映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

お題:「SFと言えば」

お題箱を覗いてみたら、以下のようなことが書いてあった。

 

あれもこれもSF

今週のお題は「SFといえば」です。

『ドラえもん』から『ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』に『スター・ウォーズ』『ニューロマンサー』『スノウ・クラッシュ』など、SFと呼ばれる作品はさまざまなメディアを介し世界中で楽しまれています。そこで今回は「SFって面白いんだ! と実感した作品」や「私にとってのSFは”すこしふしぎ”」「気づいていなかったけどあの作品もSFといえるかも」など、SF作品の感想やSFにまつわるエピソードやを募集します。ぜひ、記事を書いて投稿してみませんか? ご応募をお待ちしております。

 

 

こうして見てみると、例示されているものの中でガンダムもエヴァもSWも好きだし、自分の趣味がSFにかなり寄っていることが分かる。

 

毎晩VODで夫婦揃ってドラマを観ているんだけど、「一緒に観るドラマ」以外にお互い「一人で観るドラマ」、「一人で観るアニメ」がある。

 

ちゃん嫁が好きなアニメは日常を描く作品。

『クレヨンしんちゃん』や『あたしんち』をよく観ている。

日曜日には地上波で『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』を観ることもある。

 

対する僕は変化の少ない日常を描いた作品が得意ではなくて、アクションやバトルに重きを置いた作品が好き。

で、とある作品を観ていたときにちゃん嫁から

言われた。

「あなたの好きなアニメって基本ロボット出て来るよね」

 

言われるまで思いもしなかったけど、確かにそうだ……

小学校の頃の日記に「自分の好きなアニメベスト3」が載っていて、上から順に『機獣新世紀ゾイド』、『メダロット』、『サイボーグクロちゃん』となっていた。

 

全部ロボットものやんけ!と思うと共に、三つ子の魂百までというか、全作今でも大好きなので、好きなものって変わらないんだなと思った次第。

 

 

今週のお題「SFといえば」

 

好きな作品を挙げろと言われたら、マンガだろうがアニメだろうが映画だろうが、僕があげる作品の殆どがSFと言うことになってしまう。

 

それくらい僕にとってSFは当たり前のものであり、同時に特別な存在でもある。

 

この「SFとは」という問い、某プロフェッショナルな人々を追った番組のラストのように「自分にとっての“SF”という存在の意義は」と言う意味にも受け取れるし、「あなたが想起する“SF”作品(コンテンツ)は」と言う意味にも取れる。

 

他のブロガーの方の記事を見た限りでは後者の意味合いとして受け取っている人が多いようだ。

 

前者に関しては前述した通りなので、後者に関して書こうと思うんだけど……

これまた自分のコアとなる作品は既に挙げてしまっているんだよね笑

 

まぁ、行きましょう。

僕の好きなSF作品。

 

①やっぱり、『機獣新世紀ゾイド』

またかよ、と思った方もいらっしゃるだろうか。

当ブログで折に触れて紹介してきたものの、紛れもなく「僕の人生を変えた一作」が本作なので、無視できないのだから仕方がない。

まぁ、『機獣新世紀ゾイド』に限らず『ゾイド』全体かな。

ゾイドとはトミー(現タカラトミー)が展開する玩具シリーズを核としたコンテンツ。

ゾイドは生物を模した組み立てキットで、ゼンマイやモーター動力を持ち(※)、時にモチーフの生物に応じたアクションをしながらリアルに歩行するところが他の玩具シリーズと一線を画する魅力。

※一部動力を有さないキットも存在する。

また、トミー/タカラトミーが発売していたキットをリファインする形でコトブキヤが展開しているHMMシリーズも動力非搭載のハイエンドプラモデルシリーズである。

 

「無印のアニメは観ていたよ!」とか、「オモチャは持ってたよ!」とか、「ゲーセンでバーチャロンみたいなツインスティックのゲームやったことあるよ!」という比較的ライトなファンはピンと来ないかも知れないけれど、実はゾイドというコンテンツは結構SF設定が凝ったものだったりする。

 

ざっくりストーリー紹介

太陽系を遠く離れた銀河系に地球と似た大気構成を持つ惑星を見つけた未来の地球人は、グローバリーⅢ世号という宇宙船に乗り込んで地球を飛び出し、テラフォーミングのために「惑星Zi」(旧「ゾイド星」)を目指す。

惑星Ziには地球人類に似た姿を持つヒューマノイドタイプの宇宙人と、地球の生物によく似た姿をした金属生命体、「ゾイド」が存在した。

 

