映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

ゾイドワイルドZERO 第14話「超進化!ライジングライガー!」

機体としては最強でも、それを操るゾイドライダーは無敵ではないというところに着目して攻略の糸口を見つけ出すというストーリー。

『機動戦士ガンダム00』の1stシーズン、トリニティーズ登場直前にソレスタルビーイングが人類革新連盟・AEU・ユニオンに苦しめられた戦術を主人公サイドが実行するというのが面白い。

帝国軍基地に潜入して共和国軍を攻撃し、「先制攻撃をしてきた帝国軍に応戦する」という形で共和国軍に攻撃の口火を切らせたアイセルなど、「いやそれ悪役の戦い方じゃね?」という戦術を主人公サイドが容赦無くとるのがゾイドワイルドZEROの特徴のような気がする。

 

また、トリケラドゴスでアルドリッジの操縦するスティレイザーに完封されていたディアス中佐が、スナイプテラでジェノスピノをあしらう展開は燃えた。

 

ディアスはあのギレルから「共和国軍のエース」と称されるほどの実力者。

そのディアスを同サイズの機体で圧倒するアルドリッジも実力的には相当のものだと思うのだが、旧ゾイド時代に「飛行ゾイドは陸戦ゾイドの3倍の戦闘力」と言われた通り飛行能力を有するスナイプテラの圧倒的な優位性、そして夜を徹した行軍とライダーの体力を奪うジェノスピノの特性によってアルドリッジの消耗が著しかったことで以前とは異なる結果になったということだろう。

 

【公式サイト ストーリー紹介】

復活したビーストライガーの「もっと強くなりたい」という意志に応えて、レオは改造を施していく。装い新たに出撃するビーストライガーだったが、漆黒の魔獣・ドライパンサーに襲撃され、翻弄される。しかしライガーの研ぎ澄まされた本能と、レオの施した武装が一つとなる時、ライガーが金色に輝き始める……!

 

 

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【Aパート】

<モザイク要塞>

 「オペレートバイザーなら帝国軍に違いないが、初めて見るゾイドだ」

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光学迷彩を破られるバーンとガトリングフォックス。

闇に溶け込む漆黒の敵ゾイドに苦戦が続く。

 

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レオ「ビーストライガー……」

アイセル「この光は一体何?」

サリー「わかりません。でも、これはあの時の……」

そう言ってサリーはペンダントに視線を落とす。名もなきライオン種のゾイドからビーストライガーに進化した“あの時”を彼女は思い出しているのだろう。

ライガーに新たな力が宿る予感を彼女は感じているのだ。

 

「返事をしてくれライガー。お前の力を、もう一度俺に貸してくれ!」

手袋を取ったレオは機械化したその左手でキューブに触れる。

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キューブは一段と発光を強め、周囲を光が覆う。

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キューブ全体に亀裂が走る。

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続いてキューブが砂粒状に崩壊を始め

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強烈な光は湖面を貫き、地上にいたバズの目にもその光が確認できるほどに。

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尻餅をつくバズ

 

光から目を庇ったレオはキューブの発光が終わってから目を開ける。

「お、お前は……!」

果たして、レオの眼前に現れたライガーはどんな姿をしているのだろうか。

 

初めて一行がボルテックス現象を目撃した際、キューブの再起動後は以下のような現象が起こった。

①キューブが地中に沈み込む

②停止していた時間が再び動き始める

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「これだ。「街は未知のエネルギーが渦巻いていて、まるで時間が止まっているようだった」って」

「その強力なエネルギーが砂嵐で街を外の世界と隔絶し、時間の流れまでも変化させてるんじゃないか、って父さんは推測してる。」

「その未知のエネルギーを、父さんは“ボルテックス”と名付けたんだ。」

 

「ボルテックス」現象は強力なエネルギーを内包するリジェネレーションキューブが、正しく能力を発動せぬまま待機状態にあったことで、「時間が止まる」という結果が生じたのだと僕は解釈している。

