文筆業を営んでいる訳ではない同世代の人間と比べれば、日本語に対しての意識は高い方だとは思う。
とは言え、自分の言葉遣いに絶対の自信があるわけではない。
自信が無いから、気になることがあれば検索する。
一年ほど前、とある言葉の用法について検索した際、日本語に関する書籍を著している方を見つけた。
その日以来その方のメルマガを購読しているのだけれど、そのメルマガで先日、とある「日本語コーパス」が紹介されていた。
「“コーパス”とは言葉に関するデータベース」……と、何となくの意味は知ったつもりでいるものの、改めて検索をしてみる。
「コトバンク」などでもその言葉の意味するところは載っていたが、「日本電子出版協会」のホームページに興味深い解説が掲載されていたので以下に引用する。
コーパスとは
言語学において統計的な分析や研究を行う目的で集められ構築された、言語テキストの集合体を指す。ラテン語で「身体」を意味する ‘corpus’ が由来。近年では電子化されデータ利用できるものがほとんどで、「電子コーパス」と同義でとらえられる。実際の書き言葉や話し言葉を言語資料として大量に集積し、それを検索して得られた結果を証拠とした言語記述を可能にしたことから、経験主義的な言語研究の発達に大きく貢献している。
「なるほど、ラテン語の「身体」を意味する言葉に由来する単語なのか」と一つ発見があった。
さて、そんな訳で本題に戻る。
そのメルマガで紹介されていた日本語コーパスが「少納言」というサービス。
最新の用例を採集したのが2008年ということで情報としてはちょっと新鮮味にかけるのが玉に瑕。
けれど1971年という比較的古い書籍をはじめとして、雑誌・新聞・教科書、さらには法律や国会会議録など様々なサンプルから、目的の語句の用例を調べることが出来る。
Yahoo!知恵袋やYahoo!ブログもソースとして選択可能ではあるが、語句の正しい使い方を調べたいなら素人の書いた文章の集積であるこの辺りは検索ソースから省くのが良いだろう。
一方で「ゼロ年代の市井の人々のリアルな言葉遣いを調べたい!」などと言った要望は、個人のブログを参照することでよりリアリティのある文章サンプルが得られて良さそう。
「KOTONOHA計画」、要チェックです。
https://clrd.ninjal.ac.jp/kotonoha.html
(「“恋しい”という単語は時代を下るにつれて用例が減っているのか!」といった発見がある)
このコーパスと合わせて紹介されていた(というか普段からそのメルマガで推薦されている)のが共同通信社記者の『記者ハンドブック』。
ちょうど本年3月に6年振りの大改訂を加えた第14版が出たばかり。
本体価格1,900円+税の本商品がAmazonで4,000円を超える金額で取り引きされているところを見るに、どうやら非常によく売れているらしい。
僕はこのブログを書くときはついつい手癖で言葉を選んでいるようなところがあるが、今後は小納言を活用してみようかな。
筋力トレーニングなどと同じく、正しいトレーニング無くして正しい文章力は身に付かないものだと思うので。
最近、webメディアに自分の文章が載るということを立て続けに味わっているので今まで以上に日本語に対する感度が高くなっている気がする。
まぁ、相変わらず誤字脱字はひどいのだけど。
小納言から派生した(?)サービスである中納言。
こちらに関しては活用本が2021年に発売されているので今アツいのかもしれない。