SNSで「はらいせ」という言葉を用いた。
ATOKが提案してきた変換候補は「腹癒せ」。
「なるほど、漢字ではこう書くのか」という発見があった。
同時に、"腹の虫の居所"の用例から、「"腹癒せ"という言葉では、"腹"単体で"機嫌"を表す言葉として使っていて、それを"癒す"ことから"腹癒せ"という一つの単語になったんだな」と推理した。
自分なりの考察が済んだら、辞書でその単語を見てみるのが僕のルーティーン。
検索してみると、こうあった。
はら‐いせ【腹▽癒せ】
《「腹を居させる」の意か。その際の歴史的仮名遣いは「はらゐせ」》怒りや恨みを他の方に向けてまぎらせ、気を晴らすこと。
え、歴史的仮名遣いがゐなら違うじゃん……
他動詞「癒やす」、自動詞「癒ゆ」で古語辞典を引いてみても、そもそも「癒(い)せ」という格変化はしない。
そうだよな……古文は大学受験の時の得意科目だったけど、「癒(い)す」なんて単語に触れた記憶ないもんな……
受験生時代でれば容易に気付けたであろうことに気づけないあたり、自分の古文スキルが著しく低下していることを痛感する。
日本語コーパス「少納言」で用例を検索してみたところ、「腹癒せ」という用例は3つしか見つからなかった。
(僕は検索をかける際、毎回「Yahoo!知恵袋」と「Yahoo!ブログ」は対象から外している)
「なるほど、以下にも当て字っぽいし、"はらいせ"の方が一般的なのかな」と思って検索してみると、こちらの用例は1つだけ。
「それなら」と、"腹いせ"で検索してみるとヒット数は52。どうやらこちらが最も一般的な表現のようだ。
ちなみに、"腹居せ"、"はらゐせ"、"腹ゐせ"の用例はヒット数0だった。
少納言↓
追伸:
ここ三つくらいのエントリでは、はてなブログに新たに加わった機能、「AIタイトルアシスト」を使っている。
記事のタイトルは自分で考えているが、検索エンジン用タイトルであったりソーシャルメディア用タイトルは個別に考えたことがなかった。
よってこれらの機能を最近お試しで使っているのだけど……
サジェストされたタイトルにある「腹むかし」って何?!