■18:00~18:30頃
「オープニング」→ シネマランキング2020・リスナー結果
<オープニングトーク無しでいきなりリスナー投票のベスト10発表という、珍しい展開>
リスナー投票685票。過去最多!
結果発表を受けて
宇多丸さん:あ〜そうきた!ほ〜う
タカキさん:ほ〜う
宇多丸さん・タカキさん:ほ〜う
宇多丸さん:アフター
タカキさん:シックス
宇多丸さん・タカキ:ジャンクション!
宇多丸さん:メリークリスマス!
タカキさん:メリクリ!
<軽!>
(リスナーのコメカミさん、覆面さんの協力)
10位:TENET
無名さん
大作映画軒並み延期の中公開に踏み切ったテネットは映画館で観るにふさわしい作品。
映画館で複数回同じ映画を観ることは殆どしないが余りの面白さに二度鑑賞。
宇多丸さん:盛り上がり度合いはこの番組で最高潮!
ドゥエーイ!
9位:はちどり
スナッチさん
観た後に世界が変わって見えるのが良い映画の条件。
本作はそんな作品。
8位:ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
なつきさん
この世界で生きさせてくれ!と神様に頼んだ作品。
多様性を認める価値観が既にセットされていた作品。
宇多丸さん:見ている舎弟が一番先
7位:ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
名無しさん
脚本音楽……全てパーフェクト。
コロナ自粛明け初めて見た映画で思い出あり。
宇多丸さん:美術など全部がレベル高かった
6位:佐々木、イン、マイマイン
名無しさん
ちょっとしたセリフで同級生を思い出したり。
自分も誰かの佐々木になれていたのだろうかと思った。
何度も観返したい作品。
宇多丸さん:国産インディ映画は一度刺さると強度がケタ違い!
5位:フォードvsフェラーリ
レースシーンの格好良さが○!音声も映像も臨場感よし
ジッキンゲン男爵さん
アツき男達のストーリーが見たい。
古めの劇版が熱くさせる。
宇多丸さん:この順位にこの映画あがることがリスナーのセンスの良さを感じる。お目が高い。
70年代的なアメリカ映画の良さが出ている。
4位:ジョジョ・ラビット
ピータンカッシングさん
ラストシーン、生きていることの喜びを感じるラストシーンで泣いた。
世界大戦の終わりを望む様子がコロナの収束を願う今の時代とリンク。
宇多丸さん:家に閉じこもっていたところから外に出ることの喜びは確かに今の時代に合っているかも。
去年のアカデミーノミネート作は後回しされがちだが、この順位に来るのは作品のパワーを感じる。
3位:ミッドサマー
無名さん
物理的に明るくて気持ち悪い映画はなかなかない。
「観たくないけど観たい」映画。
二度目は観たくないけど素晴らしい作品。
宇多丸さん:日本で特にヒットした。
ディレクターズカット版も出たし。
無名さん
大学受験に失敗して見に行って驚いた。
妙なお祭り感でハイな気持ちで家へ帰った。
帰宅したら補欠合格の通知が届き、今はキャンパスライフ満喫中。
こんな旅行をしてみたい……?
<オープニングに収まらず、ここでムービーウォッチメンをインサート>
2位:パラサイト 半地下の家族
マーサの前の弁当屋
様々な感情が揺さぶられる作品。
宇多丸さん:オスカー作品賞は驚天動地の出来事!
1位:アルプススタンドのはしの方
テーマソング聞いただけでテンションアップ
無名さん:これ以上に完成度の高い作品はあるが、エモーションの高まりはこの作品がベスト
無名さん:普遍的青春物語と同時に、コロナでたくさんのことを諦めざるを得なかった若者たちに観てほしい作品。
宇多丸さん:図らずも今年にぴったりのメッセージ性の作品!鳥肌たった!
■18:30~18:50頃
「ムービーウォッチメン」→ 「ワンダーウーマン 1984」評
2020年50本目。以前その日に紹介した『スカイフォール』がグランプリを獲得したこともあったが、今年は果たして……?
評価する意見とそうでない意見が半々。
たこやろうさん:
絶賛に加算。前作の最良の部分「優しさは常に強さに勝る」というメッセージが透徹されていた。真実をこそ大切なものだとするメッセージは現代へのメッセージ?
マックスは「男らしさ」の呪いに、「成長」という強迫観念に囚われていた。行き過ぎた資本主義の象徴?
