、帝国軍は脱出不可能な空間にフォックスを閉じ込めてそこを遠距離攻撃によって一掃するという作戦をとった。
自軍の技術が敵対勢力に渡った際の対抗策が練られていて、帝国軍もヒールとして魅力的に描かれた回だった。
フォックスの潜む島に向かう帝国軍部隊。
帝国軍も船はバズと同じく板切れのような形状。この船とがブリゲーターの進む速度がほとんど一緒だったのだが、まさかがブリゲーターが牽引している?
ちなみにこのスティレイザーを駆るのがノックス。
序盤で触れたこの時代におけるゾイドの輸送方法の違い。
前回登場時の愛機=ナックルコングではなくスティレイザーを選択していることから、この世界では遠方に特定の人物とゾイド を展開する際、ゾイドライダーのみが移動し、
ゾイドは輸送しないという見方もすることができるのではないだろうか。
ノックスは部下に指示を飛ばし、バズートルが海岸沿いを砲撃。
kougakumeisa
光学迷彩を発動しているフォックスは全身が水に濡れてしまう。
水に濡れたフォックスの走った後には足跡が……
ラプス島を打倒フォックスの舞台に選んだ理由がもう一つあったということがここで判明する。
帝国軍、頭いいぞ!
足跡から動きを読まれたフォックスを砲撃が襲う。
岩陰に息を潜め、ラプトールの追撃を交わしたバーンとフォックスはラプトールと逆方向に進もうとする。
電撃一閃!ノックスのスティレイザーがフォックスを襲う。
【Bパート】
捉えたガトリングフォックスから引きずり出され、捕縛されたバーンと対峙するノックス。
「馬鹿なやつだ。真面目にやってりゃ軍人として明るい未来がひらけてたのに」
「そんなの興味ねーよ。それよりフォックスは!」
がトリングフォックスとの心のつながりによるものなのか、軍内部での仕上がることだけを考えていた初登場時とは大きくキャラクターが変わったように感じる。
海岸から愛機が移送されるのを黙って見守るしかないバーン。
「こんな形でフォックスを奪われてたまるか!」
彼は見張りの兵士2名を跳ね除け、後ろ手に縛られた状態のまま海に飛び込む。
ここからのバーンの動きがとんでもないのだが、なんと縛られて着衣状態のまま泳いで船に追いつく。
フォックスを救出しいつの間にかフォックスに跨ったバーンは移送船からラプス島に飛び移る。
今まではフォックスの捕獲を優先してきたノックス大尉だったが、ついに破壊も辞さないという指示に変更される。
光学迷彩が共和国軍に渡るくらいなら自らの手で破壊してしまおうというのが彼の考えのようだ。
バーン危うし!
さて、そんな渦中のラプス島に主人公一行が近づいて来る。
「ほら、あれがラプス島よ。第一世代が使っている小型ゾイドの多くは、あの島で発掘されたものなんですって」
ここで注目すべきは「第一世代が使っている小型ゾイド の多く」という点だろう。
今まで第一世代と第二世代以降の人類の相違点については、呼吸器がなくとも地球の大気を吸うことができるかということ以外詳しい説明がなかった。
愛せるの口から飛び出したこのセリフ。
もしかしたら「第一世代人は中型・大型ゾイドを操ることができない」といったこともあるかもしれない。
カメラは再びバーンのいるところへ。
進む先にエドの船を見つけ、島を抜け出す見込みが立ったバーンは安堵の言葉を漏らす。
直後、砲撃により爆散する船。帝国軍が先回りをしていたのだ。
スティレイザーの前足に装備されたミサイルポッドから放たれるミサイルを回避し、接近するガトリングフォックス。
2連ソードオフ・ショットガンを放ちながら接近するが、スティレイザーの強固な前面装甲には豆鉄砲程度の威力では全く響かない。
体重を乗せた突進攻撃もスティレイザーの体制を崩すことすら叶わず、軽く跳ね除けられてしまう。
ノックスのスティレイザーと2機のバズートル、5機のラプトールに取り囲まれたガトリングフォックス。万事休す……!
