映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

気になる日本語:「いつぶり」、「卒業ぶり」、「高校ぶり」

「○○ぶり」という言葉が正しく使われていないと思う今日この頃。

 

エントリのタイトルにも入れたが、SNSを見ていると「いつぶり?」、「卒業ぶりに親友と再開した!」などといった表現を多く目にする。

 

この表現を見ると僕は例えようもない気持ち悪さに襲われる。

 

「○○ぶり」という言葉は「3週間ぶり」、「2カ月ぶり」、「100年ぶり」など「時間経過を表す語句+ぶり」という使われ方をするもの。

卒業”などといった「時間軸の中における過去の特定の一時点(数直線上の一地点)」を指す言葉と共に用いる言葉ではない。

 

「202✖️年」、「大学卒業」などと言った「過去の特定の一時点」を表す言葉と共に用いられる言葉は本来「○○以来」が正当だ。

「卒業以来合っていない」などと使うのが正しい。

 

「高校時代以来」などという使われ方もするため、正確を期すのであれば「過去の特定の一時点・或いは一定期間」を表す言葉とともに用いられる、とするのが良いだろうか。

 

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ちなみに、「以来」には“ひふみん”の愛称で知られる加藤一二三さんを指す「神武以来の天才」というような使われ方もある。

この時は“いらい”ではなく“このかた”と読む。

book.mynavi.jp

表の顔は超強豪の将棋棋士。2017年に現役を退きましたが、藤井七段がこの世に生を受ける何十年も前から「神武以来(じんむこのかた)の天才」とうたわれた一流棋士であります。

 

用法は“いらい”と読む際と変わらず。「初代天皇である神武天皇の治世から今までで最高の天才」という意味合いである。

kotobank.jp

 

そんなわけで、「いつぶり」とか「卒業ぶり」みたいな用法は恥ずかしいからやめましょうねという話でした。