所用があり東京に出て来ている。
今まで「渋谷は臭い」「池袋は臭い」「新宿は……」という言説をインターネット上で見ても「何を大袈裟に言ってるんだか……」と思っていたものだが、富山での生活はすっかり僕を綺麗な空気に慣れさせてしまったらしい。
新宿を歩いていて臭気にあてられしまった。
これ、実は昨年ちゃん嫁と一緒に渋谷を歩いたときに実は彼女も同じように感じていたらしく、二人してちょっと落ち込んだ。
お互いド田舎とは言え神奈川県の外れに生まれ、遊ぶときは都内が当たり前という生活を暫くしてきて、その頃は町が臭いなんて思わなかったから。
渋谷はその名の通り谷になっているから湿気も臭いも溜まりがちで、センター街を歩いていると以前から臭いを感じることはあったけど、高台にある表参道の辺りでも結構臭いが気になるようになったのはショック。
まぁ雨が降る直前の纏わり付くような湿度の中、臭いを感じ取りやすい条件が揃っているだけかも知れないけれど。
都会暮らしに疲れた人が田舎暮らしをするなんてことがテレビなんかで取り上げられるけど、僕にはその生き方は出来そうにないな……
勿論、アウトドアが好きな人はその限りじゃないんだろうけど。
実際釣りが好きで山登りも趣味で……という人には富山は天国だと思うし。
東京を数年離れてみると分かるけど、東京という町はやっぱりエネルギーがあるよ。
神奈川県出身者にありがちなメンタリティけだど、東京に住みたいとは思わないまでも東京にいつでもアクセスできる場所に住みたいよね。
名古屋に暮らしているときですら「神奈川東京に帰りて〜」と思っていたので、富山は僕にとって刺激が少なすぎるな。
ただ、魚が美味しくて毎週末お刺身を食べる生活に慣れてしまっているのでこれを手放すのもちょっと辛い。
魚も美味しくて街も発展してるのは金沢だけど、北陸3県ってIMAXシアター無いので映画文化的には砂漠も同然なんすよ……
さて、今回の上京、実家に顔を出す関係もあり都内を回ることが出来るのは1日だけ。
「折角東京に来たんだからどこか特別な場所に行きたいな」などと思い、そんな自分にも愕然とした。
行動範囲の狭かった高校までは別にして、大学生になって以降は東京なんて特別でも何でもない場所だった。
それなのに今では「折角東京に来たんだから」である。
そんな訳で、「折角なので」と色々回ろうとしたけど結局そんなに足を伸ばすでも無く目的の場所を幾つか回って、今は自分のホームグランドとも言えるお店でまだ明るいうちからビールをかっ食らってゴキゲンなのである。
もう通い始めて10年近く。
名古屋で暮らしているときも、富山で暮らしている今も、東京に来たときはついつい足を運びたくなる、自分にとって特別なお店。