「Final」と銘打った通り2019年度の第十回を最後にその歴史に幕を下ろすはずだった午前十時の映画祭の再開が決定したことは前回のエントリで書いた通り。
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僕の趣味は映画鑑賞だが、僕の趣味が映画鑑賞になったことと午前十時の映画祭は切ってもきれない関係がある。
何を隠そう、午前十時の映画祭と出会うまで僕はある意味「映画好き」ではなかったからだ。
僕は幼少の頃から『スター・ウォーズ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といった作品が好きではあったが、映画そのものが好きだったかと言われると自信がない。
そんな僕に「映画そのもの」の魅力を教えてくれたのがこの午前十時の映画祭だったのだ。
僕とこの凄く素敵なイベント上映との出会いは大学生の頃。
今では「元トモ」になってしまったとある友人に紹介してもらった友人。
それが東京03の角田似の友人の舜だ。
彼は大変な映画マニアで、元トモの友人から「ナヲトはスター・ウォーズとか大好きなんだよ!」という枕詞とともに紹介を受けた記憶がある。
出会った翌年、とあるキッカケで舜との交流が一層深まることになるのだが、彼と日々過ごす中で「学生は五百円でみられるイベントがあるよ!」と教えてくれたのが午前十時の映画祭だった。
僕が初めて観たのは、第二回で上映された内の一作、『レインマン』。
http://asa10.eiga.com/2011/series1/cinema/147.html
その次は『山猫』だったように記憶している。
http://asa10.eiga.com/2011/series2/cinema/196.html
わずか500円で映画を観ることができるというのが学生時代の僕にとっては凄くありがたくて、就職活動の時期においても映画のスケジュールを考えて面接のスケジュールを組んでいた。思えば非常に舐めた就活生だった 笑
就職活動時期にはバイトも思うようにできず、軍資金も潤沢になかった。
昼ご飯を食べるか午前十時の映画祭で映画を観るかを天秤にかけ、映画を選んだことは数知れず。
午前十時の映画祭でTOHOシネマズのマイルが溜まり、シネマイレージを1ヶ月見放題券に交換したことも思い出深い。
午前十時の映画祭で沢山の名作映画に触れたことで「映画好き」としての僕の地盤は形成されたと言っても過言ではない。
故に午前十時の映画祭に対する感謝の念は非常に大きく、2019年度を以て終わってしまうと知ったときは悲しかったし、終わらずに再開すると知った時は会社の中で声をあげそうになってしまった。
第十回では以下の27作品が上映された。
●(オレンジ)は以前の午前十時の映画祭で観た作品を、●(ピンク)は今回の午前十時の映画祭で観た作品を表している。
2019年度は最終回ということで、27作品全てを観に行きたいと考えていたが、行くことができたのは16作品にとどまった。
今は新型コロナウイルスの関係で映画館に足を運ぶのも憚られる時期であり、僕もしばらくは映画館へ行くことを自粛することに決めたものの、折角再会する運びとなったこのイベントを支える意味でも、第十一回に選出される作品をできる限り多く観るべく劇場へ足を運びたい。
ちなみに上で紹介した友人の舜は僕の映画人生に与えてくれた影響が非常に大きく、大学卒業のタイミングで僕らの所属していたコミュニティのメンバー全員に、彼の選んだ「〇〇に合いそうな映画作品」のDVDをプレゼントするという小粋な計らいをしてくれた。
その時、彼が僕に選んでくれた作品が“HEAT”/『ヒート』だった。
直前に彼に「こないだ午前十時の映画祭で『タクシードライバー』観てきたんだけど、滅茶苦茶良かったわ。ロバート・デ・ニーロめっちゃかっけえな」などと話をしていた為、デ・ニーロ出演作の男臭い骨太アクション作品を選んでくれたのだと思う。
この作品を観たのは第三回午前十時の映画祭でのことだった。
時は流れて社会人4年目が終わる頃、僕は都内から名古屋に転勤が決まった。
その少し前、とある映画好きの集まるイベントで知り合ったオタク仲間から「ナヲト君、『ヒート』好きだったよね?今度海外でスチールブックが発売されるから注文するんだけど、送料折半すればお得になるし一緒にどう?」と言われ、僕は彼の提案に乗った。
名古屋転勤をする前にそのスチールブックを渡してしまいたい、ということで送別会を兼ねた飲み会を開いてくれた彼から『ヒート』のスチールブックを受け取った数日後、僕は関東を離れた。
大学卒業時に友人が僕に合うだろうと選んでくれた作品をまんまと大好きになった僕が、別の友人からその作品のBlu-rayを受け取って生まれ育った関東を離れることになった。
この思い出深い『ヒート』という作品との出会いを導いてくれたものこそ午前十時の映画祭であり、このイベントを教えてくれた舜という友人なのだ。
一人の友人の名前をこのエントリの中で何度も連呼してしまったがそれには理由がある。
最後に彼の映画ブログのリンクを貼ろうと思っていたからだ。
今はもうあまり更新をしていないようだけど。
cinemahimitsukichi.blogspot.com
2月に友人達と彼の新居を訪ねるはずだったが、北陸に転勤になってしまったバタバタで僕だけ行くことができなかった。
また上京した際には映画談義に花を咲かせたいものだ。