「強さ」ではなく「優しさ」ゆえに人はヒーローになれるというメッセージ。
「近道」への誘惑と失敗、真実をこそ大切なものと捉える作品。
アメリカ大統領選とそれに伴った陰謀論を思うと、交換延期が功を奏した。
リチャードドナー版スーパーマンを彷彿させる。
アルピコさん:
DCEUの起死回生の一作だった前作『ワンダーウーマン』。
期待を込めて観てみたが……
宇多丸さん:
前作はパティ・ジェンキンス監督が女性監督の撮ったスーパーヒーロームービーとして興行的にも作品的にも成功した。
リチャード・ドナーに師事した人物も参加。
『マンダロリアン』で活躍中のペドロ・パスカルがドナルド・トランプに寄せた役作りでマックスを演じる。
冒頭のセミッシラのシーン。宇多丸さんは前作では冗長に感じたが、今回は楽しんで観られた。シルクから連れてきた人の本物のアクション、超人オリンピック、各種ギミックは目に楽しかった。
<宇多丸さんは楽しんで見られたということだったが、僕は今作の冒頭も冗長に感じてしまった。もっと短くできたのでは……>
ガル・ガドットはクリストファー・リーヴ級の「ど真ん中」ヒーローを演じるに足る女優だと思うが、今までのテーマ曲の方がそれには合っていた。
今作のテーマ曲はオーケストラチックな=ジョン・ウィリアムズ的なアレンジがなされており、これもクリストファー・リーヴのスーパーマンに寄せ過ぎてしまったのではないか。
ショッピングモールは80年代のアメリカ資本主義の象徴。
子供を人質に取った仲間を諫める強盗団のボスが作品全体の陽性感の演出に一役買っている実は大事なシーン。
今作はスライディングを多用したアクションなど、「ワンダーウーマン」らしさが存分に出ており、前作までのザック・スナイダーテイストよりも合っていると思う。
骨董品の中にキーアイテムが紛れているというのも80年代らしさがある。
クリスパインのトレバー復活には飲み込めない部分があるが、この作品は「寓話」と思って観るべき。
今作最高のポイントは柱の影に隠れた二人、柱の影から走り出すダイアナ、「君のことをずっと愛しているよ」という声だけが届き、走るダイアナのスピードが加速していく=力が戻る。
そして飛行という新能力の目覚めはトレバーとの思い出が彼女の中に残っていることの現れ。この演出が最高!
飛行ポーズはクリストファー・リーヴ版スーパーマンリスペクト。
作品の欠点:バーバラのエピソードが消化されていない。
暗闇でのチーターとの戦いは悪い意味でのDCEUらしさが出ている。
ガル・ガドットのワンダーウーマンは素晴らしかったというのは賛否どちらの意見を寄せてくれたリスナーでも共通。
ガル・ガドットは今世界で一番美しさの持つ説得力を体現した女優なのでは?
(世界では公開を見送られた国も多いだけに)今映画館でこの作品を鑑賞できる幸せを噛みしめんがら鑑賞すべし!
■19:00~19:25頃
「LIVE & DIRECT」→ DJ大自然のクリスマスmix
TBSRADIO After6Junction
— アフター6ジャンクション(聴くカルチャー番組) (@after6junction) 2020年12月25日
Live&Direct DJ大自然 Christmas Song Mix#DJ大自然#DJDAISHIZEN#utamaru#tbsradio pic.twitter.com/7bjrC4ktPt
■19:40~19:50頃
「新概念提唱型投稿コーナー」→ シネマランキング2020・部門別
(映画に順位はつけるべきじゃない……)という宇多丸さんの小声がこだまするジングルに笑うwww
「去年の映画感が強いので実質一位だけど……」な部門
『パラサイト』、『ミッドサマー』
「週刊文春エンタ!」の仕事の関係で去年鑑賞。
「最低」悪役部門
『フォードvsフェラーリ』ジョシュ・ルーカス演じたレオ・ビーブ
『ブルータルジャスティス』の悪役なども考えたが……
実人生における汎用性が高いので選出。「あの会社のレオ・ビーブ」「TBSラジオのレオ・ビーブ」とか。
「ベストアダプテーション」部門
『異端の鳥』原作のもつ問題点を払拭した最高の映像化作品
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
『82年生まれキムジヨン』
『アルプススタンドのはしの方』
詳細は公式書き起こし参照
「新人」部門 (脚本監督)
『37セカンズ』 ひかりさん
『はちどり』 キムボラさん
『エイスグレード』 ボー・バーナムさん
『ホテルムンバイ』 アンソニー・マラスさん
いずれもこれが長編デビュー?!というクオリティ
『ベストバイプレーヤー』部門
『37seconds』 『佐々木、イン、マイマイン』
萩原みのりさん
今泉力哉監督『街の上で』出演決まっている。
「ベストOP・ED」部門
『1917命をかけた伝令』
宇多丸さんの映画批評全体がそれを述べている。EDを見たとき位OPを思い出し震えた
「ベストラブシーン」「ベスト食事シーン」部門
『ボーダー二つの世界』
ラブシーンと食事シーンがこの作品の本質。映像で突きつけてくる。
タカキ:あのつまんで食べるやつ最高だったな〜
「ベスト楽曲」部門
ブルータルジャスティス
「ベスト100点」部門(新設)
『ウルフウォーカー』
ベスト10には入っていないが100点である、と伝えたい!
