何の気なしに書いていたエントリだったけど、今日が海の日だと気がついて急いで今日中にアップしようと書き上げた。
HODINKEEを覗いてみたら、滅茶苦茶にゴキゲンなダイバーズモデルを見付けてしまった。
このシチズンのプロマスターだ。
HODINKEEの記事の一枚目の写真が素敵すぎて、僕の目は釘付けになってしまった。
時計に興味を持ち始めたばかりの頃、僕はラバーバンドの時計には一切食指が動かなかった。
それが通勤列車の中でサラリーマンの左手首に光る時計を毎日見たり、或いは時計情報にアンテナを張るのを一切やめた時期を挟んだりして、気が付くと僕の中にベルトの材質に対する先入観は無くなったのだった。
上の記事の一枚目の写真の何が僕の琴線に触れたのかとあらためて見てみると、その色合いが僕のイメージする「夏」に近いからだと気付かされた。
天気予報でお天気お姉さんが「今日の最高気温は30℃を超えるでしょう」と言ったら「今日は暑いから気を付けてね」と母が注意を促すような、「あの頃の夏」のことだ。
僕が幼少期を過ごした四半世紀前の夏休みは、まだ外で遊ぶことができた。
最高気温が40℃に届かんとする日を連日迎える昨今、令和の子供達は表で遊べるのだろうか。
夏休み期間中に設けられたプール開放日は友達を誘って喜び勇んで自転車で駆けつけた。
水筒を自転車のかごに放り込んで、幼馴染みと二人で自転車で隣町まで出掛けたのも夏休みだったか。
そんな思い出を宿題の絵日記にしたためるとき、空にも水面にも使える「水色」のクーピーや色鉛筆は夏休みのスター選手だった。
HODINKEEの記事を見ていると、二枚目以降のピンナップ写真は青みの強い一枚目とは印象が異なり、白みが強く出ている。
これは背景や現像する人のクセによる部分も大きいかも知れないけれど、太陽光のもとでは白っぽく見えるような調色をしているのかも知れない。国内流通がないので売り場で実物を見る機会に恵まれそうもないけれど、そんなことを考えるのも楽しい。
ベルトばかりではなく、フェイスにも目を向けてみる。
深海をイメージさせる文字盤の深い紺色の美しさもさることながら、インデックスのフチがベルトの色と韻を踏むようにライトブルーで彩られているのも軽快さを醸し出していて目に楽しい。
ウィメンズモデルらしいが、37mmのサイズ径は男性がコンパクトに身に着けるのにも違和感のないサイズだし、むしろ僕はこれくらいのサイズの時計の方がセクシーで好きだ。
4時位置に配置されたリューズとデイト窓も良いし、オレンジ色の長針も全体をピリリと引き締めていて素敵だ。
そんな滅茶苦茶クールなこのモデルだけど、残念な点は日本での発売が予定されていないところ。
「え〜!勿体ない!」
そうだよね〜。勿体ないよね〜。
仕方がないので海外の公式サイトを載せておく。
海外のCITIZEN公式サイトを見ていて気が付いたことがある。商品写真の下に”Try It On“と書いてあるのだ。
試しに押してみたところ、QRコードが現れた。
そのQRコードを読み取るとカメラが起動される。自分の腕〜手首をカメラに収めると大きさを自動認識し、購入を検討しているモデルの写真を生成して手首に合わせてくれる。
eコマースが当たり前のこの時代、購入した商品が大きかった、小さかったという事態になって返品などされようものなら売り手にとっても痛手。
そんな事態にならないための方策としても有効だし、消費者の側は自分のイメージ通りの商品を購入できるので良いユーザーエクスペリエンスを得たと感じてくれる。
商品の売り手にも買い手にも良いサービスだなと思った。
同じくダイバーズモデルで日本で発売されているものだと、このオルカは可愛い。
フェイスデザインと呼応するかのような洒脱なベゼルの造形は、2022年にグッドデザイン賞を受賞したというのも納得の美しさ。
クジラすら屠る獰猛な海の王者シャチのイメージを自分の手首に纏う。トリトンみたいな感覚だろうか。
ケースサイズは46mmということで、僕が身につけるにはかなり大きなモデルではあるけれど、デザインの美しさには惹かれる。
シャチの体表の色に近い黒いモデルも良いし、主張しすぎない良い色合いの青いモデルも今のモードに合っていて素敵だ。
当初日本では販売されていなかったモデルだが、この度日本でも販売されるようになった。最初に紹介した水色のダイバーズも同じように逆輸入的に日本での販売が決定しないかな……
弟は何年か前にスキューバダイビングのライセンスを取得していて、海洋生物も好きなので「こんなモデルがあるよ」と何ヶ月か前にオルカを紹介してみた。
すると「200mに対応してるのすげぇ!」と返ってきた。時計好きからすればダイバーズウォッチは当たり前の存在だけど、そうでない者からすると200mの水圧に耐えられる機構を持った時計があることすら初耳だったようだ。
紛いなりにもダイバーであればダイバーズウォッチの存在くらい聞いたことがありそうなものだけれども。
6月、雨の降りしきる梅雨時から川や海に出掛ける機会も増える7〜8月は、高度な防水機能を有するダイバーズウォッチが日常生活で最も輝くシーズン。
キャンプ場でザブザブと手を洗ってどれだけ水が跳ねようとも、子供から水鉄砲をかけられようともモーマンタイという安心感はきっとダイバーズをあなたのチームのスタメンに押し上げる何よりの原動力になるはず。
湿度と気温のダブルパンチで耐え難い蒸し暑さに曝される日本の夏。
僕は見た目にも涼やかな水色のベルトのをみにまとって夏場を乗り切りたいので、やっぱり最初に紹介した水色のベルトのプロマスターダイバーズレを相棒に迎えたいな。
海の日にバチピタで良いでしょ。
ちなみに、オルカのフェイスは暗闇でこんな風に発行するらしい。
シャチの体の模様のような部分と針の色が違うのが妖しげで良いな……