第8話ではそんな強力なエネルギーを発生していたリジェネレーションキューブが再起動され、正しい使い道に利用された結果、余剰エネルギーがなくなり時間が再び動き出したというわけだ。

 

では今回、13話および14話はどうだろうか。

第8話と同じく、正しく機能を発動していないリジェネレーションキューブの余剰エネルギーの存在が湖底に空間を作り、湖の大量の水を中空に留めるという現象を生じさせているものと推察される。

ということはキューブの消滅と時を同じくして、レオたちのいる湖底の空間は大量の水が流れ込むことにならなければおかしいのではないか。

 

今回は「①キューブが地中に沈み込む」のシークエンスに入らぬままキューブが消滅してしまったため、ボルテックス現象が発動したままであるとするのは不自然だ。

湖底の空間が無事なままなのは物語の都合によるものだなぁと考えざるを得ない。

主人公をいきなりどざえもんにしてしまうわけにはいかないし。

 

場面は変わってバーン達の戦闘シーンに。

傷ついたガトリングフォックスの痛々しい姿が……

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とどめを刺そうとフォックスに歩み寄るドライパンサー。

演出上、全く足音がしないのだがこれがまた不気味で良い。

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3連サイレントガンで狙いを定める。この火器を動かす際の音も全くなく不気味だ。

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ガトリングフォックス万事休す!

その時、復活を遂げたライガーが姿を現した!

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その姿は第一話に登場した時のようなくすんだ色合いだ。

 

ライガーの乱入にも混乱することなく、すぐに機体を闇に溶け込ませる。

暗闇に乗じライガーにも奇襲をかける算段だ。

ライガーは地面に体をうずめ、地表の匂いを嗅ぐ体勢をとった。

ライガーは闇に溶け込んだドライパンサーの姿を正確に捉え、攻撃を加えるのだった。

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2機の戦闘機怪獣の衝突により、闇夜に火花が散る

「ライガー……もしかして、わかるのか?」

そんなレオの言葉を肯定するかのように闇夜に咆哮するライガー。

咆哮した先には闇に体を溶け込ませたはずのドライパンサーが。

ライガーはドライパンサーに攻撃すべく再び突撃を開始するも、3連サイレントガンがその接近を阻む。

レオとライガーを援護すべくアイセルのラプトリアも参戦。

ドライパンサーのライダーは「望むところ」とばかりに笑みを零すが、ランド博士から通信が入る。

「もういい、スピーゲル。端末の反応は消えた。もはやこの地に用はない」

スピーゲルと呼ばれたライダーは闘争本能を剥き出しにしたように歯を食いしばって悔しい表情を見せるが、軍人として自分を諫める。「了解」。短く返した彼はサイレントガンで足元を撃ちまくる。

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レオとサリーが驚いたのも束の間、立ち上る土煙に紛れ漆黒の暗殺者はその場を後にしたのだった。

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辛くも窮地を脱した一行。謎の新型ゾイドを退けたのち、レオはライガーが戻ってきたことを喜ぶ。

 

<ネオ・ヘリック・シティ 作戦本部>

ジェノスピノの行軍は続いていた。
「ジェノスピノは現在、601平原を進行中です」

 

A-Zロングキャノンが共和国首都を捉えるのは早ければ明朝。共和国軍の対応が問われる。

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首都全域に緊急避難警報を発令するにも進撃速度の速さから逃げ場がない。

帝国軍側との交渉を試みようにも、帝国側が軍の統制下を離れた反乱分子としてジェノスピノの率いる部隊を扱っている以上、交渉は意味をなさない。
ギャレット少将は首都防衛隊の戦力を割いて防衛ラインを構築中。
「703ベイの暗溝に掛かるフロストブリッジ。首都を目指すなら必ずここを通るというわけだな」

「勝算はあるかね」

そう聞かれたギャレットは即答で「はい」と返すことができない。

ジェノスピノの圧倒的な強さを見た今、作戦の成功に自信を持てないのが正直なところなのだろう。

 