シネマ流行語大賞
「キャッツだキャッツ」
<『TENET』のドウェ〜イ!を抑えて!マジか!>
■20:00~20:50頃
「ビヨンドザカルチャー」→ ライムスター宇多丸のシネマランキング2020/山本アナと北村紗衣ランキング
さえぼうさん 配信含めて100本ちょい越え
映画舞台が配信になり、自宅で「今日は何をみようかな」という感じ
5位:フロート・ライク・ア・バタフライ
アイルランド映画。私以外誰も見ていない買い付けもされていない?非定住民「トラベラー」の暮らしを描いたボクシング作品。
タイトルは「蝶のように舞う」というモハメド・アリの言葉から。アイルランドでは賞を取った。
4位:ペイン・アンド・グローリー
アントニオ・バンデラス主演。病気になった映画監督が出てくる。私の若草物語と重なる構成。現在と過去が交錯する作品。最後にそれがつながる構造。しっとりした作品だが笑うところも。
3位:幸せへの回り道
フレット・ロジャースというアメリカ子供番組をした人をトムハンクスが演じる。
聖人のように崇められる人物を取材するが、本当に素晴らしい癒しのテクニックに自分のtら馬を解決する方向に進む。
セミムージカル的な面白い構成。クリス・クーパーが歌う。父と子のドラマ。
「男性ジェンダー」を描いた作品でもある。抱え込んだストレスを誰にも話せない男性からフレットが聞き出し、癒す作品。
2位:ハスラーズ
バーレスクが好き。ストリッパーを撮ったはあるが、ポールダンスを正面から取った作品は少ない。ダンス映画として好きな作品。ストリップをダイナミックなダンスとしてしっかり撮っていた。
宇多丸さん:最初は全くできなかったジェニファー・ロペスが銀幕の中ではちゃんとやれている。その成長に感動!
1位:ハーレイ・クインの華麗なる覚醒
今年一番個人的なものとして受け取れたセリフ「私博士号もっているのにみんなが私をバカ扱いする」。
派手な服、ひらひらした服は博士号を持っていてもバカ扱いされる。
博士号持っていても難しい単語を書けなかったりするところにハーレイの可愛さ、リアリティが。
※第6〜10位は放課後Podcastnにて。
お知らせ:1月末に共訳著書が出版される。『コンバージェンスカルチャー』SW、マトリックスなどの作品においてメディアファンダムがどういった役割を果たしているか。
山本アナのベスト10
ウォッチメン作品50本全て鑑賞!
10位:アンカット・ダイヤモンド
9位:透明人間
8位:異端の鳥
7位:ボーダー 二つの世界
6位:グッド・ボーイズ
5位:リチャード・ジュエル
4位:1917 命をかけた伝令
3位:ミッドサマー
2位:パラサイト 半地下の家族
1位:ブルータル・ジャスティス
1位:ブルータルジャスティス
S・クレイグ・ザラー大好き。結局一位。食事が引っ掛かった作品が上位入り。ドライな世界観、ユーモアが最高。真顔でボケてツッコミがない、あのコンビが最高!間をたっぷりとってBG無し、松本人志さんの「笑ってはいけない」シリーズ的な。
食事シーンの画角が最高!車中、トニー寄りの斜めから撮ってる。心も距離も引いている。
暗がりから絶妙な表情を浮かべている。
とにかく面白いし、美味しそうな食事シーン。咀嚼音、心地よい音がBGなしで味わえる。
漏れる鼻息も堪能できる!
トニーの食事、実は上品。食事の途中でナプキンで口を拭いたり。鼻息が漏れるのは口を閉じて食事をしていることの現れ。
ブレットにミントタブレットを勧めることに説得力を与えている。
マイ塩持参というこだわり!不意に取り出すときに笑ってしまうし、塩を振るときの「シャカシャカ」という音も聞こえてくる。(6回鳴らしている)
音もユーモアも詰まった最高の食事シーン。
宇多丸さん:バディで仲良しなのに言葉では罵り合っている
「これ聞いている人、『ブルータルジャシティス』をグルメ映画だと思ってない?」という宇多丸さんのセリフが最高www
<僕が聴いているのを横から聴いていた嫁さんが「私この人と絶対一緒に食事したくない」といってるのが面白かった>
2位:パラサイト
ジャージャーラーメンのシーン、準備から食事シーンまで最高!
