下書きに入れておいたら気が付くと年が明けて1/6になっていた。けれどついに1/7に公開日を迎えると言うことで書いておいた下書きに手を加えてアップする。
2021/12/21。
TOHOシネマズのシネマイレージ会員限定試写で“Spider-Man: No Way Home”を観に行ってきた。
当選通知が来てからだと勤務シフトを組むのが間に合わない。
当選するかどうか分からない、応募したばかりタイミングで有給を入れていたので、当選通知が来たときは本当に嬉しかった……
同時に、某国で最速上映したことでネタバレが散見されると友人から注意を促されたので緩めにSNS断ちをしてたんだけど、それも今日(12/21)まで。長かった……
で、これは注意なんだけど、ネタバレ無しで視聴したいのならGoogleで作品名を検索することすらしない方が良いっす!
マジで!トラップあるから!SNS断ちしてても全く意味ない!本当に注意して欲しい!
と、注意喚起をしたところで、ここから先はネタバレありで感想を書いていくので、
作品を視聴してから以下を読んでほしい。
(一部Disney+で配信中のドラマ『ファルコン&ウィンターソルジャー』のネタバレを含む)
映画評のようなしっかりしたものではなくて、「良かったポイント」を列挙するような感じで行きたいと思う。
映画を観終わった人がこのブログを読んで「分かる〜」と思ってくれたらこんなに嬉しいことは無い。
----------以下ネタバレあり----------
はい。
まず、上で書いたGoogleで検索をすることによるネタバレについて。
これ。
いやいや、あり得なくない?
今ググってビックリしたわ。
※筆者は劇場で鑑賞するまでトビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドが出演することを知りませんでした
はい。そんな感じで感想を書いていこうかと思いますが……
どうしよう。良すぎてね。
【チャーリー・コックス!!!!】
まず、Disney+が生まれたことでシリーズ展開がストップしてしまったNetflixのMARVELドラマシリーズより、チャーリー・コックスの演じるマット・マードックが登場した時点で僕のボルテージは上がりきっているわけですよ。
先日「MCUで『デアデビル』が再び登場するのなら、演じるのはチャーリー・コックス以外にあり得ない」みたいなインタビューをTwitterで見かけた気がするんだけど、そう言うことかと。
画面にチャーリー・コックスが映った瞬間物理的にのけぞって心の中で悲鳴を上げてしまったんだけど、反応を示している人が近くの席に全くいなかったのでもしかしたら富山の地にはNetflixのMCUドラマシリーズは根付いていないらしい。何なら俺このシーンで泣きそうなレベルで感動していたんだけどな……
【ポータルの向こう側から】
サンクタム・サンクトラムに来て「うちが魔法使いの家系で……」と言うネッドに笑ったけど、それが後々に活きて来てまた笑って……
で、ネッドが開いたポータルの向こう側からピーターがもったいつけるように中々こっちに来ない時点で分かるじゃないですか。「あ、これ“あれ”だ」って。
んでアンドリュー・ガーフィールドですよ。
整いすぎたお膳立て。でも、嬉しいじゃん。
俺はこのシーンでここがアメリカの映画館だったら叫んでいたくらいに感動したんすよ。
で、二つ目のポータルが開く。
「はいはい。トビー・マグワイアだよね。いや、でもトビーが出てこない可能性だってあるぞ?MJがネッドに「本物が出てくるまでやり続けて」と言ったから『スパイダーバース』のあいつやこいつが出て来る可能性もあるんじゃ……」と思っていたら……出て来るんですよ。トビーが。
僕たちの記憶にある通りの優しい表情の彼が、しかし、僕たちの記憶よりも少し歳を取った姿で。そこに立っているんですよ。
全身の毛穴が開く感覚と鳥肌が立つ感覚が同居した不思議な興奮。
もうね。スカさないでファンが喜ぶサービスをぶち込んだら誰もが幸せになれるんだという当たり前の方程式。
映画友だちの一人がこの作品を観たらきっと、スカしまくって外しに外したSTAR WARS続3部作を一層腐すんだろうな、とこの作品を観て思った笑
過剰なまでにファンサービスが行き届いた、最高のチームアップだった。
【焦らされて焦らされて、ついに実現した瞬間】
『ファー・フロム・ホーム』ではクエンティン・ベックがマルチバースについて語って、「マルチバース展開があるならトビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドのピーターが出てくる展開もあり得るんじゃないの?!」と思わせておいて実は多元宇宙から来たはずのエレメンタルズはクエンティン=ミステリオの創作だった。
そしてついに満を待してのマルチバース展開ですよ!
