宇多丸さん:毎回ひろたさんに紹介されなければ知ることがなかった作品と出会えるので楽しみ。
前回は8/17。フェスのシーズンに合わせて最強の絵本のセットリストを教えていただいた。
芸人・絵本作家 ひろたあきらさんによる書籍紹介。
入魂の一冊
捲っているのはもはや紙ではない。仕掛け絵本の世界。
駒形 克己さん“BLUE TO BLUE”
MOMAでの発売をきっかけに世界に活躍の場を移していく。
駒形さんの展覧会に足を運んだ際にミュージアムショップで見つけてシビれた作品。1994年発売。
著者の有名な一作として“LITTLE TREE”がある。
“Little Tree”。
本作で以前から知っていた。7,000円ほどする大型の仕掛け絵本。
ページを捲る毎に木が生長していく。
他にも沢山の絵本を出しているが、その殆どが仕掛け絵本。
仕掛けのバリエーションも豊富。
絵本に関わる方で知らない人はいない程の有名人。
駒形さんは元グラフィックデザイナー。絵本作家はグラフィックデザイナーが多い。ミッフィーの原作者など。
“BLUE TO BLUE”
魚の本。本の中に空いた丸い穴から全てのページの一部が覗いており、紙の重なりで波を表現している。
1Pは表紙と同じ素材の紙を採用。
ページを捲ると魚の形に切られたページがある。
ページ毎にそのページに合った素材の紙が採用されている。
捲っているのはページではなく「水」。
水を捲りながらサケの気持になって水を旅していくような本。
宇多丸さん:飛び出す絵本じゃないのに奥行きを感じる
ひろたさん:魚が一枚の紙で表現されているため、影が出来る。それが立体感を生む。
日比さん:捲ると影がユラユラ揺れて、まるで魚が波に揺れているみたいですね。
宇多丸さん:ページをめくることで海草の中を掻い潜って進むような感覚がある!
(紹介を終え、思わず宇多丸さん・日比さん拍手)
ひろたさん:非常に繊細な細工が施されているため、子供は破いてしまいそうに思える。
しかし筆者は「壊すことも学びだ」と考えている。
破ってしまった時に「もっと大切に使用」と学べる。
自分も買ってからは自然と袋に入れてから本棚にしまうなど、他の本よりもかなり大事に扱っている。
宇多丸さん:見た目は薄いのに、こんなに奥行きを感じるとは……何か(テーマパークなどの)ライドに乗ったような感覚。
ひろたさん:今絵本の中を泳いでいただいたので、今度は空を飛んでいただこうかと。
とぶえほん: ほっきょくからみなみのしまへ
鳥の形をしている本。
北極を飛び立った鳥が暖かい南を目指していく。
日比さん:鳥が飛んでいる姿を上から見下ろしているような……
「鳥瞰」視点で北極から南の島へ空を移動する様を追体験できる。
宇多丸さん:高所恐怖症だからちょっと怖い
あっちとこっち
箱の中に蛇腹状のカードが四つ。
蛇腹状の紙に描かれた絵を角度を変えてみることで、怒った表情から笑った表情に変化して見えたり。
見る角度によって違ったものが見える。
物事の多面性のメタファー?
【前回】