クマスによる入魂の1冊
クマス:リアルに私がこの一年で最も読んだ本と言っても過言ではないかも知れません。
絵本です。
市原 淳さん著、開(ひらき) 一夫さん監修『もいもい どこどこ?』
クマス:これ絵本なんですが、小さなお子さんがいる方は聞いたことがある、という人もいるかも。
もいもいとはキャラクター。
宇多丸さんにも見ていただいていますが、このキャラクターが特徴的じゃないですか?
宇多丸さん:“もいもい”というのはつまりこの赤い勾玉状と言いましょうかね
クマス:そうです。カタツムリ……じゃないんですけど。
これ「赤ちゃんが夢中になる絵本」として話題でして、0〜2歳の赤ちゃんが対象。
ウチの3歳になる子はもう卒業しているんですが、下の子が今夢中になっている。ずっと見続けている。
宇多丸さん:これはどう言う本ですか?
クマス:「大人が楽しめる絵本と実際に子供が読んで楽しい本は違うよ」というコンセプトから始まり、東京大学の赤ちゃんラボという、赤ちゃんを研究しているラボの開 一夫さんという赤ちゃん研究の第一人者と、販売元のディスカバー21が共同研究をして、「赤ちゃんが最も見たくなるイラスト」を考えた
宇多丸さん:赤ちゃんってまだ言葉喋れないじゃん?どうやって反応を測るんですか?
クマス:これは赤ちゃんを「審査員」として迎えて、「選択注視法」という手法を用いて「どのイラストを赤ちゃんが一番見るか」を繰り返して生み出されたのが“もいもい”。
このイラストが赤ちゃん達から圧倒的に支持を集めた。
宇多丸さん:ただの丸・三角・四角のような図形とも、クマちゃんやネコちゃんのような図像よりも、この赤い丸にしっぽが生えたようなもいもいが一番人気なんだ!
クマス:実際ウチの赤ちゃんも集中するんですよね。大人からすればこれ何だろうと思うんですが、赤ちゃんからすればこれが良い。
宇多丸さん:なんで良いのかは分からないもんね
クマス:イラストを募集する際、「顔」や「目」は赤ちゃんが集中しやすいので、それ以外のもで目を引くものを公募した。
それでこのもいもいが採用された。
また、「もいもい」という名前も、赤ちゃんが好む繰り返し音と、発声しやすい「まみむめも」の音が採用されている。
宇多丸さん:このキャラクターを指して「もいもいだ!」って言う感じなの?
クマス:そうなっていくんですよ。
大人たちは可愛いイラストやストーリーの良さで絵本を選びがちだが、東大の研究があってこの様な形に
宇多丸さん:『もいもいどこどこ』っていうタイトルだから、色んな図像の中で「もいもいどこかな〜」とやるような感じでしょ?
クマス:0歳の頃は絵本を開くと、もいもいをずっと目で追っている。
喋れるようになると「もいもい」と指さすようになる。
宇多丸さん:赤ちゃん研究の様子とか見てみたいね
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