ゾイドは自ら戦う意思を持ち、惑星Ziの覇権を賭けて争うヘリック共和国とゼネバス帝国(後にはガイロス帝国)の国家間戦争において最強兵器として君臨していた。

地球人類のもたらした先進科学技術はゾイドの装備を飛躍的に進歩させ、惑星Ziの戦争の様相を一変させる。

ゾイドの装備する火器の殺傷力はより強力に、纏う装甲はより強靱なものになっていった。

 

ヘリック共和国とガイロス帝国両軍の戦争における最終局面、巨大隕石の衝突により惑星Ziにグランドカタストロフが起き、図らずも戦争は終結……

 

以上が昭和期のゾイドのストーリー。

1999年、平成の世にゾイドは復活を果たし、小学生の僕はのめり込んでいくことになる。

 

平成のゾイド復活というタイミングにおけるストーリーは以下。

 

巨大隕石の衝突によって訪れたかりそめの平和。その平穏を打ち破ってガイロス帝国軍が進駐を開始した。

豊かな土地に国を構え、国力で勝るへリック共和国だったが、進軍に備え粛々と兵力を増強してきたガイロス帝国軍は軍事力でへリック共和国を大きく勝る。

 

帝国有利のまま戦争は進み、両軍共自軍の兵器開発を優位に進めるべく、滅亡した超古代文明の残した遺産を活用した「オーガノイドシステム」をゾイドに搭載し、兵器開発は加速していく……

 

「自分の作った玩具が動く!」と言うだけでも大興奮なのに、その玩具がこんなハードなSF設定を携えているなんて、好きにならないわけがないじゃん!という感じで大ハマりしたのだった。

 

平成のシリーズ展開初期は昭和期のキットをリカラーはしつつも金型は基本的にそのまま(一部手直し)リリースしていたもが、前述の「オーガノイドシステム」搭載機という設定と共に新規に金型を起こした「新型機」をリリースするというのはハードとソフトの展開がマッチしていて滅茶苦茶上手いなと大人になった今思う。

(後にオーガノイドシステム非搭載の新型機は沢山登場するとはいえ)

 

このように実はバックグラウンドには重厚なSF設定が存在するゾイドだけど、全然そんなことを気にせず気軽に楽しめるコンテンツでもあるので、機会があれば是非是非触れてみて欲しい。

 

丁度数年前にコミックスの新装版が出たばかりなことだし。

 

 

ところで、本棚見て気が付いたんだけど何で同じの3冊あるんだっけ……

 

②好きだよ、メダロット

続いてはメダロット。

 

・ゲームボーイで発表されたゲームタイトル

・2バージョン同時発売

・通信対戦、通信交換によるトレーディングバトル要素

 

「1990年中後期に大量発生したポケモンのフォロワータイトルの中で最も成功した例」等と紹介されることも多いゲームを中心としたマルチメディア展開コンテンツ。

 

漫画版は原作者ほるま りん先生の描く柔らかな描線と、緩いながらも深みのあるストーリー、そして嫌味のないキャラクターがイキイキと動き回るところが非常に魅力だが、僕がハマッたのはアニメから。

漫画は今は亡きコミックボンボンで連載されていたが、僕はコロコロ派だったのでアニメ化するまで本作の存在を知らなかったのだった。

 

ざっくりストーリー紹介

メダロットは「ティンペット」と呼ばれる共通骨格フレームに①頭部、②右腕、③左腕、④脚部 の4つの「パーツ」を装着することで外観が形作られる。

これらに加え、知能を持った「メダル」と呼ばれる物質を装着することでメダロットは完成。メダロットはメダルの持つ個性に依拠した自律行動型ロボットであり、「メダル」」+「ット」=「メダロット」という名称からも分かるとおり「メダル」が存在の核となるのが特徴である。

(英語版タイトルは“MEDAL"+“ROBOT”+“S”(複数形)で“MEDABOTS”(メダボッツ)である)

 

メダロットを使役する人間のパートナーは「メダロッター」と呼ばれ、彼らはメダルを内蔵した時計型デバイス「メダロッチ」を介して自身のメダロットに指令を出す。

メダロット同士を戦わせる「ロボトル」(「ロボット」+「バトル」)が巷で流行する世界が舞台。

 

メダルは地球人類の科学技術で作られたものでは無く、宇宙より地球や月に飛来した存在。

20世紀にニモウサク博士がこのメダル(当時通称「六角貨幣石」)が莫大な情報の蓄積していること、そして圧倒的な情報処理能力を有することを発見。

メダルを核にしたロボットの開発へと進んでいく。

 

ニモウサク博士の弟子であるアキハバラ アトム(後のメダロット博士)はメダロットの原形と呼べるロボットを開発。

後に「メダロット」正式に一般販売。

 