なお、これは脱線してでも絶対に語らなければいけない点なので触れておきたい。

「フロストブリッジ」。これがオールドファン的には最高に燃える名称なのだ。

昭和期、ゾイドファンのバイブルとなった書籍がある。

それが『ゾイドバトルストーリー』だ。

全5冊で販売されたこの書籍に記されたこの戦記物語はまさに珠玉というべきものだが、僕のような平成ゾイダーにとっては永らく「読むべきなのに手に入れることができない文献」という存在だった。

それが『ZOIDS CORE BOX』の発売に伴い復刊。小学生の頃ゾイドと出会い、『ゾイドバトルストーリー』をついに入手できたときに僕は中学生になっていたが、夢中になってこれらのストーリーを読んだものだ。

ZOIDS CORE BOX ([バラエティ])

ZOIDS CORE BOX ([バラエティ])

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2003/10/31
  • メディア: 大型本
 

ちなみに、この「バトスト」がいかに昭和ゾイドブームを牽引したかについては

制作側も自覚的で、作中に登場した大迫力のジオラマを作成したスフィウスLABの堀井さんも以下のような呟きを残している。

 

 『ゾイドバトルストーリー』にはシリーズを通して物語を牽引していく主人公がいるわけではない(各巻単体で主人公のような存在はいる)。

大迫力のジオラマで展開される骨太のストーリーでは、名も無きパイロット達が戦い、戦場に命を散らしていく。

共和国軍が開発した超ド級の傑作ゾイド・ウルトラザウルスを撃破せんと単身アイアンコングMk-Ⅱで挑んだコマンド・エコー。

豊富な国力を活かしてゴジュラスとウルトラザウルス、サラマンダーといった大型ゾイドで共和国に圧倒される帝国軍についに登場した一騎当千のデスザウラーと、それを狩るトビー・ダンカン、そのライバルであるヨハン・エリクソン。

そして大陸間を無補給で飛び、共和国に爆撃を敢行できる怪鳥ギル・ベイダーに挑んだクルーガー。

そんな彼らに勝るとも劣らぬ魅力を放っていたのが、『ゾイドバトルストーリー②』において共和国帝国の国境、バーナム川に掛かる橋の攻防戦を描いた「舞い降りた赤いイグアン」の章において空挺部隊を率いたフロスト中佐とその愛機赤いイグアンだ。

 

彼はプテラスの翼を装備したイグアンで共和国軍の守備隊を欺き、闇に紛れて橋を奇襲攻撃。

主力であるアイアンコングMk-Ⅱの到着まで二十時間以上戦線を維持した英雄だ。

このフロストとその部隊の戦いを描いたストーリーはわずか見開き2ページに収まるほどの分量だ。

しかし、今なお多くのゾイドファンの心を掴んで離さず、ついにはコトブキヤが展開するHMMゾイドシリーズにおいては「ヘリック共和国軍のプテラスとゴドスは一部共通のフレームを用いた機体である」という設定となり、ゾイドコアブロックに互換性のある設計からゴドスに無改造でプテラスの翼をつけることが可能となった。

さらに、「ゴドスを参考にして作られたゼネバス帝国のイグアンもまた共通のフレームを用いた機体である」ということから、イグアンの背部にもプテラスの翼を装備することが可能となっている。

フロストイグアンの活躍が描かれたのは繰り返しになるがわずか2ページだ。

にもかかわらず数十年後のプラモキットシリーズにおいてこんなギミックが仕込まれるということからも、このフロストとイグアンの戦いが如何に人気のストーリーだったかが分かる。

 

「“フロスト” “ブリッジ”」。この単語を組み合わせたゾイドワイルドZEROスタッフの中には絶対に旧バトストファンが紛れているに違いない!