スティレイザーの兵器解放を見てすぐさまフォックスも進化解放を発動。
「一秒間に100発」とも言われる連写速度の進化解放ファントムガトリング。
しかしその攻撃にスティレイザーはびくともせず、またしてもフォックスを跳ね飛ばしてしまうのだった。
捕獲を命じられたラプトール2機が近づいたその時、ラプトールが砲撃を受けて地面に倒れ伏した。
砲撃のあった方角を見るとそこにはラプトリアの姿が。
「共和国のお姉さん!」
「私の名前はアイセルよ!」
予期せぬ敵の援軍に動揺が走る帝国軍。
レオはすぐさま進化解放でスティレイザーとラプトールを無力化する。
アイセルは帝国の輸送船を砲撃で大破させる。
バーンはフォックスの尾部マルチプルランチャーから照明弾を発射。
敵の視界を奪ったところをレオ一行と共に脱出。
脱出に成功した一行。助けてくれたお礼にレオと硬い握手を交わしたあとバーンはフォックスでその場を後にする。
「ありがとな」感謝の言葉をかけた後彼はこう続ける。
「仕事を受けるときは気を付けろよ」
「なんの話だよ?」とバズ。
「世の中、お前らみたいな良いやつばっかりじゃねぇってこと」
そう言った彼は夕焼けの中に消えていくのだった。
バーンを見送った後の一行のギャグシーン後、カメラは再びラプス島へ。
帝国軍に砲撃によって顕になった地層からはゾイドの化石が垣間見える。
エドの化石掘りとしての感が正しかたっことを示唆し、第10話終了。
こちらの化石、当初はジェノスピノのものかと思ったが、次回予告で「ジェノスピノの最後の化石を発見」とあったため、これは実はジェノスピノのものではないのではないかという想像を敢えてしている。
となればこの化石は誰のものか。
先週新発売の報が流れてゾイダー界隈がちょっと騒ついたニューライガー「ライジングライガー」のものではないだろうか。
本日発売のコロコロコミック1月号では、ライジングライガーの特集が掲載されています!「ゾイドワイルド2」の漫画も掲載中です(Z oωo)ノ pic.twitter.com/u52UQySuHt
— ゾイド【公式】 (@zoids_official) 2019年12月13日
そんな妄想をしている。
こう言った妄想の一つ一つが楽しい。
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【アイキャッチ】
<Aパート>
ビーストライガー
<Bパート>
ガトリングフォックス
【登場ゾイド】
(主人公一行)
ビーストライガー
ラプトリア
(帝国軍)
バズートル
スティレイザー
ガブリゲーター
ラプトール
(野生)
ジャミンガ
(その他)
ガトリングフォックス
【登場キャラクター】
レオ・コンラッド
サリー・ランド
バズ・カニンガム
ジョー・アイセル
バーン・ブラッド
ノックス大尉
NEW→エド・マイス
【次回予告】
レオ「帝国軍が、ジェノスピノの最後の化石を発見したぞ!」
バーン「一晩で世界の三分の一を壊滅させたと言われている、あの破壊龍か。」
レオ「次回、ゾイドワイルドZERO 「灼熱の破壊竜ジェノスピノの復活!」行くぞ、ライガー!」
【ゾイド紹介】
ガトリングフォックス/GATLING FOX
<キャプション>
「白金(シロガネ)の幻影」という呼び名を持つ
オプティカル・ステルスアーマーと
インビジブル・ボーンによる光学迷彩
隠密行動や諜報を得意とする
スピード
★★★★★★★★★☆ 9
アタック
★★★★★★★☆☆☆ 7
IQ
★★★★★★★★★★ 10
スタミナ
★★★★★★★☆☆☆ 7
ディフェンス
★★★★★★★★☆☆ 8
ワイルドブラスト
★★★★★★★☆☆☆ 7
<音声>
ガトリングフォックス。光学迷彩システムを持つ、キツネ種の中型ゾイド 。
「白金の幻影」という呼び名の通り、光学迷彩機能を持つ、全身のオプティカル・ステルスアーマーとインビジブル・ボーンを活かした隠密行動や諜報を得意としているぞ。
進化解放エヴォブラストすると背中のA-Zインフィニティガトリングと、ダブルバスターライフルを高速回転させて銃弾を乱射するガトリング攻撃に加え、尻尾のマルチプルランチャーから、閃光弾やフレア弾など、戦況に応じた様々な砲弾を発射することができる。
相手を幻惑するファントムガトリングに、みんな翻弄されてしまうんだ。
前回のフォックス紹介
eibunkeicinemafreak.hateblo.jp