モダンでおしゃれな家でジャージャーラーメン、めっちゃ目立つ!「Yeah!」と思った。
真っ白な高級感のある食器に映えるジャンクな食事。
夜食としてマダムが食べる背徳感。ちょっと残していることに「わかってる、ポン・ジュノさん!」と思った。
短くなった麺が器の中で寄せられているのに、それをかっ込んでは食べないセレブマダムの食事への向き合い方がわかる。
3位:ミッドサマー
大自然の中不穏な空気感も最高。黄色い謎のドリンクの製造工程も最高!
何が入っているかわからない、怪しんだけど心地よい食事シーン・調理シーン。
宇多丸さん:食卓の虫とか
タカキ:そこも語りたいの!
※Podcastの別冊アフターシックスジャンクションには規定でタカキが参加できないため、他の作品に関しては来週コメント!
宇多丸さんのベスト10
パラサイト、ミッドサマーは実質1位。100点作品ウルフウォーカーもある、というなかでのベスと10。
10位:イグジット
公開自体は昨年の韓国映画。緩いところもある、これより立派な映画もたくさんある。
DVD、ブルーレイウォッチメン期間に観たので、普段なら見逃していたかも。
必死に人助け、利他的行動。「俺も逃げたい……けどあそこに人がいる〜!」
昨年公開なので入れないつもりだったが、これを外しては自分のベスト10じゃなくなってしまう!
9位:佐々木インマイマイン
さえぼうさんにとってのハーレイのような感じ。
かつての旧友を思い出した。これも自分のベスト10を考えたとき不可欠
8位:37Seconds
見たときはベストだった。ベスト10に入れることを早期に決めた。
ベスト10に入れた上で部門賞最多?これからひかりさんに脚光が当たるはず。
7位:ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒
自分のベスト10を考えたときいれたかった。
スタジオライカ作品。製作費をかけたのに大コケしたという悪評が先に立ってしまっているが、前瞬間最高。これぞ映像作品を観ること、眼福。
価値観のアップデートを描いた作品、それもおじさん側のアップデートを描いている。自分ごととして見られた。
6位:アンカットダイアモンド
ダニエル・ロパティンのサントラが印象的。サントラ購入してしまった。アナログ版のジャケットがいけてる。リビングの目立つ場所に飾っている。
今までにない新しい語り口の映画。見たことのないエンディング。
ネトフリ配信作品ということで、今年を思い出す上で不可欠な作品。
トップファイブは順番の入れ替えこそあれど顔ぶれはすぐに決まった。
5位:燃ゆる女の肖像
先週評したばかり。星取りの時点で満点つけた。何度見返しても完璧じゃない?
映画というメディアの根本的な語り口を映画の歴史で新たな地平を切り開いて見せた。
4位:ブックスマート
近年の青春映画の豊作期
ポリコレ、MeTooなどを通じた価値観アップデート。子供たちに「正しさ」を説く西周映画は価値観のアップデートが早い。
他人へのレッテル貼りで自分の平静を保つことの愚かさ。誰もが必死に生きていることを爆笑まじりに伝えてくれる。
本作以降で意地悪な子の描き方が変わってしまうのではないか。
自分が大好きな『ロミー&ミッシェル』を過去のものにした。
オリヴィア・ワイルドのHIPHOP使いの巧みさ。
3位:ブルータルジャスティス
エスクレイグザラー大好き!反時代的な監督の日本初上映作品。
放題には物申したい。「ジャスティス……?」
2位:はちどり
恐るべきスケールの新人監督。イ・チャンドンなどと並べられるレベルの監督。
この作品の選出には「82年生まれキム・ジヨン」も入っているものとお考えください。
フェミニズム的視点、『その名をあばけ』など作品で厚かてきたそういったものを含めての評価。
1位:透明人間
「俺の考える完全映画」。見た瞬間に「あ、今年の一位はこれかな」と感じた。
透明人間のアップデートそて「これっきゃない、でも誰も思いつかなかった」という。最初から最後まで最高だった。
すべてを兼ね備えている。
■21:00配信
「Spotify podcast限定・別冊アフター6ジャンクション」→Audio Movie新作「夜のミステリー」脚本・監督の三宅隆太と橋本吉史Pが解説トーク!