 

なお、フロストとその愛機の活躍はこちらのページに詳しい。

https://nerczpb.wixsite.com/zoidsbs/obs307

HMMキットを用いたフロストイグアンのレシピはこちら。

http://hanegaru.main.jp/e06hmm_063.htm

 

そんな時、共和国司令部に通信が入る。通信の主はディアス中佐だ。

「ギャレット少将」

「ディアス中佐。新たな戦力とは一体なんのことだ」

「は。この程、帝国軍の飛行ゾイドを鹵獲しました」

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一同「お〜!」

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「赤いスナイプテラ、まさか……」

「赤き死神、帝国軍のエース、ギレル少尉の専用機です」

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居並ぶおじさんたちにニコリとスマイルをサービスするギレル。なんだこの笑顔は……


<都市要塞モザイク 整備中の一行>

金属化が進んだ都市。

金属化した部分とそうでない部分とが「モザイク」状になっているのは何の皮肉だろうか。

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建物の中では主人公一行が愛機の修理を行なっていた。

ドライパンサーに痛めつけられたガトリングフォックスの傷跡が痛々しい。

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ライガーの復活を喜ぶサリー。

一体どういった原理でライガーが復活をしたのか疑問を口にするバーン。

「奇跡でも起きたのか?」と問う彼にサリーは答える。

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一瞬で回復したライガーとは対照的に、人間の手によって修理されるガトリングフォックスを手前に描くことで、ライガーに起きたことが如何に特別なことであったかがわかる

 

「ゾイド の自然治癒。ゾイド因子には本来そういう力が備わっていたと聞いたことはあるけど……」

「あの傷からあんな一瞬でビーストライガーが復活するなんてね」共和国軍に身を置くアイセルもあのような現象は見たことがないようだ。

「確かこいつがサリーのペンダントのおかげで進化した時だったか……あれと似たような感じだろうし、特に驚かねぇけどなぁ」とバズは気楽だ。

「何それ!聞いてないわよ!そこのとこもっと詳しく!」学者としての探究心からか、アイセルは眼鏡を光らせてバズの言葉に食いつく。

ジェノスピノの脅威は以前さらぬままだが、ライガーの復活に主人公一行はいつもの様子を取り戻す。

 

そんな彼らの会話を他所に、レオはライガーに手を触れて対話を行う。

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レオ「ああ。わかった。そうだよな」

バズ「レオ?」

アイセル「ライガーと話をしているの?」

レオ「ああ」

サリー「何て言ってるの?」

レオ「今のままじゃダメだって。もっと強くなりたいって」

驚く一同に、レオはさらに言葉を加える。

「今の俺とライガーじゃ、ジェノスピノには太刀打ちできない。だから俺はこいつをもっと強くしてやりたい!」

ライガーとレオの決意。ライガーの武装を強化するという話に、サリーは「私にも手伝わせて!」と意気込む。

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彼らがそんな会話を繰り広げていた頃、ランド博士もまたモザイクを訪れていた。

レオたちがいた湖底の空間に足を運んだ博士。

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「リジェネレーションキューブの端末とゾイド因子による相乗効果。それが報告にあったライオン酒ゾイド の想像以上の自然治癒を促したと思われる。

Ziフォーミングが成功すればその自然治癒力がやがて地球全体にも行き渡るということか……流石ボーマン博士……」

そう言い終えたランド博士は頭上を見上げる。

すると湖底の空間上部で停止している水がポタリポタリと垂れているのがわかった。

リジェネレーションキューブの端末によって生じたヴォルテックス現象。

水の動きを止める作用に限界が近いようだ。

博士が去った後、湖の大量の水は湖底の空間に吸い込まれるようにして落ちていくのだった。

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<ジェノスピノ追撃戦 開始>

アイセルのもとにディアス中佐から通信が入る。

「作戦開始時間は明朝0600(マルロクマルマル)時、703ベイ、フロストブリッジ付近において首都防衛隊の主導でジェノスピノへの大規模反攻作戦を実施。

持てるゾイドの総力を結集して、首都への侵攻を食い止めろ!」

「了解!こちらもできる限り速やかに合流します!」

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【Bパート】

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A,B両パートともアイキャッチはジェノスピノ。

左右どちらの向きも堪能できる。

 

前回の記事で、アイキャッチにおける機体の向きで敵味方の区分が判断できると書いたが、今回で完全にそれがわからなくなった。

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それとも、今後ジェノスピノが見方になる展開も有り得る……?

