野村 雅夫さん
映画や小説など様々なイタリア文化を伝える京都ドーナツクラブの主催を務め、日本のイタリアカルチャー先生として活躍。
大阪のラジオ局で月〜木の朝の番組でMC。
前回は9/8出演。
18:30〜「カルチャートーク」
イタリアカルチャー先生、野村雅夫によるピエル・パオロ・パゾリーニ監督入門
いくつになっても人生はやり直せる!……のか? 元殺人マシン、老いさらばえたヒットマンの場合。
マルコ・マルターニ著『老いた殺し屋の祈り』
クマスによる概要紹介:
主人公は還暦を過ぎた最強の殺し屋オルソ。ある日心臓発作で生死の境を彷徨ったオルソ敗のちのつきる前に生き別れた恋人と娘に会いたいと思うようになる。
彼は組織に楯突き、恋人と娘の暮らす町に旅に出るのだが……
宇多丸さん:このBGM、内容に合ってないから変えた方が良いよ!笑
宇多丸さん:この本を手に取ったキッカケは?
野村さん:海外文学に触れるとき、多くの日本人は。翻訳されたものを読む。
そうすると「翻訳家で本を選ぶ」と言うことも出て来ると思う。アトロクであれば翻訳家の柴田元幸さんが訳した作品なら「今まで読んだことのない作者だけど読んでみたいな」となるのでは?
僕自身翻訳をするが、イタリア語→日本語訳者の中で飯田さんの訳を信頼していて新刊が出る度にチェックしている。
飯田さんは何でも訳す方。
『老いた殺し屋の祈り』とはどんな作品だろうと思ったらスリラー、「ジャッロ」作品。
飯田さんがこんな作品を訳すのか、という思いがあった。
「ジャッロ映画」などと良く評されるが、「ジャッロ」という小説のジャンルが転じたもの。
ジャッロは「黄色」の意味。
ある出版社が100年ほど前にミステリー・スリラー・ハードボイルド作品を黄色い表紙でまとめて刊行したことで、いつの間にかそのジャンルを「ジャッロ」と呼ぶことになった。
宇多丸さん:映画の世界における「ジャッロ」映画は他の国のミステリー・スリラー作品とは異なる空気感があって好き。
野村さん:マルコ・マルターニさんは1968年生の方で本作が処女作。50代半ばの方だが、ベテランの映画の脚本家。
コメディなど多ジャンルの経験があるが、一番自分が読みたいジャンルを書こうと志向して本作を書き上げた。
アクションをつぶさに言語化しているタイプの作品。
宇多丸さん:拝読しましたが、画が浮かんで読みやすい。
野村さん:「クマ」の異名を持つ人間離れした強さの巨漢が心臓発作を起こすところから物語が始まる。
彼の心の中に残ったヒューマンな部分が彼を生き別れた彼女と娘の元に向かわせるが、身に覚えのないヒットマンからの襲撃を受け……
観光映画的な007的な要素を多分に含む。
宇多丸さん:すぐにでも映画化しそうですね
野村さん:実は国内のみならず海外でも評価が高く、ルッソ兄弟が映像化権を取得したと噂が?
ハリウッド映画化?Netflixドラマ化?
イタリア映画では予算的な都合がつかないため、どちらかで実現して欲しい。
宇多丸さん:『モスル』でしっかりとイラクを描いたルッソ兄弟なら、ちゃんとイタリアを舞台に映像化してくれそうな気がする。
推しの一文
(彼が人生をやり直したいのにやり直せない状況に置かれ、「それでもやっぱりやり直したい」と決意するシーン。
「暴力は暴力しかもたらさない」という事実にオルソが気付く)
自ら代償を払って深く思い知らされた。それが、「暴力は暴力しかもたらさない」という事実だ。
彼がこれまでのように暴力で暴力に反応するのをやめれば、誰にとっても有益なはずだ。
11/7の「#アトロク #秋の推薦図書月間」
— アフター6ジャンクション(聴くカルチャー番組) (@after6junction) November 7, 2022
アトロクのイタリアカルチャー先生、#野村雅夫 さんの推薦図書は、
マルコ・マルターニ 著 飯田亮介 訳
『老いた殺し屋の祈り』
詳しい解説は
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