こんなのアガらないわけがないじゃん!
で、このみんなが望む展開を敢えてやらずに焦らして焦らして、スカしまくって最後に望み通りの展開を持ってくるという手法、実は僕らはMCUですでに味わっているんだよね。
『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』のラストで「アベンジャーズ アッセンブル」と言わせずに、ファンの期待を煽りに煽った上で『エンドゲーム』のあの最高の「アッセンブル……!」。
待たされに待たされた至高の瞬間を最高のタイミングで提供する。
これ、スパイダーマンにマルチバース展開を導入するというのと全く同じじゃん!
俺たちMCUファンはお釈迦様の掌の上の孫悟空と一緒だったんだと気付かされた。
【大いなる力には……】
スパイダーマンに関して僕らが焦らされていたのは何といってもやはりこれだろう。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」。
MCUスパイダーマンは過去の2つのシリーズからリブートスパンが短いこともあってそのオリジンが端折られたヒーローだ。
だからベンおじさんは死なないし、蜘蛛に噛まれるシーンも描かれない。ネッドに登校途中でヒーローになった背景を尋ねられて「蜘蛛に噛まれた」と言うだけだ。
ベンおじさんの死が描かれなかったMCUスパイディ。MCUスパイダーマンにとってメンターであるトニー・スタークの死を以てベンおじさん(に該当する人物)の死は描かれることはないのだろう。誰もがそう思っていたはずだ。
故にスパイダーマンを象徴するセリフである「大いなる力には大いなる責任が伴う」という台詞も言われることがないまま、HCでトニーの言った「スーツ無しじゃ何もできないなら、スーツを着る資格はない」と言う台詞がそれに取って変わるのだろうと思っていた。
そうしたらね。
言ってくれたよね。
メイおばさんの死という、思いがけない、予想だにしない、悲しすぎて信じたくもない展開とセットで。
一番聞きたかったセリフが、一番聞きたくなかったシチュエーションで出てくる。
何度心の中で「嘘……嘘だろ……」と呟いたことだろう。
【ヒーローチームの一員としてのスパイダーマン】
過去のスパイダーマンが登場するのは嬉しいけど、当然本作の主役はトビー・マグワイアのピーターでもアンドリュー・ガーフィールドのピーターでもない。トム・ホランドが演じるピーター・パーカーだ。
そんな中でトム・ホランドのピーターがスパイダーチームの中でどうやってイニシアチブをとるか。
その答えが「ヒーローチームとして戦ってきた経験」だったことには感動した。
MCUにおけるスパイダーマンはデビュー作である『シビル・ウォー』からして「ヒーローチームの一員」という役回りだった。
そして初の単独タイトルとなった『ホームカミング』(HC)ではアイアンマンが、二作目の『ファー・フロム・ホーム』(FFH)ではニック・フューリーとマリア・ヒルという他のヒーローが登場している。(ニックとマリアはヒーローというよりシールドのエージェントという役割だけど。そしてこの二人はホンモノじゃないけど)この二作品でも、トム・ホランドのスパイダーマンはヒーローチームの一員としての側面があったと思う。
そしてこの辺りはMCU作品群のサガとでも言うべき部分もあるとは思うけど、宇宙規模の戦いの渦に飲み込まれていくことが最初から運命づけられていたMCUスパイダーマンは、「親愛なる隣人」というアイデンティティとの間で常に揺れ動く存在であったとも思う。
しかし本作はある種の搦め手でドクター・ストレンジを蚊帳の外に置くこと、そして再登場後はドクターを呪文の制御役に配置することでスパイダーマン単独作(3人いるけど)のような口当たりに仕上げることに成功している。
「スパイダーマンが3人いることで逆説的にMCUの『スパイダーマン』を単独ヒーロー作品として成り立たせる」って字面だけ見ると訳が分からないんだけど、それを成り立たせてしまってる。
これって凄いことだと思う。
【「救い」の物語】
多くのファンサービスが散りばめられた本作だが、何より作品として一本の芯が通っているのが良かった。
その芯とは本作が「救い」の物語であると言うこと。
