映文計

映画と文房具と時計、好きなものから1文字ずつもらって「映文計」。映画のことを中心に日々綴っていきます。

11/23(火) アトロク秋の推薦図書月間

曜日パートナーによる書籍紹介スタート!第1回は宇垣さん!

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18:00〜 宇垣さんによる入魂の1冊

〜皆さん、生き急いではいませんか?私達は皆ゆっくり走る練習が必要だ〜チョン・ソンラン著:『千個の青』(カン・パンファ訳)

 
 
 
 
 
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この番組では韓国文学、SF文学を沢山紹介してきた。なら、「韓国SFはどうだろう?」と言うことで紹介。

作者が影響を受けた作品を聴かれる度に『デジモンアドベンチャー』と答えてきた(BGM:Butter-fly)。

ここだけで「はい、好き!」となったという宇垣さん。

 

作品設定は身近なところにロボットが溢れている世界。

町にはゴミ拾いロボがいてコンビニ店員をロボットが務めるというような世界。この世界では競馬騎手すらロボットが務めるという設定。

人間よりも軽いロボットが騎手を務めるようになったことで競走馬の負担が減ったが、競走馬の「トゥデイ」出走回数の多さからヒザを壊してしまう。

これ以上騎乗してはトゥデイに安楽死を招いてしまう、とロボット騎手は自らの意思で落馬。自らも故障してしまう……

その一体と一頭と出会うのは車椅子の少女とロボット作りの天才の少女の姉妹。

 

人間のために命を消費される動物、車椅子と言うだけでこの世に生きる上での壁が存在する

格好良いシスターフッド・ストーリーにもなっている。

 

キムチョヨプ短編集『私たちが光の速さで進めないなら』という韓国SF短編集に触れたことで「韓国SFって面白い!」となり、その世界に浸っていった。

 

韓国SFには障害者、シングルマザー、移民など、主人公が「マイノリティ」である作品が多くあり、「とっても"私達の物語"だな」と思える。

短編集には『はちどり』の監督によって実写映画化が決定している作品も。

 

 

18:30〜 漫画大好き芸人・吉川きっちょむさんによる推薦図書

 

 
 
 
 
 
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年間1000冊読破する漫画通。中学時代、ベルギーにいた際友人を通じて知った『寄生獣』がきっかけで漫画の魅力にハマる。

ちばてつや賞、モーニング月間賞など、新人賞のチェックも欠かさない。

後に売れた際に「コイツあの作者じゃん!」となれるのが醍醐味。

 

〜今一番人に勧めたい。キャラ良し絵良しストーリー良し、ラブコメにSFオカルトアクション、全部乗せした神漫画〜龍 幸伸(たつ ゆきのぶ)著:『ダンダダン』

 

オカルティック怪奇バトルマンガ。

 

SPY×FAMILY』、『怪獣八号』に続くジャンプ+の看板作品に。

 

連載が始まる前から知っていた作品。
林 士平さんという編集者のTwitterで知る。チェンソーマン、地獄楽の担当。両作のメインアシスタントを務めた先生による待望の新連載作品!と言うことで「絶対面白いじゃん!」と思って午前零時に更新されると同時に読み始めた。

前述の通り「全部乗せ」であるが、根っこにあるのはラブコメ

ウルトラマンなどで知られる成田亨さんのデザインが凄く好きで、細密なクリーチャーデザインはその影響が垣間見える。

過去に恋愛漫画を100作読んでから恋愛漫画を描いたこともあり、恋愛漫画・少女漫画の文法を少年漫画にぶち込んだような作品。

 

たつ先生はもともと天才的に絵が上手かった。就活できずにコンビニバイトをしていた際、レシートの裏に落書きしていたのを同僚に見られ「絵上手いじゃん。漫画家になったら?」という言葉を受けて漫画家を目指すことに。

 

吉川さんとしては『ダンダダン』は本年度トップ3に入る作品。

一番は『ルックバック』、次点で『青野くんに触りたいから死にたい』だったが、双方ともアトロクで既に紹介されていたので、これはもう『ダンダダン』だろう!と。

 

捨て回が無い作品なのでジャンプ+で連載で追い掛けるべき作品。

Twitterに作者自ら生原稿を載せており、「これを全てアナログで描いているのか!」と驚くことしきり。

また、YouTubeには作画動画もアップされている。

単行本は現行2巻まで、12/3に第3巻発売!

 

「皆さん、生き急いではいませんか?私達は皆ゆっくり走る練習が必要だ〜チョン・ソンラン著:『千個の青』」という宇垣さんの読みが、その前のキャッキャしたテンションとは全然違う感じで大変に良かった。