リビングでテレビ台に目を向けると『機獣新世紀ゾイド』のBlu-ray BOXが出しっぱなしになっていた。
僕の実家は今でこそBlu-rayレコーダーがあるが、高校に入るくらいまでDVDデッキすらなかった。
小中学生の頃の僕にとって、録画といえば専らVHSを3倍モードにして行うものだった。
『機獣新世紀ゾイド』も勿論VHSに録画をしていたのだが、これを観返すと当時番組内で流れていたCMも当然録画されている。
当時は土曜の18:00には絶対にテレビの前に待機していた。
OPを飛ばし、Aパートを録画、CMを飛ばしてBパートを録画、EDを飛ばして次回予告を録画……などと頑張っていたこともあるが、CMを飛ばした後録画を再開することを忘れてBパートが丸々録画されていなかった……などということもあったりして、結局自動録画予約に従って全編録画することの方が多かったような気もする。
後の世にBlu-ray BOXは発売されても当時流れていたCMはもちろん収録されないので、当時テレビ放送版を録画したVHSが凄く大切に感じたりするのだ。
当時のCMに関しての記憶はこちらにも軽〜くしたためた。
eibunkeicinemafreak.hateblo.jp
記憶に残っているCMの代表格はこちらの記事でも触れたポケモンパン、富士通乾電池だが、他にも『4V4嵐』(こしたてつひろ先生原作。先生の代表作といえば『レッツ&ゴー』と『ドッヂ弾平』だ)の主人公・嵐がブレードライガーの守るサッカーゴールを狙うと言うとんでもない展開の月刊コロコロコミックのCM。
そして先日強烈に思い出したのが三ツ矢サイダーのCMだ。
マウンテンバイクを飛ばす男女。女の子は憧れを抱いているであろう男子(おそらく先輩?)の背中を追いかける。悪路にタイヤを取られた女の子は転んでしまう。ぐっと歯を食いしばり、立ち上がった彼女は自転車を漕ぎ直し、自転車でジャンプする(「できた!」と言う笑顔」)。空中の彼女を画面の真ん中で捉えたカメラはスローモーションになり、ここでキャッチフレーズ!「心のシャワーだ!三ツ矢サイダー!」
こんなCMだったように思う。
最後にスウェットスーツらしき服を着た女性に男性がホースでシャワーをかけるような映像も記憶にあるのだが……
これはサーフィンをテーマにした別の三ツ矢サイダーのCMだろうか
女性ボーカルの曲で疾走感に溢れている曲調が凄く好きだったのだが、当時はインターネットも自由に使える状態ではなく、歌手も曲名も分からずじまい。
そのまま長らく記憶から失われていたが、先日社内で同僚がかけていた電話をきっかけにこの曲との再会を果たすことになった。
同僚がとある企業に電話をかけていた時のことだ。電話口の向こうで先方の電話を受けた方が担当者を呼び出しにでも行ったのだろう。電話口の向こうから保留時の音楽が流れ始めた。
その保留音楽こそ、僕がかつてとても惹かれたあの三ツ矢サイダーのCMソングだった曲なのだ!
その保留音を聞いた後は上司との同行セールス中もずっと三ツ矢サイダーのCMが脳内でリフレインしっぱなし。
定時で仕事を終え、帰宅したリビングのテレビ台の様子は冒頭で紹介した通り。
ゾイドのBlu-ray BOXを観てテレビ放送当時流れていたCMを思い出し、「三ツ矢サイダー CMソング」とGoogleで検索して探してみたところ、あっさり目当ての曲を発見できた。
インターネット様々だ。
曲名は『桜並木道』。
そしてアーティストはWhiteberry。なんと!めっちゃメジャーなアーティストだったのである!
僕らの世代で彼女らの『夏祭り』に触れたことがない言う人、いないんじゃないだろうか。
と言うことで 早速iTunes Storeへジャンプ。
聴いてみてすぐに分かった。この曲だ!
「そうそう、この曲この曲!」という懐かしさを喜ぶ気持ちと「CMサイズではなくフルサイズで聴くとこんな歌詞なのか!」という新しい発見を喜ぶ気持ちが同時に去来した。
2月の異動で今の支店に転勤して来なければこの曲との再会もなかった訳で、人生とは偶然の連続だなぁとつくづく思う。
20年前、いい曲だなぁと思いつつも正体を掴めなかったあの曲に、大凡20年ぶりに再開できた喜び。
偶然がもたらしてくれた再会に感謝しつつ、あのCMが流れていたあの頃に想いを馳せて、この曲を聴く。
まだまだ寒さの厳しい北陸に、少し早く春がきたような爽やかな気持ち。