2010年、メダロットが暴走する重大事件「魔の十日間」が発生。

 

……と、これまた「小さい頃メダロット好きだったわ〜」くらいのファンだと「なんそれ!?」と言いたくなるような重厚なSF設定がメダロット世界の背景にはあったりするのだ。

 

こちらも興味を持ってもらえたら漫画が作品の魅力を知る入口には適していると思う。

永らく絶版だったけど、装いを新たに発売しているので手に入りやすいしね。

 

 

先生にサインをいただいちゃった新装版

 

③忘れちゃいけない、クロちゃん

サイボーグと言えば009かクロちゃんだと相場が決まっているんだけど、今回はクロちゃん。

そういや僕009も大好きだな……やはりSF。

SFには全てが詰まっている……

 

クロちゃんはメダロットと同じくコミックボンボンにて連載されていた作品。

 

シリーズ展開のコアにプラモがあったゾイド、ゲームが中心だったメダロットとは異なり、クロちゃんはマンガを基点にアニメ、ゲームへとマルチメディア展開を広げていった。

原作者は横内なおき先生。

 

ざっくりストーリー紹介

北海道にて老夫婦に飼われているオス猫の「クロ」。

彼は愛するメス犬のプーリィに愛の告白をするため、勇んで町中を走っていたところを何者かにさらわれてしまう。

拉致後目を醒ましたクロは自分の体がサイボーグに改造されていることを知る

彼をさらい、改造を施したのは科学者のドクター剛。

剛君の相棒サイボーグ・ミーくん、クロを「キッド」と呼びつけ狙う、野良猫時代の彼を知る生身のネコのマタタビ、空母をハッキングするなどコンピューターを扱わせたら天才的なコタロー、クロちゃんに一目惚れしてやがて愛を育んでいく電気ランプからロボットとなったナナちゃん……などなど個性豊かなキャラクターが織りなすドタバタコメディ。

 

コメディを基本としながらも、爆発に起因してパラレルワールドへの扉が開き、砂漠に覆われた世界で離れ離れになった仲間たちが元の世界に戻るために奮闘する「異世界サバイバル編」、マタタビとクロの出会いと野良猫として生きることの苦楽を描いた「キッド編」……とドラマパートも充実した作品。

「異世界サバイバル編」も「キッド編」もコミックス1冊分に収まっており、長編故の中弛みなど感じるまでもなく駆け抜けるように読みきることが出来る。

 

「異世界サバイバル編」は登場キャラの名前から昨年劇場公開されたSF長編小説の金字塔“DUNE”がイメージソースになっているらしいことは以前のエントリに書いたとおりだ。

eibunkeicinemafreak.hateblo.jp

 

そして忘れちゃいけないのが最終巻付近。

超能力少女チエコ、彼女と心を通わせるも肉体は不運な死を遂げ、その精神を機械の体に宿すこととなるゴローを中心とした本作の最終盤の展開は、それまでの緩いストーリーが嘘のようにヘヴィな展開が続く。

かように単なるドタバタコメディでは終わらない、一大「SF作品」タイトルと評すことに何ら抵抗が無い最高の作品なのだ。

 

何と、本作も新装版が登場して非常に買いやすくなっている。

子供の頃好きだったあなたもこのエントリで初めて知ったあなたも、是非手に取っていただきたい一作だ。

 

 

 

以上、小学生の頃に大好きだったSF作品3作でした。

いつまでも大切な作品たち

 

本当はSWやBTTFについても語りたかったし、書いていて気が付いた『サイボーグ009』についても言及したかったんだけど、既に5000文字越えの大ボリュームになっているのでこの辺で区切りをつけねば……

 

僕のSF趣味はマンガ、アニメ、映画くらいなものかなぁとと思っていたけど、通勤カバンを見てみたら現在読み途中の本は『デューン 砂の惑星』の下巻だし、

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積ん読の中から次に読もうと思っていたのは『星を継ぐもの』だし、

書店で手に取ったらちょうど100版で、乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられないのだった

 

先日Kindle版がセールになっていて思わず買ってしまったのは話題の『プロジェクト・ヘイル・メアリー』だし……

TBSラジオの各番組で絶賛されていて、読んだら誰もがハマる作品っぽいので超楽しみ!

 

「いやいや、どこまでSFに染まってんのよ俺のアタマは」と思ったのだった。

 

自分で書いておいてなんだけど、このエントリを書くに当たって思い付いた前述の一言が全てだと思う。

やっぱり、僕にとってSFは当たり前のものであり、同時に特別な存在でもあるのだ。

 

そう気付いたお題だった。