「すごい美味しい」、「すごい綺麗」、「すごい楽しい」、「すごい疲れた」。
市井の人々もメディアの中の人も口にするありふれた表現。
しかし形容詞「すごい」の連用形は“すごく”。
連用形とは読んで字の如く“用言に連なる形”であり、いうまでもなく「美味しい」、「綺麗(だ)」、「疲れる(た)」は用言だ。
“すごい”は形容詞「すごい」の終止形及び連体形なので、“すごい”の一語で文章を終えるか体言に繋げない限り“すごい”とは活用しないのが正当だ。
少し面倒なのは「すごい大きい」は用法として適切では無いが、「すごい大きさ」とすると用法として適切であるという点。
“大きさ”は形容詞「大きい」を名詞化したものであり、名詞とは即ち体言なので連体形の“すごい”を用いることができるのである。
この辺りが原因となって、「すごい美味しい」、「すごい楽しい」など、「すごい」を連用形として誤用する例が広がったのではないかと思う。
(事実、僕も無意識に使ってしまっていた)
ゆえにチキンラーメンの「すぐ美味しい すごく美味しい」というキャッチフレーズは用法的に正しいということになる。
あなたの使っているその“すごい”。
“すごく”が適切だったりしませんか?