 

さて、一行は強くなりたいというライガーの思いを汲み、戦闘後廃墟と化したモザイクで武装を探し始める。

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今後大事になるので、この時のラプちゃんに武装に注目

 

レオはどうしても見つけたいということでタテガミクローを探す。

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サリーの助力により目当ての装備を見つけることができたレオ。ライガーの武装強化開始だ。

 

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レオがライガーに手を触れると、何もなかった場所からハードポイントが出現。

 

サリーも頑張っている。

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差し入れを運ぶバズ。スイーツ男子のようだ。

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仲間たちの協力により武装強化されたライガー。

機動力を生かした格闘戦を得意とするライガーには珍しいハリネズミ状態の砲撃戦仕様だ。

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レオ「ちょっと重かったか?」

バズ「かなりの重装備には違いないぜ」

サリー「でも、とっても強そう!」

バーン「ま、悪くないんじゃないのか?」

アイセル「さあ!ここから先は戦場よ!レオ、バーン、あなたたちの力を貸して!」

レオ/バーン「おう!」

戦いの準備は整った。打倒ジェノスピノに向け、一行は首都を目指す。

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徹夜明けであることを表すためにヘアセットが乱れたアイセル

 

<ディアス中佐 出撃>

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スナイプテラを前に佇むディアスとギレル。

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ギレル「突貫工事にしては上出来だ。これなら運動性にも影響を与えず、正確に射撃できるだろう」

ディアス「今後の君の身の振り方は、君自身に委ねる。観戦武官を気取りたいなら、私の部隊についてくると良い」

「そうさせてもらう。共和国軍のエース殿がスナイプテラをいかに乗りこなすかこの目で見定めたいのでな」

 

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うーむ。作画が良い……

「フッ……アルドリッジは、誘いに乗ってくるのか?」

「ああ。破壊竜ジェノスピノには悪魔のような魅力がある。生半可な者が乗り続ければ、その魔力に取り込まれてしまうだろう……」

 

行軍を続けるジェノスピノを迎え撃つ構えの共和国軍守備隊。

「ジェノスピノがフロストブリッジに接近する前に一斉射撃!止まらなければ橋ごと爆破しても構わん!」ギャレット少将は野戦基地から指示を飛ばす。

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通信兵「偵察部隊より報告!ジェノスピノは鉄橋を避け、真っ直ぐに首都に進行中!」

ギャレット「何??!!」

通信兵「海上を……海上を進んでいます!」

伝説として語り継がれるジェノスピノだが、その機体が海上航行を可能としていたことまでは伝えられていなかったようだ。

さらにはジェノスピノは海中に身を沈め、水中行動すら可能であることを共和国軍に示したのだった。

この辺りは、遥か上空から落下させれても問題がなく、更にはマグマの中すら行動可能だったデススティンガーの脅威を知る古のオタクとしてはもうちょっと絶望感を与えてくれたって良いんだぜという気持ちになる

 

上陸予定地点の予備隊にジェノスピノ砲撃の命が下る。

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ガノンタスはワイルドブラストすることなく追加装備の火器で水中のジェノスピノを砲撃する。

何の有効打も与えられぬまま反撃をくらい、壊滅する予備隊。

 

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上陸したジェノスピノに、続いて本隊であるトリケラドゴス部隊が駆けつける。

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トリケラドゴスの砲撃を受けてもビクともしないジェノスピノ。

「オウホホホホホホ。蚊に刺されたほども感じぬわぁ!」

気色の悪い笑いをあげながらアルドリッジはA-Zロングキャノンで守備隊を撃滅させる。

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圧倒的なまでの強さ


向かうところ敵なしのジェノスピノだが、アルドリッジは背後に気配を感じて振り返る。

するとその瞬間、遥か後方上空から赤いスナイプテラが急接近してきた。

 