M・Jが自由の女神から落下し、それを助けに飛ぶピーター(トム・ホランド)。
グライダーでそれを阻むゴブリン。
そして次に飛び込んだピーター(アンドリュー・ガーフィールド)がM・Jを救出する。
トム・ホランドがグライダーの体当たりで弾き飛ばされた瞬間、「え?他にヒーローが3人いるからトムホじゃなくて彼らの内の誰かにM.Jを救わせるって言うこと?ストレンジも離れた場所の人間を救うのに適した魔法を持ってるし……」(この間約1秒)と考えたとき、映し出されたのはアンドリュー・ガーフィールド。
ここで気付くわけですよ。「そうか。ジョン・ワッツは彼に『アメイジング・スパイダーマン2』でできなかった“ヒロインを救う”というロールを与えたかったのか」と。
果たして、アンドリュー・ガーフィールドのピーターはM・Jを助けるために一直線に飛び出す。
M・Jを助けたピーターが優しく彼女を着地させた後、普通の作品であればもう1秒早くカメラを動かしていたと思う。
でも夜のニューヨークを背景にたった1秒程映し出されるピーター(アンドリュー・ガーフィールド)の横顔こそ、『アメイジング・スパイダーマン』が好きで好きでしょうがないファンの僕らが本当に待ち望んでいた瞬間だったように思う。
そして制作陣はこの一瞬をカメラに納めんがためにアンドリュー・ガーフィールドをピーター・パーカーとして再演させたのではないかとすら思えた。
でも、僕が何よりこの作品が素晴らしいと感じたのは、ピーターがM・Jを助けたことが、あの日グウェンを救うことが出来なかったピーター自身の救いになってるという点だ。
そしてこれは実はビー・マグワイアのピーターにも言えること。
サム・ライミ版『スパイダーマン』は一作目で親友の父親であるノーマン・オズボーンを救うことが出来ず、グリーン・ゴブリンの人格のまま死なせてしまったという事実が呪いのようにずっとピーターを苦しめていた。
今作でグリーン・ゴブリンの人格を消し去り、ノーマンの命を救ったことがピーター(トビー)自身の救いになっている。
鑑賞していてこのことに気付いたとき、「何て優しいんだジョン・ワッツ……」とボロボロ泣いてしまった。
『スパイダーマン:ホームカミング』のラストシーンでピーターは好きな子の父親でもあるヴァルチャー=エイドリアン・トゥームスと対峙する。
アベンジャーズタワーからアベンジャーズの新拠点に引っ越すため、飛行機で運び出される荷物を奪おうとするヴァルチャー。
飛行機の墜落によりウイングスーツが故障した状態でその荷物を奪い去ろうとするヴァルチャーに対して、ピーターは声を掛ける。
「ウイングスーツが!爆発する!」と。
トム・ホランドの演じるピーターもトビーやアンドリューが演じたピーターと同じく、人を救うことを第一義に置くヒーローなのだ。
サム・ライミ版、マーク・ウェブ版、そしてジョン・ワッツ版。シリーズを問わず人を救い続けてきたピーターだからこそ本作で救われる機会を得ることができたんだと考えると、何と美しい展開なんだろうと思わずにはいられなかった。
同時に、人を救い続けてきたトム・ホランドピーターは愛する人を失い、さらには誰一人自分のことを知らない世界に投げ出されてしまって余りにも救いが無いようにも思うけれど。。。
【アメリカの象徴、キャプテン・アメリカのシールドの上で】
決戦のラストは建設途中の自由の女神像を舞台に繰り広げられる。
僕たちが見慣れている現実世界の自由の女神と異なるのは、彼女の手にアメリカの象徴キャプテン・アメリカのシールドが握られている点だ。
Disney+で配信中の『ファルコン&ウィンターソルジャー』では、2代目キャプテン・アメリカであるジョン・ウォーカーは、超人血清の影響もあって初代キャップ スティーブ・ロジャースから受け継いだ盾で人を殺めてしまう衝撃のシーンが映し出される。
それを知っているだけに、キャプテン・アメリカの盾の上で愛するメイおばさんの命を奪っ
たノーマンを目の前にしても殺人衝動に耐えて彼を救うことを選んだピーターに対し、僕は何だか誇りに思うような不思議な感慨に包まれるのだ。
……ひとまず1/6時点で書き切れたのがここまでなので一旦以上で更新を終える。
気が向いたら追記します。