映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

気になる日本語:「すごい美味しい」「すごく美味しい」

「すごい美味しい」、「すごい綺麗」、「すごい楽しい」、「すごい疲れた」。

 

市井の人々もメディアの中の人も口にするありふれた表現。

 

しかし形容詞「すごい」の連用形は“すごく”。

連用形とは読んで字の如く“用言に連なる形”であり、いうまでもなく「美味しい」、「綺麗(だ)」、「疲れる(た)」は用言だ。

 

“すごい”は形容詞「すごい」の終止形及び連体形なので、“すごい”の一語で文章を終えるか体言に繋げない限り“すごい”とは活用しないのが正当だ。

 

少し面倒なのは「すごい大きい」は用法として適切では無いが、「すごい大きさ」とすると用法として適切であるという点。

 

“大きさ”は形容詞「大きい」を名詞化したものであり、名詞とは即ち体言なので連体形の“すごい”を用いることができるのである。

 

この辺りが原因となって、「すごい美味しい」、「すごい楽しい」など、「すごい」を連用形として誤用する例が広がったのではないかと思う。

(事実、僕も無意識に使ってしまっていた)

 

ゆえにチキンラーメンの「すぐ美味しい すごく美味しい」というキャッチフレーズは用法的に正しいということになる。

 

あなたの使っているその“すごい”。

“すごく”が適切だったりしませんか?