アルドリッジもモニター越しに戦闘を見ていたシーガル准将もそのライダーを当然ギレルだと考えたが、通信を入れたのは意外にも共和国軍の耐Bスーツに身を包んだライダーだった。

「私は共和国軍、ディアス中佐」

「なっ!クッ……」シーガル准将は驚きを隠せない。

「ギレル中尉は我々が捕虜にした。当機は共和国軍の管理下にある。ジェノスピノ、応答せよ!これ以上前進するなら、空から容赦なく叩き潰す!」

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ジェノスピノの対空射撃を回避し、追加武装の二連装キャノンを打ち込むディアス。

ジェノスピノとすれすれのところまで接近し、噛み付く攻撃を回避。

続く火炎放射攻撃も躱して見せたディアス中佐の操縦テクニックは流石ギレルをして共和国のエースと言わしめるほどのものだと言えるだろう。

 

「その程度かアルドリッジ?」

「だまれぇ!兵器解放マシンブラストォ!ジェノサイドクラッシャー!」

「乗ってきたな!」

「ディアス機を援護!攻撃を続行だ!」好機を見出したギャレット少将が叫ぶ。

ジェノスピノに降り注ぐ砲弾。

「それで良い」

ディアス中佐も上空から連続してジェノスピノに砲弾の雨を降らせる。

「なっ!」

「ジェノスピノの唯一の弱点であるライダーにマシンブラストを使わせて、徹底的に消耗させるのだ!」

「兵器解放、マシンブラストォ!」

ディアスの狙い通り、アルドリッジは更にマシンブラストを発動させる。

 

<レオ一行 戦場へ>

レオ一行はジェノスピノの待つ戦場へ急行する。

「油断するなよ」バーンがそう言った瞬間、一行を砲撃が襲う。

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「帝国軍よ!」

「まかせろお姉さん!レオ、お前は先に行け。奴を絶対に止めろ!」

「わかった!」

仲間の言葉を信じ、レオはギルラプターとキャノンブルの混成部隊を突破する。

「私の名前はアイセルよぉ!」

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武装に注目。先ほど(およびいつも)とは武装が違う。

バーンとアイセルのいつものやりとりも、強敵を目指すレオにとって勇気を与えるものとなったのだろうか。

ジェノスピノを目指して駆けるライガー。

市街地を通過中、いきなり砲撃を受ける。

「今のは……銃撃音がしなかった……あの新型ゾイド か!」

「その通りさ。ずいぶん武装を増やしているようだが、役に立つかな?」

あれ?ドライパンサーのパイロット、スピーゲルにレオの声が聞こえてる?

 

前回遭遇した時は闇夜に紛れての奇襲だったが、シャドーパンサーのステルス性能は白昼においても発揮されるもののようだ。

真昼の戦いだというのに敵影を捉えることのできないレオ。

「くっ!どこなんだ!」

その時、ライガーが低く唸る。

「ライガー……そうだったな……教えてくれ。お前の本能で!」

レオがライガーの本能に委ねた結果、彼の愛機はドライパンサーの砲撃を次々に躱していく。

スピーゲルはマシンブラスト「ドライスラッシャー」で決着をつけようと背後から襲い掛かる。

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「そこか!」

「なにっ?!」

今まではライガーの本能に任せて攻撃を回避していたレオ。

この時初めて彼自身がドライパンサーの奇襲を見破り、攻撃を躱すことに成功する。

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攻撃を躱されたことで勢い余ってビルの残骸に突っ込んでしまうドライパンサー

 

「グルルル」

唸る愛機の心を読み解いたレオは言う。「わかった。ワイルドブラストだな!」

「進化解放!エヴォブラスト!」

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駆け出すライガー。

 

その機体が金色の光に包まれ、追加装備がパージされていく。

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機体を光が通り過ぎた時、新たな姿に進化したライガーの姿がそこにはあった。

 

サリー「あれは!」(いや、バズとサリーのジープもここまで来てたのね笑)

レオ「ライジングライガー……それがお前の新しい名前か!」

レオ「行くぞ、ライジングライガー!ライジング……ガン・スラーシュ!」

空中で交わるニキの高速戦闘ゾイドの刃。

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一瞬の後にドライパンサーの必殺の武器は宙を舞い、無傷の勝者と手負いの敗者で明暗が分かれた。

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こうして“金色の武装獅子王”ライジングライガーの初陣は勝利によって飾られたのだった。

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<ジェノスピノ機能停止>

度重なるジェノサイドクラッシャーの発動と空中を舞うスナイプテラの砲撃も相まって体力と精神力を限界まで酷使したアルドリッジ。

ついにジェノサイドクラッシャーを発動するもピタリとジェノソーザーの回転が止まる瞬間が訪れる。

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ゾイドオペレートバイザーからも光が消えた。

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灼熱の破壊竜ジェノスピノ、ライダーのアルドリッジと共に完全に沈黙。

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帝国軍のエース・ギレルが考案し、共和国軍のエース・ディアスが実行した作戦により、伝説のゾイドはついに進撃を止めたのだった。

 

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【アイキャッチ】

<Aパート>

ジェノスピノ

 

<Bパート>

 ジェノスピノ

 

※主人公機のビーストライガー以外でAパートBパート共にアイキャッチを努めたのはジェノスピノが初めて。

 

【登場ゾイド】

(主人公一行)

 ビーストラーガー

ガトリングフォックス

ラプトリア

 

(帝国軍)

ジェノスピノ

キャノンブル

ギルラプター

スナイプテラ(共和国側として)

 

(共和国)

トリケラドゴス

ガノンタス

キャタルガ

 

【登場キャラクター】

レオ・コンラッド

サリー・ランド

バズ・カニンガム

ジョー・アイセル

クリストファー・ギレル

バーン・ブラッド

ギャレット少将

ディアス中佐

フランク・ランド

シーガル准将

アルドリッジ少佐

スピーゲル

 

【次回予告】

バズ「ライガーが蘇って、これでまた運び屋が続けられるぞぉ!」

レオ「喜ぶのはジェノスピノを倒してからだ!みんなの力を貸してくれ!

次回、ゾイドワイルドZERO 『破壊竜ジェノスピノを追撃せよ!』 行くぞ、ライガー!」

 

【ゾイド紹介】

ドライパンサー DREI PANTHER

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<キャプション>

パンサー種ゾイド

音もなく背後から忍び寄り

攻撃する

兵器解放:地獄の三連刃(ドライスラッシュ) 

 

スピード

 ★★★★★★★☆☆☆  7

アタック

 ★★★★★★★★★☆  9

IQ

 ★★★★★★★★★☆  9

スタミナ

 ★★★★★★★☆☆☆  7

 ディフェンス

  ★★★★★★★★☆☆  8

ワイルドブラスト

 ★★★★★★★★★☆  9

 

<音声>

レオ「ドライパンサー。

漆黒の魔獣の異名を持つパンサー種のゾイド。

単独隠密行動に特化していて、音もなく忍び寄ることを得意としている。

兵器開放マシンブラストすると、左右の肩に隠し持つ三枚の刃、A-Zドライブレードが、シャドーシールドから突出し、高速回転を開始。

周囲の敵を一瞬のうちに切り裂くドライスラッシュが必殺技だ!

ゾイドの装甲も切り裂くほどの高速回転には、すごい発熱が伴うため、 熱を放出するエアインテークが装備されているぞ」

バズ「音もなく背後から忍び寄ってバッサリだなんて……恐ろしいゾイドだ、ドライパンサー!」

 

※最後のゾイド紹介でレオ以外のキャラが解説に加わるのは今回が初めて 

 

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